家庭でできるアレルギー治療
チリダニ対策
[チリダニの好む環境条件]
気温20℃以上(20~30℃) ・湿度60%~80% ・高温多湿を好むため、特に7~9月にかけて増殖が盛んとなります。チリダニは人や動物の垢、フケなどの動物性タンパク質を食べます。人の血を吸うわけではないので、一般家庭ではたくさんいたとしてもその存在に気づきにくいのです。近年の住宅事情によって増えたタイトビルディング(いわゆる密閉型の建築)は、チリダニにとっては繁殖に好都合な環境になっています。
現段階において可能な限りの対策法について、ポイントごとに紹介します。
住居内でダニの多い場所
歓喜と掃除機
部屋の換気が悪いと、湿度はますます高くなりダニが成育しやすくなります。そのため、換気に気をつけ、冬でもこまめに窓を開け、新鮮な空気を取り込みましょう。
また、ダニの餌となる人間フケやカベ物のカス、ほこりなどを掃除機で吸引することが大切です。使う掃除機は210W以上で紙パック式ゴミ袋使用のタイプを。フィルターの高性能なものを選びましょう。原則して、1㎡20秒以上の時間をかけてください。ゴミパックはこまめに替えてください。
寝室
家中ピカピカに磨き上げたくなる気持ちはわかりますが、それでは1日中掃除に明け暮れてしまい、主婦の負担が大きい。掃除のターゲットは、1日の3分の1を過ごす寝室と考え、ここを重点的に掃除するようにしましょう。
カーペット
カーペットはチリダニの温床です。特に、畳の上にカーペットを敷くと畳とカーペットの間が高温多湿になるため絶好の温床となります。敷かないに越したことはないのですが、マンション等で階下への音漏れ防止のためにどうしても敷かざるを得ない場合もあります。
その場合は…、
・なるべく毛足の短いものにする ⇒長い程ダニが奥に入り込み、掃除機をかけても取り除きにくくなるため。
・寝室だけでも敷かないようにする。
・まめに掃除機をかける。⇒裏もかける。
・洗えるものは55度(ダニの死滅温度)以上のお湯で洗う。
布団
天日干しの有効性については、一定したデータがありません。むしろ、表面だけが熱くなるとチリダニが奥へ入りこみ、奥の適温の部分でチリダニが生息しやすい状況をあたえかねません。
対策としては、
・1週間に1回、布団の表裏を日にさらす。
・布団を叩くのは,最低限にする。⇒叩くだけではチリダニは取れない。叩いてもよいが、むしろ大事なのは次に説明する掃除機をかけることである。
・敷く時あるいは、寝る前に掃除機をかける。
・年1回程度、丸洗いをするとよい。
・羽毛布団はなるべくやめる。 ⇒動物性繊維であるため、チリダニの好む環境となってしまう可能性がある。
・薬剤を使用した防ダニ繊維布団は、JIS企画がなく、その有効性に付いては確かなデータはない。
・最も有効なのは、防ダニシーツ。⇒ 繊維を密に編み、ダニやその死骸を寝具に入らないようにする効果が高い。
羽毛
毛布は綿などを選びこまめに洗濯をしてください。衣類乾燥機にかけことで高熱でチリダニを死滅させることができます。乾燥後はダニの市外を掃除機で吸い取ります。
枕・シーツ・カバー類
そばがら、パンヤ、羽根枕はダメ。お勧めは、プラスチックビーズタイプ。これだとメッシュの袋ごと洗いやすい。シーツは防ダニシーツをおすすめします。洗濯は週に1度を目安にしましょう。
ホットカーペット
使わない方がよいのですが、使う場合は、カバーをかけることが望ましいでしょう。そしてカバーは定期的に取り外し、洗うことが大切です。
また、中央部は温度が上昇してチリダニが死滅しますが、周囲(四隅)は温度が上がりにくいため、チリダニがつきやすいので、注意が必要です。
ペット塁
ペットは子どもの情緒面からみると、良い影響がありますが、アレルギーという目を通してみると勧められません。犬や猫などの毛のあるペットは飼わない方がよいでしょう。
加湿器
近年のタイトビルディングでは、むしろ結露が問題となっているので、あまり必要とされません。加湿器に関しては程度の問題で、湿度が30%を切るようなら適度に使うようにすればよいでしょう。
空は清浄機
使用すれば、特に寝室ではある程度の効果は認められます。使うならば、ヘパフィルターのものがお勧めです。
ぬいぐるみ
チリダニの宝庫であるため、本来はアレルギー児の身辺には置かないほうがよい。しかし、小児から愛着のあるぬいぐるみを無理に取り上げると、後に心理的問題の原因となることがあるため、どうしてもという場合は洗うようにしましょう。3~4ヶ月に1度は洗うことが大切です。
洗い方は、ウール製品を洗うのと同じように、中性洗剤を入れたぬるま湯に1時間つけ、その後手でもみ荒いします。流水で10分間すすぎ、脱水時はバスタオルにくるんでネットに入れます。干すときは陰干しにします。
畳とダニ殺虫剤・抗カビ薬
畳の表面、内部にチリダニはいます。積極的に掃除機をかけ、できればふき掃除をします。
古い畳や湿気の多い畳はチリダニが増加します。密閉式住宅で半日以上閉め切った場合は、除湿機かエアコンのドライ機能で除湿しましょう。部屋の湿度は60%以下に抑えることがポイントです。また、年に1~2度の畳の天日干しも有効です。
また、畳に針を差し込むタイプの殺虫剤が出回っていますが、安全性は確立されていません。乳児などがいる場合は、ハイハイなどをすることも考えると、使わないほうがよいと思われます。
また、カビが生えるところにはチリダニが増えますが、市販の抗カビ薬は刺激が強く、気道にも良くないのでお勧めできません。
ソファー
布製は避け、使うならば合成皮革または皮製のものにしましょう。すでに、布製のものがある場合は、カバーをかけるようにしてください。できれば1~2週に1度はカバーを55度以上のお湯で洗ってください。
ソファーは、フローリングの部屋に直置きとし、畳やカーペットの上におかない。キャスターをつけ、下も掃除機をかけるようにしましょう。
ベット
スプリング式ベッドがお勧めです。ダニ予防の意味でも間にベットパットを使うことを忘れずに。ベッドパッドは週1回程度洗いましょう。マットレスは掃除機をかけ月に1度は干しましょう。なお、ベッド下をひきだしにすると、湿気や埃がたまり、チリダニ発生の原因となりますので、もったいなくてもベッド下は空間を空けておく方がよいでしょう。
カーテン
カーテンは薄手のもの1枚にし、床につかないものを選びましょう。
押入れ
押入れは湿気がこもりがちです。すのこや除湿剤の使用などで除湿対策をしましょう。また、使っていないフトンでも月に1度は天日干しし掃除機かけをし、真空パックにて保存しましょう。
観葉植物
花粉の飛ばないものを選び、こまめにほこりを払いましょう。
アレルギー疾患の各病気を説明していきます。