◆◆「ぜんそく」とは そもそも何なのでしょう?◆◆|用賀砧公園はるかぜ呼吸器・内科クリニック|世田谷区の呼吸器・アレルギー内科・脳神経内科

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◆◆「ぜんそく」とは そもそも何なのでしょう?◆◆

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2025年11月25日

はじめに 

 コラムを書くにあたって、どんなテーマにするか、なにを書くか考えているうちに開業し半年も経ってしまっていました。

 呼吸器やアレルギー、脳神経内科の病気ごとに少しずつ書いていこうか、検査について書こうか、季節に合わせて毎月書こうか、など・・・

 クリニックをはじめて半年たった今、患者さんから色んなことを質問されることも多く、

『なるほど、こういうことを本当はもっと時間をかけてしっかり説明していったほうがいいんだな』

『説明したけど分かってもらえただろうか』 など感じることが増えてきましたので、

 まずは日々の診察で、患者さんからよく聞かれることをテーマに、少しずつ書いていこうと思います。

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 「ぜんそく」とは、そもそも、なんなのですか? 

当院には、「長引くせき」の患者さんも多くいらっしゃり、

その中には初めて「ぜんそく」と言われたかたもいらっしゃいます。

検査をし、治療をし、初めて診断された「ぜんそく」。いったいどんな病気なのか?

  

  なんとなくわかっているようで、知らなかった「ぜんそく」

  聞いたことはあるけど、具体的にはなんなのか知らない。

まずは、「ぜんそく」とは・・簡単に説明をしていきたいと思います。

みなさんが想像しやすい「ぜんそく」は、

『ヒューヒュー、ゼイゼイするような呼吸が苦しくなる病気』

だと思います。それも正解の一つです。

それ以外にも、

『胸やのどのあたりが苦しい感じがする』

『空気が吸えていないような感じがする』

と言われるかたもいますし、

クリニックで圧倒的に多いのは

『カゼをひくと1か月以上、「せき」が長引くことがよくある』

『季節の変わり目や、寒くなってくると「せき」が出てとまらない』

のような「せき」症状のみのかたです。

これは、気道(空気の通り道)慢性的な・・

つまり、症状があるときも、無いときもずっと

アレルギーなどによる炎症が存在するために起きているといわれています。

   「ぜんそく」は、「気管支(空気のとおりみち)の慢性的な炎症」が原因で

   空気の通り道がむくんだり、狭まったりする病気

ポイントは、

「症状がない時でも、実はずっと存在している炎症であること」

「【せき】だけ、と思っていても同じことがおきている」 

ところでしょうか

気管支の「炎症」 とはどうなっていることか、イメージしにくいと思いますので、

絵で参考になればと思います。 

(手や足をケガして、赤く腫れたことはありませんか? 「炎症」自体のおおよそのイメージをつけるためで言うと、そんな感じです。)

下は、「ぜんそく」の患者さんの気管支(空気の通り道)の状態を表した図です。

引用;一般社団法人 日本アレルギー学会 成人のぜん息Q&A https://www.jsaweb.jp/modules/citizen_qa/index.php?content_id=3

一番左の気管支は、ツルっとしてきれいな感じですが(あくまでイメージ)、

真ん中⇒一番右 の気管支になるにつれ、

でこぼこして、むくんで、狭くなっているのがわかります。

『真ん中の気管支は、「ぜんそく」の患者さんで、症状が出てひどい時のものですよね?』

いいえ、そうではありません! 

無治療下で(もしくは治療中でもコントロールがうまくいっていない)

「ぜんそく」の患者さんは、

発作が出ていないときでも、

真ん中の気管支のように炎症が続いている状態です。

これは、「せき」だけの「ぜんそく」患者さんも同様です。

この状態が継続し、治療を行わずに増悪を繰り返しているうちに、

リモデリングというものがおこると言われており、

初めは治療により一番左のような気管支に戻せていたのに、

炎症が継続することでだんだん気管支が固くなり、狭くなったまま戻らなくなってしまう

ことがわかっています。

今まで行っていた治療も効果が乏しくなっていきます。

「症状がおさまっても、吸入を続けましょうね」と言われても、

「セキは良くなったから」「苦しくないから」と、すぐやめてしまいがちですが、

上の図を思い出していただけると、少し続けてみようと思えるかもしれません。

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