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アナフィラシキー



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 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

食物依存性運動誘発性アナフィラキシーとは、特定の食物を食べたあと1~2時間以内に比較的激しい運動、たとえば持久走などのように心拍数が1分間に100~130以上になるような持久的な運動をしたときに起こる激烈なアレルギー反応のことです。
 
皮膚に発疹が出たり、血圧が下がったり、重症の場合はショック状態になり、呼吸困難になったりすることがよく見られます。この病気のために道で倒れていて原因不明で救急車で病院に運ばれる例も見られます。そのため、適切な処置を素早く行わないと死に至ることもまれではありません。
 
これは特定の食物、魚介類や各種の小麦製品(麺類など)、メロン、キウィ、メロンなどの果物、セロリやトマトなどの野菜、ナッツ類など各種の食物が原因となることが報告されています。しかしそれ以外にもさまざまな食物で起こる場合があります。
 
特定の食物との因果関係が重要なため、もしこの症状と思われるものが出現した場合には、その前に食べた食物や飲み物などをその種類だけで良いですから、きちんとメモしておいてください。
そのようなことが数回繰り返されれば、原因の食物は探しやすくなります。
しかしながら何割かの場合は原因の食物が分からないにもかかわらず症状が出る場合もあります。
 

アナフィラキシー

 

予防として…

 
誘因と思われる食べ物を運動前に食べないことです。
 
薬物による予防的治療にはこれといった決め手はありません。
経口インタールは食物中の原因たんぱく質の吸収を抑制するといわれていますが、その予防効果には個人差が大きく、確実な治療法とは言いにくい面もあります。
 
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を毎日内服するという方法もあります。また、近年新しいタイプの抗アレルギー薬がありますのでそれを試すという方法もあります。
 
一般的に使われる内服薬としてセレスタミンというお薬がよく用いられます。これはステロイド薬と抗ヒスタミン薬の合剤です。ステロイド薬はアトピー性皮膚炎と関連付けられて、不安を持つ方も少なくありませんが、ステロイドホルモンというのは体の生命を維持するのに一瞬たりとも不可欠なホルモンで、私たちの体の中で常に産生されています。ショック状態になった体を救うためには、このステロイドホルモンを内服したり、注射する以外方法がありません。もちろん強心剤も使用しますがこれは内服薬では適当なものがないため、救急室で注射してもらう方法がよいのです。
 

対策として…

 
(1)病院で検査を受け、疑わしい食べ物に対して体が反応するような抗体を持っているかどうかを調べます。
(2)常時、非常用の内服薬を持ち歩きます。外食をした際に突然にこの反応がおきたときには、すぐその薬を内服して救急病院に行くというような指導をしてあります。実際にそのような状況になってしまい、薬を飲んで救急病院に行き、ことなきを得たという場合も少なくありません。
 
あまりに症状が激烈な場合には、アメリカで行われていますが、強心剤の自己注射を行います。常時の強心剤を持ち歩き、何かあった時に自分で筋肉注射をします。
この自己注射は怖がる必要はありません。糖尿病の患者さんがインシュリンを自分で毎日注射(自己注射)したり、成長ホルモンを低身長の患者さんや保護者が家庭で注射することは広く行われています。
専門医の下で正しい指導を受ければ危険性はありません。恐れることはありません。
 
いずれにせよアレルギー専門医とよく相談して不慮の事故の際に落ち着いて処置ができる方法をについて指導受け、適切にお薬を自分で選択して使用できるように普段から準備しておくことが必要です。
 
アナフィラキシーの場合、8割から9割の患者さんは原因がはっきりしていますが、約2割くらいは原因がはっきりしません。 その多くは特定の食物が疑われますが、検査をしても明確な結果は出てきません。可能性としては食物の中に含まれる何らかの添加物も疑われますが、それをきちんと見つけ出し証明できた例はありませんでした。
 
アナフィラキシーが起きた時の治療は待ったなしの真剣勝負です。しかも先手必勝です。
早期治療はすべての病気の大原則ですが、アナフィラキシーの治療はこの一言に尽きます。
お薬の使用が早ければ早いほど症状は抑えられます。それは消火作業と全く同じです。
ボヤで消し止めれば、大したことの無い小さな小火でも、燃え広がれば家全体が燃えてしまいます。
 
アナフィラキシー型の反応は体の中のその記憶はかなり強く、湿疹などが食物アレルギーで出る場合とかなり異なります。
通常のアトピー性皮膚炎の場合の食物制限は6カ月とか1-2年が多いといえます。
アナフィラキシーの場合にはその体の記憶はもっと長く数年以上はかかります。しかしながら、私がケアーしていた患者さんの何人か、例えば乳児期に球を投げただけでショックになるお子さんも、現在20代半ばや30歳になっている方も何人かいますが、少しは食べれるようになっています。
 
今でこそお子さんの場合、原因が分らないとはいえ、いずれ原因が見つかるかもしれませんし、成長につれて軽快しないと誰が断言できましょう。子供は成長しています。それは身長や体重だけが増えるのではなく、体のさまざまな機能、免疫の機能も同様に発達していくものです。従ってアレルギー反応も徐々に薄紙をはぐように軽くなっていく場合が必ずあると信じて、毎日希望を持って過ごしていただきたいと思います。あなたがそのことで不必要に悲しんだり、愚痴を言ったり、将来についてい希望は無いなどということをお子さんの前でいうことは百害あって一利なしです。母親は子供にとって1番大事な存在です。
その母親がこの問題に対している不安になったり希望を失ったりして、暗く沈んだ顔になるということは子供にとって病気以上に心の負担となります。親子で希望を持って強く生きることをおすすめします。

2014/8/13