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HOME | Q&Aシステム | カテゴリー別 25.アレルギー関連2.アレルギー検査・治療・血液検査

カテゴリー別Q&A



Q22 食物アレルギ-の検査結果について

 
ホームページ、拝見させていただいております。お忙しい中、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。
 
11カ月男児の食物アレルギ-の検査結果について質問があります。
 
夜の離乳食中、食べているそばから目・口のまわりに発疹がでて、かゆがりました。内容は全卵とトマトのおかゆです。30分ほどで発疹はひきました。次の日、血液検査をしたところ、卵白4.25(クラス3)・卵黄1.47(クラス2)で陽性の結果が出ました。しかし、IgE RISTは8で陰性でした。IgE RISTが陰性なのに、卵白・卵黄でアレルギ-反応がでるということは、どういうことを意味するのでしょうか。かかりつけ医には、離乳食の卵によく火が通っていなかったのではないか、また、摂取した量が多かったのではないか、と言われました(朝にも同じメニューを食べました。全て食べました)。とすると、私の調理法・量が適切であれば、今回のアレルギー反応は起きなかったのでしょうか。発疹がでる前日は、マヨネーズ(加熱したもの)を食べ、その1週間前は茶わん蒸し1~2さじを食べましたが、大丈夫でした。IgE RISTが低いので、半年の除去後、卵黄の固ゆでからはじめていけば、2才くらいから全卵を食べられるようになるでしょう、と言われましたが、不安でたまりません。付け加えさせていただくと、以前ヤケヒョウ、ホコリ、スギ、イヌヒセツの血液検査をしましたが、すべて0.35未満で0でした。どうぞよろしくお願いします。
 

A22 血液検査の数値と食物アレルギー

 
IgEの数値は、アレルギー体質がどの程度あるかというおおまかな目安に過ぎません。この数字が通常よりも高値であれば、アレルギー体質がある可能性が多いというものです。例えばアトピー性皮膚炎ではこの数値は10,000以上になることもまれではありません。アレルギーの病気を持つと、年齢が長ずるにつれて、この数値が上昇する傾向を示します。しかしながらその数値の上昇と病気の重症度とは並行しません。例えばアレルギー性疾患の代表である気管支ぜんそくにおいても、このIgEの数字が高いからといって喘息の重症度とは全く関係がありません。
 
お子さんの数値が低いのはまだ年齢が小さいからと考えてよいでしょう。
 
これに対して各々の原因物質、今回は食物についてご質問ですが、このIgEはたとえば卵白にだけ反応する特異的IgEといいます。卵白だけに特別に反応するために、非常に微量でも十分に反応起こしうるのです。これはあまりに微量のため、IU/ml(1ml当たりの国際単位)で表示するのです。
 
一般的にこの特異的IgEの数値が3以上であると、その食物を食べてなんらかの反応が起きる確率が高くなります。しかし数値が3でも食べても何ともない場合もかなりに見られます。
 
したがってアレルギー専門医は、この数値のみでは判定しません。実際に食べたときに何らかの症状が出るか、食物負荷試験というものを行ってその症状が見られるかどうかを検討します。
 
この食物負荷試験については、このクリニックのホームページの Illness のなかの食物アレルギーと診断方法を見ていただいても良いですし、主婦の友社から出版しましたアトピー&アレルギーブックの中の、食物除去、負荷試験を参照していただいてもよろしいでしょう。
 
一般的には卵アレルギーであれば、食べるたびに症状が出ます。アレルギー反応というのはその時たまたま出るということはありません。ですから同じようなことが毎回出る、これを再現性があると表現しますが、この再現性が必要です。
 
卵アレルギーがあるにもかかわらず再現性が見られない場合には、以下のことが考えられます。
 
(1)十分に加熱し、卵白が変性を起こし構造が変わると、アレルギーを起こしにくくするために症状が出ない場合が多いのです。これはよく知られている現象です。半熟卵や、かきたま汁を食べさせると症状が出ても、堅茹ででにしたり、なぎの中に入っている、これは180度に加熱してあるわけですが、これらのものでは出にくくなるというような場合です
 
前回と同じように卵を同じように調理して、食べても症状が出なければ、それは卵白アレルギーではない可能性があります。何の症状も出なければ注意して少量ずつ食べさせるか、同じ量を今まで同様に食べても問題はないでしょう。もしご心配であれば先ほど御紹介した本にもある卵を負荷試験、本の中ではオヤキを使用したものを紹介してありますが、これを行うとよいでしょう。
 
食物負荷試験はときに危険を伴うことがあるために、特に1回目は自宅で勝手に家がない方がよいでしょう。この食物負荷試験に慣れた専門医とよく相談しながら行うことが必要です。
 
食物アレルギーにたいする不安感からだけで食物を制限することは、発育盛りの子供にとって、不必要な栄養制限をしてしまうことになるので慎重に判定すべきといえます。
 
現在の主治医の指示のように食べていけばまず無難と思われますが、卵白アレルギーがあるかどうか確実に判定して受ければ、今を話したような食物負荷試験を行い、確認してから食べさせるとよいかもしれません。
 
最後にあなたあるご希望の離乳食指導についてですが、当クリニックでは、基本的に負荷試験を行い、食物アレルギーの程度をチェックしたうえで、当クリニックの栄養士さんによる個人指導を約20分行い、離乳食の作り方についても説明をしております。
 
食物アレルギアレルギーの場合どのように食べさせ始めるか、どのくらいの量を食べさせるからについては、個人差が多いために、同クリニックでは基本的に個別指導を行っています。 
 
8/18 お礼メール
「血液検査の数値と食物アレルギー」の質問をさせていただいた者です。とても親切なご回答、ありがとうございました。夫も私も食物アレルギ-がないので、どう対処したらよいのかと不安ばかりが先にたってしまいました。しかし、不安に思うばかりではいけないとつくづく感じました。アレルギ-専門医を近所で知らないものですから、先生のところへうかがいたいと思っております。その際にはどうぞよろしくお願い致します。本当にありがとうございました。
 


Q21 ハムスターアレルギー

 
ジャンガリアン ハムスターを飼い始め、1年ほどで、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ等の症状が現れました。
耳鼻科で血液検査をしたところ、ハムスターをはじめ、ハウスダスト、ダニにもアレルギー反応なしでした。
その後、じゃれて軽く噛まれた部位が、蚊にさされたようにぷくっと腫れて、かゆくなるようになりました。
30分ほどで落ち着いていましたが、だんだん症状がひどくなり、先日は、手全体の腫れ、ひじまでの赤み、翌日になっても腫れとかゆみが引かなく、皮膚科を受診し、再び検査。ここでもアレルギー反応なしでした。 

獣医さんのお話では、ハムスターには2種類居て、ジャンガリアン系だけが唾液に特殊な抗体を持っているとがわかっている。シリア系のゴールデン、ロボロフスキーなどは持っていないので、人間へのアレルギー報告がない。
私が受けたのは、シリア系の検査ではないか? という事でした。検査を受けた病院に問い合わせたところ、そこまではわからない、との回答でした。

今は、クシャミ、鼻水などの症状がなぜか軽くなったので、触れないようにだけ注意していますが、また噛まれたら、アナフィラキシーショックを起こす可能性があるのか?娘にもアレルギーが出る可能性があるのか?今後の飼育には、シリア系なら安全なのか?など、どこで検査をしていだだけるのでしょう?可愛いハムスターに、再び触れたいと願っています。どうか、よろしくお願いいたします。
 
(余談・・・子供の頃から、蚊に刺されると人一倍腫れ、ブヨに刺されたときは、お医者様が、うわ!なんだこれ??と叫んだほど。足首が2倍の太さになりました。貴重な研究材料だ~ ぜひうちの大学病院に来てほしい とまで言われてしまいました。)
 

A21 血液検査とアレルギー症状の一致

 
(1)血液検査や皮膚検査が実際のアレルギーの症状と一致しない場合はときに見かけます。この現象はアレルギー専門医ほよく経験します。
例えばスギ花粉症を例にとると、日本人では約40%くらいが血液検査に陽性になるといわれています。しかしながら実際のスギ花粉症は23%前後です。このことはスギ花粉症の場合、血液検査は実際の鼻や目の粘膜の症状を完全には代用しないということになります。

これは次の、例えば食物アレルギーの妨害も同様です。食物の種類にもよりますが、一般的にみられる食物の場合、血液検査で陽性に出ても、実際にその食品を食べても(食物負荷試験を行っても)何の症状も出ない場合が20-60%に見られます。

私たちアレルギー専門医は、血液検査の結果はある程度参考にします。むしろ実際にその動物や食物、花粉などに接触した場合に何らかの症状が、1度ならず、繰り返し出る場合に(これを再現性有りといいますが)、それにアレルギーであるというように考えます。

あなたがあるタイプの動物の検査で陰性だからといって、実際にその動物と何らかの接触をした際にアレルギー症状が2度以上出る場合には、血液検査の結果よりも実際に動物と接触したときの症状を重要視したほうがよいでしょう。

一般的には血液検査で抗体が陽性に出れば、百%それが症状と一致するという誤解があるために、今ご説明したようなことが起きるといえます。
一般的には、一度、動物アレルギーが出るとその体質はなかなか消えにくく、何年か後に再び接触すると、商用が再発する場合があります。再発するかどうかは今のところ予測する方法はありません。

最近アメリカの報告では、猫をずっと飼っていると、猫アレルギーが軽くなるという報告がありましたが、どうもこれはある特定の遺伝子を持ったグループにのみ見られる現象のようです。
 
(2)遺伝子がまったく同じ一卵性双生児の場合、片方が喘息である場合にもう1人も喘息であるという確率は、この半世紀の世界中のどの統計を見ても50-60%にしかすぎません。

ましてや親子の場合あなたのお子さんの遺伝子はの半分はあなたの遺伝子であり、半分は配偶者の遺伝子ですから、あなたの遺伝子は半分しか入っていないことになります。とすればお子さんに猫アレルギーが出る確率は上記の一卵性の双子の喘息の場合よりもさらに少ないでしょう。
 
7/26 お礼メール
親切、丁寧な回答メールをありがとうございました。
 


Q20 アレルギーの検査をして。

 
月曜日に、耳鼻科の方でアレルギーの検査をしました。
 
パッチテストみたいなもので、何種類かの液を腕にしていきました。
その日1日は、注射のあとなどで赤くなってましたが、次の日、お風呂に入った後から、イネ科のパッチテストと真菌のパッチテストをしたところが、かゆみを伴い赤くなってきました。特に、イネ科のところがかゆいです。
しばらくは、このかゆみが続くのでしょうか?かゆみは、おさまるのですか?
 

A20 検査・一般

 
アレルギー反応には3つのパターンがあります。
 
原因物質が体内に入ったときに、15分から20分後に起きる即時型反応、6-8時間後に起きる遅発型反応、1日から2日後に起きる遅延型反応です。
 
あなたの場合この中の遅延型反応が起きたと考えられます。この反応のもっとも典型的な形は、ツベルクリン検査の時に出てくる皮膚反応です。ツベルクリン検査は皮膚内に注射液を入れてから2日後に判定します。これと同じ反応があなたの場合おきたと考えられます。
 
特に心配はありませんので、その旨を検査してくれた先生に報告だけしておくとよいでしょう。皮膚のその場所の赤みがとれなかったり、固くしこりとなってきたときには、ステロイド軟膏などを塗っておくと治りが早くなります。
 


Q19 アレルギー検査について

 
お世話になっております。4ヶ月くらい前まで貴クリニックで息子(現在1さい)の診療をしていただいておりました。現在は近医で経過をみてもらっていて、関節周辺に赤みとかゆみが残っていますが、おかげさまで症状は落ち着いているようです。
 
早速ですが、以前通院していたときに、食物5大アレルギーの検査をしていただき、その際卵と大豆に遅延反応がでました。現在は食べても大丈夫(なぜか乳製品に蕁麻疹がでます)なのですが、先生のご著書の「アトピー&アレルギーBOOK」に遅延反応がでる人は、免疫反応に問題がある場合が多い、とかかれてあるのを思いだし、最近になり、子どもの風邪がなかなか治らないこともあって、「免疫反応に問題」とはどういうことなのだろうかと心配になりました。また1才の子どもの血液検査の必要性についても、お考えをおきかせいただければ幸いに存じます。
 
ご多忙のところ大変恐縮に存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 

A19 遅延型反応

 
遅れて出る反応には6-8時間後の遅発型反応、1-2日後の遅延型反応があります。
これらに陽性に出たからといって、免疫が弱いとか以上であるというわけではありません。
 
一般的にはアレルギー反応がすぐ出る(10-15分後)はよく知られた反応ですが、遅れて出る場合もありますということです。ヒトによっては即時反応が出ないのに、6-8時間後の遅発型反応、1-2日後の遅延型反応がでることがあるので、それを見逃さないようにしましょうという意味です。ご心配なく。
 


Q18 皮膚テストの遅延反応について

 
いつも大変お世話になっております。
 
11/22 12:00 に3ヶ月半の息子に皮膚テストを行っていただいたものです。
帰宅後18:00頃に添付写真の反応がでました。ごくわずかに米・小麦の部分の赤味が広がった状態です。これは陽性の反応なのでしょうか?
 
血液検査をしても抗体がない場合もある、と本にありますが今回のような反応があった場合、血液検査は行ったほうがいいのでしょうか。
 
現在母乳とミルクの混合で栄養を与えております。
直接息子が米・小麦を口にすることは今はないのですが私が食事で米・小麦を制限したり、まだ早いですが、息子が離乳食を始めるときに米・小麦の除去食事を念頭に置くべきなのでしょうか。
 
お忙しいとは存じますが、ご助言いただければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
 

A18 アレルギー検査

 
遅発反応が出たのは、米と小麦です。
この遅発反応は、血液検査では検知できない反応です。ですから血液検査をしてもお子さんが痛いだけで、あまり意味はありません。 3-4ヶ月では血液検査よりも皮膚検査のほうが感度が鋭敏です。そのためまず皮膚検査を行いました。今後、経過を拝見しながら、必要に応じて検査はいたします。
 
皮膚検査と血液検査の結果はほとんどが一致します。検査費用は皮膚検査は1件、約100円、血液検査はその10倍です。日本では一般医が高価な血液検査を行いますが、それは高いからです。保険では10項目できます(約1万円です)。しかし、その結果を正しく読めないため、不必要に食物制限をしてしまい、いろいろな問題を引き起こしています。

ご心配でしょうから、ご両親ともにご来院いただければ、再度ご説明いたします。24日(土)は午後も診察があります。可能ならば、24日(土)午後4時45分においでください。 
 


Q17 血液検査の結果

 
4歳10ヶ月の娘が8ヶ月の時から卵アレルギーです。(何度かQ&Aでお世話になっております。)
 
1歳すぎから半年毎に血液検査をしております。検査するたびに卵白・卵黄とも緩やかに数値が上昇していきました。今回も緩く上がる程度かもしかしたら改善しているのでは?と思っていたのですが、ここにきて卵白が22(スコア4)から3倍の67(スコア5)に跳ね上がってしまいました。おまけにダニの数値まで初めて出てしまってショックを受けております。
 
娘のアレルギーは改善していくのでしょうか?
上がりきってから下がってくる、というお話を聞いたことがありますがそれは本当でしょうか?
先生はたくさんの患者さんを診ていらっしゃると思いますが、このようなケースで治った方はいらっしゃいますか?
 

A17 アレルギー検査の考え方

 
特異的IgEという抗体は、その数値の変化の真の意味を判定するのはなかなか難しい場合があります。以下に、いくつかのパターンを示します。
 
(1)その食品を除去すると数値が下がる。
(2)その食品を除去しても数値が変わらない。
(3)その食品を除去しても数値が上昇する。
 
(1)では数値が3以下になれば食べられる確率は上昇します。専門医の指導の下で食物負荷試験をするとよいでしょう。
(2) 数値が3で不変ならば(1)と同じでよいでしょう。
(3) アナフィラキシータイプでなければ、細心の注意をして専門医の指導の下で食物負荷試験をする場合もあります。
 
一般的にはアナフィラキシータイプは、食物負荷試験はしませんが、ある期間、除去した後に、点滴をしながら、卵であれば100マイクログラムから食べさせるアレルギー専門医もいます。
 
まったく本人が食べていない、もちろん母乳栄養でない場合ですが、でも上昇するケースは時たま見られます。私はこのような場合、除去期間が長くなる場合は、アナフィラキシー型でなければ、食物負荷試験をするかどうか、保護者の方と相談します。
 
まったく体の中に卵とその成分が入っていないのに抗体の数字が上昇する理由は現時点では不明です。
IgE抗体だけでは食物アレルギーは説明できない可能性があります。ですから、最後は食物負荷試験ということになるのです。
 


Q16 口腔アレルギーと化粧品の関係について

 
私はリンゴ・モモ・ナシなどバラ系果物にアレルギーがあり、痒くなって食べることができません。
 
アレルギー検査を受けたら、口腔アレルギーと判明しました。なのでバラ科の果物は避けるようにしているのですが、食べ物ではなくて、化粧品でバラエキスが配合されているもの、例えばローズウォーターやローズオイルなどですが、こういった物も使うのは良くないのでしょうか?
 
花のバラのエキスと口腔アレルギーは関係ありますか?バラのエキスで作った化粧品を顔に使っても問題ないでしょうか?
 

A16 アレルギー検査

 
まず、そのバラのエキスを少量用意していただき、スクラッチテストという皮膚検査をすれば、ある程度の予測はつきます。
 
それで院生であれば、次に少量を手などに塗り、反応を見ます。反応が出なければ、顔に試すという手順を踏むやり方もあります。
 
その検査をしない場合は、注意して少量を皮膚に塗るのですが、予測できない、何らかの皮膚症状が出ることも予想され、お勧めできません。
 


Q15 アレルギー検査報告書について

 
1歳の息子のアレルギー検査をしたのですが 報告書の見方がよくわからず教えて頂けたらと思いメールいたしました。報告書を添付しますので そちらを拝見ください。
 
息子のアレルギーは 悪い方なのでしょうか?猫のフケでは陽性が出てますので わかるのですが測定値 基準値をの数値は高い方でしょうか?
 
特異的Igeはクラス0となっておりますが これは大丈夫と言う事でしょうか?
通院している病院で詳しく聞く事ができなっかったので お手数ですがどうかよろしくお願い致します。
 

A15 アレルギー検査

 
ご質問の内容からは、お子さんがネコに接触した際に、何らかのアレルギー症状があるか不明ですので、一般的なお話をさせていただきます。
 
血液検査の数値は血中抗体の量を見ているだけなので、検査の数値のみで臨床的な重症度を判定することはできません。
 
スコアー3でネコと接触したときに何らかの症状があれば、ネコアレルギーといってよいでしょう。検査の数値は重症度を必ずしも示さない例としては、スコアー3でも呼吸困難になる人もいれば、スコアー4-5でもけろっとしているヒトも少なくありません。
 
従って、検査数値だけで重症とか、軽症という判定は、臨床的には下せません。
 


Q14 食物、動物アレルギーそしてアトピー

 
はじめまして、息子は現在1才9ヶ月です。1歳の時にクリームパン、プリンを同時に食べた際20~30分後全身蕁麻疹だらけになり突然ゼエゼエして苦しそうだったので急いで小児科を受診した所蕁麻疹ですね。といわれました。
そこの病院ではそれだけで何も説明も薬もなかったため総合病院に受診した所食物アレルギーではないか?ということで血液検査をしました。その結果アレルゲンの数値はかなり低いとのことで心配ないといわれました。
その後卵関係を口にすると口の周りが赤くなる程度で今に至ります。
その際に動物の上皮に対してアレルギーがあることが分かりました。
実家で室内犬を飼ってるのですが遊びに行っても何の反応もしないので安心していたのですが、それから半年後に犬を触った際に全身真っ赤になり痒がるようになりました。
そこからは実家に行くたびに全身蕁麻疹が出てしまいます。犬になめられた際にはぜえぜえして以前食べ物でゼエゼエしたときと同じ状況になってしまいました。
総合病院でもう1度血液検査をすると9ヶ月前よりも20倍くらいの数値になっていました。
ですが、病院では動物に関してはアレルギー反応はでてるけどIgEは低いので心配しなくていいとのことでした。
また、息子は軽いアトピーがあり薬を塗っているのですが、症状が良くなった綺麗だなと思うと2.3日でじゅくじゅくしてきたりします。
毎食後子供の体に蕁麻疹などでていないかチェックするのですが、蕁麻疹が少し出ていたりします。
2.3日で手足がじゅくじゅくするのは食事にも関係があるのでしょうか?
うまくまとまっていなくて何がいいたいのか分かりにくいと思いますがすいません、
食物、動物アレルギー、アトピーについてお願いいたします。
 

A14 アレルギー検査

 
(1)血液検査については、一般的にいくつかの誤解があります。
IgE抗体の数値はアレルギー体質があるかを示すのみで、アレルギー疾患の重症度とは無関係です。しかし、特定の犬や卵に対する数値は、ある程度(!)関係があります。スコアーが3以上だと接触したり、食べたりすると実際に症状が出る確率が上がります。
問題は症状です。ぜーぜーすると言うことは、問題です。症状が皮膚だけでなく、呼吸器にまで及んでいると考えられます。皮膚症状に比べて呼吸器症状は程度がますと、呼吸困難になったりするリスクも上昇します。
 
アレルギー専門医は検査だけとらわれず、そのものと接触、摂取したときの症状を重視します。今後、犬との接触時には十分注意されるlことをお勧めします。
 
(2)薬の塗り方に問題が無いでしょうか? お話からでは状況が良くわかりかねます。
なんというお薬を何日塗ったらよくなり、中止したら何日目から再発したかなどの状況を教えてください。
 


Q13 皮膚テストの実施について

 
現在7ヶ月の息子のアレルギーについて、ご連絡させて頂きます。
4ヶ月に入ってすぐに、頬に湿疹ができました。
近所の皮膚科に受診したところ、ロコイドを処方され、一旦よくなったものの、すぐに全身に湿疹が出始めました。
悪化したため別の皮膚科を受診したところ、そこでは、アトピーと診断され、フシジンレオ軟膏の処方とスキンケアの指導を受けました。
しかしながら、その軟膏が合わなかったせいか、患部が悪化してしまい、使用を中止しました。
その後、6ヶ月の頃、全身の湿疹が悪化し、大学病院へ受診したところ、ジクジクからの細菌感染が疑われるため即日入院となりました。
入院中の血液検査で、食物アレルギーがあることがわかりました。
総IgE値は、96.1。卵がRAST4、ゴマがRAST2でした。
混合栄養だったので、それからは、私が除去をし、ザジデンの服用と、塗り薬で対処し、一時は全身包帯だった状態から、いまではだいぶ湿疹も少なくなり、だいぶキレイになりました。
しかしながら、ずっと同じ箇所の湿疹が消えないこと、手先・足先のザラザラした皮膚が治癒しないことから、他のアレルゲンの可能性があるのではないかと思い、先日、主治医に皮膚テストの依頼を申し出ました。
しかしながら、「皮膚テストは果物などのアレルギーが疑われる場合に行なうものです。現状では必要ないでしょう。」と言われました。
私の思うところでは、食物日記を追っていくと、息子は、私が摂取した小麦もしくは大豆に反応しているようにも思われます。
一部の果物にも反応しているのではないかと疑っています。
これまで、混合栄養だけできており、今週から離乳食を開始したため、おそるおそる始めている状況です。
あわせて、今週から私が小麦の除去を開始ししておりますが、皮膚状態は良くなっているように見受けられます。
しかしながら、良くなっている要因も定かではないまま、今後の離乳食や、保育園探しをするのはとても不安なため、できれば皮膚テストを行ないたいと思っています。
 
貴医院では、血液検査を行なわず(検査結果を持参しますので)、皮膚テストだけを受けることは可能でしょうか?
 
ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
 

A13 アレルギー検査

 
ご希望通り皮膚検査はいたします。48時間はザジテン内服中止してください。
 
(1)食物アレルギーは、血液検査や皮膚検査(または両方)の結果を元に、食物除去試験、その後に食物負荷試験を行い、最終診断いたします。その理由は、来院時にゆっくりご説明いたします。
 
(2)母乳には母親が摂取した食物の数%が出てきます。母乳中の食物が疑われる場合は、ママの食物除去試験および負荷試験を必ずいたします。除去試験、負荷試験は両者をともに行ってから、除去をいたします。成長期の子供に食物を除去するので、除去は根拠をきちんと確認してから行います。推測だけではいたしません。
 
(3)0-5歳の皮膚炎の原因は20%が食物で、残りの80%は食物以外です。上記の手順を踏んで、食物の可能性が否定されたら、環境因子、生活習慣などに眼を向ける必要があります。
 
4/22 回答メール
抗ヒスタミン薬の内服を48時間中止していただく以外には、特にありませんので、ご心配なく。
 


Q12 接触皮膚炎について

 
1年ほど前から口の周りのかぶれ(赤くなりひどいときはぶつぶつになります)が目立つようになり何度か皮膚科にかかりました。診断は慢性接触皮膚炎。そこで血液によるアレルギー検査を行いましたが、アレルギー反応は出ませんでした。(血液検査では出ませんでしたが、マンゴーを食べると口の周りがただれ、顔が腫れるという症状がでます。)
 
慢性的に症状が出ており、お化粧をしていてもわかるくらいの赤みなのでなんとか原因を突き止めたいと考えています。
 
アレルギー科のある皮膚科にパッチテストについて問い合わせたところ、ある程度原因が特定されていないと検査は有効ではないといわれてしまいました。自分なりに怪しいと思った食べ物については食べるのをやめてみたのですが、特に症状の改善もみられず現在もかぶれがある状態です。
 
このような場合やはり原因を検査で特定することは難しいのでしょうか?また原因を突き止めるにあたり自分でもできる有効な方法はあるのでしょうか?アドバイスをお願いします。
 

A12 アレルギー検査

 
(1)マンゴーについては、血液検査が陰性のマンゴーあれるぎーの可能性はあります。特に、食べてから半日から立って症状が出る場合は、検査の陽性率は50%、一日遅れの場合はほとんど0%です。これは時間が経ってから初めて出るアレルギーは抗体ではなく、細胞が主に関与して出るためです。このような患者さんは数少ないのですが、当クリニックでも年に数人は発見されます。この場合は、血液検査ではなく食物負荷テストを行います。
また、マンゴーにプリッくテスト用の針を刺して、それで皮膚検査する場合もあります。
 
(2)化粧品については、疑わしい化粧品でパッチテストをすればよいのです。原因が特定できないから、怪しい化粧品についてパッチテストをするので、原因がわかっていれば、検査する必要は無いのです。
 
当クリニックでは基本的に、使用されている化粧品から、石鹸、シャンプー、リンスなど、可能な限り、すべて検査する事を前提としています。
 


Q11 血液検査でアレルギーかどうかわかりますか?

 
2人の息子の相談です。
昨年9月に一度受診しています。上の子(3歳9ヶ月)は生後2ヶ月でアトピー性皮膚炎と診断され、卵のアレルギーもありました。現在はアトピーは落ち着いていて卵も食べられるようになっています。
 
相談は皮膚のことではなく、頻繁に出る鼻血のことです。1歳半くらいからよく鼻血を出すようになり、多いときで週に3~4回くらいです。10分ほどでとまるので、小児科では問題ないだろうということなのですが、花粉症かも知れないから機会があったら血液検査をしたらどうかと言われています。
 
下の子(1歳9ヶ月)はアトピーの症状はないですが、おしりがかぶれやすかったり、今の時期あせもがひどく、皮膚は弱い方です。あと卵アレルギーが あり、今も食べると口のまわりが少し赤くただれます。こちらは生後7ヶ月頃に風邪をひいたとき、ぜんそく性気管支炎と言われたことがあり、今でも風邪をひくとせきと鼻が長引きます。せきこんで吐いてしまうこともあります。
 
2週間程前、すごくせきこんで小児科を受診したら仮性クループと言われました。いずれゼンソクになる可能性もあると言われたのですが、血液検査でゼンソクかどうかわかるのですか?
私にアトピー性皮膚炎があり、また先日すごく咳き込むので受診したらゼンソクだと言われたのです。小さいころからよく咳は出ましたがゼンソクと言われたのは初めてだったのでびっくりしてしまいました。数日フルタイドという吸入剤と使用したら今は落ち着いています。
 
私のアレルギー体質が子供に遺伝しているとは思うのですが、原因がわかって早期発見治療が出来ればいいなあと思っています。
血液検査は発見の手がかりになるでしょうか?
 

A11 アレルギー検査の限界

 
血液検査は血液中の抗体をチェックするだけのものです。従って、検査が陽性でも症状の出ない場合も少なくありません。
 
日本人の約40%はスギの検査をすると血液抗体が陽性といわれています。しかし、実際にスギ花粉に暴露されて症状の出るヒトは日本人の約20%似すぎません。このことは40-20=20%のヒトは、血液検査で陽性でも、スギ花粉症ではないことになります。
 
食物も同じです。血液検査が陽性でもと実際の症状の出る場合の差は卵で約20%、牛乳で30%、小麦で50%、大豆で60%もあります。
 
従ってアレルギー専門医は血液検査は参考にしながら、詳しく症状の出方を聞き、それが本当に原因であるかを追究していきます。一般の医師は、上記の事が良くわかっていないため、検査で陽性に反応していると、それが原因であると、早まった判断をしがちなのです。
 
喘息は血液検査では診断できません。聴診器で呼吸音を聞き、喘息特有の息を吐くときにゼイゼイするようであれば、喘息の疑いが濃くなります。ハウスダストが陽性であれば、環境調整をしたほうが良いでしょう。
 
アレルギーは遺伝だけでは起きません。遺伝子がまったく同じ人たち、一卵性双生児でも二人ともが喘息であるかは、いかなる統計の論文を見てもその一致率は50-60%です。つまり遺伝子だけではアレルギーの病気にはならないという事です。
 
家系にもアレルギーがあり、お子さんへの影響が心配な場合は、上に書いたような事をよく理解している専門医と総合的な対策についてご相談されると良いでしょう。
 


Q10 アレルギーの検査について

 
いつもお世話になっております。
昨日、牛乳の除去について診察していただいたSと申します。
 
牛乳ですが、血液検査では陰性でしたが除去の状況を見るとアレルギーがあるのかもしれません。
昨日のお話では皮膚試験より除去→負荷試験の方が確実にわかるというお話だったと思いますが、同じように隠れ型の食物アレルギーのあるお子さんをお持ちの方からヒスタミン遊離試験や隠れ型を調べるリンパ球刺激試験もあるというお話を聞きました。
(娘の皮膚の症状が良くないので、皮膚試験よりも安全では?と)
こちらの試験は実施されていますか?
 
また、今朝家族のものが娘に初めて食べる食材をあたえ(アメリカンチェリー)、その後湿疹が顔、首ともにひどくなり、咳も少し出ます。
本日の写真を貼付します。
次回の予約が来週ですので、今後は初めての食材はあたえないようにします。
やはり除去試験中は初めての食材・抗原度の高い食材は避けたほうがいいでしょうか?
 

A10 ヒスタミン遊離試験

 
これは、確かに食物アレルゲンが見つけにくいときに、有用な場合があります。しかし、すべての食品において検査可能というわけではありません。
 
不特定多数の食物アレルゲンがあるかどうかについての検査としては、あまり満足の行くものではありません。不特定多数のアレルゲンが疑われる場合は、まず食物日記の記載を行い、専門医と相談する事がお勧めです。
 
食物アレルギーは食べて症状がでて初めて食物アレルギーです。ですから、皮膚検査、血液検査、ヒスタミン遊離テストなどの検査を参考に、食物負荷試験を行い、アレルゲンを追求するという手順が必要です。
 
皮膚検査、血液検査、ヒスタミン遊離テストは食物アレルゲンによっては実際は食べても症状が出なくても、検査が陽性に出る現象、これを疑陽性反応といいますが、これが20-60%出てしまいます。従って、食物除去、負荷試験は必要です。
 


Q9 アレルギーテスト

 
はじめまして。
今現在、私はアメリカに住んでいます。去年10月から渡米しました。
 
今年の2月20日頃から、寝ていると身体に痒みを感じ、無意識に掻いていました。
その2・3日後の夜、両腕(腕の付け根から手首)・両足(足の付け根から足の指先)に赤い湿疹が出来始め、痒みもひどくなりました。
そこで内科にかかり、診てもらったところ「食べ物アレルギー」だと思うとの事。
日本に今までいて、花粉症以外これといったアレルギーはありませんでした。
アレルギーの多い食べ物を食べたか、先生に聞かれましたが特に食べていませんでした。
先生は、飲むステロイド剤と痒み止めのクリームを処方してくれ、5日程様子を見ました。
思ったほど湿疹の赤みもとれず、痒みもひかない。
足首もパンパンにはれて、歩くのが困難な状況にもなりました。
ステロイド剤が終わるころ、もう1度病院に行きました。
そこで先生も、思ったより腫れがひかないということで、倍の強さのステロイド剤を1週間分と違う痒み止めクリームを処方してもらいました。
その後、クリームも効いてきて痒みは軽くなりました。
腕のほうは、皮膚の色も元通りになってきましたが、足はまだ色がところどころ黒ずんでいます。
 
今、日本に一時帰国しています。
6/12まで居ますので、日本でアレルギーテストをしたいと思っています。
用賀アレルギークリニックさんでは、検査が可能でしょうか?
結果も居る間に聞きたいと考えています。
どのようにしたら良いかをアドバイスお願いいたします。
宜しくお願いいたします。
 

A9 アレルギー検査

 
検査は可能です。
そのときの状況を詳しくお聞きし、何か手がかりがあれば、検査いたします。血液検査の場合、1週間後には結果は出ます。
クリニックはITで予約可能です。尚、土曜日の10時からは混むことが多いので、避けていただくほうがよろしいでしょう。
 


Q8 血液検査の結果を受けて

 
はじめまして、住所等のデータを書き込めずに申し訳ないです。
10ヶ月になる男の子がいます。
顔の湿疹を繰り返す(ひどくなると、赤くただれます)ので血液検査を受けたところ
 IgE測定値;620
 米;クラス2
 大豆;クラス2
 卵;クラス3
 ミルク;クラス5
 小麦;クラス3 という結果でした。
病院の先生には「3歳になるまでは、乳製品・卵製品は与えないように…小麦も気をつけて。
母乳をあげている間はお母さんも止めたほうが良いでしょう。」といわれました。
 
永倉先生の書かれた「赤ちゃんと子どものアトピー&アレルギーBOOK」を読ませて頂き、またHPのQ&Aも拝見して「血液検査の結果だけで食事制限の判断はダメ」なことを知りました。
…が、検査を受けた病院の先生が、食事制限することを判断されたのは測定値があまりにも高いからなのかなと思ってしまっています。「IgE620」は「1歳未満の基準値20以下」の約30倍で…これはどのように受け止めて良いのかとても心配です。
 
ここ2週間ほど、離乳食には「ご飯・イモ類・野菜・海藻」をナントカあげています。
私自身は乳・卵製品はとらないように気をつけていますが、このままでは栄養のある母乳ではない気がしますし、この先、子どもの離乳食をどう進めて良いのか分からない状態です。
湿疹は多少軽減されたような気もしますが…どの食品がどこまでOKなのか?止めたままが良いのか?…どれもハッキリしないままになります。
不安が日々増しているのですが、「10ヶ月のIgE620」について先生のご意見を頂きたいです。
(数値の大きさとアトピーの重症度とは直接関係しないとのことですが、どんなに数字が大きくなっても、特に問題はないですか?)
 
それから検査結果では、
 ヤケヒョウダニ;クラス0
 コナヒョウダニ;クラス0
 そば;クラス0
だったのですが、こちらは「これからも大丈夫」ということではなく陽性になる可能性もあるのですよね?
 
検査を受けた病院で相談するのが一番なのでしょうけど、初めから「除去」の話になったので色々聞きづらくなってます。ご多忙とは思いますが、よろしくお願いします。
 

A8 アレルギー検査

 
IgEというのは、アレルギー体質があるかどうかの目安です。言い換えれば、アレルギー体質があるかかどうかを見る検査ですが、この数値と病気の重症度には関係ありません。
次に、アレルゲンの数値ですが、3以上の場合は食物負荷試験で要請になる確率が高くなります。
 
母乳であれば、拙著の110-111ページの母乳を介してのアレルギー反応の可能性もチェックする必要があるでしょう。
くれぐれも、負荷試験をしないうちに制限をしないほうが良いでしょう。食物アレルギーのケアーに慣れた食物負荷試験をちゃんとやってくれる専門医と相談する事をお勧めします。
最後に、IgEの数値にびっくりしないでください。この数字か高いと、もうだめというわけではありません。IgEという抗体の役目ははアレルギー反応以外にもまだわからない点があるのです。例えばIgEが1万以上でも何のアレルギー症状の無い人もいるのです。
 
5/2 お礼メール
お忙しい中、早速ご回答頂き感謝します。
「IgEの数値にびっくりしないでください。この数字か高いと、もうだめというわけではありません。
IgEという抗体の役目ははアレルギー反応以外にもまだわからない点があるのです。
例えばIgEが1万以上でも何のアレルギー症状の無い人もいるのです」
↑はい、数値にびっくりして…「もうだめ?」と不安を持ってました。
「1万以上でも…」と大きな数字で回答していただき、改善&軽減の希望を持てました。
検査をした病院に相談してみます。ありがとうございました。
 


Q7 アレルギー検査について

 
お世話になっております。
 
御病院において、薬アレルギー、アレルギー抗体検査(杉・ハウスダスト)、食物アレルギーの検査をして頂けますでしょうか。 
 
幼少の頃、かなりひどい小児喘息にかかっていた関係より、もの心ついた頃より、親から「あなたはアレルギー体質」と聞かされていました。しかしながら、具体的にどのようなアレルギーを持っているかは、さだかではなく、そろそろ私の年齢も年齢ですので、自分自身の身体について、詳しく知りたいと思って おります。
 
自分自身の身体を知りたくなった、具体的なきっかけとしては、
①2,3年くらい前に、抗生物質を飲んで呼吸困難になったこと
②昨年、市販薬を飲んで苦しくなり、病院に運ばれたこと
等の事も直接影響しております。(この影響より、薬が信用できなくなり、風邪のときも飲んでいません)
 
世間では、アレルギー検査はあまり効果的でない等々の事を言われていますが、なんらかの指針にはなると考えております。ご回答、宜しくお願いします。
 

A7 アレルギー検査

 
(1)ハウスダスト、カビ、ペットなどは血液検査でかなりわかります。
 
(2)薬アレルギーについては、決定的な検査はありません。最終的な検査は内服テストです。
 
このHPのQ&Aをあけ、薬アレルギーで検索して、目を通していただくと、ある程度の概念がつかめる科も知れません。
あとは直接ご説明いたしましょうか?
 
5/1 お礼&質問メール
ご回答、有難うございました。
今後、タイミングを見て、血液検査でわかるアレルゲンは全てチェックしてもらいたいと思うのですが、その際には、特別な予約方法がありますでしょうか。
度々すいませんが、よろしくお願いします。
 
5/1 回答メール
通常の予約で問題ありません。
 


Q6 ミルクアレルギーのアナフェラキシー

 
今週月曜日に1才7ヶ月になる娘が公園でお友達の飲んでいる乳飲料(バナナオーレ)を一口ストローで飲んでしまい、その後全身を痒がった後呼吸困難、すぐに病院に運びましたが血圧も下がっておりチアノーゼ状態で危ない状態でした。ミルクアレルギーも以前から分かっていましたが、こんなにひどく症状が出るとは私自身もショックです。今後どのようなことに注意すればいいか又このような状態いつ頃まで続くのか教えてください。
 

A6 アレルギー治療

 
牛乳蛋白に対する食物アレルギーの中で、最も激烈な反応であるアナフィラキシーです。アナフィラキシーというのは、放置すると声明にも影響が出る重症なアレルギー反応です。
 
お話しから判断しますと、まず皮膚にジンマシンが出て引き続き、喉頭浮腫となったと考えられます。喉頭浮腫というのは声を出す声帯が急速にはれて、むくむため息が吸えなくなる状態です。救急処置がよかったため、今回は事なきを得たといえます。
今回はまずおめでとうございますと申し上げましょう。
 
さて今後は、このような形のアレルギー反応起こすお子さんは要注意といえます。不用意に牛乳たんぱくを製品として知らずに摂取した場合、同様の反応が起きる確率がかなり高いのです。現在1歳7カ月のため、お家で食事を管理すればよいのですが、将来、保育園幼稚園などに行き始めた場合、直時間には細心の注意をする必要があります。
 
今後の日常生活のケアーについてアレルギー専門医とよく打ち合わせをする必要があります。
私のクリニックにも何人かそのような患者さんがいらっしゃいます。1度おいでいただいてそのへんの注意を直接お教えしたいと思います。このアナフィラキシーという病気はなかなか厄介ですが、もう原因がわかってしまったので、その対策は難しくはありません。また将来いつか食べられるようになるかという点が最もご心配と思いますが、これは経過をみなければ何とも言えないと思います。
 
当クリニックにおいては、食物アレルギーのお子さんのための離乳食をについて、専門の栄養士さんが個別指導をする時間も設けたありますので、ご利用ください。
 


Q5 産後の蕁麻疹について

 
はじめまして。昨年の11月に出産し、現在6ヶ月の女の子のママです。
3,4ヶ月前に蕁麻疹が出始め、皮膚科に通っています。 現在アレグラという薬を飲んでいます。
 
皮膚科にいっても詳しい検査はしていません、調べても薬を飲むのは同じだから・・・ と言われました。子供も小さいですし、近所に預かってくれる人もいないので はやく治って欲しいと思うのですが。このまま治らないのかと思うと不安です。 二人目も欲しいですし。 今は、薬を飲むと治ります、が飲まないと出る・・・という感じで 薬がないと不安でしかたありません。 私のように産後に蕁麻疹が出る人はいるみたいなのですが、 このまま治らないのでしょうか。 近く、先生の診察を受けさせていただきたいと思います。よいアドバイスがあればよろしくお願いいたします。
 

A5 アレルギー治療

 
出産後にアレルギー症状が悪化する場合はよく見られます。第2子を出産した後に喘息が始まったとか、妊娠してからジンマシンが悪くなったなどの訴えはよく見られるものです。
 
妊娠というのは、体の中に異物(胎児)を10カ月間、保持しておくために、この期間は体の免疫はいつもとはかなり異なる状態となります。あなたの場合も、出産が引き金になったかもしれません。
 
アレルギーの治療薬と妊娠との関係については、現時点ではある程度のガイドラインが示されています。ジンマシンを苦にして次のお子さんをもたれることを不安に思う必要は一切ないといえます。
 
6月16日(土)の私のクリニックで行うアレルギー勉強会のテーマは<アレルギーの子供を産まないためには(妊婦の食生活)> です。これに参加していただいて知識を得れば不安感は減るかもしれません。ご参加をおすすめします。
 
今内服されているアレグラという薬は、昨年の11月に厚生省から認可された比較的新しい薬です。抗ヒスタミン作用というジンマシンや花粉症を抑える薬です。従来の薬に比べ眠気が少ないため患者さんにとっては良い薬といえます。現在までのところ重症な副作用例は報告されておりません。しかし妊婦さんに対する安全性はまだ確立していないため、妊娠が確定した段階で中止したの薬に変更する必要があります。その場合の薬の治療薬の選定はガイドラインが参考となります。
 
おそらく現在は育児に非常に手間がかかる時期と思われます。9カ月のお子さんの世話が中心で、ご自分の体調のコントロールについては充分に時間と手間をかける余裕もないと思われます。このような肉体的、心理的なストレスがあるときにはジンマシンは悪化しがちです。ジンマシンの日常生活の管理には食生活に関するものから始まり、生活環境など幅広い因子を検討する必要があります。そのようなものを全部チェックして初めて治療方針が確定します。ジンマシンが出始めてまだ3ー4カ月のあなたは少しも焦る必要はないと思われます。直接お話しを伺いたいと思います。
 
お礼メールが届きました
お忙しい中、こんなにご丁寧にお答えいただき有難うございました。
今まで、4件の病院に通いましたが、詳しい説明はなく、薬を処方されるだけでした。
私が、自分で調べて産後のじんましんはよくあるらしい・・・と言う事についても何もお答えいただきませんでした。なので、先生の回答を読んで涙がでそうです。。。(笑)
私の家は、三軒茶屋なので、とても近い事も幸運?だと思いました。
近いうちに診察を受けさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
明日から、食事日記などもつけてみようと思います。
 


Q4 長期間子供(5歳)に薬を飲ませることついて

 
3/27に回答を頂いたものです。水を使った入浴後の鍛錬法をやっていますが、先日汗をかいたときに、紅斑がひどかったので近くのアレルギーの先生に受診したら、アタラックスPという薬を3ヶ月から半年飲んでみないといけないといわれました。こんなに長期間子供(5歳)に薬を飲ませるのは、すこし抵抗があります。この点について、先生のお考えをお聞かせください。あと、IgE値が960というのは、心配な数値なのでしょうか?お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
 

A4 アレルギー治療

 
アタラックスPというお薬は決して怖い薬ではありません。抗ヒスタミン薬というお薬で、何十年も用いられている安全かつクラシックな薬です。
 
現在、花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、ジンマシン、喘息などに用いられる抗アレルギー薬というお薬が使えるようになるまで、小児ぜんそくの朝晩の予防薬としてこのアタラックス Pを朝、もう1種類の別の抗ヒスタミン薬を夜に内服する方法が長い間行われました。これによる副作用は報告はほとんどありませんでした。
 
また、約17-8年前にザジテン(薬品名 ケトティフェン)という抗アレルギー薬のドライシロップが小児科領域で使えるようになりました。この薬については一歳のアトピー性皮膚炎の赤ちゃんが1年間内服して、アトピー性皮膚炎が軽くなるかどうか、喘息への移行はどうかという点について合計200人について検討されました。安全性については問題なく、効果もあるということでそれ以後広く使用されています。
 
小児科領域におけて使用が認められている抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬は基本的には安全なものです。近年問題になっている解熱剤とは全く違います。あまり心配すぎない方が良いかもしれません。しかし何らかの症状がなければ内服する必要はないかもしれません。もし内服するとすれば抗ヒスタミン薬よりも、今ご説明したザジテンやザジテンと同系統のセルテクトなどをある期間、飲むのもひとつの方法でしょう。
 


Q3 花粉症にならないために。

 
花粉症になりたくないんですが、花粉を吸わないようにする、などではなく、予防接種のような、確実に予防する方法はないですか?
 

A3 アレルギー治療

 
予防接種と似たような考え方で花粉症を治療する方法があります。
 
それは20世紀の前半ころから行われている減感作療法と呼ばれるものです。
スギ花粉症を例にとります。
スギ花粉のエキスを少量ずつ週に1-2回皮下注射します。
 
通常はスギ花粉が飛び始める前から始め,、スギ花粉の飛散が終了したころから、注射の間隔を1-2カ月に1回とします。 次の年の花粉が飛び始める少し前から注射の間隔を狭めてきます。
 
これは1種のワクチン療法ですが、例えば麻疹のワクチンのように1回注射すれば、といったものではありません。もともとスギ花粉に過剰に反応してしまうスギ花粉症の患者さんに、スギ花粉に対して反応しなくなるような抗体を、体の中から誘導するために手間と時間がかかるのはやむを得ないといえます。この治療法の詳細については私のホームページのアレルギーの病気についての説明の中の花粉症の1ページ目と3ページ目に説明がありますので、ご参考にしてください。
 


Q2 こどもの体質改善について

 
私(母親)は、子供の頃からアレルギーで苦しんできました。
 
花粉症になったのも14歳。。。もう20年以上の付き合いです。
今年、春一番が吹くと長男(9歳)がいつもの鼻炎がひどくなり、目をかゆがり、自分が苦しんできただけに可哀想でどうにかしてあげたい気持ちでいっぱいです。体質改善は出来るのでしょうか?
 
これから、きちんと検査をして治療方法を決めていかなくてはいけないとは思いますが、体質改善についてお聞かせ下さい。お願いします。
 

A2 アレルギー治療

 
アレルギー体質というのは、体の中に侵入してくる物質(チリダニ人、花粉、薬品、食物など)に対して体が過剰に反応してしまう体質です。
 
残念ながらこの体質自体は変えることは不可能です。
しかしスギ花粉症の場合、この目的に近い治療法としては減感作療法があります。
 
これはスギの花粉のエキスを何万倍に薄めたものを少量ずつ週に1ー2回注射するものです。注射のために外来に通わなければいけないという手間がかかる点、また注射以来の人にはあまり向いていないでしょう。しかし現時点ではとも信頼がおける治療といえます。
 
この減感作療法の詳細については、用賀アレルギークリニックのホームページアレルギーの病気についての知識をクリックし、花粉症の項目の3番目を見ていただくと詳しく説明してありますのでご参考にしてください。
 


Q1 食物アレルギーのことで、教えてください。(4)

 
食物不耐性で腸内に未消化蛋白質が多くなると免疫性のアレルギーになることが多いのですが乳糖を消化する酵素が少なかったりすると下痢になったりして未消化のものは外に排出されるのでアレルギーにはならないと思うのですがどうなんですか?また、どの程度未消化なのですか?
 

A1 アレルギー治療

 
乳糖不耐性とは乳糖分解酵素が不足するため牛乳中の乳糖が分解できず、そのため下痢を起こしてしまうのです。
 
その成り立ちには免疫は関与していないため食物アレルギーとは異なる病気とされています。
 
一般的に乳児の牛乳アレルギーの場合、牛乳アレルギー治療ミルク中に含まれるたんぱく質の分子量はメーカーにより多少異なりますが75-1000となっています。
 
アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)の分子量はアレルゲンにより差はありますが、たんぱく質の場合これより大きな分子が吸収されるとアレルギー免疫反応が起こりやすくなると考えられます。