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ぜんそく(喘息)



 運動誘発性喘息

運動中または運動終了後5-10分後に喘息発作が起きる形の喘息です。
 
ここでの運動というのは、軽い散歩のようなものではありません。一般的には、持久走のようなある程度、体に負荷がかかり、呼吸数が増えて、息がハーハーとするような強さの運動をいいます。このような運動約10分行うと運動誘発性ぜんそくは起きやすくなります。これは運動に伴う過呼吸により気道の表面の水分が失われたり、冷やされたりすることにより、気道が反応して、その結果気道の細胞や神経が関与して、起こると考えられています。ですから真冬の冷たく、湿度が低い日に、頑張ってマラソンなどを行うと起きやすくなるといえます。
 
一方、激しい運動であっても、屋内プール(26度、湿度80%以上)での水泳のような環境で行うと、この運動誘発性ぜんそくはきにくくなります。ですから喘息児の鍛錬療法として、水泳が昔から経験的に勧められているのです。(ちなみに、屋外であろうと屋内プールであろうと、水面から30cm以内では湿度は90%以上であることが知られています。吸入しながら運動をしているようなものです!)しかしながら水泳といえども、喘息が重症な場合には、水泳中に喘息も起きる場合がありますので、注意が必要です。
 
お薬による予防法としては、運動の10―15分前にインタールという吸入をしたり、気管支拡張薬を飲んでおくことにより、かなりの場合、予防することができます。これで予防できない場合には、抗ロイコトリエンを使用するか、またはしばらくの間、吸入ステロイドを吸入し、気道の反応性を下げておくと、うまくいく場合もあります。
 
冬などの通勤や通学の際にこの運動誘発喘息が起きる場合には、マスクなどをして冷たい空気が直接気道に入らないようにするとうまく行く場合もあります。
 
持久的な運動すると起きやすいわけですから、運動をインターバル形式にすると起きにくい場合もあります。
 
この運動誘発性ぜんそくは、気管が敏感であるほど起きやすくなります。ですから慣れた専門医は、この運動誘発性喘息が起きている患者さんの気管は、過敏になっているというように考え、しっかり薬物治療をすることを行うのが一般的です。
 
軽症のぜんそくではこの運動誘発性ぜんそくは10%くらいにしか起きませんが、喘息が中等症になると50-60%、重症喘息になると80%以上の方がこの運動誘発ぜんそくを起こすといわれています。
 
運動誘発性ぜんそくが出なくなったら気管の気道の敏感さがとれてきたと考えてよいでしょう。
 
前回のロサンゼルスオリンピックの時に、アメリカの医師団の調査によれば、オリンピックに出場したアメリカの選手の中で、約40人の選手がこの運動誘発性ぜんそくを持っていながら、良い成績でメダルを取ったというデータがあります。ですからこの運動誘発喘息喘息が起きたとしても専門医と相談して、きちんと管理してもらえばまったく支障なしに運動をすることができます。

2014/8/13