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 食物アレルギー Q51~Q100



Q100 食物アレルギー

 
5歳の息子のことで相談させていただきます。
今までにキウイでひどいジンマシンと喘息発作が、サンマでのどが痒くなるようで苦しそうになりました。血液検査では、牛乳と卵白に少量の反応が出ましたが、通常の生活には差し支えありません。ハウスダストも少し反応は出ました。喘息による入院は2回あります。先日、つくしを少量食べてからサンマを食べたときと同じような症状が出ました。気づかずに、また食べてしまい、ゼーゼーはないものの、少し苦しそうです。どちらかといえば、スギナはアレルギーにはよいと思っていたのですが・・・今までに、つくしでアレルギー症状がでた方はいらっしゃるのでしょうか。また、ありうるのでしょうか。よろしくお願いいたします。
 

A100 つくしアレルギー

 
山菜でアレルギー症状を起こす人はよく見られます。
 
山菜自体に対してアレルギー反応を起こすのか、それらの山菜の中にヒスタミンというアレルギーを起こす化学物質が含まれているために、それを食べるとあたかもアレルギー反応が起きたような症状が出る場合、これを仮性アレルゲンといいますが、の2つが考えられますを。
 
一般的に山菜や粘り気のあるものの中にはアレルギーを起こすヒスタミンという物質が入っている場合が多いのです。
 
山菜は子供にとって必要不可欠な食品ではありません。ですから無理に食べさせる必要はありませんが、どうしても確認しておきたければ、また1―2週間おいてから、同じようにつくしを食べてみるとよいでしょう。これを食物負荷試験といいます。それで同じような皮膚症状の出たならばツクシは今後食べない方が良いと思われます。
 


Q99 アレルギー検査について

 
1歳9ヶ月のアトピーの娘のアレルギー検査に関して質問させてください。
 
生後3ヶ月でアトピー性皮膚炎と診断され、現在も自宅近くの病院で診察を受け、半年毎に血液検査をし、除去する食品を指示され除去食をしています。
 
今通っている病院では、毎回10品目程度検査をしてもらっていますが、除去している品目は約30品目程あります。親としては食べれる食品の数を増やしてあげたいと思い、メールさせていただきました。
 
除去品目が多いので負荷テストには、不安を感じていますが、現在、疑わしいと医師が判断している食品に関して全て検査をする。というのは可能でしょうか?検査項目を増やしても、食べられる物は増えないのでしょうか?(小麦を検査して、その値と娘を見て、大麦もセモリナもライ麦もオーツ麦も除去と言われました。検査をすればこれらの食品でで食べられる物がでてくる可能性はないのでしょうか?)
 
先生のお考えを教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。
 

A99 食物アレルギーと負荷テスト

 
食物アレルギーの最も確実な最終診断は食物がテストです。これは食物アレルギーの常識です。
 
血液検査や皮膚検査で陽性に出ても、食物によってはその20-60%が実際は食べられる場合があります。これについては医学的なデータがあります。
 
ですから血液検査だけで特定の食物を制限するということは、正しくありません。制限しなくても良い食品を,.
 
成長期の子供に制限をしてしまうことになりかねません。
 
ただし特定の食物を食べてショック状態になるアナフィラキシーの場合には、安易に不可欠としてはいけません。アナフィラキシーとの関係がはっきりしている食物歯は負荷テストをしないというのが原則です。
 
一般的に食物アレルギーの場合、検査した項目のほとんどすべてに陽性に出る場合があります。この理由は不明ですが、この様な場合にはそのすべてが食べられないということはあまりありません。
 
やはり最終的には注意をして負荷テストを行い、食べられるものと食べられないものをきちんと分けて考えるべきでしょう。
 
何でもかんでも除去するというのは、一昔前の考え方です。最近では食べられる範囲の食物を少しすつ食べていくと、その食物に対して抵抗力が強くなり、その結果食べられる量が増えてくるという考え方のもとに、少量ずつ摂取するという試みも行われています。
 
いずれにせよ、最終診断で診断である負荷テストをせずに、安易にすべて除去するのはいかがなものかと思われます。
 
4/5 お礼メール
早々のお返事ありがとうございました。お返事をいただき、娘の除去している食品が減るのではないか?と希望が持てました。ありがとうございました。
 


Q98 食物アレルギーと難治性下痢について

 
8ヶ月の女の子ですが、昨年末より下痢が続いていて、もう4ヶ月になります。
近所の小児科ではビオフェルミンとタンニン酸アルブミン・アドソルビンを処方されましたがよくならず、2月からA病院に通っています。そこで便検査と食物アレルギー検査を行いました。
 
アレルギー検査でIgE値521、卵白・オボムコイド 2、牛乳・大豆・小麦・卵黄・米・カゼインは0でした。IgE値が高いので、下痢の原因はおそらく食物アレルギーだろうと診断されました。母乳で育てているので、母親の食事から卵を除去、それでも改善がみられないので、10日ほど前から乳製品もほとんど食べていませんし、大豆製品も控えるようにしていますが、下痢がよくなる様子がみられません。
(便からはウィルスが発見され抗菌剤(ケフラール)を服用。ウィルスはなくなりましたが、下痢は続いています。ケフラール服用後下痢は悪化しました。)
 
5月中旬にアレルギー科の予約を取りましたが、それまで1ヵ月半以上あり、このまま下痢が続く状態で5月まで待つべきなのか、貴クリニックを受診するべきか迷っています。乳糖不耐症も疑われるということで、ミルラクト、それからビオフェルミンも処方されています。
 
なお、湿疹は足首に少しだけあります。それから耳が少し痒い様子です。蕁麻疹は、2~3回ほど背中にうっすらとでたことがあります。そのときは湿疹だと思っていましたが今から考えると蕁麻疹だったのではないかと思っています。アレルギーを起こしているなら、皮膚にももっと症状が出るものではないかと思い、下痢の原因は他にもあるのではという考えも捨て切れません。
 
食事について、それから貴クリニックを受診すべきかどうかについてアドバイスいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
 

A98 食物アレルギーと難治性下痢症

 
食物アレルギーの症状のひとつにというのはあります。この頻度は高くはありません。消化管感染症、乳糖不耐症や食事の与え方の失敗など非アレルギー的な原因をすべて除外しても、下痢が持続する場合に食物アレルギーによる難治性下痢を考えます。
 
その場合には血液検査や皮膚検査はあまり役に立たないない場合が多いといえます。最終診断はやはり食物の除去テスト、負荷テストです。
 
薬物的治療法としては、インタールという薬の内服薬があります。食事の15分から20分前に内服します。このお薬はすべての場合で効くわけではありませんが、うまく行くと、原因物質が朝から体内に吸収されるのをブロックするため、下痢が止まる場合があります。
 
インタール以外にも抗アレルギー薬を内服する場合もあります。
 
血液検査や2週間の負荷テストでもはっきりしない場合に、ある期間、牛乳アレルギー用のミルクを使用してみるとうまくいく場合があります。しかしながらこの方法の欠点はを母乳を中止するために、数週後に、抗アレルギー用ミルクを中止しても母乳には戻りにくいという欠点もあります。
 
持続する下痢の場合には、2週に1回くらいの間隔で、病院できちんと体重計測をおこない、体重の増減をしっかりと把握する必要があります。
 
4/5 お礼メール
お世話になっております。昨晩もお電話ちょうだいし、ありがとうございました。お忙しいにも関わらず気にかけていただき、大変ありがたく、恐縮しております。
 
本日、A病院を受診し、経過報告をしてきました。
便の状態としてはまだ水分がかなり多く完璧な下痢ですが、幸い回数は今までの半分くらい(3~7回)に減ってきました。血液検査・皮膚検査ともに陽性であった卵を除去して約2週間で下痢の改善がみられたことからやはり卵アレルギーなのだろうと思っております。(ただ、乳製品・大豆も卵を除去し始めて数日後から摂取を控えているので、これらのものにもアレルギーを起こしていたのかもしれません。先生のHPを事前に読んでいれば除去のタイミングを食品毎にずらしておいたのに、と少々悔やまれます)
体重も横ばいが続いていたのが、ようやく少し増加したこともうれしい変化です。A病院のアレルギー科の予約を(予定をかなり前倒しにして)来週後半に取っていただけましたので、しばらく通ってみようと思っております。
 
またわからないことや不安に思うことなどがでてきましたら、質問させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 


Q97 食物除去について

 
8ヶ月の息子がいます。他の病院でアトピーと診断され、検査をした結果牛乳と卵にアレルギーがあると言われました。来週、こちらのクリニックに予約を取りました。是非先生にみていただきたいのでよろしくお願いいたします。
 
過去の質問などもみせていただきましたが、アレルギーの検査について「血液検査か皮膚テストをして・・・」などと書いてあったのですが、初診で行った際はどちらの検査をするのでしょうか?ちなみに去年、プリックテストを2回、今年1月に血液検査とプリックテストを1回しました。
その時の血液検査の結果も持っていった方がいいですか?
 
あと、現在母乳のため、私が卵、乳製品を除去しています。食物アレルギーとわかってから、たまたま買った本が完全除去食派の先生が書いた本だったこともあり、その本に影響されて牛肉、鶏肉、加工品に含まれている分まで除去しています。当時通っていた病院ではそこまで除去しろとは言われませんでした。素人判断で勝手にやるのはよくないとわかっているのですが、ここまでやればかゆみが収まるかもと思い、頑張ってきました 。
 
先生のお考えとしては、ここまでの除去は必要だと思いますか?ちなみに負荷テストなどはしていないので、本当に牛乳、卵にアレルギーがあるのかはわかりません。完全に除去して4ヶ月弱になりますが、ここまで除去する必要があるのかわからなくなってしまいました。とにかく、来週行きますのでよろしくお願いいたします。
 

A97 食物アレルギーと負荷テスト

 
食物アレルギーの最終診断は食物負荷テストです。特定の食物を食べると、血圧が下がったり呼吸困難になったりするいわゆるアナフィラキシー型反応と呼ばれるショック型の場合には、危険が伴うので食物負荷テストは行いません。
 
しかしながら皮膚炎(湿疹)の場合には、はっきりしない点が多いために、検査で陽性に出た食物を2週間除去し、症状がよくならなければ、その食物は除去する必要がまずありません。また症状が良くなったならば、2週後に少量ずつまた食べてみます。これを負荷テストといいます。この負荷テストをやって症状が悪化した場合に、この食物が原因であるという疑いが極めて濃厚となります。
 
なぜ食物負荷テストが必要かというと、血液検査および皮膚検査の場合、仮に陽性と出たとしても、食物によっては20%から50%くらいのケースでは、検査が陽性に出ているにもかかわらず、その食物を食べても何の症状が出ないのです。ですから血液検査や皮膚テストだけで食物制限を始めてはいけないのです。
 
クリニックにおいでになるときは、現在までに受けた皮膚テストや血液検査の結果を全部をお持ちください。それがあればよほどでない限り、お子さんに痛い思いをさせてまで、今回は検査をする必要はないと思います。よくお話しをうかがい今後の方針を決めたいと思います。
 
まだいらっしゃる時には今までに処方されたお薬、飲み薬や外用薬などの種類をお教えてください。よりお話しが核心に入ると思います。よろしくお願いいたします。
 


Q96 子供の喘息、食物アレルギー、アトピーについて

 
1歳の娘と3歳の息子の事です。
 
まず娘ですが、1ヶ月前血液検査をした所、卵ミルク小麦大豆が陽性でした。医者からは卵のみ除去で他は過剰摂取にならないようにと言われ除去をしていますが、どの程度の摂取がいけないのかも分からず、聞いても曖昧なので悩んでいます。調味料は使わなくても食べるので使っていません。後は野菜イモ類を中心に米粉でお好み焼きを作ったり手づかみメニューを増やしたりしています。
 
アトピーとも言われています。アルメタ、アンダーム、ヒルドイド、市販のロコベースリペア(保湿剤)を使い分け塗っていますが、結構掻いてしまっていて、手首上、足首、ふくらはぎ、は傷になっています。顔も耳周辺や口まわりは良く手がいっています。食事をきをつければ治ると思っていたのですが、良くなりません・・。肉類や魚類を少しづつでもあげているのですが、なんだかあげた日はおふろでずっと体を掻いています。私自身色々サイトで調べたのですが、頭が混乱してきて何をあげて良いのかどうしたら良くなるのかわからなくなってきてしまいました。私の母乳がいけない・・と思うと食べ物の事を考えるのが苦痛になりご飯に塩をかけて食べていました。こんなのであげてても意味がないと思い今断乳を実行しています。断乳後はアレルギー用ミルクを飲ませるか離乳食に加えたほうが良いのでしょうか?これから暖かくなりかゆみが増すのではないかと本当に悩んでしまいます。除去食をしたからといってかゆみがなくなる訳ではないのでしょうか?
 
次に息子ですが、2歳頃までは大きな病気もなくきましたが、2歳半頃膝裏や肘を中心にかゆがったので皮膚科にいった所軽いアトピーと診断されました。今は保湿剤のみで過ごしています。そして2~3ヶ月前風邪で咳が長引いて診察した所喘息気味と診断されました。それから風邪をひくと半月は咳は続きます。夜中はひどく咳き込み吐く事も良くあります。今回1週間前程から風邪をひいているのですが、朝からずっと咳をしています。本人はどこも痛くないと言い咳以外は元気です。喘息気味と言われているので、咳が続くのは仕方がない事なのでしょうか?朝から晩まで咳をしているので他に何かあるんじゃないかと心配です・・。
 
風邪薬以外にテオドールドライシロップを娘は最低半年飲むように言われています。息子は咳が完全に治まるまで飲むように風邪の度に処方されています。しかし、良くなっている訳でもないし、飲む必要があるのかわからなくなってきました。こんなに薬にたよって良いのでしょうか・・?
 
長くなりましたが子供達のアレルギー体質は私の遺伝かと思います。小さい頃私は苦労しました。アレルギー検査などしたことがないので、原因がわからず、体質とあきらめていましたが、子供達にはできるだけの事をしてあげたいので、どうぞアドバイスよろしくお願い致します。。
 

A96 食物アレルギーの診断およびぜんそく前段階

 
家系にアレルギー体質があり, 皮膚炎または湿疹症状があり、カゼのあとの咳が長期間にわたりとれないというようなことから考えると、以下のことをまずしっかり行うことが重要でしょう。
 
1 血液検査で卵や牛乳が陽性に出たならば、食物除去テスト、負荷テストを行い、これらの食品がお子さんの皮膚炎症状の原因であるかを確かめておく必要があります。
血液検査は食物アレルギーの補助診断です。最終診断は除去テスト負荷テストが必要です。この除去テスト、負荷テストなしに食物制限を始めてはいけません。
 
これらの食物アレルギーの診断については、このHPの Illness の中の食物アレルギーの診断をお読みいただいても良いし、昨年主婦の友社から出版しましたアトピー&アレルギーブックを参照していただいても良いのです。この本には食物アレルギーの診断以外にもスキンケアーやチリダニ対策および皮膚炎の場合の外用薬の使い方などについてわかりやすく書かれています。
 
2 アレルギー体質の家系お子さんで鼻症状や咳が数週間ににわたって続く場合には、気管だけでなく鼻の粘膜も敏感であることを示します。この場合には副鼻腔炎(蓄膿症)の有無を耳鼻科で見てもらい、これがなければ気管が敏感であるらしいということから、喘息系のことを考慮します。
 
その様な場合には普通の風邪薬ではなく喘息のことも加味した予防薬を内服したり吸入したりすることが必要です。本格的に喘息になってしまう前にこの段階で食い止めることができれば1番良いといえます。アレルギー家系のお子さんの咳や鼻がだらだら続供養ならばぜんそく前段階を疑います。
 
日本の統計は、乳幼児の時に風邪が治らない、咳が続くつするなどの症状、つまりぜんそく前段階を経て、小学校入学までにほぼ90%は病院でと喘息と診断されます。ですから喘息と診断される前にいくつか、対策を講じておくとよいでしょう。
 
3 その手のひとつがチリダニ対策です。小児喘息の80-90%はチリダニに対して反応してしまいますので、チリダニ対策が必要です。これも私のホームページの Illness の中のアレルギーを起こす物質という項目の中にチリダニ対策が述べられています。また先程ご紹介した主婦の友のアトピーハンドアレルギーブックの中にもチリダニ対策が図や写真などとともに説明されています。
 
さらに、タバコを吸う方はいますか? 受動喫煙は喘息前段階の患者さんには要注意です。後はペットの有無です。
 
以上の2点に渡りきちんと説明して、今後を見通し、対策を立ててくれる専門医と相談されることをおすすめします。
 
5/12 お礼・質問メール 
遠いですが、診察に言って本当によかったです。私達(主人も)が知識不足だとわかり、本をしっかり読みました。薬は処方して頂いた物にすべて変え、初めての物はパッチテスト後塗り始めました。すべて肌にあっています。夜中も起きなくなりました。
食べ物ではまず卵から初めてみようと思いますが、黄身からで良いでしょうか?血液検査前は全卵食べていました。よろしくお願い致します。
 
5/16 回答メール 
「食物負荷試験」
 
以前に全卵を食べていたということから考えると、問題はないと思われますが、しばらく特定のものを食べていないと、その後食べた際に症状が強く出ることがまれにありますので、お話しの通り卵の黄身からスタートするのがよろしいと思います。
 
卵を固ゆでにしてその黄身の16分の1(大体の目分量でよいと思います)をまず食べさせ(お塩などつけるとよいでしょう)、皮膚及び粘膜に何の反応もなければ、15分後に16分の1をもう1個食べさせます。さらに反応はなければ16分の1を食べさせます。これで問題がなければ黄身の16分の3を食べたことになります。
 
1日目はそれで終了し、3日後に同じ量をもう1度食べさせます。これを合計2週間続けます。ここまでうまくいったらまたご連絡ください。
 
基本的に卵の黄身の主成分はたんぱく質ではなくてコレステロールです。卵白アレルギーの約100人に1人が黄身でも症状を起こします。
 
食物負荷試験を自宅で行う場合には、細心の注意が必要です。まず万一のことを考えて病院が受け入れてくれる時間に行うことが重要です。ですからウィークデイの午前または午後が適切でしょう。日曜日はおススメではありません。
 
当クリニックでは、自宅で負荷試験をやる場合には、もし万一何らかの症状が起きたときにすぐ内服していただくセレスタミンという非常用のお薬をお出しして、自宅で負荷試験をして万一何か起こったときにはそれを飲んで、病院に連れて行くようにしてくださいとお話ししています。
 
5/19 質問メール
メールのお返事を頂いた前の日、黄身8分の1程食べさせてしまいました。1時間後位に口周り頬が痒くなったようで赤くなり掻いていました。後首の下(デコルテ)が一部赤くなりました。元々かさついていた部分が赤くなった感じのようです。夜には消えました。この日はこれしか食べさせていません。
一日あけてたまたま上の子に出した黄身の炒り卵(レンジ)をひとつまみ食べてしまい、その日は何もなかったのですが、次の日お風呂上がりに見ると全身所々小さなブツブツと赤みがでていました。お腹(脇腹)手の甲、手首は特に痒いようです。しかし顔には出ていません。
 
黄身を食べさせてから夜痒がるようになったように思いますが、気温の変化も関係しているかもしれません。。
 
このような症状が出ても教えて頂いたように2週間続けてみた方が良いのでしょうか
 
5/20 回答メール
「食物負荷テスト」
今回のように、どちらともいえないときは、数日間から1週間、中止し、その後、皮膚の状態が元に回復したら、今回と同じように食べさせ、同じような反応が出るときは、再現性ありと判断しましょう。
今回の皮膚の状態はデジカメなどで記録しておくと、次回の負荷試験の特に比較できます。
 
5/21 質問メール
卵の件ありがとうございました。皮膚が快復次第再度行いたいと思います。今回は少し時間がかかりそうです。
 
今日実家へ行ったのですが、帰る頃全身広範囲で赤くなっているのに気付きました。何度も行っていますが、こういう症状は初めてです。かゆみがありますがブツブツという感じはなく日焼けのような感じの赤みがほぼ全身に広がっています。熱いです。顔は頬がブツブツした感じです。
 
今日初めてした事はマンゴーを食べた(果物は安心かと思ったので・・)事です。アレルギーと関係する事は猫にふれている。これは関係ないかと思われますが、シャボン玉液が体にこぼれた。
 
他はいつもと同じ物を食べました。マンゴーもアレルギーをおこしやすいのでしょうか?今までで初めての症状なので悩んでいます。薬はブツブツがない所は保湿のみとしてますが、かゆみがあるようなのでさらにオイラックスなど塗った方が良いのでしょうか?
 
機嫌はいつもとかわりませんが、かゆみが強いようです。明日以降様子を見てみますが、皮膚の状態がひどいのが続く場合受診した方がよいのでしょうか?また消えた場合はあまり心配する事ではないのでしょうか?
 
何度も申し訳ないのですがよろしくお願いいたします。
 
5/29 回答メール
「発疹」
実家にお帰りになったり、旅行などに行くと,様々な環境因子が変化するため、皮膚は悪化することがよくあります。この原因としては、ハウスダスト、特に普段使用しないで押入れにしまってあるお客様用の布団などを使用することも因子のひとつです。特定の食物が疑わしいときは、症状が治まってて、1-2週間したら、同じものを食べさせて見て、同様の症状がみられたら、それはかなり疑わしい。つまり再現性があると判断します。皮膚炎が通常の保湿剤を数日使用し、直らなければ拝見いたします。オイラックスはステロイドの入っていない痒み止めです。このような場合に、お試しになって、よいでしょう。
 
6/9 質問メール
今日で終了しました。
殆ど反応なしでした。一日目少し赤いかなという感じになりましたが、目立った感じではありません。
今日私が娘に卵をあげているのを見て、息子があげてしまったようです。(16分の1)「白いとこもあげた」と言っていたので白身も16分の1あげたと思います。そのせいなのかお風呂では痒がり、お腹腕の内側がかぶれています。(掻いたせいもあるかもしれません)1日目と今日を除いては湿疹などは出ませんでした。
皮膚の状態はとても良いです。顔は何も塗らなくても綺麗です。耳切れも殆どなくなっています。ただ背中が汗疹なのか良くわかりませんが、常にブツブツしています。所々は目立つ感じの赤みです。保湿やかゆみ止めを塗っても効果はありません。背中をこすりつけて痒がるという事はありません。何か別の物を塗った方が良いのでしょうか?
今後どういう課程で試験を進めていったら良いのかも合わせてご指導よろしくお願い致します。
後薬、(モクタール混合)以外がなくなりそうなのですが、どうしたら良いでしょうか?一度また診察に伺った方がよろしいですか?こちらの方もよろしくお願い致します。
 
6/10 回答メール
食物負荷テスト
食べさせたことが原因かどうかはっきりしないときは、一時中止しましょう。
デジカメなどで写真を撮り、次回の来院時に見せてください。
アタラックスPシロップをきちんと内服し、直りが悪ければ、塗り薬をかえたほうがよいかもしれません。
 


Q95 乳製品の負荷テスト

 
こんにちわ
相談に伺うと言いながら、今日になってしまいました。こちらも妊娠9ヶ月になってしまい、出産までにお伺いできるかわからないのでメールにさせてください。よろしくお願いします。

さて、相談なのですが、
以前、瑞生の乳製品の負荷テストをヨーグルトで行ったところ、大きな皮膚症状の変化がなかったため、それからはあまり神経質にならずに乳製品が含有されている食品を今日まで与えてきました。そして、最近、近所の小児科でアレルギーの血液検査を行って、その結果が出ました。卵白・卵黄は少しだけ数値がさがったのですが、なんと牛乳とチーズの測定値が上がってしまったのです!

牛乳:4月0.91IU/ml クラス2→今回5.44 クラス3
チーズ:4月1.7UA/ml→今回2.37 クラスは同じく2

その小児科の先生は牛乳は除去するように・・・と言います。
私は永倉先生の考えに同調するつもりですが、やはり実際に数値が上がるとこの先不安になります。数値が上がっても、皮膚症状などがなければこのまま乳製品が含有されている食品を与えてもいいのでしょうか?それともストップさせるべきでしょうか?
 
来年の4月からは幼稚園です。給食などで卵・乳製品のものも当然出てくるでしょう。その時に他のお友達と比べて元気をなくしてしまわないか・・・とか、今から色々不安になってしまいます。そのためにもあと1年でなるべく克服させてあげたいのです。焦りすぎは禁物とわかっていながら悩んでしまいます。メールで申し訳ありませんがアドバイスをお願いします。
 

A95 食物アレルギーと血液検査

 
血液検査でIgE抗体が陽性に出ていても、食べられる場合は牛乳では約30%、卵では約20%見られます.
 
このことは血液検査は食物アレルギーの除去食の基準としては不十分であることを示しています。
 
最終診断は何をしたらよいのでしょうか。それが食物負荷テストです。食物を食べて何の症状も出ないならばその食物は食べてよいわけです。これはアレルギー専門医の常識です。
 
血液検査が陽性にでだからといってその食品を食べてはいけないという指示は適切ではありません。
 
血液検査が陽性であっても食べて何の症状も出ない量を食べることは、全く問題ありませんし、症状の出ない程度の食品を売るずつ食べておくと、食べられる量がだんだん増えてくるということも知られています。これは医学的にはアレルギー専門医の間で食物減感作と呼ばれています。
 
ですから現在お子さんが飲んだり食べたりできる量の乳製品はそのままでを続けください。全く心配ありません。
 
乳製品は、発育盛りの子供にとり、単なる栄養というよりもカルシウム源として非常に重要な食物です。これが摂取できるようになったということはお子さんの発育にとってまことに喜ばしいことであります。
 
私たちでアレルギー専門医は、やむを得ずに牛乳や乳製品を制限することがありますが、その場合1番心配なのはカルシウム源としての牛乳、乳製品を制限してしまうために、背が伸びなくなるのではないかということが最も心配な点です。
 
お子さんの場合現在全く症状が出ないので、カルシウム補給が今後楽になりました。心配しないで今の量を続けください。また自信がついたら少しずつ量をアップしてよろしいと思います。その時にはアップの仕方もご相談したいと思います。
 
最高に、血液検査課陽性でもその食品を食べて何ともない場合には、それを食べ続けるとそれに対してアレルギーになるということは全く医学的根拠がありません。
 
しかし大丈夫だからといって水代わりにミルクを飲んだり、1日に1リットルも2リットルも飲んだりするような極端な摂取方法はしてはいけないことは当然です。念のため!
 


Q94 蟹アレルギー

 
はじめまして 82歳の父親のことでご相談いたします。
 
7~8年前に蟹でアレルギーが出ました。(蟹以外の食物のアレルギーはありません)
蟹の種類は“渡り蟹”症状は嘔吐、下痢、湿疹でした。それまで一度もそのような事がありませんでしたので偶然かと思いその後に一度食べ同じ症状になりましたのでそれ以来一度も口にしていません。先日知人から“たらば蟹”はヤドカリの仲間なので蟹アレルギーの人でも大丈夫と聞きましたが、本当でしょうか?父は再度確かめてみる勇気はないようですが蟹が好物なので安心して食べられれば・・・と思いご相談してみました。
 
お忙しいとは存じますがよろしくお願い申し上げます。
 

A94 蟹アレルギー

 
まず内科で血液検査を受けて蟹に対する血中抗体があるかを見ておきましょう。
 
仮に蟹アレルギーとしても、十分に加熱すれば食べられる場合もあります。100℃以上の加熱調理がお勧めです。
 
例えば、オーブンに入れるとか、テンプラにすると180℃に加熱できます。一般的には蟹アレルギーがあれば、たらばが蟹でも症状は出やすいのです。しかし、食物アレルギーは最終的には、食べてみること(食物内服テスト)がもっとも信頼できる検査です。たらが蟹アレルギーの有無は、それを食べてみなければ、最終診断はつかないといえます。
 
まず検査をして、その結果をお教えください。
 


Q93 「病院の選択」

 
初めまして。8ヶ月の息子のアトピー性皮膚炎の治療について、皮膚科と小児科の間を色々と転々としながら3ヶ月あまり。両医の診断・見解の相違の狭間に立たされて迷い始め、ネット上を検索中に偶然こちらの病院の存在を知りました。
 
息子のアトピー発症は生後3ヶ月です。
最初は近所の小児科に通院していましたが治療内容が合わず、転院。生後5ヶ月から皮膚科にてステロイド(重にロコイド・リンデロンV・マイザー)を使用しながらの治療を続けてまいりました。一進一退ではありますが徐々に良くなってきております。
ただ、生後7ヶ月のときに粉ミルクでアレルギーショックを起こして以来、アトピーと食物アレルギーとの関係を重要視した診療を行っている病院を捜し求め、皮膚科だけでなくアレルギー科(あるいは小児科)探しに奔走して参りました。
 
早速先生の著書「アトピー&アレルギーブック」を購入して読ませていただきました。そしてぜひ先生に一度診て頂きたく、3月に予約を入れさせていただいたのですがよろしいでしょうか。
 
息子の治療経過についての詳細は私のホームページをご覧いただければと思っております。
 
また、今までの治療に対する私個人の見解について簡単に下記記入いたしましたので、お読みいただけたらと思っております。
何卒よろしくお願いいたします。
 
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~~小児科・皮膚科両医の診断・見解の相違について~~
 
<見解の相違;皮膚症状に関して、ステロイドに関して>
①小児科ではステロイドは止めなさいという方針。
②皮膚科ではアトピー性皮膚炎はあくまでも皮膚上のものであって、食物アレルギーはそれほど関係ない。ステロイドはとても有効。
 
<見解の相違;アレルギーに関して>
 
①小児科はアトピーとの関係アリとはするが、ただ「インタールとセルテクトの抗アレルギー剤を処方して、1歳までは牛乳・卵除去、母親は食制限特に必要なし」というだけで、アレルギー治療の食事面からの療法についての指導がまったく確立されていない。
 
→ステロイドも使用せず(代わりに処方されたアンダームを使用したがひどいカブレをおこしました。)、ただ単にインタールを飲み続けるだけで治るのか?と疑問が残る。
 
②皮膚科の先生はアレルギーに関してはやはりノータッチで(専門外なので勿論のことなのですが)、こちらが家族・親戚がアレルギー持ちだと説明してアレルギー検査をしてほしい旨を申し上げても「今はあまり意味がない」「離乳食は普通に始めてよい」「母親の食事制限も特には必要なし」としかおっしゃらない。
 
→皮膚症状に関しては、ステロイドを最適に活用した診断で納得・指示に従っていますが、ただし、アレルギーも併発している乳児の場合、もっと早期の段階から用心して対策をたてておかないでもいいのだろうかと不安。
 
<私個人の見解>
 
ステロイドの副作用(?)に対する小児科の先生の懸念はわかりますが、私個人としては、今までの治療経過からして症状の悪いときなどは、やはりステロイドを使用は不可欠だと思っております。正しく医者の指導通りに使用すれば大丈夫。問題はないと思っています。
 
ですから皮膚症状に関しては、皮膚科の先生の指示に従い、大分回復してきました。使用している薬は、ロコイドとヒルドイドソフト(1:1)・リンデロンV・マイザーです。
 
ただ、そうこうしているうちに、アレルギーに関して不安に思いながらも、ある日、新生児以来久々に飲ませた粉ミルクを摂取2時間後、アレルギーショック症状を起こしました。(全身蕁麻疹・目が開かず人相が変わってしまうくらいに顔が腫れ、ぐったり。ただし、呼吸困難はなし。)
 
食物アレルギーを伴ったアトピー性皮膚炎は、長期戦ですので治療による即効性・即完治は多くを望んではおりません。
 
また、今は患者が選択することもできる時代だと思っておりますので、両医のおっしゃる内容の、納得できる面をこちらで選択していけばいいと思うのですが、医師によって見解があまりにも違いすぎると親としては方向性が見えず、不安が拭えないのも実情です。
子供のためにも親が強い意志を持って臨んでいきたく思っていますので是非ご教示・ご指導頂きたくメールさせていただきました。
 
長々と申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
 

A93 食物アレルギーとアトピー性皮膚炎, およびアナフィラキシー

 
(1)いろいろお悩みと思いますが, 現在、お話しの中で最も重要な点はミルクによるアナフィラキシーショックです。
 
アナフィラキシーというのはアレルギー反応の中でもっとも激烈なものです。場合によっては処置を誤ると、生命の危険も生ずる場合は少なくありません。
 
新生児期に、粉ミルクを飲ませてアナフィラキシーになったとすれば、お子さんは牛乳タンパクに対して, 反応するアレルギー性の抗体を持っている(牛乳アレルギー)ことはまず間違いないと思います。
 
アナフィラキシーショック疑われた場合にはまず血液検査をして、疑わしい食品、この場合は牛乳ですが、それに対する抗体が存在するかまたはそのレベルを調べておくことは絶対的に必要です。
 
次に、新生児期に牛乳によりアナフィラキシーショックが起きた場合には、母乳栄養では、母親の牛乳の摂取量をどうするかきちんと決めておく必要があります。アナフィラキシーの場合には、母親も牛乳及びおよび乳製品を中止するのが基本的なやり方です。
 
また人工栄養に切り替えるときは牛乳アレルギー用のミルク、各社がそれぞれ製品を出しておりますが、これを赤ちゃんが飲むことは必要です。
 
いつアナフィラキシーが軽快するかについては、個人差があります。症状が軽い場合、数年で牛乳が飲めるようになる場合がありますが、重症の場合には数年間以上続く場合があります。この点についてはアナフィラキシーの管理に慣れた専門医にきちんとケアーのポイントを指導してもらうことが必要です。
 
(2)アトピー性皮膚炎と食物アレルギーについて、医師により見解が異なるために、あなたに非常な不安が生じていることはご同情申し上げます。これらの医師による見解の相違は10年以上前からは依然として続いております。
 
補おります確かに20年前はアトピー性皮膚炎における食物アレルギーの関与を否定する皮膚科医は多かったのですが、近年は皮膚科の先生方の中でも食物アレルギーの関与を認めてきちんとケアーしている方が少なくありません。
 
(3)厚生省がまとめた専門病院のデータでは、皮膚炎のうち約20数%が食物アレルギーによるものだということがわかっています。しかしながら残りの70-80%には食物アレルギーの関与は認められておりません。
 
食物アレルギーの診断の手順につきましては、このHPのIllnessの中の食物アレルギーの項目をお読みください。または近年、主婦の友社から出版いたしましたアトピー&アレルギーブックを、ご参照いただくと、これらの点が分かりやすく説明されております。
 
この本の27ページに、年齢経過と主なアトピー性皮膚炎の原因の推移の図があります。私たちはこれを頭に置きアトピー性皮膚炎の診療を行っております。患者さんの年齢を考え、その年齢の1番多いものは何かということを、注意してチェックしていきます。それをチェックしてもう原因が見当たらないときに、たとえばお子さんの年齢であれば食物以外の因子が主であるというように判断していきます。
 
お子さんの場合には牛乳を飲んでアナフィラキシーショックが起きておりますので、牛乳アレルギーは間違いなく存在すると思われます。
 
食物アレルギー用考えて特定の食物を血液検査や皮膚検査によって選び出し、食物除去テスト負荷テストによりそれを確認した場合には、その食物を除去することになります。しかしながら多くの場合、除去しても完全には皮膚はよくなりません。
 
というのは、アトピー性皮膚炎はアレルギー体質と皮膚のバリヤ障害(これも上に述べた本に出ております)の2つがミックスしたものだからです。ですから除去食によりアレルギーが大幅に減少したとしても、お子さんの皮膚が弱い、例えばドライスキンという体質はその後もある程度、続くと考えられます。
 
そのような場合に各種の保湿剤を使用したスキンケアーを行っていきます。それを行ってもいるがまったく改善しないとか、皮膚を掻き崩すようになってしまった場合には、やむを得ずステロイド軟膏を使用致します。このような場合ステロイドは必要悪というように私は考えています。やむを得ず使用するわけですから、当然良くなってきたら注意して減量する必要があります。
 
皮膚科のある先生方はステロイドを減量しないで1年使い続けるという考え方の方もいらっしゃいます。皮膚の炎症ということを考えるとそれはそれでそれ自体間違いではないと思われますが、私は少しずつ減量するというステップダウン方式をとっております。
 
(4)アンダーム皮膚炎
 
アンダームは非ステロイド軟膏と呼ばれるグループに入っています。ステロイドではないということで安易に使用される場合が多いのです。しかし、専門医の間ではこれら非ステロイド軟膏によるかぶれはよく知られている現象です。従って専門医は紛らわしいためにこの非ステロイド軟膏はあまり使用しない場合が多いといえます。この点も本の79ページに書いてあります。
 
(5)最後にご注意
 
1度でもアナフィラキシーショックが起こった場合には、不用意に赤ちゃんにその食品を食べさせてはいけません。特に自宅で牛乳負荷試験(牛乳を試しに飲ませること)などは絶対にしてはいけません。激烈な症状が出る可能性があるからです。これらの点についてもアナフィラキシーの管理に慣れたアレルギー専門医とよく相談する必要があるでしょう。
 


Q92 魚アレルギー

 
私は4年半前に急に魚にアレルギー反応を起こすようになりました。
最初はあじのひものでした。
魚を口にするとすぐに舌がしびれてきて唇や目の下が水がたまったようにぱんぱんにはれあがり、耳のおくがしびれます。
唾液を飲むと食堂がか細く感じるので、きっと腫れているのだと思います。
食べた量や種類で症状はかわりますが、どんな魚を食べても口にした直後に症状はでます。
はんぺんや、さつまあげなどの加工品でも反応します。
えびや、いか、貝類などではアレルギー反応はしません。
一度、病院で血液検査か尿検査をしたところ、全ての魚に対してアレルギー反応がでました。
うなぎや、あなご、また魚で直接だしをとった汁や、お刺からでた水分がついているものを食べただけでも反応します。
最初に反応した4年半前はちょうど寿司屋でアルバイトをしていて、賄いでほぼ毎日のようにお寿司をたべていました。
食べ過ぎたのが原因なのでしょうか?
これは治りますか?
治るようでしたら、治療をしたいです。
自然となったので、自然と治るのを待つしかないのでしょうか?
お返事よろしくお願い致します。
 

A92 魚アレルギー

 
お話から判断すると、魚アレルギーです。
 
これは各種の魚に共通するある蛋白(Parvalbumin)が原因の場合が多いのです。多種類の魚に反応していること、さらに加熱しても、加工品でも症状が出ることを考えると、また食べられるようになるかかは即答するには難しい問題です。
 
お寿司屋さんで仕事をし、各種の生魚の摂取の頻度が急に増加したために、それまであなたが気がつかなっかたアレルギー体質が、魚アレルギーとして表面に出てしまったのでしょう。
 
いったん獲得されたアレルギー体質を変えるのは難しいことですが、また食べられるようになるには、非常に特殊ですが、経口減感作という治療方法があります。 細心の注意をしてこの方法をやることが、数少ない可能性のある方法でしょう。
 
通常の減感作療法はスギ花粉症で広く行われます。当クリニックでは多数の患者さんがこの治療法を受けています。スギの場合は皮下注射です。
 
しかし、経口減感作は、症状の出ない量をまず見極め(これが難しいのですが)、それを注意しながら少量ずつ週に1-2回くらいの目安で開始し、その後、増やしてゆく食べてゆく方法です。減感作療法になれ、また食物アレルギーの治療の経験の豊富なアレルギ-専門医と相談されるのが良いでしょう。
 
4/8 質問メール
永倉院長 様以前魚アレルギーを診ていただいたMです。
ごぶさたしています。仕事の方が一段落したので、魚アレルギーの治療を開始していただきたいです。お会いした時にどのくらいの魚を食べてどのくらいの症状がでるかを試しておくように言われたので煮魚(ブリ照り)でためしてみました。平日の午前中に治療をとのことでしたので、予約をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 
4/10 回答メール
どのくらいのブリは食べられてのでしょうか。
何グラムだったのでしょうか?それをお教えください
 
4/18 質問メール
ブリを食べたですが、何gと正確な量がわかりませんが、普通にマーケットなどで売られてる一切れです。少し大きめな一口サイズを7~8回にわけて食べました。
食べた時の症状は耳のおくがぴりぴりとし、のどの奥が息苦しくなりました。
唾液を飲み込んだ時、魚の骨などをのどにつまらせた時ご飯などをを飲み込む感覚に似ていました。あとは、胸やけがするかんじで気持ち悪くなりました。特に食べれば食べるほど症状が悪化するというわけでもありませんでした。よろしくお願い致します。
 
4/18 回答メール
不快な思いをさせたようで、すみません。
さて、経口減感作療法で、重要なことは、症状を起こさない量をみつけることです。
少し大き目というのは、何グラムだったのでしょうか?それがわかれば、もっと少ない量で試すとよいのです。
次回は、食べる前に、ご連絡ください。ご相談して、慎重にやりましょう。
 
4/19 お礼・質問メール
ご返答ありがとうございます。まずは治療を始めるにあたって何をすればよいですか?先に病院に伺った方がよいですか?それとも、今度は量を計った上でもう一食べてみてみた方がよいですか?
 


Q91 アレルギー反応を起こさない食品を教えてください。

 
はじめまして。次の食べ物の中でアレルギー反応を起こさないものを教えてください。
さば、かに、えび、ゼラチン、イカ、そば、りんご、もも、トマト、卵、砂糖、小麦、牛乳、落花生、オレンジ、鮭、あわび、大豆、やまいも、豚肉、鶏肉、牛肉、油、くるみ、キウイフルーツ、サラダ、塩、マツタケ、イクラ。
 

A91 食物アレルギー

 
どの食物を食べるとアレルギーが出るかについては、個人があり、仮にあなたの友人がサバにアレルギーだといって、あなたもサバアレルギーになるわけではありません。理論的にはいかなる食品でもアレルギーが出る可能性がありますが、同時に同じくらい何も症状が出ない可能性もあります。
 
したがって、現時点で何も症状がなければ、普通に摂取して問題ないと思われます。何か疑わしい症状が出たら、そのときに詳しい検査をすればよいでしょう。
 


Q90 食物アレルギーについて

 
初めてメールを送らせて頂きます。宜しくお願い致します。
 
最近になってエビとカニを食べると決まって1時間後くらいから猛烈な胃痛(みぞおちの下あたり)になります。この症状が出るとあまりの痛さにうずくまって耐えるしかなく何か良い対策はあるのかと考えたのですがどうしたら良いのか分からず藁にもすがる思いでメール致しました。夜に食べた場合は痛いのを我慢して寝ると朝には直っているという感じです。
 
他の方でも似た症状の質問があり参考にさせて頂きましたが、一点気になっていることは、もしもこの原因がアレルギーだった場合、今まで大丈夫だったとしてもいきなりし食物アレルギーなったりすることはありえるのでしょうか?去年の夏くらいから気になるようになりました。もともとエビとカニは好物で良く食していたため大変とまどっております。現在、スギ花粉アレルギーではありますが、今まで他のアレルギーにはなったことはなく身内にもそういったことはありません。
 
下手な文章で申し訳ないのですが、何かアドバイスを頂けると幸いです。
 

A90 食物アレルギーと消化器症状

 
食物アレルギーが消化器症状を起こす場合には、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、血便などがあります。
 
あなたの場合、エビやカニ食べた後に毎回このようなことが、食べて1時間後に起きるようであれば、食物アレルギーが疑われます。血液検査をしてこれらの食品に対する抗体が血液中にあるかを見ておくとよいでしょう。
 
もし検査が陰性であっても、同様のことが数回以上おきているのであれば、それが原因と考えて良いと思われます。食物アレルギーの場合には、血液検査と症状が一致しない場合がよく見られます。そのような場合には血液検査はあまり重要視しないで、を同じものを食べたときに同じような症状が起きる、これを再現性といいますが、この再現性があるかどうかを診断の決め手とします。
 
食物アレルギーに限らず、スギ花粉症、成人発症型のぜんそく及び蕁麻疹などは小児期には症状がなくても、成人してから突然に出ることはよく見られる現象です。あなたはすでにスギ花粉症などのアレルギー体質を持ちなので、食物アレルギーが出るリスクは、他の人よりも高いといえましょう。
 
食物アレルギーをよく知っているアレルギー専門医と相談されるとよいでしょう。
 


Q89 食物アレルギーに関する質問

 
初めてメールさせて頂きます。
最近になって、ある食べ物を食べて不快な状態になったことがあり、気になっています。
食物アレルギーなのではないかと思い、それらの食品はその後口にしていませんが、食事の度に不安がよぎり、気になります。
原因と対処法をお伺い出来ればと思いメールさせて頂きました。宜しくお願い致します。

①コハダのにぎり寿司
酢でしめたコハダのにぎりを食べた時の事なのですが、1カンめを飲み込んだ直後(2,3秒)、急に血の気が引く感覚に襲われ、同時に胸がドキドキし、冷や汗が出る状態がしばらく(10分程度)続きました。
感覚は徐々に緩和されて、その後は普段の状態に戻り、吐き気や腹痛、下痢などにもなりませんでした。

②カモのロースト
コハダの時と同様に、一口めを飲み込んだと同時に血の気が引く感覚と動悸を覚え、居ても立っても居られないような状態が、やはり10から15分続き、その後徐々に普通の状態に戻って行きました。
その間、席を立ってトイレで呼吸を整えていましたが、鏡で見る限りでは特に顔面蒼白になっている様子ではありませんでした。

③ソバ茶
ソバ屋で出されたソバ茶をティースプーン1さじ分程度すすって、飲み込んだと同時に、①②と同様の状態になりました。ただ、この時は、割合程度は軽く5分程で緩和されました。その際出されたソバには念のため口をつけませんでした。

①②③ともに、血の気が引く感覚と動悸、冷や汗以外には特に症状などは無く、口の中が痒くなったり、蕁麻疹、吐き気、腹痛などは起きませんでした。また、気持ちが悪いのでとりあえず同じ素材の食べ物は控えており、その後食べた事はありません。

今まで特にアレルギーを発症した事はなく、家族にもアレルギーを患っている者はおりません。
またソバについては、つい2~3ヶ月前には普通に食べており、何ら問題はありませんでした。

これはアレルギーなのでしょうか。また、対処法、治療法などお教え頂けましたら幸いです。
 

A89 食物アレルギー(?)

 
(1)とりあえず血液j検査を受けると良いでしょう。 こはだ、ソバは検査項目がありますが、検査センターに問い合わせたところ、残念ながらカモは無いようです。
 
(2)あなたの症状の出方は、一般的な食物アレルギーとやや異なっています。お話からではこれらの症状がアレルギー症状なのか、なんとも判定しにくい部分があります。

食物アレルギーのことを熟知している専門医とご相談されることをお勧めします。
 


Q88 喘息なのでしょうか?

 
お久しぶりです。
娘(11ヶ月)の事なのですが、皮膚検査で、グルテンには 陽性でなかったので、ベビーシリアルを試してみたら、(5さじほど与えてしまいました)5分程で咳がはじまって、のどがヒューヒューとへんな音がし始め、顔を中心に湿疹がほぼ全身にできてきて、鼻水も沢山ではじめ、呼吸が苦しそうになってあわてて救急ユニットにいきました。
 
血液中の酸素量は問題ないので、喘息ではないと言われました。その5日前にも同じような事があって、原因はわからずその時は呼吸は苦しそうではなかったので様子をみたのですが、次の日には咳もヒューヒュー音もなくなりました。
 
今思えば、なんらかの小麦製品例えばビスケットなどと接触した可能性は大です。それ以来小麦に対してのアレルギーがだんだんひどくなるような気がするのです。
 
先日スーパーマーケットのパン売り場(すぐ横でぱんを焼いている。)を通り過ぎただけでくしゃみがとまらなくなり、涙と鼻水がどんどん出てきて約50分ほどで、もとに戻りました。その時は咳とヒューヒュー音はありませんでした。
 
娘の場合 喘息なのでしょうか?もしも危険な状態になった時どうしていいかわからず、とても不安な毎日です。グルテンアレルギーも除去していくと、将来的に食べられるようになる可能性はあるのですか?おいそがしいところ、たびたびもうしわけありませんがよろしくお願いします。(乳たんぱく質アレルギーの場合乳酸菌も摂取しないほうがいいのですか?) 
 

A88 小麦アレルギー

 
小麦アレルギーが起きているようです。
 
(1) 食べた際に出る場合は、消化管から吸収されて、血液の中に小麦の成分が入り、気管で気道狭窄が起きたのです。ヒューヒューという音は気道が細くなたため、空気が狭いところを通過するときに起きる音です。

(2)鼻水は鼻の粘膜でアレルギー反応が起きて、アレルギー性鼻炎が起きたためでしょう。

(3)パンを焼いている横では小麦の細かい粒子が舞っていると思われます。お子さんはそれを鼻から吸い込んだり、目の粘膜にそれが付着したために、涙(アレルギー性鼻炎)、鼻水(アレルギー性鼻炎)が起きてしまったのでしょう。

対策としては、小麦の摂取を6ヶ月中止です。禁止食品が増えてしまいますが、お話のような症状が、一度ならず繰り返し起こっているだけではなく、徐々に大きな反応に移行しかけていますので、やむをえないでしょう。

さて、前回お話しした栄養士さんからのレシピは間で届いていないでしょうか。届いていなければ、彼女に催促します。

慣れないスペインでお子さんのアレルギー症状に不安を感じ、さぞお悩みのこととお察しいたします。心配はいりません。アレルギー反応は因果関係がはっきりしている場合が多く、それぞれに応じた対策をきちんととれば、大丈夫です。子どもは成長しています。アレルギーに対する抵抗力も、正しい治療法に沿っていれば、徐々に軽くなります。
 
11/12 お礼・質問メール
永倉先生 本当にどうもありがとうございます。先生のお言葉に 本当に感謝してます。とても励ましていただきました。昨日 違うアレルギーの専門医にあったのですが、ただ、発作の起きた時は すぐに救急ユニットに 行く、ひどい呼吸困難になった場合は 病院に行く前でも、アドレナリンの注射をすぐに打つ、なので念のため アドレナリンの注射を 常備するようにと指導されました。ここでは 正しい治療法を探す事は むずかしいです。なので、帰国することに決めました。先生に診ていただいて、先生の治療法に沿っていくことに 決めました。どうぞ よろしくお願いします。質問なのですが、小麦の摂取の中止は 本人と母親(母乳です。)2人共ですか? 
栄養士さんは すぐにメールをくださいました。色々質問させていただいて、指導していただいてます。とてもためになります。 
 
ほんとうに どうも有り難うございました。先生はお忙しいと思いますが、お元気でがんばってください。
 
11/15 回答メール
小麦アレルギー(離乳食と母乳)

(1)お子さんは小麦とその製品はこれから6ヶ月は中止です。

(2)ママが小麦を食べると、母乳にはごく少量の小麦蛋白が出てきます。それは微量なので、お子さんがその母乳を飲んでアレルギー症状が出るかどうかは、あなたが一定量の小麦を食べて授乳して、お子さんの様子をチェックする食物負荷テストをしないと、最終的なことは申し上げにくいのです。
但しお子さんは、小麦の粉を吸っただけで、呼吸器系の症状が出ているので要注意です。もしも食物負荷テストをするときは、日中のウィークデイにして、さらに何かあったときの非常用の薬も持っておいたほうが良いでしょう。
 
11/16 お礼・質問メール
どうも ありがとうございました。今まで ほぼ毎日小麦製品(パン・ピザ・パスタ・ビスケットなど)を 母親の私は食べていたのですが、何かの症状が出た事はありませんでした。なので 小麦は 大丈夫だと思っていたのです。ブリック・テストのグルテンも陽性ではありませんでした。それで 赤ちゃん用のシリアルを試して あのような事になって以来 本人はもちろん 母親も 小麦製品を中止しています。ちなみに 非常用の薬というのは アドレナリンの注射のことでしょうか?
母親も本人も6ヶ月小麦を 中止します。
 


Q87 食物アレルギー 

 
昨日はお時間を頂き、ありがとうございました。

昨日の話を受け、確認したいことがございます。
(食物アレルギーに話を限定します)

子供に、食べさせて大丈夫なものは食べさせてやりたいそれも、きちんと理屈を理解したうえで・・と考えておりますので、細かい話になりますがよろしくお願いします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【質問1】
先生のお話は、
・症状が出ていないのだから、常識のレベルで食べていい。
・「アレルゲンが積もって一定量以上になったら突然発症する」という話には、根拠がない。よって、このままたとえば大豆を常識のレベルで食べても大丈夫ということだったと理解しております。

上の私の理解は正しいですか。

【質問2】
そもそも私が先生をお尋ねしたのは、血液検査しか知らなかった私が、「負荷試験」のことを知り、相談しようと思ったからです。

私は、負荷試験のことを次のように解釈していました。
「血液検査では反応しているが ”アレルギー物質を消化して食べられるようになった時期に 達したからもうアレルギー反応は起こさない。”よって、食べても大丈夫!という判断をするためのもの」

しかし、先生の話を聞いて、「負荷試験は食べさせて反応するか否かの試験であって、すでに食べても反応しないのだから、 試験する必要なし」と今では理解しております。

これで正しいでしょうか。

【質問3】
①”アレルギー物質を消化して食べられるようになった時期”に達しているということは、たとえば大豆を食べても大豆のたんぱく質を消化するから、・新たには抗体を作らないし・体内に残っている抗体にも反応しない体になっている、だから、食べても大丈夫という理解で正しいでしょうか。

~①が正しいとして~

②私の子供もこの時期に達しているという理解でいいのでしょうか。

③先日テレビで、「うどんが好きで毎日うどんばかり食べていた中年の人がある日突然、発作を起こしたが命は助かった。調べてみると、小麦アレルギーをもっていた。」という番組をやっていました。
この人はそれまで症状がでていたわけではないのに、突然襲われたということですが、どう理解したらいいのでしょうか。(私の子供も、”今は症状がないから食べても大丈夫”と言われてもやはり気になってしまいます。)

大量に、非常識に、摂取した場合は、上記でいう、たんぱく質のの消化が追いつかず、消化されないままだったため、アレルギー反応を起こしてしまったということでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私としては、不安を抱きながらではなく、確信を持って特に、大豆、卵を子供に普通に食べさせたいやりたいと思ってます。

ご教示のほど、よろしくお願いいたします。
 

A87 食物アレルギー

 
質問の1,2,3の①、②はすべて、その通りです。お答えはYes.です。3の③は文章の中でお答えします。 
 
先ほどは、きつく言い過ぎたようです。
 
ご両親が心配なのは、私の言ったことを疑っているわけでなく、お子さんの健康を心配されているためと気がつきました。気に障ったらお詫びします。
 
さて、もしも、注意して食べさせることをはじめようと思われたなら、前回、お答えした経口減感作の方法で、極めて少量ずつ週に2回食べて、ゆっくりと増慮してゆくという方法があります。もし関心がおありなら、外来でご説明しましょう。その際には、土曜日の外来は込むので避けてください。お子さんは拝見したので、来院される必要はありません。ごりょうしんでOKです。
 


Q86 食べ物アレルギー

 
初めてメールさせていただきます。
私の場合、いわゆる「シュガーレス食品」(ガム、あめ、ドリンクなどなど)でアレルギーが発生します。
素人判断ですが、砂糖の代替品である人工甘味料に反応しているのではないかと思います。
口にしてから3分後くらいから症状が出はじめ、その内容は以下の通りです。
 
・まずなんとなく目の辺りがジンジンしてくる。
・その直後、目の内側(鼻に近い方)の膜みたいなところがかゆくなりその部分が次第に広がっていく。
・次に、目の周りがかゆくなり、目の上下がパンパンに腫れて目がつぶれます。
・口の周りがかゆく、腫れていく。
・その後ほとんど体中がかゆくなり、体中がパンパンに腫れていきます。
 
上記の状態が約1~2時間くらい続いた後かゆみは徐々に引いていきますが、目の腫れが一番激しく、元通りになるまでは約4日程かかります。症状の出始めから約1時間ほどは鼓動も少し激しくなります。
ガムくらいなら大丈夫だろうと思い一度トライしてみましたが、やはり目の内側がジンジンしてきたので捨てました。
あとシュガーレス以外では         
・高校時代の体育時に2、3回
・5年前、スポーツジムで運動中に1回
同じような症状が出たことがあります。
 
二度皮膚科で質問したことがあるのですが、シュガーレスでの症例がないため的をえた回答がもらえませんでした。
このQ&Aもざっと読ませていただいたのですが、同じ症例の方がいないようでしたのでメールを送らせていただきました。よろしくお願いいたします。
 

A86 食品添加物アレルギー

 
近年使用されるようになった人口甘味料にはさまざまな物があります。いわゆるシュガーレス食品にはこれらが入っています。あなたの場合以下のことが考えられます。
 
(1)これらの物質に対するアレルギー反応
(2)これらの物質を大量に摂取するときに起こる一種の化学薬品中毒状態
 
(1)はかなり疑わしいといえます。
(2)は大量に摂取するときに起こるので、よほどでないと起こりません。もっとも有名なのはチャイニーズレストラン症候群です。ロンドンの中華料理店が大量に味の素(グルタミン酸ソーダ)をお料理になかに入れたため、それを食べたお客さんが急性グルタミン酸中毒になり、さまざまな症状を示したのです。
 
(1)であればとりあえず、それらの疑わしい化学物質が手に入るならば、それらで皮膚テストをするとある程度、説明がつくかもしれません。
 
大分昔のデータですが、日本で消費される食品添加物の総量を、離乳食前の赤ちゃんを除く人口で割ると、1日一人あたりがう数グラムでした。コーヒー用のシュガーバー1本が3グラムです。私たちは、添加物を摂らないとおもっても、ブロイラーに鶏肉、養殖の鯛、はまちにはそれらの飼料の中に抗生剤が入っています。野菜の農薬も同じです。
添加物の問題はアレルギーだけでなく多くの医学的問題を内蔵しています。
 


Q85 負荷テスト

 
永倉先生、先日はお忙しい中、わざわざお電話いただきありがとうございました。
きちんと説明し、負荷テストをしてくださる病院に巡り合えず、疑問と不安を感じながら完全除去を実行してきました。
是非負荷テストならびに今後のご指導頂きたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 
早速ですが10/09土曜日15時に予約取らせていただきました。(平日診察に伺える日ですと二週間ほど先になってしまうので)
土曜ですが負荷テストをして頂く事は可能でしょうか?
詳細を相談したいと思いますので、診察時間内に電話させていただきます。
電話ですと整理してお伝えしにくいので、事前に現在の状態、質問箇条書きいたします。
 
■1現在完全除去しているもの:乳製品、卵製品全て、大豆油、鶏肉、牛肉、麦茶、胡麻負荷テストは乳から始めたいと考えています。
鶏肉、牛肉、麦茶は特に血液検査に出て無かったのですが、卵、乳、小麦に近いという理由から除去する様指導されていました。これらも負荷テストをする必要がありますか?せずに解除してもよいでしょうか?
 
■2薬について:食前にインタール、朝晩二回ペリアクチン、ザジデンの混合飲んでいます。
引き続き飲ませていてよろしいですか?
 
■3楽太の食生活および母乳:平日は朝晩二回は自宅で、昼二回は保育園の食事を食べています。
食後MA-1を足す事もあります。寝る前にMA-1を200cc程飲み、母乳は夕方保育園から帰った時と寝付く間、夜中、安心するため欲しがる程度です。この程度の母乳量の場合でも負荷テストは母乳を介してするのでしょうか?
 
■4症状のあらわれる時間:アレルゲンかな?と思うものを食べてしまったあと、大分時間がたってから赤み、湿疹などが現れるような気がしています。負荷テストをした際病院から家に帰る程時間が経ってから、ショック症状が現れるような事はありますでしょうか?
 
以上、後程電話させていただきます。よろしくお願いいたします。
 

A85 食物アレルギー

 
(1) クリニックで負荷試験を行うのは、食べた際にアナフィラキシーなどの重篤なになる可能性が、まれにあるからです。ショックになると医師はつききりになりますので、外来はストップしてしまいます。ですから、私としては土曜日は原則としてお受けしておりません。
 
(2)鶏肉、牛肉、麦茶は似た食品という理由で除去する必要はありません。これらの食品も食べて万一症状が出ればその時に、対応すればよいのです。
 
(3)インタールは本にも書きましたように、必ず効くわけではありません。いずれカットする予定です。ザジテンは皮膚症状、目や鼻の何らかの症状が無ければ不必要でしょう。
 
(4)母乳には母親が食べた食物の微量が、1-3時間後を中心に出てきます。母乳の場合については本の110-111ページをお読みください。
 
(5)アナフィラキシー(ショック症状)食べて15-20分以内に症状が現れます。数時間後に出ることはまずありません。
 


Q84 ミルクアレルギー

 
お久しぶりでございます。
 
たびたび娘(10ヶ月)のことでお伺いします。先日、外出した際、突然くしゃみが何回も出て、左目をこすったかと思ったら、その目がみるみる赤くはれてきて 目の周りだけでなく、目の表面もはれて、しだいに はげしく口からよだれと鼻からは鼻水がどんどん出てきて 少し呼吸が苦しそうに感じたので、あわてて救急に連れて行きました。体内の酸素量を調べて問題なかったので、呼吸困難ではありませんでした。その後2時間ほどで、すっかりよくなってしまいました。こんなこと以前には なかったのであわててしまったのですが、その日は風が少し強かったけど、前日も同じようでしたし、花粉かなにかのアレルギーかどうかわかりません。しかも片目だけ腫れ上がって 片方はふつうでした。
 
ひとつ きがかりは その20分程前に 上のコが娘のそばで ヨーグルトをかなり広範囲にこぼしました。娘にはかからなかったけど、何かの拍子に手についてしまった可能性は考えられると思います。娘は牛乳アレルギーがあります。 このようにミルクが目から入ってしまうと アレルギー反応がおこるのですか?そしてこんな感じですこしのミルクとの接触で このような反応が起こるのは 牛乳に対してひどく強いアレルギーがあると言う事なのですか?
 
スペインのアレルギー医は 乳児のアレルギー血液検査は お願いしてもしてくれません。ブリックテストのみです。アレルギーで起こすショックが心配です。娘自身は まだ一度も乳製品は 試したこともありません。このようなケースでは 実際に食べてしまったりした時に ショック状態に なる可能性があるのでしょうか?あいまいな質問なので、申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いいたします。
 

A84 牛乳アレルギー

 
別のお子さんがこぼした牛乳のごく少量が、手についてしまったのでしょう。その手で目をさわったためにアレルギー性結膜炎が出たと考えられます。鼻涙管という管でつながっているために、目についた牛乳成分が鼻の中に入っていったのでしょう。その結果、アレルギー性鼻炎の症状が強く出てきたと思われます。
 
幸いなことに気道の方には牛乳成分が入らなかったために、呼吸困難や喘息発作が出なかったと思われます。
 
このような場合の検査方法としては、皮膚検査も血液検査もほぼ同じような結果が出ると予想されます。血液検査の方がより正確ということはありません。皮膚検査だけ受ければよいでしょう。また受けなくても今後同様の症状が出でくる場合には牛乳アレルギーの可能性が濃くなります。
 
その場合にはある期間中に牛乳を中止するとか、場合によっては量を控えめにするなどの注意が必要です。これを除去療法といいます。
 
もし同様の症状が起きたならば牛乳アレルギーと考えられます。食物アレルギーの場合は1度ならず同じようなことが再び起きること、これを再現性があるといいますが、このような場合には食物アレルギーの疑いは濃厚となります。
 
ショック症状というのは、アレルギー症状の中のとも強い反応のひとつです。血圧が下がったり、呼吸困難になったりします。これを医学用語でアナフィラキシーといます。これが御心配のこともよくわかりますが、まず牛乳アレルギーがあるかどうかを上に述べたような方法で確認しておくとが大事です。
 
牛乳アレルギーの患者さんのすべてがアナフィラキシーになるわけではありません。お子さんのようにアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、またはじんましんなどの形だけで済む場合も少なくありません。
 
10/9  お礼メール
丁寧なお返事を どうもありがとうございます。たいへん ためになりました。本人も母親も 乳製品は一切摂取していません。その後軽い感じの同じ様な事がおこりました。ブリックテストでも ミルクの3種類のプロテインに陽性でしたし ミルクアレルギーだと思います。このまま 乳製品は除去していくつもりです。今は母乳なのですが、この先母乳の後は 牛乳の代用として、何を選んでいいかわかりません。日本のように アレルギー児用のミルクはなくて、あるのは、ただラクトースがはいってないだけみたいです。早く東京に帰って先生にお会いしたいです。
 
10/11 回答メール
ラクトースは乳糖の事です。乳糖はお砂糖の一種であり、牛乳蛋白ではありません。乳糖不耐症という病気に使用されるものです。これは牛乳アレルギーには効きません。
とりあえず、あなたの食事は今までどおりでよいでしょう。 離乳食が始まったら、とりあえず6ヶ月は離乳食から牛乳と乳製品は除きましょう。
その時期になったら、当クリニックの栄養士さんから牛乳抜きの食事の場合、どのように代用食品で補うかについて、指導のメールを入れてもらうようにします。ご希望があればご連絡ください。
 
10/13  お礼メール
お返事 どうもありがとうございました。感謝の気持ちで、いっぱいです。今娘は10ヶ月で、大豆製品、乳製品、たまご、小麦製品以外の ふつうの離乳食です。栄養士さんの指導のメール どうぞよろしくお願いします。ちなみに 鉄欠乏性貧血のため、鉄分のシロップを 飲んでいます。ブリックテストの結果は 牛肉・鶏肉・グルテンに反応なしで、卵と 乳たんぱく質3種類に反応しました。よろしくお願いいたします。
 
10/14  回答メール
(1) 牛乳アレルギーはあるでしょう。栄養士さんから牛乳抜きの献立を聞きと良いでしょう。(連絡します)
(2) 卵については、食べると何らかの症状があるのでしょうか?
 
10/14  お礼メール
さっそくのお返事ありがとうございます。卵は 娘本人は 1度も試した事はございません。母乳なのですが、1度私が マヨネーズを食べた後の授乳のあと、目の周りを中心に赤い湿疹がたくさんできました。(5ヶ月前)その後は怖くて 卵そのものはもちろんのこと、マヨネーズは食べてません。卵が少し入っているパンやビスケットを間違えて食べてしまったことなどがあるのですが、まったく問題はありませんでした。どうぞよろしくお願いします.
 


Q83 除去食解除と牛乳

 
1歳11ヶ月の娘です。
 
3ヶ月頃から湿疹があり、7ヶ月時の血液検査ではLAST卵(3)大豆(2)米(1)でした。しばらくは違った知識での中途半端な除去を行っており、10ヶ月頃にようやく卵と大豆の除去負荷テストを行い、卵の完全除去、大豆は味噌醤油以外除去を始め、だいぶ回復。1歳6ヶ月から保育園に通うことになりましたが、湿疹が少々でていたこともあり皮膚科の先生と相談し、味噌醤油も含めた完全除去を行うことにしました(保育園でも)。それから半年たって現在は薬も保湿剤も全く使わずにキレイな肌をしています。ただ、耳鼻科で扁桃腺肥大気味といわれました。
 
そこで質問なのですが、
 
①除去食解除を行いたいのですが、血液検査等を再度行ったほうがよいのでしょうか(時期も含め)。
 
②解除は、大豆から始めたいと思っておりますが、その進め方ですが、方法、順番(調味料⇒豆腐⇒大豆等)はどうするか、どの程度すすんだら卵の解除をはじめるのか、また、ある程度食べられても毎日はだめなのでしょうか(というのは、醤油や味噌などは毎日のように使用するため。だめであれば、ずっとノン大豆醤油等を用意しつづけなければいけないのでしょうか?)
 
③乳製品にアレルギーはないのですが、保育園で牛乳を昼とおやつに毎回100mLずつ毎日飲んでいます。今のところ特に皮膚症状等はありませんが、連日なので気になっています。今後牛乳にアレルギーが出るのでは?扁桃腺などは牛乳も関係しているのか?とも考えてしまします。控えたほうがよいのでしょうか。
 
勝手な質問で申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。
 

A83 食物アレルギー

 
(1)仮に食物アレルギーであったという前提の下でお話しいたします。
ある期間の除去食の後にその食品を食べるかどうか決める場合には、血液検査や皮膚検査がまず行われます。しかしながらこれらの検査が陽性であっても食べられる場合がかなりあります。
 
一般的に検査の数字が低下していれば食べられる確率は高くなります。しかしながらそれが大きく変化しなくても食べられる場合もあるのは食物アレルギーのやっかいな点です。
症状がアナフィラキシー(食べた後に血圧が低下し、呼吸困難になる)でなければ、6カ月間の除去の後に少量食べさせるという方法が一般的です。これを食物負荷テストといいます。一般的には食物負荷テストは、最初に食べさせるときに症状が強く出る可能性がありますので、食物負荷テストになれた専門医の指導のもとに、できたらクリニックで1回目だけを行う必要があります。
 
(2)大豆から解除する場合には、ご質問のようにさまざまなやり方があります。大豆アレルギーがひどい場合にはお醤油から始める場合もありますし、湯豆腐の形にして十分に火を通してから少量ずつ食べる場合があります。
食物除去を解除する場合のポイントは、まず食物負荷テストしてから、ある程度の量が食べられることを数週間かけて確認した後に、次の食品に進むのがよいでしょう。急いで複数の食品を解除して、万一、症状が出ると、何が原因かわからなくなります。
 
(3)牛乳を1日に200ミリリットルずつ飲んでいる場合に、牛乳アレルギーがあるということはまず考えられません。もし牛乳アレルギーがあれば、200ミリリットル飲んだ後に何らかの症状が出ているのが普通です。
 
(4)牛乳アレルギーと扁桃腺の炎症が関係あるという説や報告は全くありません。ご心配ありません。
 
最後に、食物アレルギーを疑い特定の食物を除去することはやろうと思えば誰でもできます。しかしながらある期間の後に再度食べさせる、これを食物負荷テストといいますが、これを行う場合にはかなり注意が必要です。これは飛行機でいえば、離陸の際よりも着陸の際に事故が多いということと同じです。私たちアレルギー専門医は、食物除去を開始する時よりも食物を再開する場合、つまり食物負荷テストを行うときに細心の注意を払って行います。当クリニックでは、その解除したい食品を少量持ってきていたがいただき、15分ごとに何回か食べていただき、その間に皮膚症状や全身症状を見て、何の異常も認められなければ、その後は自宅で注意してやっていただくようにしています
 


Q82 卵白アレルギーの治療について

 
先日、現在10ヶ月の子どもが保育園でおやつに卵ボーロ(全卵使用)を3粒食べた後、1時間以内にじんましんが出るということがありました(家では卵黄入りのボーロやベビーフードは食べたことがありましたが特に症状はなく、卵白はまだ食べさせたことがありませんでした)。
実は1ヶ月前にも保育園で卵ボーロを食べた後にじんましんが出て、今回は2回目だったので即病院に行ったところ、すぐ血液検査を受けるように言われ、卵白アレルギークラス3と診断されました。
じんましんは顔、背中、わきの下などに広く出ますが、数時間でおさまります。

病院では抗アレルギー薬(リザベン)が処方され、半年くらい飲み続けるように言われました。じんましん自体は数時間でおさまっているので、何のために薬を飲み続けるのか疑問に思い、「体質改善になるのか、それともあやまって卵白を食べてしまったときの安全のために飲むのか」と尋ねると、その両方だ、というあいまいな返事でした。この薬は飲み続ける必要があるのでしょうか?
また、「では半年後に再検査をして体質が改善されたかどうかのチェックをするのか」と尋ねると「半年くらいでは変わらない。3歳くらいにならないと・・・」という返答でした。通常は3歳くらいまでアレルギーを克服したかどうかのチェックはしないものなのでしょうか?

それから、保育園に食物除去を依頼する用紙を記入していただいたのですが、それによると「生卵」のみ除去する、となっていたため、ほかの食品(例えば今回じんましんの原因となった卵ボーロなど)は除去する必要がないのか尋ねると、「薬を飲んでいれば、よっぽど大量に食べない限り大丈夫」との返答でした。
本当に薬さえ飲んでいれば、保育園で卵(卵白)の含まれた食品をほかの子と同じように食べて大丈夫なのでしょうか? また、例え大丈夫だとしても、そういった方法が食物アレルギーの一般的な治療法なのでしょうか?薬を飲みながらアレルギーの原因となった食品を摂取し続けても、悪化はしないのでしょうか?

私は食物アレルギーを治療するには、まずアレルゲンとなる食品を一定期間除去し、半年後くらいを目処に検査や負荷テストを行なうものだと思っていました。病院によって治療方針はそれぞれだと思いますが、不安に思ったのでご相談させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

A82 食物アレルギー

 
お子さん場合は、確かに卵アレルギー(卵白アレルギー)があるといえるでしょう。
その場合は、これから6ヶ月卵の摂取を中止する方法が一般的です。小児は体の機能が発達しているので、原因物質をある期間、体に取り入れなければまた食べられることが多いのです。
 
但し、アナフィラキシーといって食べた直後に、呼吸困難や血圧低下などの生命に危険が及ぶような場合は、食べられない期間はもっと長くなります。

卵は摂取しなくても、他の蛋白質で栄養は十分に補えます。当クリニックでは栄養士さんによる卵を食べないときに、他のどのような食品で栄養を補うかについて、一人20分で、個人栄養相談を開いています。ご希望があれば、その旨お伝えください。

リザベンを始めとする抗ヒスタミン薬は何らかの症状が無ければ内服する必要はありません。原因と思われる食品を除去しても、何らかの症状(皮膚の発疹、痒み、鼻や目の症状など)が残る場合に内服すればよいでしょう。

お子さん場合、加熱した食品である卵ボーロで症状が出ているので、卵自体およびその製品は完全に半年除去するのがお勧めです。原因の食物の摂取を継続するというやり方(食物減感作)は専門医で行うかなり特殊な方法です。

半年後に再び食べさせるときは、まれに上述のアナフィラキシーが起こる可能性があるのでその際は専門医とご相談ください。
 
9/28 お礼メール
この度は早速のご回答、ありがとうございました。
また、個別栄養相談のお知らせなど親切な対応に感謝しております。
保育園に食品除去の依頼用紙を提出しなければならないことから、一度ぜひ診察に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 


Q81 食物除去について

 
はじめまして。
2才半になる息子の母です。
息子が昨年の夏(1歳半)に左手甲を蚊に刺されて、大きな水疱になり、水疱が破れたところからバイキンに感染してしまいました。手先からひじまで腫れ、発熱を伴ったので、入院、抗生剤の点滴治療を行いました。
診断は『蜂窩織炎』でした。
それから蚊に刺されるたびに、水疱を形成するようになりましたが発熱はありません。(潰瘍などもできません)
皮膚科のほうでマイザー軟膏とレスタミンを処方してもらってますが水疱はできてしまいます。(処方される以前と比べると水疱の大きさは小さくなっています)
ところが最近、蚊にさされると、半日たったくらいから微熱(37.6度前後)が出る事があり、(出ないときもあります)刺されたところも昨年に比べて腫れがひどくなり、赤く硬い状態になってきました。(水疱は変わらず小さいものができます。潰瘍はなし)
アレルギー検査は『ヤブカ(属)』はクラス『0』でした。
非特異的IgEは『413』で、なんらかのアレルギーをもっている可能性があるかもしれないとの事でした。
EBウイルス症候群の心配もあり、なんらかの検査を受けたほうがようのでしょうか?それとも体質によるものでしょうか?
7月も刺されて微熱を出した時に、小児科に相談した事もあるのですが、その時は風邪も伴っていたらしいので、熱がさがらなかったら検査しましょうと言われました。受診した翌日、熱はさがりました。
既往症は、9ヶ月の時から1年ほど急性中耳炎を繰り返したりしています。中耳炎は2才になった頃から、かからなくなりました。(保育園児です)
 

A81 食物アレルギーの診断

 
お子さんの栄養管理のことで大変ご心配のこととおもいます。まず、検査で陽性に出た食物が本当にアレルギー症状の原因であるかを確認する必要があります。
 
これについては、食物除去テスト、負荷テストが必要です。詳細は当クリニックの Illnessの項目をあけ、食物アレルギーの診断をお読みください。そして食物除去テスト、負荷テストを実施なさるときには、必ず専門医かまたはこの検査の実施になれた先生と相談してからおやりください。(Q&Aの項目にはあなた同様に困っていらっしゃる方に対するお答えが数多く掲載されています。一度、ご閲になると参考になるかもしれません)
 
血液検査が陽性でも約2割に場合は、検査が疑陽性であり、実際は食べられる場合があるのです。まずこの問題をはっきりさせることが第一です。
 
ザジテンには抗ヒスタミン作用があり、皮膚の痒みを押さえます。お子さんの痒みがおさまるならば、内服を継続してもまず問題はありません。
 
仮に、何らかの食物が皮膚症状の直接原因であることが食物除去テスト、負荷テストにより明らかになった段階で、代用食の検討をすればよいのです。その際には月に1回、病院で身長、体重をきちんと計測してもらい、母子手帳のグラフに記入してゆきます。子供の発育のチェックになれた医師であればその成長曲線を見れば、栄養に問題があるかどうかをすぐ判断してくれます。
 
最後に、ゼイゼイすることがあるようです。お薬をもらうこととも大事ですが、同時に小児喘息の主な原因であるハウスダスト中のチリダニ対策(このHPのアレルギーを起こす物質、チリダニ対策にをお読みください) を寝室を中心におやりください。喘息の予防になります。
 
8/30 お礼&報告メール
ご丁寧なお返事を頂きありがとうございました。
実はメールをお送りしてから、別の病院へ行き、そちらではプリックテストをして、血液検査と全く違う結果が出ました。
血液検査ではクラス3だった小麦、大豆、乳製品が陰性で、他に、トマト、トウモロコシ粉、ハウスダスト、カナムグラ、ラテックス、ゴマが陽性でした。
小麦、大豆、乳製品の負荷テストを始めています。まず、大豆の負荷テストをはじめていて、まだ4日目で、またほんの少し掻き出していて心配なのですが、少しずつ試していきます。
本当にありがとうございました!
 


Q80 アレルギーと母乳・断乳について

 
始めまして。今週土曜日に初診にて予約を取りましたが、一応、こちらでも質問させていただきます。
1歳4ヶ月になる息子なのですが、生後2ヶ月ぐらいから顔を中心に湿疹を繰り返しています。皮膚科で処方された薬(院内処方で蜜蝋とかオリーブオイルとかベシカムクリームがふくまれているそうですが)を塗って対処していたのですが、ちょっとおかしいと思ったので、3ヶ月ほど前に血液検査をしたところ、卵白4、卵黄3、オボムコイド3、乳製品全般2でした。
卵・乳製品は本人はもちろん、母乳なので私も除去し、食物日誌もつけていますが、よくわからず、毎回アレルギー科の先生の細かい指導にストレスを感じる今日この頃です。
子供が食物アレルギーの場合は、断乳をしたほうがいいのでしょうか?
私が通っている母乳マッサージの先生は、1歳6ヶ月を過ぎて、走りまわれるくらいにならないと段乳は勧めないと言います。そして、アレルギーならなおさら母乳を続けなさいとも言います。
 

A80 母乳と食物アレルギー

 
(1)母親が食べた物の極微量またはあなたの白血球は母乳の中に出てきます。その母乳を赤ちゃんが飲むと何らかの症状が出るときに、母乳経由の食物アレルギーといいます。
 
(2)母乳経由であろうと、直接赤ちゃんがその食品を食べたときに何らかの症状が出ればそれは食物アレルギーです。
 
(3)しかし、食物アレルギーの診断は、私のHPのIllnessの中の食物アレルギーの診断のなかに書いてあるように、血液検査だけで食物制限を始めてはいけません。血液検査で陽性でも20-30%の場合、食べても(食物負荷テストをしても)何の症状もでない場合があるのです。疑陽性が多いのです。そのため、特定の食物と皮膚症状の関係がはっきりしないときは、食物負荷テストは必ずやるべきです。
但し、ショック(アナフィラキシー)型の場合はやってはいけません。ショック(アナフィラキシー)とはアレルギー反応のもっとも激烈な形で、食べた直後に血圧の低下、呼吸困難などが起きるのです。
 
(4)まず第一に行うのは、卵が母乳や離乳食をを介してお子さんに皮膚炎を起こすのか?
 
(5)つぎに、牛乳が母乳や離乳食を介してお子さんに皮膚炎を起こすのか?
 
まずこれらの問題をしっかり解決しなければ、これから離乳食が進行するにつれて、食品の選択についてさらに混乱と不安が増加するでしょう。
 
また、アレルギーの問題とは別に、この年齢であればもう母乳はそろそろおやめになっても良いでしょう。
 
7/22 お礼メール
早速のアドバイスをありがとうございました。
24日(土)の1045に予約させていただいています。
質問が重複してしまい、ご迷惑をおかけしますが、また診察時に質問などをさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
7/23 回答メール
お忙しいと思いますが、もう一度ホームページの中の Illness のなかの食物アレルギーをあけ、食物アレルギーの診断をご確認ください。 
 
7/25 お礼メール
永倉先生、こんばんは。
先日はありがとうございました。
しかも、アドバイスのメールまでいただけるとは、知識が乏しいこちらにとっては本当に心強いことです。
あれから、先生の著書を何度も繰り返し読ませて頂きました。そして、HPの食物アレルギーのページは以前から何度も拝見しておりましたが、再度じっくり読みました。
 
息子の低月齢の頃の写真を見ると、何でもっと早くに対処してあげなかったのだろうか、と、後悔の気持ちでいっぱいです。顔は湿疹だらけ、掻き壊して血もでていました。手首や足首は赤くカサカサになっていました。今と比べると笑顔も無かったです。きっと気持ちが悪かったのでしょう。
 
負荷テストをしなくては因果関係がはっきりしないということは、頭の中では本当によくわかります。しかし、負荷テストをすることによって、息子の肌が、また以前のようになってしまうかもしれないと思うと怖くて・・・。
 
でも、先生が、「心配なら病院で負荷テストをするように」と、アドバイスをしてくださったので、そのへんの不安は少し解消されました。
 
勇気をもって、やらなくてはいけないですね。息子のアレルギーのことばかりを考える日々で、何事にも臆病になりつつあります。こんな弱い保護者ですが、どうか、これからもアドバイスをお願いいたします。
 
7/31(土)1400に予約しました。平日に再度お電話させていただきます。負荷試験にあたっての詳細を相談したいと思いますので、よろしくおねがいいたします。
 
7/27 回答メール
ご心配のことと思います。
でも、アトピー性皮膚炎の問題は、パニックにならず、原因と思われる物を一つ一つ
チェックしてゆくことにより、うまく行くことが多いのです。
大変と思いますが、手順を踏んでじっくりやりましょう。
 
7/28 お礼メール
はい、そのとおりだと思います!
先生の指示に従い、ひとつひとつチェックします。まずは、土曜日に乳製品・・・緊張しますが、どうかよろしくお願いいたします。
 
7/28 質問メール
こんばんわ。お忙しいのに何度もメールをして申し訳ありません。明日は休診ということもあり、電話できず、土曜日の負荷テストの件で確認させていただきたくメールをしています。
 
もしや、私の説明がとっても不足していたかもしれないと思い、先生の著書やHPを読み直しているのですが、わからなくなってしまったので。
 
息子は、完全母乳ではなく、食事3回プラス母乳の生活です。それでも、負荷テストは母乳経由で行うのでしょうか?
先生に「完全母乳」と受け取られてしまっているかも??と、急に不安になりました。私は説明がへたくそなので・・・。
「母乳経由であろうと、直接赤ちゃんがその食品を食べたときに何らかの症状が出ればそれは食物アレルギーです。」という先生のお言葉を解釈すると、息子が現在、普通食を食べているとしても、母乳経由で診断可能ということでしょうか?
金曜日ぐらいまでにメールのお返事がないようでしたら、診察時間内に改めてお電話します。
初めてのことなので、オロオロして申し訳ありません!では、よろしくお願いいたします。
 
7/29 回答メール
まず母乳からです。あなたが食べて授乳しお子さんの皮膚の様子を見ます。それを土曜日にやりましょう。離乳食は別の機会にやります。
 
8/1 質問メール
こんにちわ!
昨日は負荷テストのご指導をありがとうございました。
実は、先ほどふと気が付いたのですが、片方の頬だけなのですが、ちょっとだけポツポツあるような気がします。乳製品に反応したのでしょうか?それとも汗疹様のものですか・・・???
本人は痒がってはいない様子です。
こんな感じのポツポツは除去している時もたまにできる時がありましたので、よくわからないのです。
本当は用賀まで足を運びたいのですが、ちょっと大変なので、デジカメで撮ってみました。あまり鮮明ではありませんが・・・。
再度、火曜日に負荷テストを行う予定ですが、やめたほうが良いのでしょうか?
漠然としていて申し訳ないのですがアドバイスをお願いします。
 
8/1 回答メール
うーん、なんともいえませんナー!
とりあえず、保湿剤など普段使用しているものでスキンケアーしましょう。治ったら、もう一度同じようにあなたが乳製品を食べて、その後授乳し、同じことが起きるかチェックしましょう。これが再現性の有無を確認すると言うことです。 ながくら
PS:ご質問の際は診察券の番号を書いてください。カルテを見ながらお答えしているものですから。
 
8/2 質問メール
こんにちわ。
最近、毎日のようにメールで申し訳ありません。
診療時間内に電話をするのも気がひけてしまい、メールが良いかな?と思っているところです。
また写真添付です。
昨日の夜あたりから出現した湿疹なのですが、これらは半年ぐらい前から時々できては薬を塗り、またできて・・・の繰り返しです。最近はできる頻度が増え、なんだかひどくなっている気がします。卵・乳製品除去していても確実にできていました。
・眉間?のあたりの湿疹
・(私たちから見て)右側眉下あたりの湿疹
→これらも、先日の眼下の湿疹と同様の、「眼瞼炎」というものなのですか?
そして、
・鼻の横あたり(セットで口の周りやあごにできる時もよくあります)
・鼻の頭にも少し??
も、気になります。
いずれも、とても細かいポツポツで、先っちょが白っぽいものもあります。掻いてはいません。
汗疹だといいなー・・・と切に願うのですが・・・。
今は、例のベシカムを塗っていますが、そのケアで問題ないでしょうか?
また、ベシカムでこの湿疹を消してから、乳製品再テストを実施したほうがいいでしょうか?(薬をやめるとまたすぐに出ると思います)それとも、気にせず明日辺りに再テスト可能でしょうか?
ちなみに、昨日メールさせていただいた湿疹は消えた??・・・というか、赤みがなくなり白っぽいものになりました。
いつも漠然としていて申し訳ないのですが、アドバイスをお願いいたします!
 
8/3 回答メール
とりあえず、いままでのベシカムで良いでしょう。まず治してから、再度負荷テストをすると良いでしょう。
 
8/2 質問メール
今朝はお電話すいませんでした。
本日、1230にヨーグルト120グラムを食べ、およそ2時間後の1430に授乳しました。
飲んだ量は、いつもよりやや多めなような気がします。
3時間経ちました。経過報告で写真をお送りします。
左右ともに、頬の端あたりにポツポツが元々ありました。
湿疹が増えたのかどうか、よくわからず、微妙なところです。
掻く仕草は1~2回見られましたが、普段もたまに掻いているので大きな差がわかりません。
全体的に、大きな変化はないと私は思いますが、何しろ素人なのでよくわかりません。
今後はどうすればよいでしょうか??
お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスをお願いいたします。
 
8/5 回答メール
おっしゃるとおり大きな変化は無いでしょう。中2日あけて、再度同じことをお試しください。
 
8/5 質問メール
こんにちわ!
了解しました。次は土曜日の再テストになる予定です。
現在、身体のところどころに汗疹??ができていて、首~顔にも同じような湿疹があり、見分けが付かなくて困ります。アレルギー性の湿疹と汗疹の違いが私のような素人が見た目で分かる方法はありますか?もしあれば教えていただきたいと思います。この日は午前のみ診療の様ですね。また電話させていただくかもしれませんが、どうかご指導のほどよろしくお願いいたします。
 
8/6 回答メール
ご質問の点は、言葉ではなかなか説明しにくいのです。直接、皮膚を拝見しながらお話したいと思います。
 
8/7 質問メール
こんばんわ!
今日、乳製品3回目の負荷テストを行いました。
前回と時間は同様、1230にヨーグルト120グラムを摂取し、その2時間後の1430に授乳しました。飲んだ量はいつもより多めでした。
3時間以上たちました。
写真を添付したかったのに、本人が暴れて撮影できません!!!
一応、今日のテスト前の写真を送ります。
16時ごろ、左頬を「凝視」すると、1週間ぐらい前からあった湿疹?汗疹??の部分が少しだけ赤くなっていた気が・・・。ちなみに主人は気付かない程度でした。でも、今は元に戻りました。
右は変化ありませんでした。その他の部位も変化ないように思えますが・・・。
クリニックが休みに入る前に、おうかがいしたほうが良いでしょうか?それとも、休み明けまで何度かテストでしょうか?
現在の写真無しで大変申し訳ないのですが、今後のご指導をお願いいたします。
 
9/4 回答メール
食物アレルギー ; あわてないで、じっくりやりましょう。牛乳をやめても、皮膚に大きな変化が無ければ、牛乳は皮膚症状と関係は無いようですね。 もしもおめでたであれば、妊娠中の食事についてお教えします。
 
10/13 質問メール
9/7のメール以来、ご無沙汰しております。
瑞生のアレルギー相談はもちろんのこと、妊娠中の食事指導もしていただきたいので
早く伺いたいのですが、つわりがあり(現在10週です)なかなか行けません。
あと数週間で落ち着くはず?ですので、その時はどうかよろしくお願いいたします。
 
10/15 回答メール
基本的には。 牛乳は一日150-200ml、卵はその製品も含めて1週間に2-3個というのが、とりあえずの目安です。後は、来院時に直接ご相談しましょう。
 
11/20 質問メール
こんにちわ。ご無沙汰しております。

こちらのつわりもだいぶ落ち着きましたので、平日で近日中に予約を取るつもりです。
現在、主人のスケジュールを調整しています。

次回、お伺いする際に、以前から相談していた目の周りの湿疹を本格的に相談したいと思っているのですが、以前より繰り返している、乳製品の負荷テストが先でしょうか?

と、いいますのも、実は、毎晩、風呂のあとに、以前申し上げたベシカム混合のクリームを目の周りと口の周りに塗っているのですが、症状が良くなったと思って止めると、1日~2日後には勢いよく(?)再発してしまうのです。
塗って→改善→止めて→再発→塗って の繰り返しで、かれこれ1年くらい経っています。
処方した皮膚科に問い合わせても「ステロイドは入っていないので長期に渡ってじっくり使わないと治りません」と言われるのです。
しかしながら、私としてはとても心配なのです。
1日も早く、永倉先生のセレクトしたお薬に切り替えたほうが安全な気がします。
乳製品と卵の相談よりも先に相談したいしたい心境なのです。

負荷テストと一緒に相談できれば何よりなのですが、一歩一歩解決していくのがアレルギーですよね?

次回の診察では、どちらを先にやったほうがいいのか教えてください。
そして、もし、眼の下の湿疹の相談が可能であるとすれば、薬を塗らずに再発させた状態でお伺いしたほうがいいのでしょうか?
それとも薬を塗って綺麗な状態でもかまいませんか?
長々とすいません。アドバイスをお願いいたします。
 


Q79 卵アレルギーの食事に関して

 
1歳4ヶ月の息子が卵アレルギーです。データは卵白がスコア3、卵黄がスコア2
オボムコイドがスコア2です。 かかりつけの小児科でアレルゲン検査を行ったんですが(1歳の時に)、その時卵を食べてはいけないというドクターもいれば、完全に火が通っていて少量なら大丈夫というドクターもいてどっちを信用していいのかわかりません・・・。
1歳2ヶ月の時に主人がプリンを食べさせた際背中に発疹がでました。
それ以降は発疹はないんですが、ビスケット、菓子パン、コロッケなど少量卵を使った料理を食べさせても発疹などの症状が見られないのです。
ちなみに、1歳4ヶ月の採決結果も上記と変わりませんでした。
少量でも食べさせているからデータが変わらないのでしょうか?
 

A79 食物アレルギー

 
食物アレルギーの場合の血液検査には,疑陽性という反応があります。これは実際にその食物を食べても、何らアレルギー症状がでないにもかかわらず、血液検査ではその食物に対する抗体が陽性に出るというものです。その頻度は食品の種類により異なりますが、大体20-30%と考えてよいでしょう。
 
ではその20-30%をどのように見極めたら良いのでしょうか。それは食物除去テスト、食物負荷テストを行うことです。この具体的方法については私のホームページの中の、 Illness を開け、その中の食物アレルギーの診断のところをお読みください。
 
さて話は変わりますが、食物アレルギーの原因は、その食物の中に含まれるタンパク質です。そのたんぱく質は、100度以上に加熱すると変性し、構造に変化が起きます。そうするとアレルギー反応は起こしにくくなります。
 
この具体例としては、卵アレルギーの人が、生卵を食べると皮膚に症状に出ても、十分に加熱した、例えば固ゆで卵、クッキーなどを食べても何ともないということがおきます。このように加熱処理によりアレルギーを起こしにくくなる食品の最も代表ば卵です。牛乳については、加熱処理により卵ごと大きく影響を受けない場合が多いといえます。
 
次のポイントは、食べる量です。過熱して食品、たとえばクッキーをひとつ食べても何ともない患者さんでも、10個食べると、症状が出るということがあります。これは明らかに食べる量が一定以上になると初めて症状が出るという現象であると思われます。
 
お子さんの場合、プリンの加熱処理が不十分であったかもしれません。一方クッキーやテンプラのツナギなどは調理の温度が150度以上になります。そのために卵のタンパクが十分に変性し、アレルギー反応起こしにくくなったということが予想されます。
 
今後は注意しながら卵の入った、さらに十分に加熱処理した食品を少しずつ食べるということがお勧めです。これは慎重にやる必要があります。この方法について充分に経験のある専門医と、ご相談されると良いでしょう。
 


Q78 質問です。

 
以前M(長男)がお世話になってました。先日は母に親切に説明していただきどうもありがとうございました。娘(E)のアトピーは今のところおちついているのですが、以前した血液検査で、total immunoglobuline が21、スクラッチテストでは卵白とミルクに陽性で、大豆には反応がでませんでした。
Eは母乳栄養のみなので、私がdaily 製品を摂らないように(卵も)して、かわりに豆乳にしています。
 
質問なのですが、
1 私がこのように大豆製品を摂取することによって 娘が後に大豆にアレルギーがでる可能性があるのか。
2 こちらの医者(アレルギー専門医)がピーナッツはともかくとして、ドライフルーツもアレルギー体質になりやすくなるので、避けるように(特にアメリカ製品)と言うのですが、これは本当なのでしょうか?
3 今まで、スクラッチテストではミルク、大豆、卵のみ 血液検査ではtotal immunoglobuline のみしか、していません。他にどの様な検査などをしたらよいでしょうか?
4 離乳食をどの様に始めたらよいのか?
 
しばらく東京にかえる予定がないので、こちらでは正しい情報を得ることが難しいので沢山質問をしてしまいました。お忙しいところ、申し訳ありませんがよろしくお願いします。
先生が以前数ヶ月スペインに滞在されてたと読んでびっくりしました。ロンドンの事は知ってたのですが。。。
スペインはとても良い所で、私もとても気に入ってます。
 

A78 食物アレルギー

 
私は学生のころから, スペインに関心がありました。昭和48年に交換留学生で夏休みイギリスに1カ月滞在した後、ユーレールバスを使い、スペインに行きました。1週間はマドリードで過ごしました。昼間はその辺をブラブラ、夜は毎晩フラメンコを見に行っていました。またヘミングウェーが大好きだったので、彼の好きな闘牛に関心があり、見に行きました。1番前で見ました。またなぜか急に海(大西洋)が見たくなってらラ・コルニィアまでわざわざ行ったりしました。
 
その後はバルセロナとフランス国境のカダケスの地中海クラブで10日間過ごしました。地中海でスキューバダイビングをするのが目的でした。
 
何故か私はイギリスには縁があり、医師になってから1981年から83年まで、ロンドン大学へ今度は本格的に留学となりました。ロンドン滞在2年目の夏休みに、今回は妻と一緒にまた2週間スペインへ行きました。マドリード、トレド、アランブラそして、コスタデルソルへ行きました。9月なのですいていました。
 
今年の夏は、イギリスの友人から招待されてムルシアとアリカンテの間にある La Mangaというリゾートに行く予定でした。子供の学校の都合で行けなくなってしまい、大変に残念です。3年後には必ず行こうと思っています。場所はムルシアとアリカンテの間にあるようです。どうやらお宅の近くですね。
 
さてご質問にお答えします。
 
(1)血液検査が陰性であなたが大豆製品を食べて、その後授乳し、赤ちゃんの皮膚に何ら問題がなければ、あなたが食べたその量では問題がないといえます。まずあなたが食べて様子を見てください。
 
(2)ピーナツは確かにアレルギーを起こしやすい食品のひとつです。ただしそれは一般論であり方のお子さんにそれかあてはまるかどうかは何とも言えません。大豆同様に考えてください。あなたがまず食べて授乳していてください。ただし大豆とピーナツを同時に食べてはいけません。万が一皮膚に何か症状が出た際にどちらが原因か、判断できなくなります。まず今週は大豆、そして大豆を食べて大丈夫かどうかがはっきりした時点で、例えば2週後にピーナツを食べてみるわけです。
 
(3)血液検査及びスクラッチテストは、何らかの食物を食べた後に皮膚症状が出るつまり、何らかの食物が疑わしいということが起きたときに検査をすればよいのです。というのは検査が陽性でもその食品を食べられる場合がよくあるからです。
 
(4)食物アレルギーの最終診断はその食品を食べてみて、何らかの症状が出るかどうかということが決め手です。この点については私のホームページのIllness の項目の中の食物アレルギーの診断をお読みください。
 
(5)Total Immunoglobulin の数値は、ただ単にアレルギー体質があるかないかを見るだけです。これによって特定の食品にアレルギーがあるかどうかということは全く分かりませんし、この数値が高いからより重症というわけでもありません。私たち専門医にとりこの数値は参考程度です。
 
(6)現在、お子さんの皮膚炎に何の問題もなければ、そろそろスタンダードの方式で離乳食を開始してよいでしょう。重湯(お米)を中心にスタートします。ついで裏ごししたサツマイモやカボチャなどが良いでしょう。これらのお野菜は自然の甘みがあるので口当たりがよいのです。これらの食品が大丈夫であれば野菜スープなどを追加します。ここまで試してみて特に問題がなければまたご連絡ください。その先をお教えします。
 
(7)最後に、離乳食の目的は、カロリー補給ではありません。それまで液体しか飲まなかった赤ちゃんが、将来ものをかんで飲み込むという動作を練習するとともに、母乳以外の味にならす訓練期間です。ですから離乳食を嫌がっても、無理強いしてはいけません。いずれ食べるようになるからです。いやがる子にぐいぐいスプーンを口の中に突っ込むと、本当に食べるのが嫌いになってしまいます。
 
せっかく用意した離乳食を赤ちゃんが食べなくても心配はいりません。嫌いなら、ママが食べちゃいますよ、あー美味しーと言って食べてみてください。
 
そのうち必ず食べるようになります。  以上
 
お礼メール
お返事どうも有り難うございます。子供の離乳食を はじめました。
重湯とかぼちゃ、野菜スープを試しました。問題なさそうです。できれば、次のステップをおしえてください。それと、長男(ミロ)の予防接種なのですが、英国で14ヶ月の時MMR(measles,mumps,rubella)を受けたのに、前回そちらで おたふくの予防接種を1月16日にうけました。MMRの2回目を受けても大丈夫でしょうか?そうなるとmumpsのワクチンを3回受けることになってしまって、何か問題があるのですか?どうぞ よろしくお願いします。
先生のスペインのお話楽しく読ませていただきました。夏休み予定が変更になってしまって残念です。
 


Q77 食べられないものが増えています

 
よろしくお願いします。
3年ほど前より食物アレルギーになり、現在反応してしまう食物がどんどん増えている状態でとても困っています。
(長文お許し下さい。)
 
★今年3月に血液検査・皮内テストをした結果は以下のとおりです。
 
(血液検査)
非特異的IgE 55
ダニ・スギ・・・ともにクラス3
SEA・カンジダ・ピィロスポリウム・蛾・ラテックス・ビール酵母・動物マルチ・・・ク
ラス0
 
2年ほど前にも血液検査をしましたが、その際、大豆・りんご・米でクラス0でした。
 
(皮内テスト)
カンジダ・・・遅延反応あり
 
★実際に具合が悪くなるものは以下のとおりです。
 
1.アルコール
初めてビールを飲んだとき(20歳前後)から手のしびれ、脱力感等ありました。その後、最初の乾杯の1口で喉がつまるようになり、そのうちにごくごく微量(例えばお菓子に入っているような)でも喉がつまった感じ・呼吸困難・腸内ガス多発・全身の脱力感・筋肉のこわばりを感じるようになりました。
 
2.キシロカイン(局部麻酔)
21歳頃、歯医者で2度呼吸困難。しかし26歳頃、別の歯科で精神安定剤(セルシン)服用後使用した時は大丈夫でした。
 
3.大豆(おぼろ豆腐)・枝豆・桃・りんご・(いちご)・セロリ・トマト・タマネギ
食べて30分もしないうちに喉がつまった感じ・喉のかゆみ・咳・たんが出る(26歳頃より徐々に増える。)
タマネギ(もしくはチョコレート。どちらが犯人か不明です)は先日初めて反応してしまいました。
その時は他の食べ物より強い症状が出て、気道が狭くなっているような、タンがへばりついているような感じがして息苦しかったです。
唇と体も熱っぽくなり、鏡で見ると、ちょうど気道のあたりが赤くなっていました。(熱は37度ちょっと出ました。)
以前病院でもらったポララミンと気管支拡張剤を飲み、1時間ほどでだいぶ楽になりましたが、その数時間後にまた少し息苦しくなり、結局1週間ほどその状態がつづきました。
 
上記の食べ物はほぼ完全に食べないようにしています。
(大豆は醤油は食べています。大豆油も自覚症状が出ないため口にしてしまっています。)
 
4.ひじき・めかぶ・お茶
急激なゲリ・腹痛。こちらも現在は食べていません。
 
5.生乳
アイスクリームは大丈夫なのですが、生乳やヨーグルトの一部で腹部膨満感・胃もたれになります。
 
6.まつたけ
全身の違和感が出ました。
 
★現在の通院状況
現在、I医院に通っておりますが、そちらの先生はオーリングテストというもので体に合わない食べ物を判断されます。そのテストによると、私は上記以外に、白米・チョコレート・コーヒーもダメだそうで、それらを食べないように言われています。(米は胚芽米か玄米を食べています。)また、ビオフェルミンとビオチン酸を処方されています。
 
★お聞きしたいこと
①反応する食べ物が増えている状態を何とかしたいのですが、手立てはあるのでしょうか?
(是非一度受診したいと思うのですが。)
 
ひじきやリンゴはかなり頻繁に食べていたので、それでアレルギーになったのかなぁとも思います。
そこで現在は、なるべく毎日同じものを食べないように、3日なり4日なりで回転させるように努力しています(自己流です)。しかし、それでもタマネギアレルギーになってしまい、かなり落ち込んでいます。
 
また、自分なりに調べたところ、私はイーストコネクションなのでは?とも思います。
 
②現在通院している病院では、反応する食べものはすべて完全除去というふう方針のようです。しかし私の場合、例えばリンゴなら加工食品(ソースなど)に入っていても自覚症状は出ないですし、大豆油も大丈夫のようなのですが、それでも完全の除去する必要があるのでしょうか?
 
③既に反応している食べ物を今後無理に食べるとアレルギーの症状はひどくなってしまいますか?(繰り返し食べることでどんどんアレルギーの反応が強まると聞いたことがあるのですが本当でしょうか?)
唇が腫れるくらいであればたいして苦痛ではないのですが、いつ強い症状が出るか分からないので今は怖くて食べていません。しかし、食べられない食物があまりに多いので、生活上かなり支障があります。外食がほとんどできないため、人つきあいの上で大変困っています。
 
長々と書いてしまい申し訳ありません。一度先生のところで是非診ていただきたいと思っています。よろしくお願い致します。
 

A77 食物アレルギー

 
1.お話しから判断すると、アルコールアレルギーはあると思われます。一般的なアルコールアレルギーは、手をアルコール綿で消毒すると、その部分が赤くはれ上がったり、ぜんそく発作を誘発する場合です。
 
2.キシロカイン(麻酔薬)による薬アレルギーはよく見られる現象です。歯医者さんで2回、呼吸困難になっているということは、このキシロカインの使用は今後避けてください。今後歯科治療する時にはその旨をよく説明し、他の局所麻酔薬を使う必要があります。このような方はアスピリンアレルギーも多いので鎮痛剤の使用には要注意です。
 
さて一般的には、食物アレルギーの診断は血液検査または皮膚検査を参考にしながら、食物除去テスト、負荷テストを行います。この除去テスト、負荷テストを行うことなしには最終診断はできません。
 
食物除去テスト、負荷テストをしないでも診断できる場合は、アナフィラキシー型の食物アレルギーです。これはたとえばソバを食べるとショック状態になるというような人の場合には、わざわざソバの食物負荷テストは必要ありません。
 
あなたの場合には何かを食べて症状がはっきり出るということがなければ、検査だけでその食品を除去する必要はありません。
 
食物アレルギーの場合には最終診断をきちんとしないと、不必要に食物を除去してしまう恐れがあります。当クリニックではきちんと食物除去効果テストをして、その特定の食物が、アレルギー症状の原因として確定しない限り食物除去は行わない方針です。食物除去テスト、負荷ストについては当HPの Illness のなかの食物アレルギーの項目をお読みください。
 
オープンリングテストという検査方法は、私もその名前は知っています。しかしながらアレルギー学会で公認されている検査法ではありません。ですからその結果について、申しわけないのですが私は何ともコメントしかねます。
 
以上のようなことを頭に置いて、あなたの食生活を再検討し、どの食品が本当にあなたのアレルギー症状の原因かどうかを再確認する必要があります。その後、食物除去が必要であれば始めればよいのです。
 
モモ、リンゴ、イチゴ、セロリ、トマト、タマネギなどを食べてのどが詰まった感じやのどのかゆみさらに咳、痰が出るということですが、これは口腔アレルギーと言われているものです。これらの果物または野菜の中に含まれる糖たんぱくという物質が原因となりアレルギー反応起こします。これは医学的にも近年増えていることが確認されています。このような口腔アレルギーの場合には、原因の食物を摂取しないようにする必要があります。
 
牛乳アイスクリームは大丈夫で、生乳やヨーグルトで腹部症状が出るということですが、これは牛乳アレルギーの中に牛乳タンパクが少なかったせいと思われます。またはラクトアイスだったのかもしれません。
 
ご質問の1番最後にいくつかの項目があげられていますが、これらの問題については、食品が本当に食物アレルギーの原因となっているかどうか、最終的には食物除去し、負荷試験をしてみないと最終的な結論は出ないと思われます。
 
食物除去試験、負荷試験においてアレルギーの原因であることが分かれば、原則的にはそれらの食物を食べ続けている限り、症状は出てしまいます。繰り返し症状が出るほどアレルギーの病気はひどくなっていくと考えられます。
 
ごく特殊な例ですが食物減感作という方法があります。これは食べても症状が出ないごく微量の食物を少量繰り返し食べていくという方法です。これにより抵抗力がについて、症状がで無くなる場合があります。しかしながら、この方法は非常に特殊なのでアレルギー専門医であってもすべての先生が行っているわけではありません。経験のある専門医の指導のもとに行う必要があります。
 


Q76 皮膚テスト反応について

 
2歳半の娘が卵アレルギーで、6ヶ月の時にアナフィラキシ-をおこし入院し、現在完全除去しています。それ以来、6ヶ月ごとに皮膚テストをそちらの病院で受けています。2歳のときに皮膚テストを受けたときはだいぶ反応が小さかったので良くなってきている兆しが・・・っと思っていましたが、2歳半の皮膚テストでは、非常に大きな反応がでてしまいました。その6ヶ月の間にインフルエンザや麻疹の注射を打ったのですが、この注射に含まれる卵成分がなんらかの影響を与えているのでしょうか?また、皮膚テストも、卵成分が含まれてるのであまり頻繁に受けないほうが宜しいのでしょうか?お忙しいところ申し訳ございませんが、ご指導の程宜しくお願い致します。
 

A76 検査と食物アレルギー

 
特定の食物をある期間除去していると、、血液検査や皮膚検査の数値が下がる場合があります。このような場合には再び食べられるようになる場合が多いといえます。
 
しかしながら検査の数値が低くなっていなくても、食べられる場合があります。それは少量負荷テストをしてみない限りわかりません。
 
ワクチンに混入する卵の成分の件ですが、インフルエンザではほとんどありません。また、はしかのワクチンに含まれるのは卵白ではなくて卵の胚細胞の成分です。ですからこれらの成分はあってもごく微量のために、これらの注射を打つことにより卵アレルギーの体質を刺激してしまうということは考えにくいといいます。
 
お子さんについては、もう1度皮膚検査をする、または血液検査をして血液中の抗体をチェックしてみる、ということが良いかもしれません。これらの検査をしてその数値を見て、今後の方針を決めるのが1番良いと思われます。
 


Q75 食物アレルギー

 
はじめまして。お忙しいところ申し訳ありません。
実は今日6ヶ月の息子が血液検査で大豆・卵アレルギーと診断されました。IgEというのは卵白1.22、大豆0.52でした。先生から卵・大豆はやめるように、栄養士さんからはミルクもアレルギー用のに変えた方がアレルギーが強くならないと言われました。
 
どの程度の制限がどれくらいの期間必要なのでしょうか?またこれから先自己判断で食べさせてみたりして良いものなのでしょうか?検査したのは卵、大豆、小麦、ミルクの4項目ですが何か他でも顔が赤くなったり、口の周り湿疹ができるようです。(おかゆ?)他の検査も必要でしょうか?ご回答よろしくお願いします。
 

A75 食物アレルギー

 
現在何らかの皮膚炎症状があり、血液検査をしてある程度の抗体が検出されても、因果関係がはっきりしない場合がよく見られます。このようなときには食物除去テスト及び食物中テストが必要です。特にお子さんの場合、卵白の数値がそれほど高くないために、この検査からだけでは断定は難しいと思われます。
 
食物アレルギーの場合、血液検査の判断の仕方にはいくつかの特徴があります。例えばコレステロールの数値が280であれば、日本人の正常上限は現在220とされていますので、280あれば明らかに「高コレステロール血症」です。そうであれば、これはコレステロールが高いという病気です(高脂血症)。食事療法を行ったり、薬を飲んでこの数値を下げる必要があります。しかしながら今回あなたのお子さんがお受けになった、検査には、疑陽性という場合がよく見られるのです。これは検査が陽性であっても、病気とは直接関係がないというものです。これを見分けるためには今を上で述べたような除去テストおよび負荷テストが必要です。これなしには食物アレルギーは診断できない微妙な場合が数多くあります。
 
私のHPの Illnessの項目の中の食物アレルギーの診断およびアトピー性皮膚炎の項目をお読みいただきますと、その辺のことが詳しく述べてあります。また同じHPの中のQ&Aにもこの点についてお悩みの方々からいただいた数多くの質問へのお答えが載っておりますので、目を通していただくとよろしいでしょう。
 


Q74 娘の食物アレルギーについて

 
もうすぐ7ヶ月になる娘のことでお聞きしたいのですが、生後7ヶ月で顔に湿疹が出て、アンダーム軟膏で治しました。3ヶ月になる頃、耳からの強い異臭が気になり耳鼻科で3日治療をしました。湿疹が原因とのことでした。
 
それと同じ頃、顔と両腕の湿疹で近くの小児科にかかり、ヒルドイドローション(全身)とロコイド軟膏(腕)アンダーム軟膏(顔)を処方されました。5日後の再診でプレドニゾロン軟膏が額に追加されました。両親、姉らの薦めで1ヶ月たった頃に皮膚科を受診し、全身にプロパデルム軟膏、頭皮にフルコートソリューションを処方されました。入浴時には石鹸を使用しないでとの事でしたので、3週間程実行しました。(町の乳児検診で使用した方がいいのでは、ということで)2度目の受診でサンテゾーン眼軟膏を処方され、その時アレルギーではと尋ねると乳児湿疹とのお答えでしたが、全く改善しないので、娘が5ヶ月になる頃、総合病院の小児科を受診し、同じ総合病院の皮膚科で診てもらうことになりました。検査の結果エダマメ、卵白、牛乳が陽性、ダニと小麦は陰性でした。ザジテンシロップと体にネリゾナ軟膏、顔にプロパデルム軟膏を処方されました。離乳食は始めてなく、完全母乳でしたので、母親は食事制限をはじめ食事日記をつけるようにしました。1週間後顔はロコイド軟膏に、頭皮はフルコートを倍に薄めたものにかわりました。翌週はサトウザルベが追加になりました。(湿布して頬、ふくらはぎに使用)1ヶ月後にはインタール内服薬が出ました。翌週、ロコイドが合わないのではということで、アルメタ軟膏とサトウザルベを半々Mixしたものを顔に塗るようになりました。エビとイカも合わないようなので、やめました。(検査はしていません。)
 
現在はお風呂上りに、薄めたフルコートソリューション、サンテゾーン眼軟膏、アルメタ+サトウザルベ(顔)、ネリゾナ(体)昼に顔とふくらはぎのみ(症状が酷いところ)薬を塗っています。
飲み薬もザジテンが一日2回、インタールが3回飲みつづけています。 が、顔やふくらはぎからは、汁が出る日がよくあり、食事制限も含めここまでして、これしか改善しないものなのかと疑問に思っています。皮膚科の先生が山菜やたけのこは取らないようにとの事でしたが、(陽性だったアレルゲンが含まれる全ての食品はもちろん)豆類、ほうれん草、なす、苺、ごま、刺身、緑茶紅茶(カフェイン)、ゴボウ、里芋、山芋、貝類も食べていません。勉強不足で、牛肉とトマト、オリーブ油は先日まで口にしておりました。娘がよくならないのは、これらが原因でしょうか?
ステロイドを塗りつづけているのも、不安に思っています。
よく、専門医にと・・・目にしますが、長崎に(できることなら近くに)信頼できる専門医の方がいらっしゃるのでしょうか?先生がご存知でしたら、ぜひご紹介いただけないでしょうか?
長々と申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
 

A74 食物アレルギー

 
アトピー性皮膚炎の場合、この年代のアトピー性皮膚炎の場合食物が原因であるのは、20数%といわれています。一般的には、母乳の場合及び離乳食も同様ですが、血液検査だけでははっきりしない場合には、除去テスト及び負荷テストが必要です。これをしないで安易に食物制限をすることは全くおすすめできません。
 
除去テストおよび負荷テストを行っても、食物との関係が明らかでない場合には、食物アレルギーが皮膚炎の原因ではない場合が多いといえます。そのような場合には皮膚の悪化をすべて特定の食物を摂取したことによると考えないで、別の原因を考えた方がよいでしょう。そうでないと次々と除去する食品の品目が増えて、非常に困ったことになります。
 
食物アレルギーが否定されたならば、特にスキンケアーをしっかりやることが重要です。基本的には保湿剤を使用します。保湿剤を数日-1週間使用しても皮膚炎の回復が良くない場合には、ステロイドを使用します。その時にはステロイドの強さは顔には弱いステロイドを、それでもコントロールできない場合には強いステロイドを使用します。1度ステロイドを使用したら急に中止しないで、1段階弱いステロイドに落とします。その後さらに皮膚の状態がよければ保湿剤にステロイドを混ぜます。混ぜる保湿剤を増やすことにより、徐々にステロイドの量を減量できます。
 
インタールの内服薬を使用しているようですが、食物アレルギーかどうか明らかでない場合になんとなくインタールを使用することはお勧めできません。インタールは、アレルギー症状」の原因が食物アレルギーであるとはっきりしているにもかかわらず、何らかの理由でその食品を摂取する恐れのある強いに場合に内服するという使い方が基本的な使い方です。インタールを中止しても症状が変わらなければ効いていないと考えてよいでしょう。
 


73 卵アレルギーを持つ子供の予防接種

 
はじめまして。1歳の娘を持つ母親です。
 
6ヶ月の時に卵を食べて嘔吐し、スクラッチテストの結果、卵・牛乳アレルギーと診断されました。以来、卵・牛乳は除去しています。ぽっちゃり体型のため血液検査ができないそうで、他にアレルギーがあるかどうかはまだ不明です。去年、インフルエンザの予防接種の相談をしたところ、ケトテンドライシロップを処方され、接種の1週間前から服用するよう言われました。(結局、ポリオやBCGと重なったため、インフルエンザの予防接種はやめました。)
 
1歳になったため、はしかの予防接種を受けたいと思っています。はしかのワクチンにも卵が含まれていると聞きました。また1週間前からケトテンドライシロップなどを服用してからの予防接種だと思っていたのですが、診療所に問い合わせたところ、その必要はないとのことでした。接種前の皮膚テストの必要もないとの答えで、ほっとした反面、本当にこれでいいのか不安も感じています。
 
なぜインフルエンザ予防接種時には服用するのに、はしかだと必要ないのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願いします。
 

A73 卵アレルギー

 
アトピー性皮膚炎であるからといって予防接種を見合わせる必要はありません。基本的には予防接種の通知が来たらお受けになるとよいでしょう。
 
ただお子さんは卵をとると何らかの症状が出て、また皮膚検査により反応が陽性だったということから卵アレルギーがあると考えられます。
 
このような場合はしかのワクチンの場合、注射する前に皮膚テストを行うとよいでしょう。
 
インフルエンザの場合、ハシカよりは何らかの症状が出ることは少ないのですが、やはり皮膚テストを行ってから注射するとよいでしょう。
 
ちなみに平成15年の予防接種に関するQ&A(国立感染症研究所、感染症情報センター 岡部信彦先生と多屋馨股間修先生 監修)の小冊子によりますと卵アレルギーがあってもそれを食べて全身症状あるいはアナフィラキシー(呼吸困難や血圧の低下など極めて重症の全身反応を起こしたこと) がなければ、通常問題なく注射が可能です。ごく微量には卵の胚細胞成分を含んでいますが、高度に生成され卵成分はほとんど含まれていません。しかし上述のように卵によるアナフィラキシーの場合には専門医で相談してくださいというように書いてあります。
 
インフルエンザの場合もはしか同様、ごく微量の卵の胚細胞成分が含まれているために同じような注意が必要であると記されています。
 
私のクリニックでは、アナフィラキシーの無い卵アレルギーのお子さんの場合、予防接種の前にワクチンで皮膚テストをしていますが、それで反応が陰性であった場合にワクチンをしても、今のところ副作用は一例もありません。
 


Q72 食物アレルギーの原因

 
1年前から、アレルギーの蕁麻疹がでるようになりました。
食後すぐに口周りから、後頭部の首筋へとはれの症状がでてきて、全身めぐり、3時間くらいでおさまるようになるのですが、原因として考えられるのは「ショウガ」ではないかとおもうのですが。
ショウガアレルギーは聞いた事がないので、そういう例はありますでしょうか?
 

A72 しょうがアレルギー

 
私自身は経験がありませんが、あっても不思議はありません。
 
メロン、キウィ、もも、梨、などの果物でアレルギー症状が出る例はよく見られます。これらは植物ですがその中の糖蛋白というものが原因となります。しょうがもそうかもしれません。
 
いずれにせよ同様のことが一度ならず、2回以上繰り返すときは、かなり因果関係は濃厚と考えられます。
 


Q71 ミルクで悩んでいます。

 
もうすぐ3ヶ月になる娘がいます。
現在混合で母乳とミルクを飲ませていますがアトピーと診断されミルクを「のびやか」に変更しました。
「のびやか」だけではお腹をこわしてしまうので他のミルクと割って飲むように皮膚科の先生にいわれました。
自分なりに調べてはみましたがブレンドするミルクを「E赤ちゃん」、「すこやか」、「ほほえみ」どれにするか悩んでいます。
娘は皮内テストをして卵、牛乳に強、大豆に中のアレルギー反応がありました。
 

A71 牛乳アレルギー

 
ミルクアレルギー用のミルクは森永のニューMA!、明治のエピトレス、雪印のペプディエット、明治ののびやかなどが使用されます。
 
下痢などをして合わないときは、代えてみるのも良いかもしれません。これら以外のミルクはミルクアレルギーの治療には使用されません。
 
お問い合わせの3点は多少アレルギーを起こす牛乳蛋白を減らしているだけです。医学的には普通のミルクと大きな差はありません。まずミルクアレルギーが本当にあるか専門医にチェックしてもらった上でミルクをお決めになるほうが良いでしょう。
 


Q70 食物アレルギー

 
7ヶ月の息子の事で、ご相談があります。
帝王切開で初乳はあげれませんでしたが、混合で育てマッサージをして貰い母乳の出が良くなり今は母乳で育てています。初めの症状が2ヶ月で頬が赤くなり、近くの小児科.アレルギー科の先生を訪ね塗り薬をもらいました。
 
3ヶ月になっても治らず、赤い湿疹が手.お腹.背中.脚に広がったので血液検査をしたところ、非特異的Ige150アレルゲン=コナヒョウダニ1.10(2) オボムコイド1.17(2) ハウスダスト0.57(1) 卵白.ミルク.小麦.大豆.卵黄共に0.34以下この時の医者の指示、こまめな掃除とミルクに変えた方が良いかもでしたが、出来ればミルクじゃなく母乳で育てたい事を話して私の卵除去でした。
その後は、顔の赤み.手足のザラザラの繰り返しなので、ステロイドの使わない皮膚科に通い、血液検査の表を見せ離乳食も遅め、母乳で育て、和風中心の食生活を心がけ子供の肌は良くなってきていた。
 
が、母乳が足らない時、E赤ちゃんを飲ませた。たまたまE赤ちゃんが無く普通のミルクを飲ませたら、口の周りに蚊に刺されたような水ぶくれが出来、首、顔、脚に広がり咳とかゆがり泣き叫ぶ状態なので、車で今通院している病院に行きました。
今回の血液検査の結果、非特異的Ige892 アレルゲン=コナヒョウダニ62.9(5)ハウスダスト46.6(4) エビ28.6(4)ミルク96.7(5)チーズ86.2(5) 小麦0.43(1)  米1.99(2) ピーナッツ1.86(2)卵白26.1(4) ガゼイン100以上(6)振り子が振り切れたオボムコイド8.96(3)  大豆.そば0.34以下。先生はK病院に居たとき全国から悪い子がくるけど、息子の場合も悪い方だとのこと。
 
医師の指示は離乳食(野菜スープ)から進め、朝夜2回の薬(ザジテンドライシロップ.レベニン)、食物アレルギー日記を付けています。
方針は完全に除去する考えに近いが様子を見ながらやるとのこと。今も母乳を続けて様子を見て駄目なら、ミルクに変える。(貧血ぎみ今は治療はしなくて良い、免疫が低く普通の小児科医が数値を見たらビックリするくらい低い為栄養面で母乳が良いが.....)
このような状態の場合(アナフィラキシーになる可能性が大きい場合)K病院へ受診した方が良いのか、住居に近い現在通院している病院で良いのか?先生の推薦する先生は練馬近辺にいらっしゃいますか?今アナフィラキシーで亡くなる子は居るのでしょうか、ものすごく不安です。
 

A70 食物アレルギーの検査値の考え方

 
食物アレルギーの診断において、血液検査の数値は注意して判定する必要があります。
 
それは疑陽性の場合がときにあるからです。言い換えると検査が陽性に出ているにもかかわらず、その食品を食べてなんのアレルギー症状が出ないこともあるからです。
 
医学的には、血液検査はあくまでも補助診断であり、診断の第一歩にすぎません。次のステップとして食物除去テストや食物負荷テストを行い、診断を行います。
 
じんましんの場合、食べてすぐに症状が出る場合には、疑わしい食物を再度注意して食べてみれば、すぐ結果はわかります。
 
アトピー性皮膚炎の場合はもう少し厄介です。食物によりアトピー性皮膚炎が引き起こされるときには、食べてすぐ皮膚炎が起きる場合もありますし、時間がたってから、例えば半日後は1―2日たってから出る場合があります。そのために負荷試験は長期にわたり行う必要があります。(詳細はこのHPのなかのIllnessの項目の中の食物アレルギーの診断をおよみください)
 
厄介なのはアナフィラキシー型の食物アレルギーです。一般的に何らかのアナフィラキシー症状を起こし、血液検査したらそのとき食べたもの対して検査が陽性にでたとすると、その食物はアナフィラキシーの原因としてかなり疑わしいといえます。
 
面倒なのは離乳食をまだ食べていない、つまり母乳で育てているお子さんの場合です。お話しから判断すると、お子さんは皮膚症状が現れ,その後咳が見られています。ということは呼吸器にも何らかの症状が出ていたと考えられます。原因としてはその時の乗せた粉ミルクが原因と考えられます。
 
しかしながらその時まではあなたが牛乳や乳製品を摂取しながら授乳していたわけです。母乳の中には母親が摂取した食物の微量が出てくることがわかっています。従って今後吸入中のお母様の食生活をどうするかということについては, ただむやみに乳製品を禁止するのではなく、母親が少量牛乳や乳製品を摂取して授乳して問題がない
 
かどうかを、専門医とよく相談する必要があります。
 
まだ先の話ですが断乳をするときには, おそらく通常の粉ミルクではなく、吸入アレルギー用のミルクが必要となる可能性が高いといえます。離乳が始まるまでのあなたのの食生活をどうするかについて、専門医と相談する必要があるでしょう。
 


Q69 食物アレルギー

 
以前、質問504番でお世話になりました。卵・牛乳の即時型アレルギーで除去中の3歳の女児です。
先日、次のようなことがあり、大慌てしました。原因がわからず、心配ですので相談させていただきます。
近所のパン屋さんに、「卵・乳製品の入っていないパンがあれば欲しいのですが。」と買いに行くと、お店の方がミニクロワッサンと「もちっこ」というスティックパンをすすめてくれました。
本当に入っていないか確認すると、「大丈夫です。アレルギーの患者さんからお礼の電話も入るんです。」との返事でしたので購入しました。
 
14:00 インタール内服後昼食(いつも食べているカレー)
15:30 ミニクロワッサン1個→変化なし お昼寝2時間
16:10 入浴 途中咳き込みだす。立て続けに咳が出る。
16:40 お風呂からあがる。ぜいめいに気づく(背中に耳を当てるとゼーぜー聞こえる。)咳はずっとでている。顔色は問題なし。お茶を飲ませるが咳き込んで飲めず、飴をなめさせようとしても口から出す。腹部に軽度の蕁麻疹。
17:30 もちっこ半分 ミニクロワッサン1個
19:00 救急病院へ到着 医師「強いアレルギー反応でしょう。」
    吸入とステロイド点滴にて症状改善し
21:00 帰宅  その後、機嫌もよく経過。
 
パン屋さんに後日、材料をたずねるとクロワッサン:砂糖、塩、イースト、小麦粉、植物性油脂(コーン油)もちっこ:粉、水、イースト、干しえび、卵・乳製品は絶対に入っていないとのことでした。
 
*娘はえびはいつも食べていますが反応が出たことはありませんし、 血液検査もマイナスです。
*このパン屋さんでは、そばもピーナッツも入ったパンは作っていないそうです。
*娘はこれまで、乳製品を誤って食べても蕁麻疹程度で、このようなひどい反応ははじめてです。牛乳を50ccほど飲んでしまったときも蕁麻疹だけでした。
*卵は食べたことがありません。
 
質問1:原因として考えられることは、どのようなことでしょうか。
質問2:今回のような反応は、アナフィラキシーとよばれるものでしょうか。再発を防ぐためにできることと、おきた場合に家でできることはあるでしょうか。
 
以上です。よろしくお願いします。
 

A69 食物アレルギー

 
お寄せいただいた質問を何度も読みましたが、原因がはっきりつかめません。この1週間の間繰り返し読み直したのですか、お書きになった範囲からはこれといった原因が見つかりません。
 
(1)症状から考えると確かに何らかの食物アレルギーによる気道反応とじんましんと考えられます。とすればこの直前に食べたものの何かが原因だったと考えられます。
 
今回の件からは犯人を探し出すことは難しいと思います。今後同様のことが起きた場合にその前に食べた品目を詳しく記録しておき、今回のものと照らし合わせてそこに共通性のあるものが見つかれば、まずそれからうたぐっていくとよいでしょう。
 
(2)この反応は軽いアナフィラキシーと考えてよろしいと思います。重症のアナフィラキシーは、これらの症状に加え呼吸困難や酸素不足のために唇などが真っ青になる、医学的にこれをチアノーゼといいますが、また低血圧、脈拍が極端に少なくなるなどの全身症状をきたすものが重症のアナフィラキシーといわれるものです。お子さんの場合軽いアナフィラキシーと考えてよいでしょう。
 
常備していくものとしては、抗ヒスタミン薬やセレスタミンのシロップなどを置いておき同様の症状が出た時にすぐ内服させるとよいでしょう。
 
また気管支拡張剤のお薬も常備しておきゼイゼイが出たらすぐに内服させるとよいでしょう。これらの救急のお薬をまず自宅て飲ませて、その後病院に連れていかれるのがよろしいと思います。
 
アナフィラキシーは初期治療が最も重要です。従って病院にいくまで20分-30分の間何もしないということはあまり望ましいことではありません。上に述べたようなお薬を常備しておき、何かあった際にはまず飲ませてから病院に行くとよいでしょう。
 


Q68 食物アレルギ-の治療について

 
生後4ヶ月頃よりドライスキンで全身に湿疹が出たり、治ったりを繰り返しています。
何度か卵をあげたことがあったのですが、1度だけ食べた後1時間後位に嘔吐をしました。そのこともあり、1歳1ヶ月の時に血液検査を受けたところ卵白(20.5)卵黄(2.03)小麦(1.16)のアレルギ-反応が出ました。
現在は小児科で卵、小麦の除去と朝食、夕食前にインタ-ルを飲むように指導を受けています。
 
ただ、除去を始めても足首、足の裏(太股から膝の裏にかけて)の赤い湿疹は良くはなりませんでした。
特に足首はカサカサとした状態が続いていました。
先日はお腹にも赤いポツポツとした湿疹ができた為、近くの皮膚科を受診したところ、食物アレルギ-による湿疹ではなく、何らかのウィルス性の湿疹であるとの診断を受けました。
しかしここ1週間位はスポンジケ-キなどの加工品をあげても特に変わった様子もなく、足にできた湿疹も皮膚科で処方された薬(レスタミン軟膏)とワセリンを塗ってキレイになってきています。
 
正直言って小児科と皮膚科の先生のおっしゃることが全く違うことに困惑しております。
又、小児科の先生はインタ-ルは1年位飲むつもりで、年明け位にもう一度血液検査をしましょう、とおっしゃっているのですが、症状が改善されつつあるのにこのままの治療を続けるべきなのか大変悩んでおります。
今後どのようにしたらよいのか先生のご意見をお伺いできたらと思っております。
よろしくお願い致します。
 

A68 アトピー性皮膚炎と食物アレルギー

 
どちらの先生か正しいかというお話しをする前に、食物アレルギーの診断の手順お話しいたします。詳しい内容はこのHPのIllnessの中にある食物アレルギーの診断という項目をお読みください。
 
(1)食物アレルギーは血液検査だけでは診断できません(!)。特にアトピー性皮膚の場合, 卵を例に取ってご説明しましょう。
 
卵はアトピー性皮膚炎の原因と疑われたら、卵および卵製品を10日から2週間完全に中止します。これで皮膚症状が良くなるようであれば、それは卵アレルギーの可能性があります。しかしそれでお終いではありません。2週後に今度は再び卵や卵製品を食べさせてみます。また再び食べると皮膚症状が悪化する場合に初めて卵アレルギーの診断がかなり確かとなります。この一連の手順を食物除去テスト及び食物負荷テストといいます。
 
残念ながらこの1回の除去テスト負荷テストで結果がはっきりしない場合には、お手数ですがもう1度これを繰り返していただきます。
 
なぜこのようなことをするかというと食物アレルギーの場合、検査が陽性に出てても、その食品を食べられる場合が結構あるからです(疑陽性)。
 
このような場合には検査が陽性に出ても、その食物を食べて何の症状もなければ、その食物による食物アレルギーではないために、その食品を食べて良いわけです。
 
ですからこのような一連の手順を踏んで、その小児科の先生が食物アレルギーと診断されるのはよろしいことと思いますか、その手順を踏んでいない場合には、診断はまだ確定的とはいないでしょう。
 
(2)インタールの内服薬は食物アレルギーの患者さんが、どうしても除去できない食品を食べる可能性があるときに内服します。
 
たとえば卵アレルギーのお子さんが友達の誕生パーティーに呼ばれ、招待者は卵の入っていないケーキやお菓子などを用意してくれていても、お子さんのことですから友達のケーキを食べてしまうかもしれません。そのようなときに前もってインタールを飲んでおきます。
 
インタールはやみくもに使っても、その有効性はあまり認められません。
 
(3)アトピー性皮膚炎のお子さんの場合、皮膚症状が悪化する原因にはさまざまのものがあります。
 
食物アレルギー以外にも、今回のようにカゼひいたり、季節の変わり目になると皮膚炎がひどくなったりします。日本は四季の変化がはっきりしているために冬に向かう季節には気温の低下と空気の乾燥のための乾燥性皮膚炎、そして梅雨の後半から夏にかけては汗の刺激による皮膚炎などがおきます。また足首の部分は1日に何百回と折れ曲がるために、皮膚炎は治りにくいといえます。
 
今お話ししたように皮膚炎の症状を悪くする誘発因子には各種のものがあります。ですからただ見ただけでその原因を診断するのは、かなり無理といえます。
 
(4)アトピー性皮膚炎の原因については、小児科は食物アレルギーを、皮膚科は食物アレルギーをあまり認めない傾向があります。私たちアレルギー科は食物アレルギーを疑ったならば、上に述べたようなているテスト負荷テストをきちんと行い確定診断をすべきと考えています。
 
アレルギーの病気の治療において、医師により考え方が異なるというのは困ったものです。特にアトピー性皮膚炎はこの20年急に増加したために、十分な医学的知識が集積しておりません。そのために自己流の考え方で診療している先生が多いことも確かです。そのような場合にはセカンドオピニオンなどを求めてい他の専門医と相談することもひとつの選択肢というます。
 
ちなみに11月15日(土)の午後2時半から3時半までの1時間の間、当クリニックの待合室に置いて、アレルギー勉強会を行っております。
 
テーマはアトピー性皮膚炎です。ドライスキンや皮膚のかゆみの考え方とその治療。食物アレルギーの診断の仕方。ステロイド外用薬の功罪等々について、1時間まとまったお話しをいたします。質問もお受けいたします。もしお時間があればご参加されるとお役に立つかと思います。予約制ですのでご希望の際は前もってご連絡ください。
 


Q67 気管支喘息とアレルギー

 
3歳2ヶ月の息子が3週間前に風邪をひき、主人と主人の双子の弟が子供の頃小児喘息をやった為、気になって背中の音を聞くとヒューヒューするので、アレルギー科のある小児科へいったところ、その場で気管支喘息と診断されました。その日は吸入とアレルギー検査、風邪薬とテオフルマートDS20%が処方されました。1週間後、再び行きましたら、喘息の音はしないが検査の結果、アレルギー重症患者のトップクラスといわれました。
 
結果は以下のとうりです。
Ig-E 1032
イネ花粉 0.21
雑草花粉 0.15
穀物FX6 0.83
動物上皮 0.41
ランパク 1.29
ミルク 0.90
大豆 0.10
 
穀物の種類を断定する為とダニの検査は、追加で1週間後に解る予定です。今後の対策として、テオフルマートDS20%とオノンDSが処方され、環境を改善する事、ミルクは良く沸かして飲ませる、豆乳と交代で飲ませる(豆乳だけを飲ませると今度は豆乳(大豆?)に反応するかもと言われました)、生卵、マヨネーズ、ヨーグルトやアイスクリームは控える、卵はよく加熱する、市販のお菓子類は現在の研究でアレルギーに関係があるかもと言われているので控えることとの事でした。
 
以上の診断を受け、以前主人が永倉先生に診て頂いたことがあるということで、色々と教えて頂きたく連絡をした次第です。
 
1)アレルギー検査は絶対なのでしょうか。前日摂取した物や体調などは影響しませんか。息子はあまり風邪をひいたことが無く、食欲もあり、体も5歳児なみで大きいです。北海道の冬でも、11時間程度の散歩は欠かしたことはありません。乳製品をよく摂っていましたが、目に見える反応はありませんでした。卵は週に3個程度、家でとれたものです。
 
2)喘息は完治すると言われましたが、目安は何ですか。又、環境を前のように戻すと再発しますか。
 
3)小児喘息、気管支喘息、アレルギー喘息と聞きますが違いは何ですか。
 
4)卵類や乳製品は、診断後食べさせたくなくなってしまいました。助言どうりにしてもよいでしょうか。
 
以上です。宜しくお願い致します。
 

A67 食物アレルギーの診断

 
(1)お話しから判断すると、男の子さんは今までに特定の食物を食べて何らかの症状をたとえば喘息、じんましん、アトピー性皮膚炎、出血を伴う下痢など、が起きたわけではないので、仮に血液検査をして特定の食物に対して検査結果が陽性であっても、その検査の結果は擬陽性と考えられます。
 
食物アレルギーの血液検査の場合、この擬陽性という反応はよく見られます。別の病気を例に取ってご説明いたします。日本人を血液検査するとスギ花粉に反応している人は約45%と考えられています。しかしながら実際には花粉症は20数%にしか見られません。この2つの数字の差、約20%ですが、はスギ花粉の症状がない、言い換えればスギ花粉を浴びてもケロッとしているにもかかわらず、血液検査で陽性に出る人が約20%いるということを示しています。
 
食物アレルギーも全く同じです。検査で特定の食物に陽性反応を示しても、その食物を食べていままでに全く問題がなければその検査は参考でしかありません。症状がまったくなければ、それは食物アレルギーとは診断しません。今まで通りの食生活を続けになると良いと思います。
 
特に育ち盛りのお子さんの場合、医学的な根拠もなしに血液検査をしただけで特定の食品用禁止することは誤りであるだけではなく、発育にも影響を及ぼす場合があります。特に牛乳アレルギーでもないにもかかわらず牛運や乳製品を不必要に制限すると花の中のカルシウムの量が足りなくなり、身長の伸びが悪くなったり、骨折しやすくなったりします。ご注意ください。(せっかく牛乳のおいしい北海道にいるのに、それを根拠もなしにやめるのは、不味い牛乳を飲まされている東京の私たちからみると、なんとももったいない気がしますが!!)
 
お宅の子さんが今までに飲んでいた牛乳の量、卵の量はごく普通の量です。成長期のお子さんの量としてわが国の標準です。全くご心配なく今まで通りの食生活を続けることをお勧めいたします。
 
アレルギー科を標ぼうしている先生を受診しながら、このようなことが起きるということは、あなたにとって納得できないことかもしれません。しかしながら現行の医療法では医師免許さえ持っていればその医師は何科でも標ぼうできます。たとえば私が産婦人科を開業しても、開業すること自体はだれも止めることができません。しかしながら患者さんは一人もお見えにならないと思いますか(笑)。
 
この食物アレルギーの診断手順については私のホームページのIllnessの部分をわけ食物アレルギーの項目をお読みください。
 
(2)小児喘息の場合、3年間全くぜんそく発作がなければ一応を喘息から抜け出た(寛解)と診断します。専門医は治癒いうことはあまり使いません。というのは近年のデータでは小児喘息が思春期に出なくなったケースでも、成人期以降に呼吸器感染たとえばひどい気管支炎やインフルエンザなどがきっかけになり、また喘息が再発するというケースが20-30%に見られることがわかりました。
ただぜんそくは治らないというような冷たい表現をすると、保護者の方々及び患者さん方が闘病心をなくすということもあり、治癒という言葉を使う場合もあるようです。しかしながら実情は上にお話ししたような状況です。
 
小児ぜんそくはきちんと治療しておけば、まず心配ありません。あまり先のことをくよくよ心配する必要はありません。不必要にくよくよ心配することは、ハレー彗星が地球に当たるかもしれないと不安な毎日を送り、日々の生活が手につかない人と同じようです。ですから、きちんとした喘息の管理をして発作が起きない日を少しずつ長くしていることが重要です。
 
小児喘息の管理についてもっと詳しくお知りになりかければ、小生が書きました喘息のセルフケアと言う親御さん向けの本をお送りします。それをお読みになると小児喘息で日常注意するポイントがよく頭にはいると思います。もしご希望ならばその旨ご連絡ください。
 
(3)気管支ぜんそくで小児期にみられるものを小児気管支喘息といいます。小児のころは全く喘息がないにもかかわらず、大人になってから突然発症するぜんそくを成人発症型ぜんそくまたは成人ぜんそくといいます。
アレルギー性ぜんそくというのは小児喘息の90%に見られるタイプの喘息です。アレルギーという言葉は体の外から入ってくる物質に対してからだが過剰に反応するということを示しています。小児喘息の大多数はハウスダストやチリダニが陽性にでます。ですから言い換えれば小児喘息の80-90%はこれらによるアレルギー性喘息といってよいでしょう。
これに対して成人ぜんそくはいくら血液検査をしても原因がほとんど見つかりません。ハウスダストを吸って起きるというよりもビールス性の風邪をひいたり気管支炎になったり、呼吸器感染が引き金となり、おきる場合が多いのです。
 
チリダニ対策については私のホームページの<Illness>のアレルギーを起こす物質、チリダニ対策、という項目をお読みいただけると基本的なことは頭にはいると思います。
 
(4)余談ですが、地方の先生は一国一城主が多く、なかなか気難しい先生の多いので、あまり反論しない方がよいと思います。食物アレルギーのことに関してはその先生はあまり得意ではないようですので、話はそこここに聞いておいた方がよいでしょう。別の表現をすれば聞き流して良いと思います。
 
むしろ現在お子さんに大事なことは食物のこといたずらに心配するよりは、チリダニ対策をよく勉強されることが必要でしょう。検査結果がそのうち出るということでその結果を教えください。
 


Q66 食物アレルギー

 
3歳の女児です。
食物アレルギーの解除の方法と時期についてお尋ねします。
卵・牛乳のアレルギーで除去中です。
 
これまでの経過:1ヶ月ごろから耳切れ。6ヶ月の時、母乳からミルクに切り替えたとき、嘔吐と蕁麻疹。母乳にもどす。8ヶ月のとき血液検査。卵白6・卵黄3・ミルク4。除去開始すると、皮膚症状改善し消失。食前のインタール内服も開始。徐々に検査結果は改善(?)し、3歳直前の検査で卵白4・卵黄3・ミルク3。
牛乳については、最近、ハム・ソーセージのつなぎや、カキ氷の練乳を誤って与えた際に蕁麻疹が出たので、まだ解除すべきではないけれど、卵については、これまで食べたことがないので、卵黄から試してよいと、かかりつけの医院で言われました。(未実施)
最近の様子は、ここ2ヶ月ほど、肘・ひざ・手首にアトピーの症状。軽度で、弱いステロイドでおさまります。大腿に貨幣状湿疹
が1つできています(卵アレルギーのせいでしょうか?除去しているのに)。
 
質問1:本当に卵黄を試してもいいでしょうか。怖くてまだできていません。
質問2:解除の方法。かかりつけの医師は卵黄は、かたゆでのゆで卵を少量から試すように、との指導でしたが、先日、3歳児検診で診てもらった医師は、卵を解除するときは2次食品から試すように、と言われました。どちらが本当でしょうか。また、卵黄の2次食品とはどのようなものでしょうか。
質問3:牛乳の成分の入った食パンなどを試すには、まだ早いでしょうか。
以上、よろしくお願いします。
 

A66 食物アレルギー

 
食物アレルギーの場合、血液検査は補助的なものです。
 
特定の食物を食べて、直後にショック状態になるような激烈な反応、これをアナフィラキシーといいますが、その場合は、その食品について血液検査をして陽性であれば、まず原因食物として間違いありません。
 
アトピー性皮膚炎の場合は、なかなか厄介です。最終的には私のホームページのIllnessの中に食物アレルギーという項目があります。そこの食物アレルギーの診断および食物アレルギーについてのQ&Aが合わせて載せてありますのでまずお読みください。あなたの場合、理解するポイントは除去テスト、負荷テストです。
 
それを通してお読みになるとアトピー性皮膚炎の場合の食物アレルゲンについてどのように診断し、どのように食物を再開するかが書かれております。
 
(1)卵黄について食べさせてみるかどうかを前もって調べる検査はありません。それは食物アレルギーの場合には、検査数値が出ていても食べられる場合があるからです。
 
たとえば日本人のすべてを血液検査したとするとスギ花粉に対して検査数値が陽性に出る人は40%前後といわれています。しかしながらスギ花粉症の症状を持つ人は20数%にすぎません。ということは残りの15-17%の方は検査の数値が陽性であっても、スギ花粉の時期にはケロッとしているということです。
 
食物アレルギーも同じです。それでは食べられるかどうかはどのようにしたらわかるのでしょうか。それは一定の除去期間の後に、注意してそれを食べさせてみることです。これを食物負荷テスト、または食物を誘発テストといいます。
 
初めての場合や不安な場合には、病院でそれを実施するとよいでしょう。私のクリニックでは、あなたのような場合にはクリニックに固ゆでにした卵を持ってきていただき、クリニック内で注意して少量ずつ食べていただきます。もちろん何らかの不慮の出来事が起きたとに備えて非常用のお薬を用意しておきます。
 
今回の場合、以上のようなことは頭に置き、万一具合が悪くなったときの対策を取っておいた上で、肩入れ卵少量食べさせることも可能です。
 
しかしながらあなたに不安がある場合にはもう少し時間がたってからでよいでしょう。検診で測定した身長体重および身体の各機能の発達に異常がなければまずとりあえずは栄養のバランスは問題ないでしょう。
 
(2)卵黄を食べさせるにはあなたのご質問のように2つの方法があります。どちらでも問題はないと思われます。卵そのものを食べさせて何らかの皮膚症状が出れば、それは卵黄の成分によるものです。しかしながら製品を食べると卵黄およびその製品に含まれている何かが原因ということになりますので、原因は何種類かの成分考慮しなければならなくなり、話しが、面倒になります。
 
私の場合、以上のことを飼う様に説明し、どの方法を選択されるかよく相談してから実施いたします。
 
(3)大腿に貨幣状湿疹ができているということですが、これについてお答えします。
アトピー性皮膚炎の場合、乳幼児で食物が原因である場合は、20-30%と考えられます。食物以外でアトピー性皮膚炎が起きる場合は少なくありません。アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質と皮膚が弱い(多くの場合はドライスキンですが、の2つの因子が組み合わさってできるものです。ですから食物を除去してアレルギー的要素がなくなったとしても、お子さんの皮膚が弱いという体質は残ります。そのために食物除去をしても症状が残ることはよく見られる現象です。
 
(4)牛乳については、まず卵の問題をきっちりと解決しておくことが大事です。それから始めるとよいでしょう。
 
しかしながら卵の再開について気がすまないのならば、牛乳から試しても良いかもしれません。牛乳の場合は小さじ1パイを週二回与えます。小さじ1杯には約2-3ミリリットルの牛乳が入ります。この量が過ぎるとお感じになった場合には指につけてひとなめさせるという方法があります。
 
アレルギー反応の場合には私のホームページにも書いてありますが、それを食べてすぐ症状が出る場合と、半日後に出る場合、そして1日から2日後に出る場合がありますので、何か除去していた食物を再び食べさせる場合には中2日間は観察した方がよろしいでしょう。
 
余談ですが現在、主婦の友社からアトピー性皮膚炎についての本を出版する準備をしております。来週には出版される予定です。
 


Q65 原因がよく分かりません・・・

 
私には生後5ヶ月と10日になる女の子がいます。
5ヶ月に入る前頃から体(主に胸、おなか)の湿疹が目立つようになりました。
 
9月19日、友達(やはりアレルギーのお子さんを持つ)の紹介で県内では名医?と噂されるところに受診してみました。
その病院の先生は子供のおなかを見るなり「牛乳アレルギーですね、軽いアトピーがあるんでしょうね」って言われました。
「現在はミルクはどこのメーカーのものを使ってますか」と聞かれましたので「雪印のすこやかです」と答えました。
「すぐミルクを森永のペプチドミルクE赤ちゃんに変えてください」と言われました。
その日は現在のところかゆみなどの症状もありませんでしたので塗り薬等はもらわず、血液検査をして頂きました。
 
9月22日、ミルクを変えて3日目、病院を受診した日よりも顔などの湿疹が目立つようになり病院(同じ病院)に受診いたしました。
すると「今まで飲んでいたミルクを変えたからブツブツなどが出てくる人もいますし、ジンマシンかもしれないし、はっきりまだ分からない」と曖昧な答え・・・
しかし19日にした血液検査では全ての項目(ダニ、牛乳、卵白、卵黄、小麦、米、大豆)にはいまのところ異常ないとのことでした。
 
周りからはあまり神経質にならないほうがいいよ、と言われるのですが新米ママなものですからどうしていいのか分かりません・・・
ミルクを変えてからひどくなったようにも見えますし、かといってもとのミルクに戻すのも怖いし・・・
 
その病院では栄養指導も行っており、今度受けることになっています。
離乳食を始めようと思っているのですが、病院の栄養指導通りするのがいいのか、それともなんでも気にせず口にさせてみるべきなのか・・・
ちなみに一度おもゆをあげてみたことを病院で話したら「もうあげないで下さい、食べさせるならかぼちゃやいもなどにしてください」といわれました。
血液検査は異常なかったのに・・・なんて疑問もあります。
 
先生、どうかどうかご回答ください。
よろしくお願いします。
 

A65 食物アレルギー

 
食物アレルギーかどうかははっきりしない場合には、やはり除去テスト負荷テストは必要です。これをしないでその食物が原因であるか断定できるのはかなりと特殊な場合です。それを食べた直後にショック状態になるような激しい状態、これをアナフィラキシーといいますか、このような状態の時のみ直ちに診断できます。1番多いのがソバアレルギーの場合です。
 
皮膚炎型の食物アレルギーは食べてから時間がかかることが多いので、除去テスト、負荷テストをやることがどうしても必要です。
 
私のホームページのIllnessの部分の食物アレルギーの診断をお読みください。その手順に従い、チェックされることが望ましいといえます。
 
月齢から考えて、少しずつミルクを与えるとよいかもしれません。基本的には除去テスト、負荷テストは慣れた専門医の指導のもとに行うことが原則です。
 
それができない場合にはHPの除去テスト負荷テストの手順と減量を読んで理解していただき、注意して近くで行うと良いかもしれません。その場合には万が一、反応が強く出て血圧が下がったり息が苦しくなったりした場合の、非常用のシロップを、用意しておくのがよいでしょう。セレスタミンシロップでよく使われるものです。
 
離乳食についてですが、重湯から始めてはいけないという医学的根拠はあまりありません。無理に理由付けるとすれば、米アレルギーのお子さんもいるので、この子さんも気をつけましょうといった程度のものです。何らかの症状が出るようであればその時にお米が原因であるかどうかを除去テスト、負荷テストをすればよいのです。 食物アレルギーが診断されないうちからカボチャやおいも多いから無理に始める必要はありません。お米は日本人の主食なので、不必要に避ける必要はありません。
 
以上お読みいただき、また私のホームページの食物アレルギーの診断を読んでいただいて、それでも不明な場合には再度ご質問下さい。
 


Q64 アレルギーと母乳,除去食

 
もうすぐ8か月になる子についてです。
 
生後1か月過ぎから顔,首,胸に湿疹が出はじめ,3か月になる頃に頬がジクジクになり,リンデロンVG,キンダベートなど軟膏治療を行い,3か月半頃に血液検査をしました。結果は非特異的総IgE値148,特異的IgEは牛乳ランク2で他は0でした。母乳のため,医師の指示で私が卵・牛乳を完全除去して授乳してきました。
 
5か月になった頃に転居したため病院を代わったところ,母乳をやめてアレルギー用ミルクにするよう言われました。しかし6か月になった頃湿疹が随分と治まり,ステロイドを塗るほどではなくなりました。したがってアレルギー用ミルクは1日300mlにとどめて母乳を継続し,湿疹には時々アンダームを塗っています。(湿疹は顔だけです。)
 
7か月半で皮膚テストをしたところ,牛乳に加え,卵白,卵黄に大きく反応し,小麦,大豆も僅かながら反応しました。ちなみにハウスダストにも反応がありました。この結果により再度医師から断乳しアレルギー用ミルクに切り替えるよう言われました。卵や牛乳を早く食べることができるようになるためなど,アレルギーのことを考えたら母乳よりミルクがよいとの説明でした。現在断乳に向けてミルクの量を増やしているところですが,本当に断乳したほうがよいのでしょうか?また,今後しばらく卵と牛乳は除去するとのことですが,除去・負荷試験もしていませんし,症状と卵,牛乳の因果関係もはっきり感じたことはありません。(早い段階で完全除去したのでよくわからないのです。)
 
本当に断乳や本人の除去食が必要なのか,もう少し試験等で確認をした方がよいのか,今後どのようにしていけばよいか先生のご意見をお聞かせください。
 
ちなみに子供は湿疹は結構出ましたが,ひっかいたりもせず,かゆみはないようでした。したがって抗アレルギー剤は服用していません。
 

A64 食物アレルギー

 
大分お困りのことと思います。
 
この混乱の始まりは、最初に食物アレルギーの有無をきちんと診断しなかったという点にあるでしょう。
 
しかしながらこの状況になって、昔のことをとやかくいっても仕方ないので、前向きに考えましょう。
 
まず最初によることは牛乳アレルギーが本当にあるかどうかを確認することです。私のホームページのIllnessをあけていただくと、食物アレルギーというページがあります。
 
食物アレルギーにおいては、特定の食物が原因かどうかははっきりしない場合には、皮膚検査や血液検査は補助診断です。除去テスト負荷テストをきちんと行います。
 
牛乳を例にとれば、牛乳および乳製品を10日から2週間が完全に除去します。それで皮膚症状が良くなれば、牛乳が皮膚炎の原因として疑わしいため、その後に少量ずつまた吸入や乳製品を摂取する負荷テストを行います。通常3日間で元の摂取量に戻すとよいでしょう。また牛乳や乳製品を度初めて皮膚症状が悪化するならば、牛乳が皮膚炎の原因としてかなり疑われます。
 
この除去テスト、負荷テストは慣れた専門医の指導のもとに行うことが望ましいといえます。ある期間特定の食物を除去しておいて、まだ摂取すると血圧が下がったり、呼吸困難になったりすることがまれに見られます。従って極力専門医の指示のもとに行うのがよろしいでしょう。
 
牛乳の問題がはっきりしたら、次は牛乳について同様の負荷試験を行います。このように1つひとつきちっと、負荷テストをして特定の食物が皮膚炎の原因かどうかを調べる必要があります。
 
乳幼児のアトピー性皮膚炎で食物が原因として関与してる場合はおそらく2-3割前後と考えられます。従って多くの場合は不必要に制限している場合もないわけではありません。
 
この問題の根本的原因は、アレルギー科という分野が医学部の講座の中で確立していないという点にあります。全国の医学部の中でアレルギー科の講座のある大学は数えるほどしかありません。
 
医学部で授業を受けている学生さんが、大学によってはアレルギー専門医がいないためにアレルギーの考え方を教わらないでそのまま卒業してしまう場合は少なくありません。(困った物です!)
 
正しい知識を身につけて、より良い食生活の管理をされますように。
 


Q63 日本人とグルテンアレルギー

 
以前、ヨーロッパ系の外国人にはグルテンアレルギーが多いけれども日本人はグルテンアレルギーにはならないと聞いたことがあるのですが、本当でしょうか。
もし、本当ならば日本人とヨーロッパ系外国人の間の子供は遺伝的にグルテンアレルギーになる可能性があるのでしょうか。それともないのでしょうか。
私の夫はヨーロッパ系外国人で、子供は小麦アレルギーと診断されていますが、まだグルテンのテストはしていません。
宜しくお願い致します。
 

A63 食物アレルギー

 
子供は父親の遺伝子の半分と母親の遺伝子の半分もらって生まれてきます。従って両親の体質はある程度は子供に遺伝する可能性はあります。
 
しかしながら、その遺伝子を持っているだけでその病気が発症してくるという家系は非常に限られた特殊な家系です。
 
たとえばアメリカには全くそれまで、痴呆の症状がない人でも、一定の年齢(中年)になると突然にアルツハイマー病が発症する家系があります。この家系ではその遺伝子を持っているだけで、一定の年齢になったときにそのアルツハイマー病が発症すると考えられています。
 
しかしながらアルツハイマー病は家系にそのようなヒトが無い場合でも数多く発症することが知られています。
 
病気は遺伝子のみで発症するわけではありません。がすべてを決定するわけではありません。たとえば一卵性双生児で一方が喘息の場合に他方も喘息であるという確率は、50-60%に近すぎません。遺伝子が全く同一である一卵性双生児ですらその程度の一致率です。両親の片一方にある病気があったからといってそれが必ずしもお子さんに伝わるわけではありません。
 
お子さんの場合にはグルテンアレルギーが出る可能性はありますが、時点では何の症状もないので特に心配はないと思われます。
 


Q62 食物アレルギー(卵・ミルク・小麦)について、除去は必要なのですか?

 
生後8ヶ月の子どものことで質問です。
 
生後2ヶ月頃より顔に湿疹があり、今も皮膚科に通院中です。
湿疹は両頬の耳側と口の周りに出ています。(薬はコルテス軟膏とポポララミンシロップを使用)今月初め,卵蒸しパンを一口食べて1時間後に顔・脇・腹部・おしりに蕁麻疹が出ました。小児科でザルックスクリームも処方してもらい帰宅し、症状は2時間ほどで治まりました。
次の日に皮膚科で診察し(やはり蕁麻疹でした)血液検査を行いました。
 
結果は卵白(15.50)ミルク(2.26)卵黄(0.79)小麦(0.67)に反応があり、医師からは「卵白は1歳まで禁止。卵黄・ミルクも控える。小麦は食べてもよい。」と言われました。現在、一日2回の離乳食(中期)と母乳・粉ミルク(一日400ml)の混合を与えています。蕁麻疹が出て以来卵は完全除去し、乳製品、小麦製品ともに極力与えるのを控えています。ただ、粉ミルクは医師から特に換えるように言われなかったため今までと同じものを飲ませています。(アレルギー用ミルクの存在はアレルギーについていろいろ調べてみてから分かりました)
 
そこで質問です。
粉ミルクはアレルギー用ミルクに換えるべきですか?
卵と同じように乳製品・小麦製品の両方とも除去が必要なのですか?
検査の結果がでるまでの1週間は卵以外いつものように食べさせましたが何も異常はありませんでした。それにミルクアレルギーというわりには、粉ミルクを飲んだ後も変化は見られませんでした。顔の湿疹が出始めたのは生後2ヶ月ですが、生まれてすぐから混合で育てていたので、あまりミルクが原因とは思えません。それに医師からも湿疹とアレルギーが関係しているようなことは一切言われませんでした。
 
この子の上にも2人子どもがいますが、やはり同じように生後2ヶ月から1歳過ぎまで顔に湿疹が(ひどいときはジクジクの状態でした)がありました。ただし、その時に今回のようなことはなかったのですが、上の子は生後3ヶ月目に血液検査をしたことがあります。結果は計測不能でした。その後検査は受けていません。
今は上の子にアトピー性皮膚炎があり、真ん中の子は普通のツルツルの肌でトラブルはありません。
 
このこともあって、この子も上の子たちと同じように肌が弱くもしかしたらアトピーになるのかもと考えていましたが、その反面、今回のことが本当にアレルギーなのだろうか?たまたま初めて全卵を口にしてしまったために蕁麻疹が出てしまったということはないのだろうか?という気持ちがあるのも事実なのです。それにパッチテストもせず血液検査だけではアレルゲンの特定は出来ないようなことも本に書いてあったので、本当はどうなのかが気になっています。
 
もし、本当にアレルギーだとしたら、何を除去し何なら食べさせていいのかがわかりません。このまま食べ続けさせたらどうなってしまうのかも心配です。今後予防接種(三種混合3回目までは終了)もちゃんと受けることが出来るのかも心配です。
文が長くなってしまい、質問も多岐にわたるのですが、回答の方をどうかよろしくお願い致します。
 

A62 食物アレルギーの診断

 
だいぶお困りのようですね。その原因は食物アレルギーの診断の方法にあると思われます。
 
私のホームページの病気知識の中の食物アレルギーの診断をお読み下さい。それをお読みいただくと以下の点がお分かりになると思われます。
 
(1)アトピー性皮膚炎の場合、食物アレルギーは血液検査だけでは診断できないのです。
(2)それではどのように診断するかというと、食物除去テスト・食物誘発テストを行う必要があります。この具体的方法については、上に述べた部分に詳しく書いてありますが、簡単にご説明します。
 
例えば牛乳がアトピー性皮膚炎の原因と疑われたら、牛乳および乳製品を10日から2週間完全に除去します。この場合牛乳事態を飲まないだけではなく、乳製品も一切食べさせないで頑張ります。そして皮膚症状がよくなったならば、2週後に少しずつまた牛乳を飲ませたり、乳製品を食べさせ始めます。大体3日間くらいで前の量に戻すとよいでしょう。これにより皮膚炎が再び悪化するならば牛乳はかなり疑わしいと思われます。
 
食物アレルギーの症状がアナフィラキシーといって、食べて5分から15分の間に、血圧が下がり、意識が低下し、同時に呼吸困難が来るような激烈な場合には、食物との因果関係はつかみやすいといえます。ソバアレルギーなどでよく見られます。しかしながらアトピー性皮膚炎のようなもう少し時間がかかるタイプの場合には血液検査だけでは判定しにくい場合が多いといえます。
 
一般的には、アトピー性皮膚炎の患者さんで、血液検査をして特定の食品が陽性に出ると、それが皮膚炎の原因食物であると早とちりしてしまう場合が少なくありません。その結果制限する必要のない食品までも制限することになってしまいます。
 
成長期の子供にとって、病気の治療のために本当に必要ならば、その食品を制限した方が良いのですが、その必要がないのにもかかわらず制限されてしまうならば、それは非常に困ったことだと思われます。残念ながら多くのお医者さんはこの点についてはよく理解していません。従って血液検査をうのみにして、その結果だけをもとにして食物制限をしてしまいがちです。
 
この点については先ほどのホームページの中の保健婦さんたちから私に質問されたQ&Aに詳しく書いてあります。まずこれをお読みになり、不明の点について再度ご質問ください。ご質問をお待ちしております。
 


Q61 小麦アレルギー~グルテンは?

 
双子の除去食をはじめて早4年。子供たちももうすぐ5歳になります。
アレルギーの重いほうの子は卵&小麦完全除去(去年からしょうゆのみ使用)幼稚園はお弁当持ちで行っているのですがパン給食の日が週に1~2あり、さすがに食べたくて仕方が無いようです。ネットで探してみた所、卵未使用のお米のパンを発見しました・・・・・が、グルテンは使用しているとのことです。アレルギーの原因は澱粉(?!)なんて話を聞きましたが、グルテン・・・ってどうなんでしょう?!毎回使用しようとは思っていないのですが(特別行事のときなどに)
現在、除去食だけでこんとろーるできています。(花粉の時期は、蕁麻疹&鼻炎で内服ー抗アレルギー剤&保湿剤&ステロイド使用
小麦=クラス2
 

A61 小麦アレルギー

 
小麦アレルギーの原因抗原としてグルテンは重要です。
 
グルテンは小麦粉蛋白の一種です。澱粉ではありません。ですからアレルギーを起こすアレルゲンになるのです。
 
話は少し違いますが、近年増加している口腔アレルギーという病気は、キウィ、メロン、アボガド、モモなどの果物を食べると、口の中が痒くなったり、違和感を感じます。この原因は上記の果物の中の糖蛋白がアレルギーを引き起こすアレルゲンになります。(参考までに)
 
小麦粉の中に含まれるグルテンの中には、いくつかの成分があり、どの成分についてアレルギーがあるかは個人差があります。現在、この部分を化学的処理により食品加工して、アレルゲン性を低くしようという試みは、行われていますので、いずれは製品として世に出で来るでしょう。
 
間違って小麦の入ったものを食べて、何らかのアレルギー症状が、最近あったならば、グルテンは要注意です。
 


Q60 負荷試験について

 
以前、用賀に住んでいてそちらの病院に通院していたものです。
 
もうすぐ2歳になる娘についての質問です。
 
カルテにも残ってることと思いますが、6ヶ月の時、卵でアナフィラキシ-ショックを起こして以来、卵除去食を続けています。
 
NHKのためしてガッテンという番組で重い食物アレルギーの子が負荷試験を繰り返し4歳には、卵,小麦粉,牛乳が食べれるようになった。という放送でした。
 
我が子の場合は、アナフィラキシ-を起こしてますが、このような試験を受けることはできるのでしょうか?
 
1歳6ヶ月の時に、そちらで皮膚テストを受けたときもかなり大きく反応して皮膚がはれたため,2歳になったらまた、皮膚テストを受けに伺おうかと思っております。
 

A60 食物アレルギー

 
食物アレルギーの中でも、アナフィラキシーを起こすタイプはアレルギー反応の記憶が強いために、再び食べられるようになるまでに時間がかかる場合が多いといえます。
 
体の記憶が強いということは、医学的に言えば、その食物を異物として認識する体の免疫反応が非常に強い、しかも長期間維持されるということを意味します。
 
一般的に食物アレルギーの症状が皮膚炎やじんましんの場合には、一定期間たとえば6カ月その食物を中止し、その後食べさせる、言い換えれば負荷テストを注意深く行うことにより、再び食べられるタイミングを見つけ出すことができる場合が多いといえます。
 
アナフィラキシー、これは食べると血圧が低下したり、呼吸困難になったり、ぜんそく発作の起きる反応ですが、この反応は上に述べたような皮膚だけの反応に比べると時間がかかります。
 
あなたがおっしゃっている少量ずつ食べるという方法は、専門医の間で食物減感作と呼ばれている特殊な方法です。これは症状が起きないような量を少しずつ食べることにより身体の抵抗性をつけようとするものです。この量を見極めるのが難しいのです。
 
一般的な減感作療法というのは、スギ花粉症の時によく行われる方法です。私のホームページのIllnessの部分のアレルギー性鼻炎の治療のところをお読みください。その中に減感作療法というのがあります。これはスギ花粉のエキスを症状が出ないように何千万倍にも希釈し、それを週に1-2回注射していく方法です。20世紀の前半から
 
行われている方法です。この治療中にもアナフィラキシー起こることがあり、アレルギー専門医しか行いません
 
私のクリニックでもスギ花粉症で減感作療法行っている方が何十人もいます。食物減感作というのはこのスギ花粉症に対して行われる減感作に比べると、かなり特殊です。ほとんど行われていません。またはそれがどのように効くかということについても解析を行われていません。
 
したがってテレビでその話が出たということですが、それは極めて特殊なケースであると思われます。アナフィラキシー型の反応は一定期間の除去のあとに、不用意にその原因物質を投与すると、激烈な反応起きる可能性があるために、特に食物ではスタンダードの方法としては行われていません。
 
もしNHKでそのようなことをほぼ本当に行っているとしたならば、かなり問題があります。そのビデオをお持ちならば見せていただけると幸いです。
 
さてお子さんについてですが、アナフィラキシー型の反応といっても、一生食べられないわけではないといえます。また私の患者さんでも約30年間診察させていただいている患者さんがいますが、その方も赤ちゃんの時には乳製品や卵をなめるだけでアナフィラキシー起きるタイプでしたが、現在は成人され多少のケーキならば食べられます。ですからお子さんも一生の間はこれが続くわけではありません。
 
注意して食べさせる、言い換えると負荷テストですが、それを行うご希望があれば、皮膚検査を行った後で、少量を食べていただくことも可能です。そのような負荷試験はクリニック内で、細心の注意も持っていたしますので、ご希望があればご連絡下さい。
 
計画を立てましょう。
 
追伸:<NHKの試して合点>は視聴者が多いだけに反響が大きいのです。内容について、医学的に問題があるという電話は、専門医から時々あるようです。
 
私も、ステロイドの話を聞いた喘息の成人患者さんが、恐怖心から自分の判断で薬を中止して、直後に大発作が起こり入院したケースがあり、NHKにその旨申し入れをしたところ、その次の番組のときに、自分の判断で勝手に薬の変更をしないでくださいというアナウンスが出ました。
 
あの番組わかりやすい構成なので、私も時間があれば見ていますが、医学的な点については時々、アレッと、するときがあります。
 


Q59 ミルクアレルギー疾患用粉ミルクについて

 
いつもお世話になっております。8ヶ月になる息子のことです。
 
*アレルギー疾患用ミルクについて。
先生にご指導して頂きましたとおり、息子(8ヶ月)に今月はじめからミルクアレルギー疾患用粉ミルクを使用し始めました。今はMA1を飲ませておりますが、やはり嫌がってしまいほとんど飲んでくれません。最近は哺乳瓶を見るだけでイヤイヤとします。なんとか飲んでも1日50cc~100cc程です。ちなみに離乳食はいつもどおり食べております。特に量は増えておりません。夜間は1回~2回ほど母乳もあげております。私自身、乳製品はほとんど食べないようにしております。
 
アレルギー用粉ミルクとしては明治の「のびやか」という銘柄が比較的おいしくて(?)飲みやすいと聞きましたが、たんぱく質の分解度が高度である森永の「MA1」や明治の「エピトレス」と比べて、分解度がやや低い(中等度・乳糖を含む)らしいのですが、息子に使用しても大丈夫でしょうか?先日そちらで行って頂いたパッチテストの結果では強いミルクアレルギー反応が出たようですが・・・。
 
ちなみにMA1を飲ませた当日は下痢気味でしたが、今のところ特に何の症状の変化もみられません。足首の湿疹は少しだけ良くなったような気もします。他には湿疹はどこにも出ておりません。
 
*小麦粉の除去について。
 
なお、先日うどんをもう一度食べさせたところやはり口の周りが少し赤くなってしまいました。下痢やおむつかぶれはありませんでした。数日前に小麦粉が入っている幼児用のボーロ(卵・乳製品・大豆を含まない)を15個ほど食べさせたところ、口の周りが赤くなってしまいました。この場合も下痢やおむつかぶれはありませんでした。(デジカメで撮影しましたが湿疹の様子を上手く撮ることが出来ませんでした。)
 
今まで小麦粉が主材料のような食材(うどんやそうめんなど)はほとんど食べさせておりませんでしたが、ベビーフードなどで小麦粉という表示があるものは何度も食べさせたことがあります。その場合は特に口の周りが赤くなったりおむつかぶれなどはありませんでした。今後はやはり小麦粉も完全に除去するべきでしょうか?
 
お忙しいことと存じますが、お返事お待ちしております。
 

A59 牛乳アレルギー用ミルク

 
牛乳アレルギー用ミルクには以下のようなものがあります。
 
森永乳業の<ニュー MA1> 、明治乳業の<エピトレス>、 雪印乳業の<ペプディエット>、明治乳業の<のびやか>、 明治乳業の<エレメントタルフォーミュラ>などです。
 
いずれも平均分子量を約300で、最大分子量が1,000以下です(分子量が数千以上であると免疫反応を刺激し、アレルギー症状がでやすくなります)。
 
日本は各メーカーの間での競争が激しいためにこのタンパクの平均分子量および最大分子量の間には差はほとんどありません。言い換えれば機能的には、まず差は無いといえます。
 
ただ異なるのはカロリーを補うための油分です。パーマ油、サフラワー油、ゴマ油、ヤシ油、エゴマ油、リノール酸系、大豆油も入っているようです。これらの油の配合にはメーカーにより多少の差があります。またはその他の添加物としてはビタミンKやカロチンなどが含まれています。これらの配合の差が多少の味の差になるのかもしれません・
 
私は何十年もこの牛乳アレルギー用ミルクを使っていますか、どのメーカーのものが最も味がよいかというご質問に対しては、大差は無いでしょうというのが私のお答えです。
 
しかしながら多少メーカーにより味に良い香りが異なるというふうに感じる方(赤ちゃん!)もいらっしゃるので、試しにお代えになってみることもよいでしょう。
 
しかしひとつのものから別のものに変えた場合、驚くほどに香りとか味が変わるということはその構成成分から考えて、まず期待できないと思います。
 
<大豆アレルギーについて>
 
お話だけでは、はっきるとは断定できません。
 
食べたときに、同じような反応が2回、3回と繰り返す場合、これを再現性があると言いますが、はその食品は怪しいと考えるとよろしいでしょう。
 


Q58 生魚・貝類アレルギー

 
一緒に暮らしている人がアレルギーで悩んでいます。
お魚は焼いてあったり、火が通っていれば平気なのですが生魚は一切食べれません。貝類は、どんな調理法をしてあってもダメです。
小さい頃は食べていたそうです。しかし、今は食べてしまうと目の粘膜が腫れてきたり、口の中に湿疹が出来てしまったり、かゆみがとまらなくなってしまいます。ひどい時は病院で点滴を受けてしまいました。
魚介エキスが入っているものを口にしただけでも、このような症状を起こしてしまいます。
特にイカやエビやタコなどに関しては、即症状を現します。
本人は治したいようです。何か良い方法はないのでしょうか。なぜ、急に食べれなくなってしまったりするのでしょうか?
 

A58 魚アレルギー

 
お話しから判断すると魚だけではなく、魚介類(イカやタコなど)に対してからだが過敏に反応してしまう状態、つまりアレルギー状態であると考えられます。
 
症状が軽い場合には十分に加熱すると食べられる場合もありますが、そうでない場合にはいかなる形で魚介類を摂取しても症状が出てしまう場合があります。
 
このような形で特定の食品に対して反応してしまう場合には、この食品を摂取しないようにするというのはまず第一の予防です。アレルギーの病気は、もし原因がはっきりしたならば、その物資を日常生活から極力排除するという点にあります。まず半年は魚介類の摂取を中止し、その後注意して再び食べてみる(負荷テスト)をしてみると良いかもしれません。ある期間原因食物を除去し、その後再摂取すると激烈な症状(呼吸困難など)がおこる可能性もあるので、アレルギー専門医の指導の下で行うべきでしょう。
 
原因がハウスダストであれば、よく掃除をするなり室内を整頓することにより、かなり症状を減らすことが可能です。しかしながら日本人が好んで食べる魚介類対してアレルギーが出てしまう場合には状態はかなり深刻でしょう。同情申し上げます。
 
あなたのような症状でおなじみの方はそう沢山はいませんが、確かに少数ですがいらっしゃいます。
 
原因がはっきりしている場合にはインタールという抗アレルギー薬を食事の15-20分前に内服しておくという方法がありますが、この有効性はほぼ50%です。飲んでおけば絶対に食べられるわけではありません。また症状が出ることを承知でこの薬を飲んでその原因の食物を食べるということは激烈な症状を引き起こす可能性があるのであまりお勧めできません。むしろこのインタールという内服薬を使用する場合は、外食などやむを得ない場合に、魚を食べてしまうかもしれないというときに、万一の用心のために飲んでおくお薬というように考えてよいでしょう。
 
日頃抗ヒスタミン薬や非常用の薬(ステロイド薬)などを手元に置き、何らかの症状が出た場合にはすぐそれを内服するなどの処置をすれば、より症状は軽減できるでしょう。
 
昔なかったアレルギー症状がある年齢で出る場合は少なくありません。たとえばスギ花粉症を例にとると、子供のころには全くアレルギー症状がなかった人が、成人して、ある年齢から突然にすぎ花粉症に悩まされる場合も少なくありません。
 
さまざまの体質の変化、または加齢などによる抵抗力の低下、ストレス、過労などにより免疫力が変調し症状が出てしまうなどの理由が考えられています。
 


Q57 アレルギー検査について

 
初めまして。現在2歳の息子がいて、9ヶ月の時から保育園に通っています。
生まれて1ヶ月くらいまでは母乳とミルクの混合で、それ以降は母乳でした。
保育園ではミルクを哺乳瓶でということだったので、ほ乳瓶に慣れさせようと7ヶ月の時に哺乳瓶でミルクを飲む練習をしました。若干は口の中に入ったと思いますが、嫌がって手で払いのけられてしまい、その拍子にミルクが顔に飛び散ってしまいまいました。哺乳瓶の乳首を口に入れたときから泣いていたのですが、顔に飛び散った時くらいから声が出なくなり、顔も一面蚊に刺されたようになり、ゼーゼーした感じで顔色が悪くなりました。慌てて近所にある小児科に行ったところ、アレルギー専門の小児科を紹介され、その足で受診しました。牛乳アレルギーだろうと言う診断で、数日後皮膚テストをし、牛乳と卵にかなり強い反応だったので、今は完全除去をしています。
半年に1回皮膚テストをしているのですが、今年3月に行ったときはほとんど前と反応が変わっておらず、かなりショックでした。その先生は血液検査はナンセンスだとおっしゃって、皮膚テストしかしません。こちらのHPでは、すぐ反応する時は血液検査の方がいいというような事が書いてあったと思います。考え方はいろいろだと思いますが、私自身、前から血液検査をしてみたいと思っていたので、別のお医者さんに行こうかと迷っています。一度、血液検査もしてみた方がいいでしょうか?
長々書いてしまい、申し訳ありません。
 

A57 牛乳アレルギー

 
ミルクが顔に飛び散ったとき、その一部が気管に吸い込まれ、気道でアレルギー症状を起こしたためにゼイゼイという音がしたのでしょう。顔面が蚊に刺されたというのはおそらく牛乳アレルギーによるじんましんと思われます。
 
皮膚検査をしたところ牛乳に対する反応が陽性に出たということなので、この牛乳アレルギーということはさらに確かなものといえるでしょう。
 
一般的に食物アレルギーの場合、皮膚検査は血液検査よりも敏感な場合がよく見られます。これは皮膚の抗体の方が血液中の抗体よりもアレルギー症状をより直接に反映しているものと考えられます。
 
何かを食べてすぐショックになるような場合、皮膚検査も血液検査もほぼ同様の強さで出る場合多いといえます。従って皮膚検査で陽性に出ていれば、さらに子供を押さえつけて採血をする必要はないでしょう。ほほ同様の結果でしょう。
 
食物アレルギーの場合それが皮膚の炎症、つまりアトピー性皮膚炎ですが、これが出る場合には半年その食品用除去し、その後また注意して食べさせてみる方法がよく行われます。しかし少量与えてみてまた皮膚に何らかの症状が出てしまう場合にはもう半年待ちます。
 
それに対して気道症状が出ている(特にゼイゼイする場合には)半年間の制限ではあまり症状が変わらない場合がよく見られます。
 
これは気道のアレルギーの場合には体の中の免疫の記憶が強いためか単純な皮膚炎(アトピー性皮膚炎)に比べるとなかなかこの体質は急には変化しません。
 
以上まとめますと、この段階で相手血液検査をする必要はないでしょう。なぜならば皮膚検査の結果と血液検査の結果では今回の場合特に大差はないと思われるからです。
 
検査方法にこだわるよりも、今後いかに再投与を行うか、タイミングの決定、与える量などの具体的な方法を検討するほうが良いでしょう。
 
牛乳を除去して半年たったならば、少量の牛乳または牛乳の入った製品を注意して食べさせてみるのが良いと思われます。一般的には牛乳をひとなめしたり、スプーンに少量の牛乳を週に2回注意して与えます。
 
私のクリニックでは、食物アレルギーによって気道症状が出る方つまり反応が強い方は最初の負荷試験を自宅でやらないで、必ずクリニックでやっていただくことにしています。そうすれば与え方のチェックもできますし、また何か反応起きた場合にもすぐ対処できるからです。
 
食物アレルギーにより気道症状が出る場合には、すぐに適切な判断ができる専門医と相談するのがよろしいと思われます。
 


Q56 2歳の息子がアトピーです。

 
2歳の息子がアトピーで、今卵を除去しています。
最近、大豆にも反応しているみたいでお味噌汁とか肉豆腐・ゴマの入ったふりかけ・きな粉を食べさせたときに体や顔に発疹が出たりします。血液検査では大豆はスコア2でしたが、実際口にするのとは違うと聞きました。今まで食べていたものがアレルギーになることもあるのでしょうか?
 

A56 食物アレルギー

 
血液検査で大豆に要請であり、大豆製品を食べた後に一度ならず、何回かの場合に同様の症状があれば、大豆アレルギーの可能性が濃厚です。
 
ご指摘のようにアレルギーの検査は疑陽性、疑陰性があるために、その判定には注意が必要です。
 
しかし、その食品を摂取して同様の症状が繰り返し起こるときは、その食品に対するアレルギーが疑われます。
 


Q55 咳が出ます

 
以前から気になっていることがあるんですが、毎回ではないのですが食事をした10分後くらいから約一時間程度咳が止まらなくなることがあります。
何を食べたら咳が出るのかははっきりとは分かりません。ただ、ラーメンとメロンを食べた時はかなりの確率で咳が出ます。
それ以外の物を食べたときでも出ることがあります。
あと、ここ数ヶ月のことなんですが、胸というか喉がグッと圧迫されるような息苦しさを一日数回感じます。
一回につき数秒ですぐに治るんですけど気になります。
3年ほど前にアトピーでアレルギークリニックに行った時に血液検査をしてもらい、そのときは「アレルギー値は低い」と言われ、アトピーの原因はストレスだろうと言われました。
(その時は咳のことは話しませんでした)
別に苦しくて死にそうとかではないし、以前の血液検査でアレルギー値が低いと言われているので、この症状はアレルギー症状ではない物なのでしょうか?
今の病院で上記の症状を話してみたのですが、話を流されて特になにもされませんでした。
現在はアトピーで通院し漢方薬(ツムラ37番半夏白尤天麻湯)、ビオチン散、ビオフェルミンを服用しております。
もしも、病院で検査の必要があるのであれば、仙台方面の病院があればお教えください。
長々とすみません。よろしくお願いします。
 

A55 食物アレルギーの診断

 
(1)お話しから判断すると食物アレルギーを疑っていらっしゃるようですね。食物アレルギーは食べた直後にショック状態になったり、だれが見てもわかるようなじんましんが出るような場合には、その診断は容易です。その場合には血液検査をすると多くの場合に陽性反応が出るために診断はさらに確定します。
 
しかしながら、すべての食物アレルギーが今述べたように簡単に診断できるわけではありません。
 
その場合には、血液検査や皮膚検査は陰性であることは多く、食物除去試験、負荷試験というちょっと面倒な方法が必要となります。
 
この食物除去し、負荷試験については私のホームページの Illnessの 項目をあけ、その中の食物アレルギーの診断の項目をお読みください。その基本的な考えがはっきりすると思います。この点についての不明点はまたご質問下さい。
 
(2)アレルギー疾患のうち診断の目安となる検査は血液中のIgE抗体の値です。
この数字は大ざっぱな目安と考えてよいでしょう。これが低くてもアレルギー性の病気を明らかに示す患者さんも数多くいます。
 
ですからこの数字だけでアレルギーでないと断定するのは多少無理があると思われます。現在のお薬で症状が悪化をされていればそのお薬は効いていると思われます。
 
(3)仙台のアレルギー専門医の名簿をチェックしてみましたが、仙台のアレルギー専門医で食物アレルギーを標榜している先生は少ないのです。
何人かいますがその先生方は皆小児科のためあなたのような成人の患者さんを受けてくれるかどうかをはっきりしません。
 
それでもよろしければ森川小児科医院(022-256-6211)へ直接お電話されるとよいかもしれません。その場合にはこちらで聞いたとお話いただいて結構です。
 


Q54 魚アレルギー

 
今回は、私ではなく息子(26才)の魚アレルギ-の件で困っております。
レストラン経営で息子は、コックとして働いております。手の荒れがひどくひび割れで血がでたり、指紋も無くなりかわいそうでなりません。魚アレルギーは、PL病院で血液検査で診断されました。ほとんどの魚から反応がありました。魚を食べたりさわっても駄目なようです。
 
仕事を辞めるわけにいかないので、綿手袋をしてゴム手袋をしながら料理しております。魚は、食べないようにしています。病院より飲み薬と塗り薬をもらっているようですが、効果ないようです。この仕事を辞めるのが一番いい事かも知れませんが、現実そうもいきません。お酒もタバコも吸いますが、それもよくないのでしょうか。
どうしたらいいのか困っております。よろしくお願い致します。
 

A54 魚アレルギー

 
血液検査で各種の魚に反応する抗体が陽性であり、実際に魚を食べたり触ったりして, 症状が出てしまうならば,に 確かに魚アレルギーといえるでしょう。
 
アレルギー治療のまず第一歩は、原因物質がはっきりしたならば、そのものを身辺から可能な限り遠ざけるという点にあります。
 
しかしながらお子さんのように、職業上その物質との接触がなかなか回避できないものを職業アレルギーといいます。
 
ゴムの手袋を使用しているということですが、ゴム(ラテックス)アレルギーはないのでしょうか。これも血液検査で簡単にチェックできます。もしラテックスアレルギーがあるならば、ゴム手袋の使用はお勧めできません。
 
スーパーでポリエチレンの手袋が売られています。高いものではありませんので、お試しいただくとよいでしょう。このポリエチレン手袋はゴム手に比べるとかなり薄いので、包丁捌きにも支障がが少ないでしょう。
 
薬による治療としては、各種の抗アレルギー薬を試してみる方法もありますが、原因がはっきりしている場合にはその物質を回避することがまず第一でしょう。
 
または原因食物を摂取する15-20分間に内服しておくと、その物質の消化管からの吸収を抑制する内服用インタールというお薬があります。これはすべての方に有効とは言えませんが、有効な場合もあります。1週間試してみて症状が軽減しなければ、有効とは言えません。
 
就寝前に外用薬を手に塗って、傷の部分にサランラップを当ててから包帯を巻くと、より傷の回復が早くなります。
 


Q53 除去テスト?or負荷テスト?

 
先生、早速のご回答ありがとうございました。
 
近いうちに、病院で血液検査をしてきたいと思います。そして、また、ご相談させていただきたいと思います。
 
食物除去テストと負荷テストですが、1度目と2度目のじんましんの原因が、卵と鶏皮だと思っていたので、もう何ヶ月も食べさせていませんでした。そうした状況の最中の、今回のじんましんでした(3度目)。もう一度きちんと、除去テストから始めた方がよいのですか?それとも、負荷テストから始めればよいのでしょうか?
 
お忙しいところ、お手間取らせまして大変申し訳ありませんが、回答をいただければ幸いです。よろしくお願いします。
 

A53 食物アレルギー

 
今までに,いろいろのことを試してみたり,各種のお薬を飲んで、だいぶ苦労されている様子がわかります。食物アレルギーかどうかもはっきりせず、また薬の効果も判然としない。そのような状態で離乳食を迎えるあなたの心配は大変なものだとお察しいたします。
 
さてこの問題のいちばん根本にあるのは食物アレルギーの診断方法です。この点をきちんと解決しておかないと、今後の離乳食をどのように進めるかという問題はますますあなたの頭痛のタネと思われます。
 
食物アレルギーの診断方法は、私のホームページのIllnessの項目を開け、その中の食物アレルギーの診断の項目をお読みください。または主婦の友社から出ている育児雑誌 ベビモ2月号をご覧ください。この2月号の別冊に赤ちゃんのアトピーとアレルギーという本がついています(本屋さんでバックナンバーをご注文ください)。この中の第4章が食物アレルギーの診断方法です。これらをお読みになり、食物アレルギーの診断でついてまず理解を深めていただくことが大事です。
 
具体的には、血液検査はあくまでも補助診断にすぎず、最終診断は食物除去テスト、負荷テストを行わなければ最終的な診断は多くの場合つかないという点にあります。
 
具体的には疑わしい食物、たとえば大豆であれば、大豆の入った製品つまり、しょうゆ、大豆の入ったお菓子など大豆製品を一切中止します。その期間は10日から2週間です。これで皮膚の症状が良くなれば、これをを除去テストといいますが、大豆が疑わしいことになります。次に大豆製品を注意させて少しずつ食べさせます。大豆を再び食べ始めたことにより皮膚症状が悪化すれば、これで大豆は皮膚アレルギーの原因であると90%以上診断できます。
 
これはなかなか面倒なテストです。しかしながらこの除去テスト、負荷テストをせずには食物アレルギーは診断できない場合が多いのです。これをやらずにインタールという内服薬を漫然と使用することは話を複雑にするだけで全くお勧めできません。
 
インタールの効果は有効な場合とそうでない場合がはっきりしています。漫然と使った場合には50%も有効例は見られません。
 
いろいろご心配のことと思いますが、まずこの除去試験、負荷試験をどのようにやるからという、お考えいただき、お子さんの皮膚症状が食物摂取と関係があるかどうかを、きちんと見分けることが第一です。その上で、必要があれば、これから離乳食が始まるにあたり一定の方針のもとに、お食事を管理していく必要があると思われます。
 


Q52 魚介類アレルギーについて

 
私自身のことなのですが、小学校高学年頃から魚介類アレルギーに悩まされています。
実際に、血液検査を受けたところ、エビ、カニ、貝、タコ、イカにアレルギーがありました。魚は今のところ大丈夫です
具体的な症状としては、これらを食べるとのどがむずがゆくなり、ひどい時には、1時間近く咳がとまらなくなることもあります。
そこで、相談なのですが、こういったアレルギーを治すのには時間を待つしかないのでしょうか?
何かよい治療法があるのなら教えていただければ幸いです。
 

A52 食物アレルギー

 
食物アレルギーの対策としては、現時点では特別なお薬は残念ながらありません。
 
食前15-20分前に内服するインタールというお薬がありますが、すべての場合に有効ではありません。どうしても試したいという場合には、それを処方してくれる専門医と相談するとよいでしょう。このインタールは確かに効く場合もありますがそうでない場合もあり過度の期待は禁物といいます。
 
またこの薬はこれを飲んでからその食品を意図的に食べるというような使い方は正しい使い方とは言えません。特に呼吸が苦しくなったり血圧が下がったりするようなタイプの食物アレルギーにはやむを得ないという場合にのみ使うことが勧められます
 
日常生活においてはアレルギーの原因となる食品が明らかであれば、残念ながらその食品は摂取を中止することが勧められます。
 
小児の場合では成長しているために、ある期間(6ヶ月から1-2年)その食品を食べないで頑張っていると、その後また少しずつ食べれるようになる場合もあります。これは乳幼児の食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎の場合によく見られる現象です。
 
成人の場合にはどのくらい除去したらまた食べられるようになるかという点については個人差が大きく何とも言えません。半年から1年で食べられるようになるのは場合もあれば、数年またはもっと長い期間やめていても再び食べると症状が出てしまう場合もあります。
 
その食品を摂取しないで1年から2年たってから検査をして、もし試したければ専門医の指示のもとに少しずつ食べる、これを負荷試験といいますが、これを行うとよいでしょう。
 
ある期間その食品を摂取するのを中止してから、また再び食べると以前より激烈な反応(呼吸困難や血圧低下など)が起きることがときに見られます。ですからご自分で判断して再開しないで、アレルギー専門医とよく相談してからこれを行われるとよいでしょう。
 


51 食物アレルギーの治療法は?

 
小学5年生の娘に卵アレルギーがあり、スコアは卵白・卵黄どちらも3です。
卵を微量でも食べると口内・喉に痒み、蕁麻疹、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛等の症状が出て、ひどければアナフィラキシーを起こして病院に運んだ事もあります。ダニやハウスダスト、他の食物のスコアは0で、喘息、アトピー性皮膚炎もありません。完全除去食は小学校入学時から始まり4年になりますがほとんどスコアも症状も変わりません。このまま除去食を続けても単にアレルギー症状が出るのを防ぐだけで食べても大丈夫な体にはならないのでしょうか?除去食や症状を抑える抗アレルギー剤を飲む以外に何か治療法はないのでしょうか?紫蘇がアレルギーによいと聞きますが本当でしょうか?卵そのものは一生食べられなくても加熱したつなぎを少しくらい食べられるようになれたらと願っていますが、年齢的にも無理でしょうか。宜しくお願い致します。
 

A51 食物アレルギー

 
食物アレルギーの中でもアナフィラキシータイプは症状が激烈なために、なかなか厄介な病気です。お子様がその病気を持つということで、ご両親のご心配は大変なものだと思います。
 
さて私はアレルギー学を目指して約28年になります。この間お子さんと同じようなアナフィラキシーを起こす食物アレルギーのお子さんを、十数名拝見しております。子供のころからずっとケアーし、現在ではもう成人された方も何人もいらっしゃいます。
 
その方たちが成人して以降、少しもそれらの食品用食べられないというケースは一例もありません。もちろん大量に食べることはできませんが、少量ずつ十分に加熱して食べられるようになっています。
 
現在では結婚している方も何人かいらっしゃいます。
 
確かにこの病気は症状が激烈なために日々の食事に大変気を使われることと思います。またそれだけではなく行事の際、万一起きたときにどのように対処したらよいか、近くに病院がないときはどうしたらよいのかなどさまざまなことがご心配なると思います。
 
対策としては、非常用のお薬としてステロイドと抗ヒスタミン薬の合剤であるセレスタミンというお薬を常に携帯しておき、症状が起きてしまった場合にはすぐ内服するという方法がまずあります。
 
本年の夏からこのようなアナフィラキシーの際に自分または保護者の方が自分の判断で患者さんに注射することもできるエピペン、これはエピネフリンという血圧を上げるお薬の注射液です、これをあらかじめ詰めた注射が使用できる予定です。このエピネフリン(ボスミン)はアナフィラキシーになった場合に救急室でまず第一に注射するお薬です。
 
現在ではまだこの便利な注射がないために、私のクリニックではこの血圧を上げるエピネフリン(ボスミン)という注射液と注射器を常に携帯し、何かあった際にはそれを自分で注射するようにしています。これを自己注射といいます。
 
糖尿病の方は自分でインシュリンの注射をする場合があります。また小児の場合成長ホルモンを保護者の方がお子さんに注射する場合もあります。ですから注射と聞いてそんなに恐れる必要はありません。正しい使用方法は専門医からよく指導を受けておけば安心です。
 
小児の特徴は大人と異なり、成長していると言う素晴らしい特徴があります。それは単に、身長や体重が増えると言うだけでなく、体のさまざまな機能が発達するのです。お子さんの場合も免疫系の発達に伴い、いつか食べられる日が必ず来ます。
 
それまでに不用意に食べて症状が繰り返し出てしまうことが一番回復を遅らせます。栄養士さんとよく相談して除去食品が多い場合には、いかにして他の食品で栄養のバランスをとって行くか検討されると良いでしょう。