200人くらい入る階段教室の学会場で、マイク無しでしゃべるのです。4週間のトレーニングで、指導医からもっと大きな声でしゃべれとか、子音の発音もしっかり、とかさまざまのトレーニングを受けましたが、まさかマイク無しでしゃべると思いませんでした。確かにイギリス人は人前でしゃべるということを非常に大事にします。でもマイクなしとは、余りといえば、あんまりだ! でも4週間の涙の特訓の成果のため無事終了しました。 2年後日本に帰国後、アメリカのアレルギー学会に毎年、参加するようになりました。アメリカの学会は原稿を読んでも一向に差し支えないので、しゃべりやすいといつも感じていました。口演の後の質疑応答というのは1種の斬り合いのようなものです。相手が切り込んでくるその太刀筋を受け止めた、受け流したりしながら、こちらの主張をしっかりと発言します。どうもこちらが不利な時にはまず開口1番< I take your point.>と相手の質問はもっともですといって相手を持ち上げ、その後 <but,….> と自分の得意な方へ話を引っ張り込んで、自分の陣地で戦えばよいのです。要するに慣れてくると、なかなか面白いものです。