麻疹について|世田谷区用賀の内科・呼吸器内科・脳神経内科・アレルギー科|用賀砧公園はるかぜ内科クリニック

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麻疹について

麻疹について|世田谷区用賀の内科・呼吸器内科・脳神経内科・アレルギー科|用賀砧公園はるかぜ内科クリニック

2026年6月26日


最近、はしか(麻疹)の報道が増えていますね。

「マスクしていれば大丈夫」

「かかってもそこまで重症化しないはず」

と思っていませんか?

まずは・・

麻疹は「空気感染」するため

通常のマスクでは防ぐことができません

(もちろん、他の感染症と同様に「飛沫感染」「接触感染」もできます)

ですので麻疹は、インフルエンザや新型コロナウイルスとは比べものにならないほど、

強力な感染力を持っています。


 ・インフルエンザ:   1人の感染者から「約1〜2人」にうつる
 ・新型コロナウイルス: 1人の感染者から「約2〜3人」にうつる
 ・はしか(麻疹):    1人の感染者から「約12〜18人」にうつる

麻疹と同じように「空気感染」する感染症は、結核、水痘のみです。

麻疹は同じ空間にいただけでも、

免疫がなければ約90%の人が感染する

といわれています。



なぜ「麻疹(はしか)」は怖いのか?

たとえ感染力が強くても

症状がひどくなければ大丈夫。

そう思っていませんか?


麻疹は「ただの発疹が出るカゼ」ではありません。
特に命に関わる代表的な合併症の確率とリスクは以下の通りです。

① 肺炎(最大の死亡原因) 麻疹患者の約5%(20人に1人)
はしかによる死亡原因の約6割を占める[*1]
・大人が発症すると急激に重症化しやすい[*2]
・妊婦は5人に1人が合併し、致死率は4%にのぼる[*3]


② 脳炎(最も恐ろしい急性期症状) 約0.1%(1,000人に1人)
・発疹の数日後に激しい頭痛や意識障害が起こる
脳炎になった人の10〜15%が死亡する[*4]
・命が助かっても約25%に重い後遺症が残る[*4]


③ SSPE(亜急性硬化性全脳炎)
(忘れた頃にやってくる難病)
数千人に1人※5歳未満は約1,300人に1人
・はしかが治ってから数年〜10年後に突然発症
・脳細胞がゆっくり破壊され、確実に命に関わる難病[*5]
特に小さい子どもほど発症リスクが跳ね上がる


特にはしかが治った数年後に脳細胞が破壊される

③ SSPE は以前は10万人に1人と言われていましたが、

近年の解析では

小さな子どもが自然感染すると約1,300人に1人

という高い確率で発症することが分かってきました。

そして、麻疹(はしか)ウイルスを

直接退治する薬(特効薬)は存在しません

できるのは、熱を下げたり酸素を吸入したりする

「対症療法」だけです。

(麻疹患者さんと濃厚接触したことがわかっていれば、

72時間以内に予防接種をうけることは可能です。

(ただ、家族や職場などで麻疹のかたがいて濃厚接触しご連絡がいかない限り、

接触したかどうかはだれにもわかりません。。

潜伏期間は10~21日もありますので、発症して気づいた時には72時間はとうに過ぎてます。)

これらのことから、麻疹の予防接種非常に重要となります。

接種歴がないかたや、1回しか接種したしたことのないかた

抗体が少ないかたなどは 

是非接種することをおすすめしています。



ワクチンでどれくらい防げる?驚きの発症・重症化予防データ


「はしかのワクチンって、本当に効果があるの?」

疑問に思う方もいるかもしれません。

日本感染症学会等のデータによると、

麻疹のワクチンは群を抜いて高い効果を持っています。

① 発症を予防する確率(発症予防率)


 1回接種:約93% 〜 95% の人が免疫を獲得
 2回接種:約97% 〜 99% の人が免疫を獲得

2回の接種をしっかりと完了していれば、

97%以上の確率で感染・発症を完全に防ぐことができます。

② 万が一かかった時の「重症化予防効果」


2回接種していても、ごく稀に感染してしまう

「ブレイクスルー感染(修飾麻疹)」

が起こることがあります。

しかしワクチンを打っていれば万が一発症しても

劇的な予防効果を発揮します。


国際的な大規模データ(Cochrane調査など)によると、

未接種の人に比べて以下の効果が確認されています。


 入院リスク:90%減(10分の1に激減)[*6]
 肺炎などの重い呼吸器症状:82%減[*6]

さらに、体内のウイルス量が非常に少なくなるため、

「周りの人にうつす危険(二次感染)もほとんどなくなる」

という大きなメリットがあります[*4]。



「世代別」はしか危険度チェック

【危険度:高】1972年1月以前に生まれた方

定期接種の制度がなかった世代です。

すでに自然感染して免疫がある方も多いですが、かかった記憶がない方は最も注意が必要です。

【危険度:中】1972年〜1990年生まれの方(現在30代半ば〜50代前半)

国の制度により、「ワクチン接種が1回だけ」の世代です。

時間の経過とともに免疫が弱まっている(切れている)可能性が非常に高いです。

【危険度:低】1990年4月以降に生まれた方

原則として「2回接種」を終えている世代です。

基本的には強い免疫を持っています。

ただ接種したかどうかはご家庭によって異なりますし、

抗体がつきやすいかどうかは人によって異なるかと思います。

心配な場合は検査してみるのもありかと思います。


まだワクチンを打てない赤ちゃんを守るためにも、

周りの大人(特に30〜50代の1回接種世代)がしっかりと免疫を持つことが大切です。



当院でできること
「ワクチンを打ったか分からない」

「免疫があるか心配」という方は、

当院で以下の対応が可能です。


抗体検査(血液検査): 体に免疫が残っているかを調べます。

【費用:4,500円】


MR(麻疹風疹混合)ワクチン接種: 不足している免疫を補います。【費用:10,000円】


*2026年7月1日~ 19歳以上59歳以下のかたでは

麻疹に対する検査・予防接種の助成が開始しますので

無料でできることがあります。

詳しくはお知らせや世田谷区のホームページ

https://www.city.setagaya.lg.jp/02015/33021.html

をご覧ください。




【参考文献】

[*1] Duke T, et al. Int J Tuberc Lung Dis. 2003 (麻疹死亡例の56-86%が呼吸器合併症)

[*2] 日本感染症学会誌 75巻11号 (成人麻疹肺炎の重症化リスクについて)

[*3] UNICEF Europe and Central Asia “How dangerous is measles?” (妊婦の合併症率18%、致死率4%)

[*4] 厚生労働省・国立感染症研究所「麻疹Q&A / リスクアセスメント」

[*5] 難病情報センター / 国立感染症研究所(IASR)「亜急性硬化性全脳炎の発生状況」

[*6] Cochrane Database Syst Rev. 2020 (MMRワクチンの入院・呼吸器合併症予防効果データ)

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