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アトピー性皮膚炎



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 アトピー性皮膚炎とは?

皮膚のバリアー機能

 
アトピー性皮膚炎の皮膚の特徴を一言で言うと皮膚のバリアー機能の低下です。
このため皮膚の水分が保持しにくくなりドライスキンになりやすくなります。外からの細菌の侵入により炎症を起こしたり、ビールスの侵入によりにすぐ感染したり、ヘルペスが悪化したりします。
 
このバリアー機能の低下の原因としては食物アレルギー、チリダニ、心理的ストレスなどがあります。この原因は個人により異なるので充分に検討して治療方針を決めます。
 
ステロイド軟膏やステロイドクリームの副作用が話題になりますが、それは多くの場合不適切な使用法のために起こると考えられます。またアトピー性皮膚炎の治療の基礎となるスキンケアーについても正しい知識を持つことも重要です。
 
近年小児のみならず、成人発症型のアトピー性皮膚炎が増加しています。
小児の場合には、乳幼児期には食物によるアトピー性皮膚炎、作用サイコロからハウスダストによる悪化、思春期以降成人期には心理的ストレスが誘因となることが多い。
 
治療にはドライスキンの治療と湿疹の治療が中心となります。
ステロイド軟膏はこの病気に対しての特効薬の1つがあるが、使ってすぐやめてしまうという誤った使用法のために、皮膚の病変が再発するため、ステロイドはよくない強いというような誤った概念が広まっている場合が多いと言えます。通常の治療があまりうまくいかなかったり、再発したりすることにより、医療不信となり、民間療法が広まる場合がよく見られます。
 
皮膚病変が強い場合には、抗アレルギー薬を使用して痒み抑え、ドライスキンには保湿剤を用い、それでも皮膚の炎症が取れないときにステロイド軟膏注意して使用する。ステロイド軟膏は対症療法にすぎないためするだけで治療しようと思わずに同時に原因を突きとめ、それを身辺から取り除く努力を常にしておく必要があります。
 
気管支喘息は1960年頃から増加しました。したがって一口で言うと喘息についての知識は約40年間の蓄積があります。特に1980年代後半から高性能の気管支内視鏡を用いて気管支の粘膜を容易にかつ安全に採取する検査や、気管支肺胞洗浄などの検査により喘息の患者さんの気管支の粘膜の状態が詳しくわかるようになり、治療の方針がより明らかとなってきました。一方、それに反してアトピー性皮膚炎はこの15-20年間で増加し、この10年間で特に増え、小児だけなく成人の重症のアトピー性皮膚炎が急増しました。アトピー性皮膚炎についての医学知識は現時点では不十分であり、わからない点が喘息に比べて圧倒的に多いといえます。
 
お医者さんによって病気についての説明に大きな差があったり、極端な場合にはまったく正反対の指示をされたりすることもあるようです。その結果として患者さんやその保護者の方たちの不安感、不信感がつのったことも事実です。さらにおよびステロイド軟膏、ステロイドクリームの不適切な使用と副作用の問題がマスコミをにぎわせました。このような状況下で高価な民間療法が出回る事となりました。
 
民間療法については患者さんごとの相性があるため、一概には否定できませんが、非常に高価であるもの、2週間使っても症状の改善がないものについてはその使用を検討する必要があります。
 
このような混乱した状況を何とかしなければいけないということで皮膚科とアレルギー科では考え方に差は無く、共通の考え方でアトピー性皮膚炎を治療していますという基本的コンセプトをもとに「アトピー性皮膚炎、コンセンサスアップデイト」という本を出版しました。皮膚科のまとめ役は京都大学皮膚科教授宮地先生、アレルギー科は私です。この本は医師向けなので内容を今後分かりやすく解説していきます。

2014/8/13