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HOME | Q&Aシステム | カテゴリー別 6.アナフィラキシー Q1~Q50

カテゴリー別Q&A


 
 
 

Q20 食物アレルギーについて

 
はじめて利用させていただきます。お忙しいとはおもいますがどうぞよろしくおねがいいたします。
 
現在7ヶ月になる息子のことで相談します。
生まれてから1ヶ月くらいまでは混合で育て、その後完全母乳になりました。
私が外出する時など、月に1回ほどミルクをあげていました。
5ヶ月半の時にミルクを200ml飲んだ後、15分後には顔面が真っ赤になり、全身に膨りゅう疹ができ(HPのアナフィラキシーのような湿疹)、大量に嘔吐しました。
近所の総合病院の小児科を受診した時(飲んでから30分後くらい)には赤みはだいぶひいており、ミルクアレルギーだろうと言われました。
 
その後、アレルギー科のある病院で、血液検査をしてもらったところ、卵白・カゼイン 3 ミルク 2の結果が出て、医師の指示で私が(完全母乳のため)卵・乳の除去食をしています。
除去食を始めてから、それまで顔にあった湿疹が良くなってきたように思います。
負荷試験を行ってはいませんが、このまま除去を続けていったほうがよいのでしょうか?
  
また最近読んだ食物アレルギーの本2冊に「食物アレルギーは脳にも影響があり、落ち着きのない子どもになる。」
と書かれており心配しています。実際にそのようなことがあるのでしょうか?
 

A20 アナフィラキシー

 
 牛乳蛋白によるアナフィラキシーと考えられます。
アナフィラキシーの場合は、お勧めは牛乳アレルギー用のミルクに切り替えることです。というのはアナフィラキシーの場合は1歳までは牛乳をカットしたほうが安全です、その後、検査や負荷試験をして、牛乳がまた飲めるかチェックしますが、アナフィラキシー型は抜けるのに時間がかかる場合が少なくありません。例えば、皮膚の発疹だjけであれば、6ヶ月の負荷試験の結果で、また摂取できるようになる場合は少なくありません。しかし、アナフィラキシーの場合は、その期間がもっと長い場合が多いのです。
 
 牛乳アレルギー用のミルクはアレルギーを起こす牛乳蛋白を、アミノ酸にまで分解してあるので、あじ、においがよくないのです。従って、離乳が始まり舌が物の味に慣れてくると、赤ちゃんは嫌がって飲まない場合が、よくあります。
 このような場合、成長に必要なカルシウムが不足しがちになり、将来、栄養に関する心配事を引きおこしかねません。
 食物アレルギーと脳の影響については、まだ医学的根拠は世界の学会でも確認されていません。また私が35年間の臨床生活でも食物アレルギーで知能に問題があったケースはありません。食物アレルギーでも一流大学に入ったお子さんは沢山います。あまりこの点は心配することはありません。この本のいっていることは、多動のお子さんの原因の一つに食物アレルギーが関与することがあるという意味です。多動自体わからないことが多いので、過度に心配する必要はありません。
 
 それよりも、今一番大事なことは、牛乳アレルギー用のミルクへの切り替えを行うかどうかの判断が、お子さんの将来を考えたときに、最も、早急に決めるべきことでしょう。
 
8/24
早々のお返事ありがとうございます。
また、お電話をいただいたのに、出れずに申し訳ありませんでした。
 
牛乳アレルギー用のミルクは準備をしており、少量ずつ試しています。
アレルギー用のミルクも、元は牛乳なので、しばらく飲ませていると合わなくなってくると聞きました。
また、母乳を一度やめてしまうと、合わなくなってから再開することが難しいとのことで、私が除去食にして母乳を続けてきました。
 
やはり、アレルギー用のミルクにスッパリと切り替えたほうが良いのですね。
できれば母乳でと、私自身頑張ってきましたが、子供のために今日からでもミルクにしようと思います。
先生に相談し、本当に良かったです。ありがとうございました。
 
8/24回答メール
牛乳アレルギー用のミルク
 
アレルギー用のミルクも、元は牛乳なので、しばらく飲ませていると合わなくなってくるということについての医学的根拠はまったくありません。
 
牛乳アレルギー用のミルクのおススメは森永のニューMA1とビーンスターク・スノーのペプディエットです。これは平均分子量が300で最大分子量が1000です。
 
これらよりも分解度が低いものは2つあります。森永のMW-mi と明治のミルフィーです。
 
当クリニックではアナフィラキシーを起こした方は牛乳蛋白の平均分子量が最も小さい(言い換えれば最もアレルギーを起こしにくい)、ニューMA1かまたはペプディエットを使用しています。
 
 平均分子量が大きいと、比較的に味がややよくなりますが、アレルギーは起こしやすくなります。
 
8/27
お忙しい中、お返事ありがとうございます。
 
8/25より、アレルギー用ミルクに切り替えるため1日5回の授乳のうち3回をミルクにしてみました。
25・26日は飲んだ後、何もアレルギー症状はありませんでした。
今日(27日)、7時に200ml、11時に離乳食後に160ml飲みました。
11時に飲ませた後、しきりに顔をかきはじめ、機嫌が悪くなりました。
また、両目周囲・こめかみ・おでこがあかくなりました。
 
これはアレルギーを起こしているのでしょうか?
ミルクは以前に購入していた森永のMA-miです。
 
何度も、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 
8/27 回答メール
直接、拝見しているわけではないので、断定的なことはなんともいえませんが、数日間置いて、再度同じことを行い、同じようなことが起きれば、MA-mi が合わないのです、これを負荷試験といいま
す。
 
食物負荷試験はショックになる場合が、時にあるので、基本的には病院で行います。
 
今回、もしMA-mi による反応だとしたら、2回目はより強い反応になる可能性があります。従って、疑わしい場合は、病院での負荷試験が必要です。
 
当クリニックの患者さんならば、危険性を考えて、クリニックで行います。
 


Q19 ショック後の体調について

 
先日はお世話になり、ありがとうございました。
 
昨年の8月にアナフィラキシーショックを起こし、危うく命を落とすところだったのですが、その後の体調がずっと勝れないので気になっています。体力が一気に落ち、日常生活がままなりません。
 
今まで診ていただいていた医師には精神的な問題(鬱)だと言われ、あまり取り合ってもらえませんでしたが、精神科の医師からは違うのではないかと言われています。
 
職業柄(バレエ講師です)なので、踊ることがきつくてたまらないのです。踊っていると直ぐに心臓が痛くなってしまいます。何度か循環器内科で検査をしましたが異常は無かったです。
 
ショック状態に陥ったとき後、血圧が50程度で、まだ歩くことさえできない状態で帰宅させられました。その時の後遺症が今でも残っている、という可能性は考えられますでしょうか?
 
お忙しい中大変申し訳ございませんが宜しくお願いいたします。
 

A19 アナフィラキシー

 
 アナフィラキシーは体にかなり負担がかかります。したがって、アナフィラキシー発作後には翌日、翌々日までも脱力感や倦怠感が残る場合は少なくありません。
 
 しかし、この状態が半年以上も持続するようなことはまず無いでしょう。そのような状態があるとすればそれは、別の原因の可能性が高いといえるでしょう。
 


Q18 息子のアレルギー症状について

 
初めて、ホームページを拝見させていただきました。
 
息子は卵のアレルギーがあり、微量でも食べると蕁麻疹、嘔吐、下痢などの症状が出ますので、完全除去しております。(卵白、オボムコイドはランク4、卵黄はランク3、最近のIgEは2830という結果でした)
 
先週の土曜日に、所属している野球チームの練習中に、咳をしているので、風邪を引いたりはしていませんでしたので、気になって近くに呼んで見ました。すると首のTシャツから出ている部分だけに蕁麻疹(蚊にさされた腫れが大きくなっていくつも連なっているような感じ)になっていたので、これまでも汗をかくと蕁麻疹が出ることはよくあったので、冷やしたタオルを巻いて様子を見ていました。本人は蚊に刺されたみたいだと話していました。軽い咳は続いていました。
 
これまで何度か卵を食べてしまったときは、腕も足も腹部も内側の皮膚のうすい部分全体に蕁麻疹が出ましたし、その日は手持ちの弁当しか食べさせていませんでしたので卵が原因でない確信がありました。
 
そのまま様子を見ていると今度は両ほほにも軽く同じような腫れが出てきて、次第に両耳も腫れかかってきました。そこで、卵をたべてしまった時のためにもらっておいた飲み薬(プレドニゾロン、ペリアクチン、アレジオンの混合)を飲ませましたが、咳き込みも続いていましたし、耳はパンパンに腫れてきて、耳が聞こえにくいようなことも訴えましたので、近くの病院に救急でかかり処置していただき、(エピネフリン、メチルプレドニゾロンなど)症状は落ち着きました。消化器の症状はまったくありませんでした。その後二日経過しますが、今は元気にしております。
 
これまでの卵のときとは違って、首から上だけの蕁麻疹のような腫れ、咳き込みを伴ったことはまったく初めてのケースでした。ただ、はじめ首がかゆくて蚊に刺されたといってはいたのですが、本当に蚊だったのか(蚊が近くに飛んでおりましたが)、蕁麻疹の出はじめをそのように感じたのかははっきりしておりません。これまで蚊にさされたことはありますが、特に腫れがひどくなったり、治りにくかったことはありません。(こちらのQ&Aで拝見した蚊アレルギーとも症状が違うようです・・・)
 
救急で見ていただいた病院ではアレルギーの専門の医師がいなかったため、今後専門医に見ていただくよう勧められています。
画像では記録していなかったのですが、今回の首から上に限られた蕁麻疹のようなアレルギー症状について、何か考えられることがあればお教えいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

A18 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
食物依存性運動誘発性アナフィラキシーが疑われます。
この説明は、HPの中の病気知識に食物依存性運動誘発性アナフィラキシーとして出ています。またアナフィラキシーのこうもくもご参考になるでしょう。
 
お話から判断すると以下のようになります。
以前よりコリン性ジンマシンがでる体質だった。今回は、おそらく夏の疲れ、体調不良、過労などの免疫力を弱めるような背景があったかもしれません。または、運動前に食べたものが引き金になり、脈拍が140以上になるような、ある程度以上の負荷がかかると食物依存性運動誘発性アナフィラキシーが出やすくなります。(散歩でも出る方はいますが。)
 
このような場合は、ふだんから非常用の内服薬を常時、携帯することがお勧めです。救急でエピネフリン、メチルプレドニゾロンを注射したというこkとは、アナフィラキシー状態だったと考えられます。このような場合、エピネフリンの自己注射(エピペン)が一つの選択です。
 
このようにご説明すると、ご心配になると思いますが、原因がわかれば、対策も立ちます。早期発見、早期治療ができれば、この病気は決して怖くありません。しっかり対策を立てましょう。
 


Q17 検査すべきでしょうか。

 
2ヶ月前と、2日前の2度、アナフィラキシーのような症状が出ました。
1度目はピザを食べた後歩いていたら全身にじんましんが現れ、頭がくらくらしたため、皮膚科で注射を受けました。2度目は焼き菓子を食べた後歩いていたら、全身にじんましんが現れ、意識がもうろうとしてあるけない状態になりました。このときは日本ではなかったため、病院にもいけず、ただ這うようにしてたどり着いたベッドで休みました。
 
現在は韓国に滞在中(留学中)で、保険にも入っていないためすぐに病院に行くことはできません。
来月はじめに日本へ帰るのですが、検査を受けた方がよろしいでしょうか。また、検査費用はどのくらいかかるのでしょうか。帰国まで気をつけるべきことなどありましたら、教えてください。
海外にいるため、大変心細いです。よろしくお願いいたします。
 

A17 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
 この病気が強く疑われます。この疾患いついてはこのHPの病気知識の中のアナフィラキシーの項目をお読みください。
 お話からすると小麦が怪しいようです。血液検査と非常用の内服薬と場合によってはHPの中の説明にあるエピペン自己注射などがお勧めです。 
 アナフィラキシーはきちんと対策を立てていれば、恐れる必要はありません。現在、当クリニックではこのエピペンを常時携帯している方は40数人いらっしゃいます。実際の使用例も数人いらっしゃいます。
 
これらの方々は安全に使用されて無事にアナフィラキシーを乗り切られています。
 


Q16 食物依存性運動誘発アナフィラキシー

 
 中2に息子は先週、給食を食べて5時間目の体育でサッカーをし、授業終了直後に目の痛み、腫れ、全身にじんましんが出始め、学校から花粉症がひどいと連絡を受けてかけつけたときには目は腫れ上がって開くこともできず、足下もおぼつかず、しゃべることもままならない状態でした。これはただならぬ状況だとその足で近所の内科(たまたまアレルギー科もある個人開業医さんでした)にとびこみ、注射と点滴で事なきを得ました。先生が食べ物と運動で起きるアナフィラキシーがあると説明してくださり、ネットで調べるとまさしく食物依存性運動誘発アナフィラキシーだったと納得しいたしました。
 
 小さい頃はアトピー性皮膚炎がひどかったのですが、保育園に入る頃には皮膚炎はなくなっていました。そう言えば最近、時々じんましんになっていました。秋に1度少し酷いじんましんが出ましたが、それも5時間目体育の後でした。
 
 今回お聞きしたいのは、アナフィラキシーを起こした後、その程度にもよるのかもしれませんが、どのくらいで身体が正常に戻るのでしょうか。点滴で、目と口の周りの腫れが残り、それ以外の全身の目に見える症状はひきました。先生は目の腫れが引くまでは安静にと仰いまして、3~4日後には目の腫れもほぼ引きました。子供は部活動(野球)をしたがっています。目安があれば教えてください。また、今後、できれば食物依存性運動誘発アナフィラキシーに詳しい先生に診て頂きたいのですが、愛知県でどなたかご存じでしたらご紹介下さいますようお願いいたします。
 

A16 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
 この病名が疑われます。まず誘因となる原因食物のチェックが必要でしょう。それがわかれば、注意点を絞ることができます。
 一般的にはこれが起きた場合には、ステロイドの内服を早く使用して、速やかに治すことが大事です。
 
名古屋大学小児科助教授 坂本龍雄先生 052-744-2294 は知人です。温厚な先生です。永倉の紹介とおっしゃってください。紹介状が必要ならば書いてあげます。(大学は必要かもしれません。)
 
3/9 お礼メール
ありがとうございました。明日早速行って参ります。心より感謝申し上げます。
 


Q15 食物依存性運動アナフィラキシー

 
こんにちは。
私の同じ年の妻が食物依存性運動アナフィラキシー(小麦)の検査中です
ハンバーガー、焼きソバ、惣菜パン、で一回ずつ食べた後に運動したら体中に蕁麻疹が出て、嘔吐、下痢時によっては意識が薄れたり血圧低下がありました。三回とも救急車で病院には運びました。
 
精神的な物だと診断されていたのですが、3回も起こる事に納得がいかず、知り合いの精神科師にその様なケースの有無を尋ねたところ、非常にケースが稀 その先生は、その様なケースに出くわした事が無いと言う事なので、今回は強く理由を探って頂き、上記の様な病気では無いかと診断されました。
現在、疑わしい小麦を摂取する事を止められていますが、はっきり言いまして非常に困難を極めます。
パンやパスタのように如何にもという小麦類は避けようがありますが、カレーのルウ 餃子の皮 調味料・・・ 完璧にと言うのは、まだ一週間しかたってませんが、厳しいと痛感しております。
 
まだ小麦という検査結果が出たわけでは無いのですが、 どの様な治療方法が一番日常生活に問題ない範囲で考えられますでしょうか?
また、仕事等をしても良いのでしょうか?(求職中です)
来週に検査結果と今後の治療について話を聞いてくるのですが、その前に先生のお知恵をお借りして知識を多少なりとも詰め込んでおきたいと思います。
宜しくお願いします。
 

A15 食物依存性運動アナフィラキシー

 
 3回の負荷試験で3回とも同じようなアナフィラキシーを起こしていることから考えると、まず食物依存性運動アナフィラキシーと思われます。
 3回の食事に共通なものは、小麦です。小麦による食物依存性運動アナフィラキシーでしょう。これ以上の同様の負荷試験は、場合によっては生命の危険すら考えられます。お勧めできません。
 
 当クリニックには食物依存性運動アナフィラキシーの患者さんが10数名が通院中ですが、原因食物がはっきりしない場合も少なくありません。奥様の場合、お話から小麦が強く疑われます。小麦が誘引となる場合は比較的多く見られます。
 
 小麦の摂取だけでは、食物依存性運動アナフィラキシーがおきなければ、注意して少量食べることも不可能ではありません。一定以上の摂取量と「運動がミックスして出る場合もありますが、体調によっては、少量の小麦摂取後の軽い運動、タトエバウィンドーショッピングくらいのブラブラ歩きでも起きる場合があります。しかし、一般的には脈拍が1分間に120回を越すような、ハーハーするような運動以上の負荷がかかると発症する場合が多いのです。
 
 救急治療としては、エピペンという自己注射があります。当クリニックでは、食物依存性運動アナフィラキシーをはじめとして、アナフィラキシーを起こす方には基本的に全員、持っていただいています。英国人の患者さんで成田とロンドンのフライト中に使用して、無事だった方もいます。近年小児用が発売されています。
 このエピペンとセレスタミンというステロイド薬を常備しておくとよいでしょう。
 エピペンが入手しにくい場合はご連絡ください。
 
10/4 お礼・質問メール
早速のご回答ありがとうございます。食物依存性運動アナフィラキシーは、あんまり知られていない病気の様な気がします。情報が非常に少ない中、この様に丁寧なご回答をいただけると非常に助かります。本当にありがとうございます。 先生のおっしゃる通り、3回中 1回はジョギング中 2回は徒歩でしたので、体調に大きく左右されるのだと思います。
 
摂取量と言うのは、一回の摂取量を気にすれば良いのでしょうか?それとも一週間ぐらいの単位での摂取量を気にすれば良いのでしょうか?
 
所謂エビペン等の対応を取っておけば、通常の生活を行なっても大丈夫なのでしょうか?実際には、一回目に発病してから2年経ってますが、通常通り生活をしていました。 ただ、命に関わるケースもあるという事ですので、非常に不安です
 
お忙しいと思いますが、ご回答頂けると大変たすかります。
 
10/4 回答メール
(1)摂取量は1回量です。
(2)救急時の対策を常備しておけば、日常生活は普通で問題ありません。
 
10/13 質問メール
こんにちは 以前、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの件で質問させて頂いた者です。その時は血液検査中でした。
今日結果出て先生からの指示が出たようです。結果は、血液検査では何も反応が無かったとの事です。
しかしながら発病した時の経緯から考えて、小麦に断定をし摂取をしないように、エビペンを持つようにとの指示が出ました。
エビペンは、1月後処方されます。
素朴な疑問なのですが、全く小麦を摂取して駄目なのでしょうか?以前、ご回答頂いた時は、摂取量によりけりですが、 摂取は不可能では無いとのご回答を頂き非常にうれしかった覚えがあります。
現実に、血液検査が出るまでに、ケーキ カレー うどん を食べております。彼女自体、ストレス性の病気を持っており 摂取を完璧に断つ事により、そちらの病気に影響する事を恐れて、食後運動しない様にして摂取をしました。問題はありませんでした。
 
もう一点 この病気は、ずーーーと付き合って行くものと認識をしているのですが・・・つまり完治はしないと思っております彼女は成人です。これ以上の消化器官の発達もないでしょうし・・・
 
今日見ていただいた先生も、立場上食べていいよ とは言えないだろうとは予想しておりましたが、血液検査の結果反応が出ないと言う事は摂取+運動が注意点になってくる事は決定的になったと思います。
以上を踏まえた上での先生のご意見・また今後のアドバイスを頂きたいと思います。宜しくお願いします
 
10/15 回答メール
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
少量でも食べると、必ずアナフィラキシーになる場合は、当然完全除去となります。しかし、少量ならば、食べても問題がおきなけらば、細心の注意をして、食べることもよいかもしれません。
 ただし、体調が悪い、例えば、下痢をしていたり、風邪気味だったり、生理の前で気分がすぐれないような時、過労、ストレスが強いときなどは、免疫力は低下している可能性があるので、摂取は完全に控え他方がよいでしょう。くれぐれも注意して召し上がってください。
 


Q14 甲殻類アレルギー

 
過去に1度エビを食べたあとに運動をし、アナフィラキシーと思われる症状になりました。
呼吸が少し苦しくなり、目の前が真っ暗になるような状態でしたが、1人だったのでしばらく横になっていると治まってきました。それ以前にエビフライを食べたあとに少し唇が痒くなったりしていたのでエビアレルギーかと思い、先日病院で検査をおこなってきたところ、やはりエビと蟹にアレルギー反応が出ていました。数値は蟹が4.10Ua/ml、エビが0.39Ua/mlでした。
 
病院の先生は数値的にはたいしたことはないので、生で大量に食べたりしない限りは大丈夫だとのことだったのですが、1度アナフィラキシーになっていても、このくらいの数値だと食べても大丈夫なのでしょうか?エビや蟹そのものは食べるつもりはありませんが、ダシに入っていたりするとわからないので不安です。ちなみに蟹アレルギーだとは知らずに今まで大量に蟹を食べたりしていたのですが、全くアレルギーの症状は出ませんでした。
 

A14 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
 この病気は、特定の食物を食べてから、運動をすると、全身性のひどい蕁麻疹とともに、アナフィラキシーになる病気です。
 症状が軽い場合は、抗ヒスタミン薬や抗ヒスタミン薬とステロイドの混合薬であるセレスタミンを内服するとよいでしょう。
 ショック(アナフィラキシー)の初期治療は早ければ早いほど、その後の予後が良くなります。3年前から、エピペンという緊急用に自己注射が使用できるようになり、この病気の患者さんに有用です。これを携帯しておくという方法もあります。
 
 この病気は血液検査が陰性でもその食物を食べて、運動すると発症する場合もあり、あなたの場合、どのくらいの寮まで食べられるかは、あらかじめ決める事はきわめて難しい問題です。
 しばらくは、疑わしい食品は食べないほうが無難でしょう。どうしても食べたいときは、上述のような緊急用のお薬を用意しておくとよいでしょう。
 


Q13 アナフィラキシーショック

 
こんにちは。以前、息子の血液検査ではお世話になり有り難うございました。
 現在息子は2歳1ヵ月で食物アレルギーで近医に受診中です。
 先日、太刀魚のつみれ(卵抜き)を食べた直後に唇が腫れ上がり顔が赤くなりました。呼吸には異常なし。救急病院を受診し、セルスタミン(その日の夜と、その後朝夕各2mlを2日間)を内服しました。その後、主治医にその話をすると、今度同じようなことがあったら、まずセルテクトの内服指示がでました。
 
 質問です
1 セルスタミンは上記のような止め方で問題ないか。いきなり止めたので心配です。
 
2 今後の対応として主治医の指示のセルテクトで大丈夫か心配。セルスタミンでなくてよいのか。セルテクトを飲ませてすぐに受診しようと思っていますが。
 
お手数お掛けしますが宜しくお願いします。
 

A13 アナフィラキシー

 
 今回は、アナフィラキシーのちょっと手前という感じです。
 アナフィラキシーというのは、通常は、生命に危険が及ぶ可能性のある激烈なアレルギー反応を示します。
 この意味では、アナフィラキシーというのは、
 
(1)循環器系では、低血圧、心拍数が減少し意識が低下する、不整脈が見られる。心停止すれば電気ショックなどする。機械が無いときは心マッサージです。
 
(2)呼吸器系では、喉頭(声帯)が腫れ上がり、空気を肺へ吸い込む事ができず窒息死したり、重症の喘息発作が起こり、ゼイゼイし、重症の呼吸困難が突然に出現します。窒息の恐れがあるときは躊躇せず気管内挿管し、人工呼吸を行う。
 
(3)中枢神経系では低酸素状態となるため、意識レベルが低下する。
 
(3)皮膚には全身性の蕁麻疹や発疹が見られる。
 
などの症状が見られます。
 
私は、目の前で上記のようなアナフィラキシー患者さんを何人も見させていただいただきました。
真っ青になって、これで医師免許も取り消されるのではないかと、無我夢中で治療をした経験が一度ならずあります。
 ですから最悪に事態に陥らないように、常に先手先手と治療してゆきます。
今回も、セレスタミンを最初に使用した事は正解だったと思います。セルテクトで抑えられなければ、次にセレスタミンを使用しますが、そうするとセレスタミンの使用のタイミングが遅くなります。
これは、アナフィラキシーになる手前で阻止したい場合には、最も避けたい点です。
今回は、循環器、呼吸器症状は出なかったので、セレスタミンは翌日でカットしてよいでしょう。
今後も、同様の症状がでたら、セレスタミンで良いと私は思います。
セレスタミンは2週間以上継続しない場合は、症状が収まれば、今回のような場合は翌日にカットして差し支えないでしょう。
カットしてからはセルテクトに切り替えればよいのです。その場合は最低でも1-2週間は内服しましょう。 なぜならばアレルギーレベルが高まっているため、注意が必要だからです。
 


Q12 息子の食物アレルギーについて

 
永倉先生、初めまして。突然のメール、失礼いたします。
現在1歳6ヶ月の息子のことについて相談させてください。
息子は生後1ヶ月位から顔の湿疹がひどく、乳児湿疹が他の子よりひどいなと感じていましたが、5ヶ月頃になってもきれいにならず(そのときまで、アンダーム軟膏を使っていました)、何かアレルギーがあるのでは?と区で行われているアレルギー相談に申し込みました。
採血をしたら(区では検査項目が少ないとのことで、近くの小児科で行いました。)やはり卵(クラス4)・小麦(クラス1)が陽性になり、卵は 母乳だったのでその時から除去を始めました(生後6ヶ月)。
2~3週間で息子の顔の湿疹もきれいになくなりました。小麦に関してはクラス1で特に除去する必要がないとのこと。離乳食も徐々に小麦を食べさせてみましょうとのことで、8ヶ月の時にパン粥をひと匙チャレンジしましたが、みるみるうちにむせ出し呼吸困難となり、救急で病院を受診しステロイドの点滴を外来で受け帰宅しました。
その後は落ち着いており、1歳の時の採血では卵クラス5、小麦はクラス4になっていました(ごまクラス4・そばクラス2)。その時点からまだ卒乳していないので私も卵に加え小麦・ごま・そばを除去しています。
ところが、1歳1ヶ月の時、親の目の届かないところで誤って小麦の入ったものを食べさせられてしまい、その時も前回と同様に5分位してから呼吸困難・アナフィラキシーとなり、すぐ病院に連れて行き、入院となりました。
以前に、どこかの新聞記事で読んだ記憶があるのですが、アナフィラキシーを起こすようなこの場合、将来もよくならない事の方が多い、アナフィラキシーも起こすたびにひどい症状が出るようになると書いてありました。それは事実なのでしょうか?
実際、一回目の呼吸困難の時より、二回目の時の方が症状もひどかったように思います(二回目は呼吸困難と全身の蕁麻疹)。また、小麦以外の卵・ごま・そばについては実際には食べさせた事がないので、どういう症状が出るかはわかりません。今通っている病院は食事指導や負荷テストがなく、今後どのようにしていけばよいのかがよくわかりません。鶏肉も与えた事もありません。自分でも日中新しいものを食べさせてみようと思うのですが、もし呼吸
困難になったらと思うと怖くてなかなか食材も増やせないでいます。
 
文章がまとまらなくてすみませんが、ご返答お待ちしております。
 
息子は身長83センチ、体重12キロで、体格的には問題ないといわれました。現在はセルテクトドライシロップを朝晩で7ヶ月の時から飲んでいます。
 
よろしくお願いいたします。
 

A12 アナフィラキシー

 
小麦によるアナフィラキシーが考えられます。小麦はよくみられます。
 
さて対策ですが、
(1) エピペンは体重15kg以上の場合、小児用が使用可能です。現在の体重ではちょっと無理ですね。もう少し待ちましょう。
(2) セレスタミンそシロップを非常用のお薬として持っておくとよいでしょう。アナフィラキシーの初期治療としてのお薬です。早期に内服すればするほど有効です。
(3) 予防としてはインタール内服を食前15分前に行うという手もありますが、このインタールは必ず効くわけでない(個人差がある)ため、試してみないとわからないという面もあります。
(4) 小麦、卵除去の際の代用食品について、クリニックの栄養士さんによる個人指導があります。
(5)同じような小麦アナフィラキシーの患者さんのママを紹介しますので、意見交換をすると、お役にたつかもしれません。
(6) 私が0歳のときからケアーしている牛乳アレルギーによるアナフィラキシーのかたは現在30歳ですが、ショートケーキ1つは食べられます。先のことはあまり心配しないで、目前のことをしっかりやりましょう。
(7)救急に関しては今まで受診された大学病院がすぐ近いようなので、そのまま受診されるとよいでしょう。
 


Q11 負荷試験

 
いつも、娘がお世話になっております。
娘は強い卵アレルギーをもっていて、6ヶ月の時にアナフィラキシ-を起こし入院しております。それ以来、皮下テストを6ヶ月毎に受けております。
 
4月から、幼稚園に入園する前に、一度負荷試験をしてみてもいいかもしれません・・・と前回うかがった時に言われました。娘の場合は負荷試験といっても、食べるのは怖いので、唇に卵をぬって反応をみてみましょう。といわれました。その場合は、予約するときにその旨を言って電話で予約がよろしいのでしょうか?それとも、まだ急いでしなくてもよいのでしょうか?
 
また、入園する園は、今年から完全給食になってしまい、間違って食べてしまう可能性が非常に高く心配しております。その場合における対処法として、園では救急車が来るのは遅いので、もしもの時は園の車で病院に連れて行くので、近くの大きな病院に行ってカルテを作っておいて病院の先生にお話しておいてくださいと言われました。また、園には看護婦さんもいるので、薬を飲ませることも可能ということなので投薬依頼書を頂いてきました。注射も種類によっては可能といっていたので、アレルギーを起こしたときに即効性のある薬を頂くことはできるのでしょうか?
 

A11 アナフィラキシーと給食およびエピペン(救急用自己注射)

 
アナフィラキシー型の食物アレルギーの場合、一般的には負荷試験は危険が伴うために行いません。しかしどうしてもという場合は、少量を唇につけたり、目の結膜などに付ける場合もあります。アナフィラキシーの場合万が一の場合には生命に危険が及ぶことがあるので、細心の注意をもって行いますが、その場合には保護者の同意書は必要になるでしょう。
 
預けてある保育園や幼稚園でアナフィラキシーの症状が起きた妨害には、セレスタミンというステロイドホルモンと抗ヒスタミン薬の合剤のシロップを用意しておいて、すぐそれを内服し、病院へ連れていくという方法が一般的です。
 
成人のアナフィラキシーの場合では、エピペンという救急治療薬の自己注射のキットが成人ですでに使用されております。
 
本年5月にもこれの小児用が認可される予定です。もしこの注射について関心がおありであるならば、クリニックに来ていただくとその使用方法や概略についてのビデオが用意してありますので1度ご覧ください。しかしながらこの自己注射は劇薬扱いなので、保護者以外の方が行うということにはいくつかの問題点があるでしょう。どうしてもということであれば、関係者が前もってよく話し合って、同意書を取り交わしておくとよいでしょう。
 


Q10 食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて

 
4歳の息子のアナフィラキシーについて。
アトピー性皮膚炎で生後3ヶ月のときから治療を続けています。
父親の転勤で毎年引越があり、なかなか治療も病院も定着せず、よくなったり悪くなったりを繰り返しています。今まではなかったのですが、今年に入ってから3回ほど、運動した後、呼吸困難になりました。少しゼーゼーした感じで、「苦しい」と訴えていました。
 
いつか気管支系統にもくるだろうと予測はしていたので、様子を見ながら家につれて帰り、横にさせてお茶を飲ませたり、あめ(棒つき)をなめさせたりしているうちに落ち着きを取り戻したので、あとから病院へ連れて行きました。
 
アナフィラキシーという言葉は言われていませんが、何か食物も関係しているようにも伺い、勝手に食物依存性運動誘発アナフィラキシーだと思っています。
小麦と思われます。それでお聞きしたいのは、呼吸困難を起こしたとき、今の対処法でいいのかどうか、すぐに病院へ行くべきなのかどうか、です。また薬は継続して飲んだ方が良いのでしょうか。実は今日も先ほど呼吸困難を起こし、今は落ち着いて寝ています。毎回うろたえつつ、でも落ち着けば元気になるので、救急車を呼ぶと言うのもどうかと思い、でも毎回これでいいのかという疑問があったので、お尋ねしてみました。よろしくお願い致します。
 

A10 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
お話しから判断すると、この病名が考えられます。まずアレルギー専門医を受診し、どの食物が原因であるかどうかをチェックしてもらいましょう。
 
この病気の場合には原因の食物が血液検査や皮膚テストをしても、陽性に出ない場合がよくあります。その場合には、検査だけで判断しないで、アナフィラキシーの状況から特定の食物が怪しいということをチェックしてもらう必要があります。
 
私のクリニックに来院されている10数人のこの病気の方のうち、2-3割は原因の食物がはっきりしない場合があります。そのような場合には病気のおこり方をよく専門医に説明し、原因の食物を判断してもらうとよいでしょう。ちなみに、あなたが疑っていらっしゃる小麦は原因である場合がよく見られます。当クリニックにも数人いらっしゃいます。原因食物が明らかになれば、その食物は中止する必要があります。いつまた食べれるかは、ケースバイケースです。
 
万一このアナフィラキシーが起きてしまった場合には、成人であれば、エピペンといって救急薬であるエピネフリン(血圧を上げたり、呼吸困難を治療する薬)を自己注射する注射セット(メルク社)があります。しかし現在のところは、量の多い(0.3ml)大人用しかありません。いずれ小児用が出るということですので、しばらくお待ちいただくとよいでしょう。
 
いずれにせよ、この病気をケアーしたことのあるアレルギー専門医と相談し、対策を立てておくことをおすすめします。
 


Q9 食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて

 
中3の娘の事でご相談します。昨年の夏ごろから蕁麻疹で悩まされています。
 
最初は受験生なのでストレスからくる蕁麻疹かと思っていましたが、頻繁に出るようになったので経過を観察していましたら、どうやら朝食にパンや麺類など小麦の入った食品を摂って登校すると学校に着いた後に、頭皮や首・顔・太ももふくらはぎ等に痒みを伴った蕁麻疹が多数出ます。
 
給食でパンが出た後、体育をしても蕁麻疹が出ました。
昨日も登校後に蕁麻疹が出たので、保健室でオイラックスを塗ったら数十分後に症状は改善したようです。
 
かかりつけの内科を受診したところ「寒冷蕁麻疹」ではないかという事で「ジルテック(10)」という薬を処方されてしばらく飲み続けるように言われました。(1日1回寝る前に服用)
その後こちらのサイトを見つけ、過去のQ&Aを拝見して「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」ではないかと思っています。
もしそうだとすれば、このまま「ジルテック(10)」という薬を飲み続けていても良いのか?
運動前などは小麦食品を摂らないように気をつける他に、普段気をつける事はありますでしょうか?
 

A9 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
この病気は特定の食物を食べた後に、運動した際にアナフィラキシーという状態になる病気です。
 
アナフィラキシーというのは、血圧低下、意識消失、呼吸困難になる様な重症のタイプのアレルギーのことを言います。したがって今回のような、症状が単に皮膚症状である場合には、アナフィラキシーという表現は使用しません。
 
お子さんの場合、運動と小麦の摂取の両方が起こった場合に発症するタイプのじんましんと考えられます。小麦を摂取しない時にも症状が出るとしたならば、しかもそれが冬の寒い時だけに現れるとしたのならば、寒冷いじんましんまたはコリン性じんましんと考えられます。
 
本当に食物依存性であるかどうかを、検査が必要ですが、このタイプの運動とじんましんがミックスした病気の場合には血液検査が陰性のことがあります。その場合には病院で、疑わしい食物、例えば小麦を摂取してから運動負荷を行い、同じような症状が出るかどうかをチェックします。この負荷試験はアレルギー関係の疾患の負荷テストに慣れた病院がよいでしょう。
 
寒冷いじんましんであれば、この期間だけジルテックなどの抗ヒスタミン薬を、しばらく継続して内服してみるというのもひとつの手です。この抗ヒスタミン薬は数多く種類があります。1種類が引かなければ別のものに代えてみると、うまくいく場合もあるので試してみると良いかもしれません。
 
もしも、小麦が原因であれば、その摂取はしばらく禁止することをお勧めします。その後の経過をみて、再び負荷テストをするかどうか検討します。
 
今回は受験というストレスが、誘因である可能性も否定できませんので、これが終了するまで、このままお薬を継続してはいかがでしょうか。その後も、症状が継続する場合には、ご連絡ください。対策を考えます。
 


Q8 食物依存性運動誘発アナフィラキシーなのでしょうか

 
1年ほど前から、運動後に両目が腫れるようになりました。
白目にも水がたまります。
最初に涙がたくさん出てきて、その後目が腫れます。
痛みはなく、全身状態も悪くありませんが、たまに咳が出ることがあります。水ぶくれがひいた後に痒みがきます。
最初に発症したのは、入浴後でした。以後、食後の激しい運動後にも症状があらわれるようになりました。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーなのでしょうか?
3歳ぐらいから、アトピー性皮膚炎の治療をしていますが、
最近この症状が出始めました。
このような症状が発症した場合には普通の皮膚科への相談でいいのでしょうか?
完治させることは可能でしょうか?教えてください。
 

A8 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
食物依存性運動誘発性アナフィラキシーが考えられます。
これは特定の食物、魚介類や各種の小麦製品(麺類など)、メロン、キウィ、メロンなどの果物、セロリやトマトなどの野菜など各種の食物が原因となることが報告されています。私のクリニックには8名通院されています。
 
これらの食物を食べて、その後脈拍が1分間に130-140回以上の持続的な運動をすると、アナフィラキシー症状が出ます。
言い換えると運動をしてアナフィラキシーが出る場合には、この病気をまず第一に考える必要があります。
しかしながら実際の患者さんでは、明らかに同じような症状が何度も繰り返すにもかかわらず、特定の食物をはっきりと断定できない場合もあります。
 
また別の場合には特定の食物の摂取の後に運動するとアナフィラキシー症状が出るにもかかわらず、血液検査をしてもその食物に対する抗体が検出されない場合もよくあります。
血液検査をして疑っていた食物に対して反応する抗体が検出されれば診断は明らかとなります。
 
しかしながら上に述べましたように、検査は万能ではない場合もあります。したがってあなたの場合アナフィラキシーをおこした直前に食べた食品を、その種類でよいですから克明にメモをつけ、同じようなアナフィラキシーが起きた場合に、何か共通の食品の摂取があれば、それを最も疑わしい原因の食物としてチェックしておくことが重要です。
 
この病気はアレルギー症状の中で最も激烈なアナフィラキシー(呼吸困難や低血圧など)が起こるために、全身管理をしてくれるアレルギー科が良いでしょう。
 
アナフィラキシーは手当てが遅れると生命にも関わるため、私のクリニックでは非常用の注射(自己注射)をお渡しして、万一の時にはその場で注射できるようにご指導しております。
 
原因食物を到底するためには上に述べたような食物記録を持ち、アレルギー専門医と相談されるのがよいでしょう。
 


Q7 アナフィラキシーについて

 
初めてメールします。
マラソン(走ること)大好きな37歳の主婦です。
この前(1/15)、いつものようにジョグ(キロ4分で4㎞)で20分走っていたところ、身体の不調(のどが締め付けられる)を感じ、ジョグを止め、車で帰路の途中、蕁麻疹が顔以外の全身に出、顔は「シワシワ」に。主治医の先生から初めて「運動誘発アナフィラキシー」と聞かされました。
 
実はこれが2度目でした。初回は昨年の11月、「食あたり」の診断でした。その時もジョグ(ゆっくり)で20分走った頃発症しました。症状は今回と全く一緒で、「食物アレルギー検査」をしてもらい「そば、小麦、卵白」の値が高いと言うことでした。 言われてみれば、2回とも走る前、「エビ、イカ、ナッツ」を口にしていました。

今回、ネットで検索中、先生のサイトに運良く出会いました。
私の唯一絶対の楽しみが「マラソン(5~10㎞)」です。今後、今まで通り走り続ける事は出来るでしょうか?又そのためにはどのような方法があるでしょうか?記録をねらって走るので少しハードな練習をしていますが・・・。
是非先生の良きアドバイスをお願いします。
 

A7 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
これは特定の食物を食べた1~2時間以内に、心拍数が1分間に100~130以上になるような持久的な運動をしたときに起こる症状です。その症状はあなたが経験したのと全く同様の症状です。
 
アナフィラキシーというのは激烈なアレルギー反応のことです。通常血圧が低下したり呼吸困難になったりすることがよく見られます。この病気のために道で倒れていて原因不明で救急車で病院に運ばれる例も見られます。
 
最近の私の患者さんでは大学のテニス部の学生さん、中学のサッカーの選手などがいます。二人とも小麦が最も疑われる食品でした。この原因食品は検査で陽性に出る場合もあれば。明らかに原因物質としか考えられないのに、検査で陰性の場合も少なくありません。
 
誘因となる食物としては小麦や魚介類などがよく見られます。しかしそれ以外にもさまざまな食物で起こる場合があります。私のホームページにも何人かこの病気でお悩みの方が質問を送ってきています。
 
これを予防することはなかなか大変です。お薬で予防すると考えるよりも疑わしい食物を食べてからのマラソンの練習は避けた方がよいといえます。また万一この症状が走っている最中に起きたときには、すぐ非常用の薬を飲んだり、非常用の注射を携帯しておいて、症状が出て苦しくなったり、意識が朦朧としたらすぐ、それを自分で注射する(自己注射)場合もあります。
 
この自己注射は怖がる必要はありません。糖尿病の患者さんがインシュリンを自分で毎日注射(自己注射)したり、成長ホルモンを低身長の患者さんや保護者が家庭で注射することは広く行われています。専門医の下で正しい指導を受ければ危険性はありません。恐れることはありません。
 


Q6 じんましん報告

 
お世話様でございます。
 
本日、Tが学校で昼休み後、また症状を起こしました。今回も、休み時間に体育館で走り回り、5時間目の体育の授業の準備体操中に、先生が気付いて下さいました。ですので、今回は、顔の浮腫はなく、目の上と首にじんま疹が出て、顔は暑さで赤い、と言う感じでした。
 
私が行った時、ほんの少しだけ鼻がつまる感じで、苦しくはないとの事、喘息の様な音は、背中に耳を付けた最初の一呼吸だけでした。私も迷ったのですが、セレスタミンを飲ませ、エピペンは使いませんでした。前回食べた物と同じ物は、胡瓜です。
 
それから1時間半後に下校しましたが、その時はじんま疹もすっかり治まっていました。永倉先生にご指導頂いた通り、救急処置後に点滴等をして下さる様にかかりつけの小児科の先生(学校の校医でもあります)にお願いしたのですが、その用意が無く無理との事、その先に進んでいない状況でした。
 
今回は軽く済みましたが、やはりエピペンも学校に預け(又は本人に携帯させ)、いざと言う時は自分で注射する必要があるのかもしれません。本日は、他に救急車を呼ぶ程具合の悪い生徒さんがいて、発見が遅れていたらどうなっていた事でしょう?また相談させて頂きたいと存じますが、取り急ぎ報告させて頂きます。
 

A6 アナフィラキシー

 
今回は皮膚症状のみです。アナフィラキシーにまでは行っていませんので、ご心配意ありません。
呼吸困難、低血圧に伴う意識消失などがなければアナフィラキシーではありません。このお湯拿場合はセレスタミンの内服をできるだけ早く行うことがポイントです。
 
万一、アナフィラキシーになってもエピペンがあれば心配ありません。まずそれを使用すれば良いのです。
 
9/21
ありがとうございます。セレスタミンの交換時期に、伺わせて頂きます。
 


Q5 IG-Eについて

 
お忙しいところ申し訳ございません。そちらに通っている知人より、当医院の話を聞き、遠くより御相談メールさせていただきます。
 
実は、3歳の次男についてのアナフィラキシイーショック症状と検査数値、今後の成長、これからの幼稚園生活、子供の精神面等悩みがつきません。生後2か月時、RSウィルスにより呼吸困難で入院、ガンマーグロブリン投与し、1歳を過ぎるとなぜか変な咳と何かを食べたら、顔がむくみ、鼻水、涙、動物の様な咳、ひどい時には顔面蒼白、呼吸困難、首まで引っかく苦しみ、紫の唇、手足か冷たく、冷や汗、数々のひどい状態を何度と見てきました。その度に救急病院、救急車、を呼んだこともあります。そのたびに控えて記憶してきました。最後の発作から、かなり大きな病院に定期的に通ってはいるのですが、検査をすると先生も唸ってしまう状況です。以下、最近の検査数値です。IG-Eは、5024,数多くの食物を調べてましたが、全て2-6クラス、40-100mlもあります。半年前はIGEは、2204です。この数値はこれからどのようになっていくのでしょうか?IGE下げることは可能なのでしょうか?アトピー症状も出ていますがそれほど皮膚面は酷くはなくアレルギー反応は喘息、気管の方にくる様です。これから、小学校、中学校、と大きくなるにつれて、ショック状態を頻繁に起こす可能性もあるのでしょうか?近くの病院にもこのような状況を連絡、すぐ、大変な発作時にはすぐポスミン?よくわかりませんが、注射をうてる様に手配してくれ、幼稚園にも診断書提出をすることにはなりました。今、飲んでいる薬はインタール、ザジテン、喘息のときは、貼りテープは軽度時、テオドール、オノン、はそれ以上時に使用しています。ステロイド服用は避ける治療です。
数値が低くなる様するにはどうすればいいのかも、(激しい反応があったものは食べてはいません。)体質改善もどのようにするかもお医者さんと思案中ですが、その様な子供は今現在存在してるのでしょうか?どの様に生活してるのか(アレルゲンが、はっきりしている人の場合は聞いたことがありますが、)わからなく私自身悩んでいます。ショック死ということも3歳の時点で頭に入れておかなければいけないのでしょうか?東京方面ではどうなのでしょうか?もし、何か小さな情報でもいいので、アドバイスいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
 
※追記
御主治医はに非常に熱心に対応もしていただいております。一番近い小児科への連絡、幼稚園等、の連絡等も考えて下さる様な先生で、その先生をこれからも信頼していく所存でもありますが、私の認識不足と、どこで、発作がおきても自分が慌てないで対処できる様にと、このような子供をもつ親の気持ちとして他の情報も知りたいとの事で、このような気持ちも御配慮していただせると聞きましたアレールギー専門先生のいらしゃしゃる当院にも何かアドバイスを頂ければ、と思いましてメールさせていただいきました。こちらから、当院に御相談したのに、このようなずうずうしい発言、お許し下さい。
 

A5 アナフィラキシー

 
私はアレルギーの患者さんは見させていただいていますが、今年で30年目です。
 
何らかの原因により、アナフィラキシー反応を起こす患者さんを随分と拝見し、小児から成人までケアーさせて頂いてまいりました。アナフィラキシーの場合、8割から9割の患者さんは原因がはっきりしています。
例えば、ソバを食べるとショック状態になるとか、卵の入ったお菓子をなめただけでショックになるというお子さん達は少なくありません。少し変わったタイプのアナフィラキシーとしては、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーという形もあります。
今まで数多く見させていただいた患者さんの中でも約2割くらいは原因がはっきりしません。その多くは特定の食物が疑われますが、検査をしても明確な結果は出てきません。可能性としては食物の中に含まれる何らかの添加物も疑われますが、それをきちんと見つけ出し証明できた例はありませんでした。
 
アナフィラキシーが起きた時の治療は待ったなしの真剣勝負です。しかも先手必勝です。早期治療はすべての病気の大原則ですが、アナフィラキシーの治療はこの一言に尽きます。お薬の使用が早ければ早いほど症状は抑えられます。それは消火作業と全く同じです。ボヤで消し止めれば、大したことの無い小さな小火でも、燃え広がれば家全体が燃えてしまいます。
 
お話しを伺う限り、あなたのお子さんがかかりつけの病院から受けている治療のネットワークはほぼ完全と言えるでしょう。これ以上何かをすればもっと良い何か新しい治療がある訳ではありません。
現在の主治医の先生は十分に、さまざまな点を配慮して治療システムを組立てていらっしゃいます。
しかもお話では幼稚園もそれにきちんと参加してくれているようです。そのような意味では恵まれていると言えるでしょう。都内ではそのようなアナフィラキシーのお子さんを預かることすら嫌がる幼稚園や保育園があります。
それと比べればかなり恵まれた状況と言えましょう。ある意味では羨ましいと思います。
 
アナフィラキシー方の反応を起こすお子さんが将来どうなるかという点について非常にご心配と思われます。いてもたってもいられないお気持ちはお察しいたします。
アナフィラキシー型の反応は体の中のその記憶はかなり強く、湿疹などが食物アレルギーで出る場合とかなり異なります。
通常のアトピー性皮膚炎の場合の食物制限は6カ月とか1-2年が多いといえます。
アナフィラキシーの場合にはその体の記憶はもっと長く数年以上はかかります。しかしながら、私がケアーしていた患者さんの何人か、例えば乳児期に球を投げただけでショックになるお子さんも、現在20代半ばや30歳になっている方も何人かいますが、少しは食べれるようになっています。
 
今でこそお子さんの場合、原因が分らないとはいえ、いずれ原因が見つかるかもしれませんし、成長につれて軽快しないと誰が断言できましょう。子供は成長しています。それは身長や体重だけが増えるのではなく、体のさまざまな機能、免疫の機能も同様に発達していくものです。従ってアレルギー反応も徐々に薄紙をはぐように軽くなっていく場合が必ずあると信じて、毎日希望を持って過ごしていただきたいと思います。あなたがそのことで不必要に悲しんだり、愚痴を言ったり、将来についてい希望は無いなどということをお子さんの前でいうことは百害あって一利なしです。母親は子供にとって1番大事な存在です。
その母親がこの問題に対している不安になったり希望を失ったりして、暗く沈んだ顔になるということは子供にとって病気以上に心の負担となります。親子で希望を持って強く生きることをおすすめします。
気弱になったらまたご連絡ください。お待ちしています。
 
お礼メール
御回答メール本当にありがとうございました。
専門家の先生にご回答頂きとても励みになりました。
先生のおっしゃる様に強く生き、私が元気に毎日を過ごし、子供達にもたくさんの元気をあげれる様にがんばります。もし、くじけそうな時は、またご相談するかと思いますが、よろしくお願いいたします。心より感謝申し上げます。
 


Q4 食物依存性運動誘発アナフィラキシーと思われる症状について

 
高2の息子についてご相談します。中2の頃より昼食後、屋外での体育授業や部活動で両目の瞼が腫れ上がることがあります。痛みはなく、全身状態も悪くありません。1度、皮膚科で診察してもらい花粉症ではないと言われました。
2日前、またひどく腫れ上がりました。原因がわからず、インターネットで検索していたところ、当サイトを見つけ、ご質問した次第です。
水泳部に所属し、夏には毎日、屋外のプールで泳いでいますが、眼が腫れた事はありません。秋から春先にかけて年に2~3回程度、上記のような症状が発症します。どのような対処方法がありますでしょうか?ご教示頂ければ幸です。どうぞよろしくお願い致します。
 

A4 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
この病気(食物依存性運動誘発性アナフィラキシー)は特定の食物を食べ数時間以内に比較的激しい運動、たとえば持久走などのように1分間の味脈拍数が140以上になる運動を数分間以上持続すると、皮膚に発疹が出たり、血圧が下がったり、重症の場合はショック状態になることも少なくありません。
 
特定の食物との因果関係が重要なため、もしこの症状と思われるものが出現した場合には、その前に食べた食物や飲み物などをその種類だけで良いですから、きちんとメモしておいてください。そのようなことが数回繰り返されれば、原因の食物は探しやすくなります。
 
しかしながら何割かの場合は原因の食物が分からないにもかかわらず症状が出る場合もあります。現在お子さんに症状がなければお連れになる必要はありません。皮膚の症状が出て、その際にこちらに連れてくることができなければ、カメラなどで皮膚の状態を撮影しておいていただけると非常に判断しやすくなります。
 
お話から判断すると、温熱蕁麻疹や寒冷蕁麻疹の可能性もあります。いま、お話したことを頭においてしばらく観察されてから、またご連絡していただいても、大丈夫でしょう。
 


Q3 蟹を食べた後に意識不明

 
大晦日に家族でゆで蟹を食べた後、2時間位してジンマシンが出始め全身に及んだ為通院しました。
もともと、生の蟹・海老を食べると耳の奥や喉が痛がゆくなり、口の中がボコボコになるので食べていませんでしたが、火を通した物は大丈夫でした。通院して受付で説明している間に、意識を失い血圧低下・呼吸障害・不整脈の症状で危険な状態だったそうです。
今後、同じような事があった時には息が止まる可能性があるので、蟹と名の付く物は食べてはいけないと言われました。専門医に受診して検査をと考えていますが、これから先意識して食べる事はしませんが、食べてしまったらどうしようと心配です。
 

A3 アナフィラキシー

 
カニによる食物アレルギーです。
 
食物アレルギーはさまざまの症状を示します。軽いものはじんましん、口の中の違和感などです。重症のものはあなたが今回経験されたような生命にかかわるような重症な反応で、アナフィラキシーと呼ばれます。この反応は呼吸困難や不整脈など生命を維持するのに重要な循環器や呼吸器の機能が急に障害されることにより、起こります。適切な処置を素早く行わないと死に至ることもまれではありません。
 
さて対策としては
(1)病院で検査を受け、カニなどの甲殻類に対して体が反応するような抗体を持っているかどうかを調べます。
(2)常時、非常用の内服薬を持ち歩きます。
 
一般的に使われる内服薬としてセレスタミンというお薬がよく用いられます。これはステロイド薬と抗ヒスタミン薬の合剤です。ステロイド薬はアトピー性皮膚炎と関連付けられて、不安を持つ方も少なくありませんが、ステロイドホルモンというのは体の生命を維持するのに一瞬たりとも不可欠なホルモンで、私たちの体の中で常に産生されています。ショック状態になった体を救うためには、このステロイドホルモンを内服したり、注射する以外方法がありません。もちろん強心剤も使用しますがこれは内服薬では適当なものがないため、救急室で注射してもらう方法がよいのです。
 
私のクリニックにもう特定の食物を食べるとショック状態になる人が何名か通院していらっしゃいます。これらの方々にはあなたと同じような説明をして常時、非常用の薬を携帯してもらっています。外食をした際に突然にこの反応がおきたときには、すぐその薬を内服して救急病院に行くというような指導をしてあります。実際にそのような状況になってしまい、薬を飲んで救急病院に行き、ことなきを得たという場合も少なくありません。
 
あまりに症状が激烈な場合には、アメリカで行われていますが、強心剤の自己注射を行います。常時の強心剤を持ち歩き、何かあった時に自分で筋肉注射をします。私の患者さんでもこれを行った方が1人います。
 
いずれにせよアレルギー専門医とよく相談して不慮の事故の際に落ち着いて処置ができる方法をについて指導受け、適切にお薬を自分で選択して使用できるように普段から準備しておくことが必要です。
 
蛇足ですがしばらくはカニやカニの入ったものは食べない方が無難でしょう。どうしてもご心配なら、一度、拝見いたします。
 


Q2 食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて

 
10歳になる息子がいますが、最近サッカーや体育をすると蕁麻疹がでるので、皮膚科に行って聞いてみると、小麦が原因ではないかと言われました。確かに、ラーメンやうどん、パン類を食べてからサッカーに行くと、必ずといっていいほど蕁麻疹がでてきます。逆に小麦類のものを食べないでサッカーや体育をすると、蕁麻疹はでません。今現在の対策としては、インタールの服用と小麦の除去 サッカーや激しい運動の中止をしていますが、くわしい検査などは行っていないので、はっきりとしたことがわかりません。どこで検査をして頂けるのか、これからどのような生活をしていったらいいのか、どうしたら運動ができるのか、よくわかりません。できましたら ぜひ、アドバイスをお願い致します。またそちらのほうへお伺いできたらと思うのですが・・・。
 

A2 食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

 
お話から判断すると小麦が誘因の食物依存性運動誘発性アナフィラキシーと考えられます。
 
一般的には小麦、甲殻類が誘因のことが多く、果物、ナッツ類も報告が少なくありません。
 
予防としては誘因と思われる小麦を運動前に食べないことです。
 
薬物による予防的治療にはこれといった決め手はありません。経口インタールは食物中の原因たんぱく質の吸収を抑制するといわれていますが、その予防効果には個人差が大きく、確実な治療法とは言いにくい面もあります。
 
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を毎日内服するという方法もありますが、お子さんの場合、今のところショック型(血圧が低下し、意識消失したり、重症化するタイプ)ではないため、毎日薬を内服するのも検討を要する点です。
但し、近年新しいタイプの抗アレルギー薬がありますのでそれを試すという方法もあります。
 
当クリニックには食物依存性運動誘発性アナフィラキシーのショック型の方が二人いらっしゃいます。一人は小麦の入ったものを少量食べた後に、早足で数分歩くとジンマシンが出て、血圧が下がり、失神しかけ大騒ぎとなります。ひどい時は呼吸困難になります。テニス部に所属している女子大生ですが、自分で食品を管理しながら、楽しくテニスをやっています。合宿にも参加しています。
お子さんの場合、皮膚症状だけなので、それなりの対策を講じれば、何とかサッカーができるかもしれません。一度、拝見いたしましょうか。
 


Q1 食物アレルギー

 
はじめまして。今回,このホームページを偶然見つけましたので,メールを送らせていただきました。
 
実は,去る,7月31日の人間ドックで,「食べ物アレルギー『卵白1.94UA/ml』・ほこりアレルギー『3.75UA/ml・3.57UA/ml』・動物アレルギー『ヤケヒョウダニ3.52UA/ml・コナヒョウダニ3.77UA/ml・ケナガコナダニ4.60UA/ml』」と診断されました。「卵黄0.34以下」「鶏肉0.34以下」とも診断されました。
 
突然このような病気がでてとてもショックを受けています。今までほとんど病気という病気にかからず過ごしてきました。ただ,季節の変わり目になると風邪をひいてしまうこともありましたが。
 
卵を食べると,すぐ呼吸困難を起こしてしまいます。少しでも卵が入っていると下痢をしたり,もどしたり,発疹がでてしまい呼吸困難になってしまいます。とくに,発疹はチキンを食べたとき,瞼の上の方に蚊に刺されたのというぐらいにはれます。あと,脇の下,腕,胸のあたりなど,柔らかい皮膚の所にでてきます。
 
私の職業は小学校教員です。今,運動会のシーズンですので運動場で運動会の練習をしていると,練習が終わってからすぐ呼吸困難が始まりました。最初,咳をしのどががさがさし,胸の圧迫感が起こり呼吸困難を起こしたのです。幸い保健室で上半身を起こして安静にしたためよくなりました。
 
体が熱っぽかったのでかぜと診断されました。(のどが赤く腫れ,リンパが少し腫れていました。)アレルギーのせいでしょうか?
 
最近は食べるのも怖くて(卵が入ってないか)おかげで体重が2㎏も減りました。(ちなみに私は身長158㎝,体重43㎏ありました。)私は女性ですので甘い物は大好きです。特にケーキが大好きでしたが,今は全然食べていません。こんなことも関係しているのでしょうか?
 
私は病気という病気はしていませんが,ただ,去年「尿路感染症」で入院していました。そのときの菌が「B群溶血性連鎖球菌」ということでした。入院最初の検査で「敗血症」と診断されていましたが,のちに「尿路感染症」と診断されました。この病気と何か関係があるのでしょうか。
 
今どんな方法があるのか。「この病気と仲良くしないといけない。」とよく言われますが,どんな風にしたらよいのかわからず,また,卵アレルギーのことについてよく知っている人が身近にいなくて,仲良くより不安の方が大きいです。
 
ぜひ適切なアドバイスや治療方法を教えて下さい。お願いします。最近体調が優れません。
 

A1 食物アレルギー・食物依存性運動誘発アナフィラキシー

 
卵白アレルギーが考えられます。
 
これは卵白が少しでも入ったものを食べると、アレルギー症状が出る病気です。この症状は個人により異なり多彩です。皮膚に出れば発疹やジンマシン、湿疹、呼吸器に出れば喘息、咳、呼吸困難、消化器に出れば嘔吐、下痢、腹痛、血便、循環器に出れば低血圧やショック状態などです。
 
食物アレルギーは敏感な方では、ちょっとなめただけでも症状が出てしまいます。あなたの場合も非常に敏感なのでしょう。
 
鶏肉で検査の数値が低いにもかかわらず、チキンを食べたときに、皮膚に発疹が出たようですが、これは鶏肉アレルギーというよりもそのチキンに卵白が混入していた疑いがあります。
 
さて2番目の問題ですが、これはちょっと厄介です。
病名としては食物依存性運動誘発アナフィラキシーと言う病気が考えられます。
 
これはアレルギー専門医なら驚きませんが、一般の先生はほとんどご存じないといってよいでしょう。
この病気は、特定の食物を食べその数時間以内に、かなり激しい運動、例えば脈拍が1分間に140以上程度の運動した後に、、皮膚に発疹が出て、呼吸困難になったり低血圧になったりします。つまりショック状態となります。
 
この病気は特定の食物+ある程度の激しいという運動という二つのことが同時に起きなければ見られない病気です。
 
あなたがこの病気であったかどうかについては、ここでは断定できません。以下の質問にお答えいただけないでしょうか。そのお答えをもとに最終的な診断を下したいと思います。
 
(1)運動会の練習1―2時間前に、飲んだり食べたりしたものの種類を全部列挙してください。
 
(2)その時に風邪をひいていたり、過労で体が疲れていたり、生理だったりしましたか。
 
以上よろしくお願いいたします。
 
PS 甘い物がお好きということですが、ケーキは卵白が入っているため、残念ながらお勧めできません。基本的に和菓子が安全でしょう。
 
当クリニックでは食物アレルギーの患者さんの方々のために、卵や牛乳を使わないケーキの作り方を専門の栄養士さんに指導してもらっています。ご希望でしたらその資料お送りいたします。