カテゴリー別Q&A
アトピー性皮膚炎 Q1~Q50
Q50 アトピー性皮膚炎
現在30才の男性です。
小学校高学年まで、毎年夏に目の結膜炎アレルギーでした。
また、同時期にとびひに一度かかったことがあります。
アトピーは、19才ころから発病(おそらく吸いはじめたタバコが原因?)しはじめました。その後、1年間くらい地元の皮膚科にてステロイドを処方してもらい、一時はよくなりました。(部分的には、顔、首の一部、肘の内側)その後、28才くらいまでは、ときどき肌があれる(季節に限らず)ときがあり、そのたびにステロイドを処方してもらいました。
ところが、28才の11月くらいに突然、背中、肩、顔などにつよいかゆみをおぼえました。
その時点で、ステロイドの副作用を知り、いっさい使うのはやめました。
その頃から、強酸性水、亜鉛含軟こう、など、約2年間つつけてきましたが、症状は広がるばかりです。
やはり、この時期から春までの乾燥した季節に症状はひどくなり、そして広がります。
2年という歳月もあり、現在、診てもらっている病院にも不安があることも事実です。
他の先生にも、御意見をききたく記入させていただきました。
なにか、良いアドバイスをいただきたいのですが。
お忙しい中申し訳ありませんが、宜しくお願いします。
A50 成人発症型アトピー性皮膚炎
昭和50年以前にはアトピー性皮膚炎は主に小児の病気と考えられていました。ところがその後思春期以降の成人発症型アトピー性皮膚炎が多発するようになりました。
アトピー性皮膚炎がなぜ起こるかという点についてはまだ十分に解明されていません。現在までに分かっていることは、乳幼児期のアトピー性皮膚炎の1-2割が食物により引き起こされる場合がある 3ー4歳以降はハウスダストの主な成分であるチリダニによって皮膚炎が悪化する場合がある、しかしそれは全員ではなくおそらく2-3割程度と言ってと考えられています。思春期以降に起きるアトピー性皮膚炎はそのかなりが心理的なストレスによるものが多いといえます。
私のクリニックを訪れる20ー30代の若いアトピー性皮膚炎の患者さんは、すべてではありませんがその多くが心理的ストレスをベースに抱えています。特に情報産業、コンピュータープログラマー、コンピューターグラフィックス、金融関係などパソコンのディスプレーを長時間みる方、長時間過度の緊張を強いられる仕事、対人関係が難しい職種などさまざまなストレスを抱えた方が目立ちます。
あなたの場合、直接お会いしてないので断定的なことは申し上げるませんが、以上の3つの可能性について検討し、とくに3番目のストレス関係について身辺をもう1度検討されると良いでしょう。
また基本的なことですが、アトピー性皮膚炎に特有のドライスキン(乾燥肌)のスキンケアーはいかがでしょうか。ナイロンタオルにボディーソープをつけ全身をゴシゴシこすったり、毎日シャンプーしたりすることは正常の皮膚についている皮脂を取り去り、また皮膚の表面をこそげ取ってしまうためにかえって症状を悪化させてしまいます。固形せっけんを使い、手で泡立ててから、それでやさしく皮膚を洗ったりすることも重要です。さらにバスタオルで体をゴシゴシこすらないようにするなどの基本的なスキンケアーもきっちりと行いたいものです。
ステロイド外用薬ですが、これは使い方が適切でなかった点が原因といえます。それは多くの場合、ステロイド外用薬を渡す時の医師の説明が不十分だったという点にあるでしょう。
だれでもこれを塗りなさいと言って渡されば、よくなればやめてしまいます。ところがステロイドは対症療法ですので、真の原因をしっかりと取り除いておかない限り、塗るのをやめれば、また再発することはむしろ当然のことと思われます。それを避けるためにある期間をかけ、強いものから弱いものへ、そしてさらに保湿剤をま混ぜながら減量するというような時間のかかる地道な努力も必要です。
またステロイド以外にも、特に顔面の場合、免疫調整役といわれるプロトピック軟膏も使用されています。また従来のお薬に比べると眠くならずに、またかゆみも抑える抗ヒスタミン薬も使用されております。
医療に十分信頼が置けない、不安なお気持ちもよくわかりますが、この際に専門医ときちんとご相談されてはいかがでしょうか。
Q49 食物アレルギ-の治療について
はじめまして。現在1歳3ヶ月になる娘の食物アレルギ-についてご意見をお伺いしたくメ-ルいたしました。
生後4ヶ月頃よりドライスキンで全身に湿疹が出たり、治ったりを繰り返しています。
何度か卵をあげたことがあったのですが、1度だけ食べた後1時間後位に嘔吐をしました。そのこともあり、1歳1ヶ月の時に血液検査を受けたところ卵白(20.5)卵黄(2.03)小麦(1.16)のアレルギ-反応が出ました。
現在は小児科で卵、小麦の除去と朝食、夕食前にインタ-ルを飲むように指導を受けています。
ただ、除去を始めても足首、足の裏(太股から膝の裏にかけて)の赤い湿疹は良くはなりませんでした。
特に足首はカサカサとした状態が続いていました。
先日はお腹にも赤いポツポツとした湿疹ができた為、近くの皮膚科を受診したところ、食物アレルギ-による湿疹ではなく、何らかのウィルス性の湿疹であるとの診断を受けました。
しかしここ1週間位はスポンジケ-キなどの加工品をあげても特に変わった様子もなく、足にできた湿疹も皮膚科で処方された薬(レスタミン軟膏)とワセリンを塗ってキレイになってきています。
正直言って小児科と皮膚科の先生のおっしゃることが全く違うことに困惑しております。
又、小児科の先生はインタ-ルは1年位飲むつもりで、年明け位にもう一度血液検査をしましょう、とおっしゃっているのですが、症状が改善されつつあるのにこのままの治療を続けるべきなのか大変悩んでおります。
今後どのようにしたらよいのか先生のご意見をお伺いできたらと思っております。
よろしくお願い致します。
A49 アトピー性皮膚炎
どちらの先生か正しいかというお話しをする前に、食物アレルギーの診断の手順お話しいたします。詳しい内容はこのHPのIllnessの中にある食物アレルギーの診断という項目をお読みください。
(1)食物アレルギーは血液検査だけでは診断できません(!)。特にアトピー性皮膚の場合, 卵を例に取ってご説明しましょう。
卵はアトピー性皮膚炎の原因と疑われたら、卵および卵製品を10日から2週間完全に中止します。これで皮膚症状が良くなるようであれば、それは卵アレルギーの可能性があります。しかしそれでお終いではありません。2週後に今度は再び卵や卵製品を食べさせてみます。また再び食べると皮膚症状が悪化する場合に初めて卵アレルギーの診断がかなり確かとなります。この一連の手順を食物除去テスト及び食物負荷テストといいます。
残念ながらこの1回の除去テスト負荷テストで結果がはっきりしない場合には、お手数ですがもう1度これを繰り返していただきます。
なぜこのようなことをするかというと食物アレルギーの場合、検査が陽性に出てても、その食品を食べられる場合が結構あるからです(疑陽性)。
このような場合には検査が陽性に出ても、その食物を食べて何の症状もなければ、その食物による食物アレルギーではないために、その食品を食べて良いわけです。
ですからこのような一連の手順を踏んで、その小児科の先生が食物アレルギーと診断されるのはよろしいことと思いますか、その手順を踏んでいない場合には、診断はまだ確定的とはいないでしょう。
(2)インタールの内服薬は食物アレルギーの患者さんが、どうしても除去できない食品を食べる可能性があるときに内服します。
たとえば卵アレルギーのお子さんが友達の誕生パーティーに呼ばれ、招待者は卵の入っていないケーキやお菓子などを用意してくれていても、お子さんのことですから友達のケーキを食べてしまうかもしれません。そのようなときに前もってインタールを飲んでおきます。
インタールはやみくもに使っても、その有効性はあまり認められません。
(3)アトピー性皮膚炎のお子さんの場合、皮膚症状が悪化する原因にはさまざまのものがあります。
食物アレルギー以外にも、今回のようにカゼひいたり、季節の変わり目になると皮膚炎がひどくなったりします。日本は四季の変化がはっきりしているために冬に向かう季節には気温の低下と空気の乾燥のための乾燥性皮膚炎、そして梅雨の後半から夏にかけては汗の刺激による皮膚炎などがおきます。また足首の部分は1日に何百回と折れ曲がるために、皮膚炎は治りにくいといえます。
今お話ししたように皮膚炎の症状を悪くする誘発因子には各種のものがあります。ですからただ見ただけでその原因を診断するのは、かなり無理といえます。
(4)アトピー性皮膚炎の原因については、小児科は食物アレルギーを、皮膚科は食物アレルギーをあまり認めない傾向があります。私たちアレルギー科は食物アレルギーを疑ったならば、上に述べたようなているテスト負荷テストをきちんと行い確定診断をすべきと考えています。
アレルギーの病気の治療において、医師により考え方が異なるというのは困ったものです。特にアトピー性皮膚炎はこの20年急に増加したために、十分な医学的知識が集積しておりません。そのために自己流の考え方で診療している先生が多いことも確かです。そのような場合にはセカンドオピニオンなどを求めてい他の専門医と相談することもひとつの選択肢というます。
ちなみに11月15日(土)の午後2時半から3時半までの1時間の間、当クリニックの待合室に置いて、アレルギー勉強会を行っております。
テーマはアトピー性皮膚炎です。ドライスキンや皮膚のかゆみの考え方とその治療。食物アレルギーの診断の仕方。ステロイド外用薬の功罪等々について、1時間まとまったお話しをいたします。質問もお受けいたします。もしお時間があればご参加されるとお役に立つかと思います。予約制ですのでご希望の際は前もってご連絡ください。
Q48 温泉について
この間は、食物アレルギーのお返事ありがとうございました。
近々、温泉にいこうと考えています。子供がアトピーなので硫黄系はよくないと聞きました。長湯はもちろん控えますが、どんな源泉ならいいのでしょうか。教えてください。お願いします。
A48 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の民間療法のひとつに温泉療法があります。
温泉はすべてのアトピー性皮膚炎の方にあっているわけではありませんが, 温泉に入るとアトピーが良くなる人も確かにいます。
一般的には透明でサラサラのお湯つまり鉱泉が良いようです。
箱根や草津などの硫黄温泉は皮膚の消毒には良いのですが, 強すぎて皮膚炎が悪化する場合がよく見られます。特殊な温泉としては、ラジウム温泉やラドン温泉があります。
これらの温泉は強力で、入浴した当初は皮膚炎が良くなる場合が見られます。しかしながらその後に急激に悪化する場合がときに見られます。十分に注意して入る必要があります。
都内にも温泉があります。茶色のお湯でやや塩分が含まれます。
いずれにせよ、注意して入浴して、自分に合うタイプを探すと良いでしょう。
合わなければ、未練を残さないでさっさと見切りをつけて、別の治療法を選択するとよいでしょう。
Q47 娘のアトピー性皮膚炎について
現在中1の娘のアトピー性皮膚炎に対して処方されている外用薬についてお伺いしたいと思います。
娘は夏場は汗、冬は乾燥、春秋は花粉と一年中何かしらの刺激で皮膚が炎症を起こしています。
現在特に深刻なのは、首から胸にかけての炎症と頭皮の乾燥(大量のフケ)です。
今かかっている皮膚科の先生は、6年くらい前から診ていただいています。(その前2年近く脱ステをして結局断念しました)
いつも処方していただいている外用薬は次のとおりです。
湿疹用・・・ネリゾナとヒルドイドを同量混和したもの
ひどいところ用・・・デルモベートと白ワセを同量混和したもの
頭用(湿疹部分)・・・デルモベートスカルプ
首や胸は赤みがあれば湿疹用を2週間くらい塗って、しっかり炎症をとった後保湿剤に切り替えるよう言われています。
首については9月中旬よりほぼ保湿剤のみで落ち着いていますが、胸は1週間もすると赤くかゆくなります。(制服がポリエステル製だからかもしれません)
ひどいところ用は滅多に使うことはありませんが、耳切れがひどいとき等数日使用します。
頭用も現在はほぼ使用していません。(あまり状態が変わらないので、保湿のみ。シャンプー剤についてあれこれ試し中です)
先日娘が40度を越す高熱を出してしまい、一気に顔に湿疹が出てしまいました。あわてて受診したところプロパデルム軟膏を処方され2週間塗るよう指示されました。
家に帰って気になったのでランクを調べたところstorongに分類されており、顔用には少しきついのではないかと疑問を持ちました。
もしかしたら首に塗っているネリゾナ+ヒルドイドも強すぎるのではないかと急に不安になり、先生のご意見を伺いたいと思った次第です。
アトピー性皮膚炎へのステロイド外用剤の使用の是非については親として本当に悩むところです。先日別の件で近所の皮膚科を受診したところ、ステロイドを塗る限りひどくなっても治ることはないと言われてしまいました。(その病院はステロイドを使わない治療で有名らしいです)
しかし以前に行った脱ステ時にはかなり悲惨な状態になりましたし、今から思春期に入る娘の精神面を考えると、できれば生活面等見直しながら徐々に減ステできれば・・と考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
A47 アトピー性皮膚炎
大分お悩みの様子がわかります。
さて、お子さんの中1という年齢を考えると、ステロイドである程度、皮膚の状態を良くしてから、プロトピック軟膏を使用することをおススメします。
この薬は正しく使用すれば、とても良い薬です。
ITを見ると、無責任な書き込みがたくさんありますが、正しく使用すれば心配ありません。プロトピックを使い慣れた先生と相談されてはいかがでしょうか。
また、ステロイドも正しい減量をすれば問題はないと、私は考えていますが。
精神面の問題はなかなか難しく、専門のカウンセラーと相談するとうまく行く場合もありますが、カウンセラーとの相性も重要なポイントです。
食生活には問題はないのでしょうか。魚嫌いで、お肉ばかり食べていると、炎症が治りにくくなります。
HDの問題など、思春期に向かって、やることは少なくないと思います。
10/25
この度はお忙しい中、早速のお返事ありがとうございます。
先日の発熱に伴う悪化については、「湿疹用」で炎症を抑えた後、徐々に濃度を薄めて保湿剤に移行させていこうと思っています。
顔はまだ赤みがあるものの落ち着いてきたので、保湿剤で様子をみようと思います。
頭皮の乾燥・湿疹についてはまだまだ試行錯誤中ですが・・。
先生がおっしゃるように食事を含めた生活面の見直しも、薬のような即効性こそありませんがとても大切だと感じております。娘も中学生になりましたので、これからは私一人でなく娘と一緒により良いコンディションが保てるよう努力していきたいと思います。
10/29
ステロイド外用薬の減量について
前回も書きましたように、娘には湿疹用としてネリゾナ:ヒルドイドが1:1のものを塗布しています。首も含めて顔以外全身に使用します。 先日の発熱に伴う首の悪化時も使用しましたが、だいたい1日2回で3日もすればほぼ赤みは消えます。ただ医師からは、赤みが消えても炎症は治まりきっていないので2週間塗り続けるように指示されます。
首に対してかなり強い処方だと私は感じているので、徐々に濃度を薄めるとかランクを落としたものに切り替えるなどの方法について聞いてみたところ、副作用は心配ないのでそのまま同じものを塗り続けるよう言われました。
ヒルドイドなどで薄めるのとひとランク落とすのでは、強さにどれくらい差があるのかわかりませんが、私としてはせめてランクを落としたものに切り替えたいと思っています。
頭の湿疹用にもデルモベートスカルプを処方されていますが、調べてみるとデルモベートは最強ランクということで、13歳の子供に対してそれが第一選択であることが妥当なのか疑問に思います。(ひどいところ用のデルモベート:白ワセが1:1のものについても同様です。夏場、首の症状がひどい時は首にも数日使用するよう言われました)
皮膚の状態など診ていただいてないので難しいとは思いますが、先生はこの薬の選択についてどのような印象を受けられたかお聞かせくださいませんか。
もちろん、一度他の病院で受診してみるというのも考えていますが、広島にステロイド減量を指導してくださる先生がいらっしゃるのかどうかも分からない状態です。
頭皮の荒れとフケも相変わらずひどく、私の対処(病院を選ぶことも含め)次第でで娘の将来がかわいそうなことになるかもしれないと思うと、不安でたまりません。
お忙しいとは思いますが、どうぞ宜しくお願いいたします。
10/30 回答メール
大変ご心配のことと思います。
ステロイドの減量は直接皮膚を拝見しないと、判断しかねます。
広島には知っている先生がいます。其の先生にご相談されてはいかがですか?
南区東雲元町2-6-32
ありた小児科アレルギー科クリニック、082-281-3578 有田先生
10/31
お世話になっております。お忙しい中、早速のお返事ありがとうございます。
やはり、診察していただかないと判断はできないのですね。先生の病院がもう少し近ければ・・と残念です。
広島の先生のご紹介、ありがとうございます。近いうちに是非伺ってみます。
Q46 3ヶ月の子供の湿疹等に関して
質問内容は子どもの皮膚に関して、そちらで受診したことがあります。
先生お世話になっております、子供が1ヶ月位の時に乳児湿疹とアレルギーの関係を心配して受診した事があります、その時には近くの小児科でもらっている塗り薬を見てもらい、子供の皮膚の状態を見てもらい、一応皮膚テストをしてもらったところ卵と牛乳に反応がでましたが、除去テストは見送りました。その時点では乳児湿疹であろうということでケアを引き続きすることで帰りました。その後も小児科の受診は続けています、症状が治まったり悪化したりの繰り返しです、小児科の先生は6ヶ月位までは乳児湿疹は悪くなることも多いから、と言われたので今は根気よく長い目で見守るしかないかなと思ってました。しかしこちらのHPのQ&Aや先生の本のアトピー&アレルギーブックを読んでいると、アトピーの症状に似たような点がいくつかあったので気になり、質問させて頂きます。
現在の症状
頭:皮膚がかさかさで皮が剥けています、黄色いかさぶたがある時もあります。小児科の先生の指示でベビーオイルを 塗ってふやかして洗い流す事や毎日シャンプーをしないでお湯で流してあげる事などをしてます、さっぱりした触感のベビーローションも塗ったりしてます。ひどい時よりはよくなりましたがしかし状態は安定しません。耳の上の部分がかゆいようで機嫌の良くない時や寝つく前や泣くときなどかきむしるように手を持ってゆきます、その部分がかさかさが酷くなりますし、熱をもつので更に悪化してゆきます。
髪の毛が薄いので酷い時にはここにはたまにリンデロンA軟膏を塗ります。
顔:頬の状態は安定してるので市販の保湿クリームを塗りワセリンを重ねています、耳の裏と付け根部分が切れたりグチュグチュして黄色くなったりします、目の周りの部分がたまに赤く腫れぼったくなっている事がたまにあります、これらも小児科の先生の指示で一週間くらい続けてリンデロンA軟膏を塗っています。良くなったら保湿に変えます。
首:首は生まれて間もない頃からずっと繰り返している部分です、酷くなった時にはロコイド軟膏を塗り、落ち着いたらアズノールに変えています、更に良くなると保湿にかえるのですがすぐに悪くなるので保湿を続けた事はあまりありません。
体:全体的にざらざらした感じです、ヒルドイドソフトを塗っています、以前は良くなったのですが最近治りが遅く感じます、脇下部や両肘両膝の間接内側やお腹や太ももの皺の中が赤くなっています、酷い時は少し皮が剥けたり黄色くグチュグチュしたりしました。ここには首と同じく酷い時にはロコイド軟膏を何日か続けて塗り、落ち着いて来たらアズノールにかえるように言われました。
お風呂は一日一回でメインのケアはその後にします、朝起きてから顔周りを拭き顔と首は保湿します。抱っこすると顔を私の衣服にこすりつけるので保湿はとれてしまったらこまめにするようにしています、今は主に頭を手で掻くのですが気がつくと血が出てるので私が見れない時には手袋をしています、手を持って行かせない為に押さえるのですがやはり嫌がって泣いたりずっと見て入られないのでまた掻いてかさかさになってしまいます、子供に掻くなというのは
無理でしょうが、やはり掻かないようにする方法はありませんよね?
小児科の先生にはアトピーであるとは今は診断されていません。現状のケアを続けて大丈夫でしょうか?そして、もしアトピーの症状と疑われる場合は小児科ではなくてアレルギー専門で見てもらうべきでしょうか?乳児湿疹であるとの診断とアトピーであるとの診断では、診察の指示や薬の処方は変わってくるものですか?
来月より千葉県に引っ越すので事前にいい病院を探さなくてはならないなと思っています。
では長くなりましたが、返答をお待ちしています、よろしくお願いします。
A46 アトピー性皮膚炎の診断
アトピー製皮膚炎の診断は、目で見た診断です。
したがって、重症は場合は誰が見てもアトピー製皮膚炎ですが、軽い場合は、その医師の経験、考え方により大きく異なります。
何かの検査の数値で決まるわけではありません(そうだとよいのですが!)
やはり直接皮膚を拝見しないとなんとも申し上げられません。ただし、お話から判断するとアトピー製皮膚炎の可能性はあります。
何科でもきちんと正しい塗り薬を処方してくれ、食物アレルギーの相談を持ちかければ、適切な返事をくれる先生がよいのです。さらに、咳が長引いたときの対策をしっかりとってくれればいうことはありません。
尚、アレルギー専門医でも食物アレルギーが苦手の先生は少なくありません。
1/20 お礼メール
ご回答有り難うございました、
先生の本で見るような明らかにひどい症状がずっと続いている訳ではなくああ良くなったなあと、また悪化してきたな、の繰り返しですのでサイクルとして悪化してきたな、を減らしてゆけるように日々ケアをして行くしかないのでしょうか。
本当は永倉先生に見て頂くのがベストなのですが来月引っ越す千葉から通うにはまだ子供も小さすぎるので、まだ離乳食まで少し時間もあるのでそれまでに皮膚や食物のアレルギーについて相談できる先生を新しい住まいの近くで探すようにしたいと思います。
その前に状態がまた悪化した時には先生にご相談に行こうと思います、有り難うございました。
Q45 アトピーそして蕁麻疹
明日10ヶ月になる息子の事でご相談です。
生後2ヶ月過ぎから肌がボロボロと粉をふいたようになり・・・次第にジュクジュクに・・・4ヶ月ごろには掻き毟り・・・アトピーと診断され消毒後キンダベートとヒルロイドソフトを塗りある程度まで落ち着きました。
現在はルブラゾンとオイラックスを1対1で混ぜたものを塗り、赤みが強く痒そうな箇所にはキンダーベートを混ぜて塗っております。(全体にはヒルロイドソフトを塗っております)
その状態で多少ひどくなる事はありましたが何となく肌の状態は夏から保っておりました。
そして今週の月曜日の朝起きましたら顔に蕁麻疹のようなものが・・・徐々に広がり体全体になり医者につれていき「蕁麻疹」だと言われネリゾナユニバーサル軟膏とペリアクチンを処方されました。
すぐに引くのかと思っていたらなかなか引かず・・・次の日も受診しましたら「慢性蕁麻疹」で時間がかかりそうと言われザジデンドライシロップを処方されました。
けれど一向に引かず・・・(添付しました画像の状態です)
また次の日に受診し、ステロイド剤を飲むことを承諾しセレスタミンを処方され次の日には顔はほぼ消え体に30%ぐらい残った状態です。薬が切れ始めると顔にも赤い湿疹がでてきますが・・・
息子には卵と小麦のアレルギーがあります。現在は母乳と離乳食2回で前日はご飯とさつま芋のみ食べました。
血液検査をした病院で卵・小麦を私が食べてから母乳を与え息子の肌の状況が悪くなければ私自身は卵・小麦を食べて言いと言われ小麦に関しては私自身は除去しておりません。
卵は少し食べる程度です。
私が食べたものですが蕁麻疹がでる前日は朝パン(ほぼ毎日、朝はパンです)そしておやつにも小麦粉のお菓子を食べて夕方に節分の豆を食べました。
最近はパンを食べる機会が多かったように思います。
今現在は卵、小麦、大豆、乳を除去して母乳を与えています。ミルクは嫌がって飲んでくれません。
そして息子は先週の水曜日に発熱し抗生剤を処方してもらいました(以前にも飲んだことある薬です)熱は1日で引き薬は2,3日飲みました。
そして最近は便秘気味です。。。
明日また受診するのですが2日間セレスタミンを飲みあとはサジテンで様子を見ようと先生はおっしゃっていました。
長くなりましたがどうしたらよいのかわかりません。。。
ステロイド剤を飲んでよかったのでしょうか?今後どうしたらよいのでしょうか?
画像のような息子の顔を見ると精神的にまいってきます。どうぞよいアドバイスをお聞かせ下さい。
A45 アトピー性皮膚炎、蕁麻疹の考え方
アトピー性皮膚炎では0-5歳では食物が原因である場合は20%です。残りの80%はそれ以外の生活環境中のなんらかに因子です。2-3歳からハウスダストの影響が出ますが、それも15%くらいでしょう。
まず、検査を受けて、もし要請に出たら、食物除去、食物負荷試験を行い、原因を確かめましょう。食物負荷試験はこれになれた、専門医の指導を受けましょう。食物アレルギーの診断はこのHPの病気知識の中の食物アレルギーの診断の項目をお読みください。
蕁麻疹については、食物、感染、薬があわない、ストレス、寒冷刺激、温熱刺激などが誘引になりやすいのです。これらが当てはまらないときには体質性を考えます。
ステロイドの使用法についてもきちんとした指導を受けると良いでしょう。
大変にお悩みなので、U先生に再度、ご意見を伺ってはいかがでしょうか。私は古くよりお付き合いがあります。永倉からも勧められたといってもよろしいでしょう。
Q44 このままキツイ薬を塗り続けないといけないのでしょうか?
早速の回答ありがとうございました。
耳の奥が痒くなるのも 〔口腔アレルギー〕なんですね。
正直 驚きました。花粉症からきているのかと思っていました。
話が変わって申し訳ないのですが・・・
子供達は今のところ食べ物は、好き嫌いもなく何でも食べられますが、8才の娘が、赤ちゃんの頃耳が切れる程肌がボロボロだったのですが、いつの間にか治まっていました。二年位前から度々目の周りが赤くカサカサになり、薬を塗った時は、すぐ治まりますが止めるとまたすぐ赤くなってきます。
このままキツイ薬を塗り続けないといけないのでしょうか?副作用が心配です。
時々箸や鉛筆が持てなくなる程 指先の皮がめくれ、切れてしまう様になりました。
病院へ行くと、検査はしていないのですが、遊具のタイヤで跳び箱のように遊んだ後・・・ドッチボール等で遊んだ後に悪化しているようで、ゴムが合わないと思う・・・と言われました。
でもシャープペンやボールペンのグリップはゴム製だと思うのですが大丈夫みたいです。
A44 アトピー性皮膚炎
お話しを伺ってまず気付く点は、ステロイド軟膏のやり方に問題があるようです。
ステロイド軟膏は炎症を抑える薬としては最も有効なもののひとつですが、その塗り方を誤ると皮膚炎はかえって治らないどころか、ますます悪くなる場合があります。
ステロイドの塗り方が正しくできない理由の最大のものは、それを渡した医師がその塗り方をきちんと患者さんに説明しないからだと思われます。
ステロイド軟膏は基本的に対症療法です。従ってそれを不用意に中止すれば皮膚炎が再発するのは当然のことといえます。
これを避けるためには、いかにお話しするような階段を一歩一歩を手探りで降りるような慎重な減量の仕方がお勧めです。
(1)まず皮膚炎を抑える強さのステロイドを選択します。
(2)これを塗って皮膚炎が治まったら、そこで中止しないでもう1段階弱いステロイドを使用します。これを数日塗って特に皮膚炎が悪化しなければ、さらにもう1段弱いステロイドにするか、以下に述べるような減量の方法を試します。
(3)まず普段使って、お肌にあっていると分かっている保湿剤を用意します。
ステロイドを手のひらに1の量取り、同じように保湿剤を1に量(ステロイドと同じ量)を手にとって、手のひらの上で混ぜ合わします。
(4)そうすると手のひらにはステロイドと保湿剤が半々に交ざっているものができます。これを3日間ぬります。
(5)皮膚炎が悪化しなければ、次にステロイドを1、保湿剤を4とります。そうするとステロイドの量は20%となります。これを3日間練り特に皮膚炎が悪化しなければ、ステロイド1、保湿剤を9とり、混ぜるとステロイドの葉は10%となります。
(6)これで3日間乗り特に皮膚炎の症状が悪化しなければ保湿剤のみに切り替えます。このような段階的な減量がするとの採用を減らすひとつのポイントです。
次に手の指が切れるという点についてお話しします。この場合にはカットバンを張ったりしないでください。多くの場合、傷の部分がベチャベチャになり、場合によっては細菌感染を起こしてカットバンを外すと、その傷が臭くなって」くることがあります。
まず皮膚の裂けたけた部分にステロイドを塗ります。そして台所にあるサランラップをその傷の大きさに切り、そのサランラップを傷の部分にじかにあります。その上を軽く包帯で巻きカットバンで止めます。
こうして一晩休むと数時間はお薬が包帯や寝具につかず、皮膚にしっかりと染み込んでいきます。
日中は活発なお子さんの場合、包帯を巻いておいても自分で取ってしまうので、必要はありません。お薬だけ塗っておけばよいでしょう。
またお子さんは皮膚が乾燥肌があるわけですから、この方法で皮膚がよくなってもお薬をすぐやめずに、保湿剤で1日何回かスキンケアーをしてあげましょう。
活発に活動するようになると、幼稚園の砂遊びによる砂場皮膚炎、または、さまざまなおもちゃや家具などを手当たり次第に触ることによる、手の皮膚炎は成長期のある時期にやむを得ない現象のひとつかもしれません。
砂場遊びを禁止すれば、欲求不満が募りますし、家の中にあるものを触らせないように次々と片付けてしまっては、子供の周囲への関心および指先のトレーニングに支障をきたすかもしれません。
あまり神経質にならず皮膚炎が起きてしまったら上に述べたような方法でまめにケアーしてあげるとよいでしょう。
Q43 何が原因なのでしょうか?
3歳と4ヶ月の子供なのですが、2歳の時に卵白にレベル2のアレルギーという診断をうけました。2月ぐらいまでは
卵白を除去していることもあり 症状はおちついていました。
でも3月ぐらいから いままでにないくらい全身に症状がでています。目の上まぶたも赤くなり 足もかきむしりが出ています。
以前は顔や足にまではでていなかったのに。。そこで皮膚科にいき アレルギーの血液検査をしてもらったところ卵白もレベル1にさがり また ダニ、ヒノキ、スギには反応がなく総igeは39でした。なにが原因なのでしょうか?
感覚てきにいえば 外遊びをしたあとにまぶたが赤くなるようなきもします。なにをどう対策すればいいのかわかりません。皮膚科からは ステロイドの塗り薬と抗ヒスタミン剤をもらっています。でも症状がかるくなるわけではありません。どうすればいいのでしょうか?
A43 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の原因である食物を除去しているにもかかわらず、症状が出る場合には、その原因としていくつかの可能性があります。
(1)別の食物が原因。
(2)食物以外の原因、たとえば季節の変わり目の気象の変化に皮膚が対応できない状態が考えられます。
お話しからすると(1)は考えにくく(2)の可能性が高いと思います。このところ暑い日と寒い日多く、また週に1―2回は雨が降る状態です。
このような気象条件では晴れた日には湿度は30%を切り、一方雨の日には気温が急激に下がったりします。このところ他に原因が、考えられないにもかかわらず、アトピー性皮膚炎が急に悪くなっている方は珍しくありません。
このような場合には保湿剤を変えるとか、かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)を内服するとか、皮膚をかき崩してしまいジクジクになった場合には、注意して弱いステロイド軟膏を使用するなどの方法があります。
アトピー性皮膚炎は食物やチリダニだけで症状が出るわけではありません。アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚の特徴であるドライスキンや弱いお肌がベースにあり、食物以外の原因として、いまお話したような気象条件の変化や、風邪をひいて抵抗力が落ちたような場合などに皮膚炎は一時的に悪くなることはよく見られる現象です。
以上話したような点を頭に置きスキンケアーをもう1度再点検するか、かかりつけでその症状にあったお薬を貰うと良いと思われます。
最後に特定の食物がどうしても怪しいとお考えになったら、その食品用10日から2週間除去してみましょう。これを除去テストといいます。これで日夜がよくならなければその食物はまず関係ないといえます。
この食物アレルギーの味は方については私のクリニックのホームページのいるIllness(イルネス、病気)の項目を開け、その中の食物アレルギーの診断をお読みいただくと参考になると思います。
Q42 薬の効果について
アトピーで悩んでいる子供のことで相談したいことがあります。知り合いがプロトピックという新薬を使用したことで、アトピー皮膚炎が良くなったので、その薬の使用をすすめられましたが、プロトピックの効果と副作用について教えてください!
A42 プロトピックスとアトピー性皮膚炎
プロトピック軟膏は日本で開発された免疫抑制薬です。
約1年前に国内で認可され使用できるようになりました。成人のアトピー性皮膚炎、特に顔面の赤みによく効くことがわかっています。顔面にステロイドを塗っている場合, なかなか減量できない場合があります。このような場合にこのプロトピック軟膏を使用するとうまくステロイドを減量できることが多いといえます。私自身も日常診療において成人のアトピー性皮膚炎、特に顔面によく使用致します。
小児については現在治験が終了し成人の場合よりもやや薄い濃度で使用します。認可され近々発売になります.
このプロトピック軟膏はステロイド軟膏を減量する場合によく用いられますが、基本的には免疫抑制薬なのでその使用には十分の注意が必要でしょう。不用意に使用した場合にはかえって問題が起こる可能性があります。それはアトピー性皮膚炎の裏に隠れている本当の原因、たとえば食物、チリダニや心理的なストレス、さらにさまざまの環境因子などを十分にチェックしないで、ただ安易にプロトピックを塗って炎症を抑えればその時は症状は治まりますが、減量してくればまた症状は再燃します。
そのような状況になると今度はプロトピックからの離脱が難しくなります。一難去ってまた一難という状況にもなりかねません。従ってアトピー性皮膚炎の治療によく慣れた専門医のもとで正しく指導を受けながら使用することが重要と考えられます。
Q41 12才の娘のアトピーについて
3歳ころからひじ裏とひざ裏が赤くただれた感じと耳の付け根が切れるようになりました。近くの皮膚科で非ステロイドの軟膏をいただき割りとすぐに改善しました。
冬になると症状が出やすいようでしたが、軟膏だけですぐに治り小学生になってからはだいぶ落ち着いていました。
6年生になってから少し喘息様の咳がでるようになり、いままで出たことのないおしりの付け根と腕の外側に湿疹とただれがひどく出るようになり、近くの総合病院の皮膚科で血液検査をしていただいたら、アレルギー度が高いとのことでした。非ステロイド系の軟膏を3週間程使いましたが、ほとんど効果がなかったので、ステロイドのお薬に変更し改善しました。しかし、母親があまりまじめに塗り続けなかった為、再度使用していますが写真の現状です。宜しくお願い致します。
A41 アトピー性皮膚炎
3歳のころからアトピー性皮膚炎が始まり、6年生にはアレルギー症状が皮膚から呼吸器に移行し、ぜんそく気味となっているようです。しかしながらぜんそくはごく軽いものと考えられますので、ハウスダストの管理をきちんとしておけば、問題ないでしょう。
また今後スイミングなどに通わせて体を鍛えることも、ぜんそくから早く抜ける方法のひとつです。女の子で水泳を好まなければバレエ、新体操でも良いでしょうホット
写真でみせていただいたおしりの部分の皮膚は乾燥性の湿疹です。年長児のアトピー性皮膚炎によく見られるタイプです。おしりはパンツのゴムで圧迫されたり、冬でも汗をかいてそれが乾いて、痒くなりやすい場所です。夜間などに掻き崩してしまう傾向がよく見られます。対策としてはかゆみ止めのお薬を寝る前に内服すること以外に、夜間はパンツのゴムでお尻の皮膚を刺激しないようにトランクス型のパンツを履くなどの方法がお勧めです。
今までの経過と、現在の皮膚の状況からみて、きちんと軟膏を塗り場合によってはかゆみ止めを内服することにより、掻き崩さないようにすれば何とかコントロールできそうです。
しかしながら経過が長いことおよびアレルギー体質があるために治療を中断したり、ちょっと皮膚の状態がよくなると薬をやめたりするというようなことを繰り返していると、思春期になってもなかなかこの湿疹は改善しないかもしれません。
日常の皮膚のケアーですが、おしりの部分をかゆいからといって石鹸をナイロンタオルやスポンジにつけてゴシゴシこすることはやめてください。この部分を強く刺激すると直後は皮膚はつるつるに見えますが、1晩立つとかえって皮膚は痛んでしまうために、湿疹はどんどん悪くなります。お湯でさっと洗うだけにして、拭くときも、ゴシゴシこすらないように、タオルで押し拭きするようにすることが大事です。
食事はチョコレート、肉食、揚げ物は控えめに、和食中心でお肉を追加すると言うやり方がお勧めです。
Q40 母乳とアトピーの関係の返信について
返信ありがとうございました。先生の質問にお答えします。
〔1〕皮膚科で私の承諾も説明もなく勝手に検査にまわされました。皮内テストです。
〔2〕症状は頭の脂ろう(少し)、胸(痒みがある)、背中に湿疹、ヒューヒュー、下痢、オムツかぶれがあります。下痢は4ヶ月後半ごろから落ち着いてきて、現在オムツかぶれはありません。来週6ヶ月になります。息子は今のところ体重も順調に増えていて、痒くて夜も眠れないというほどではありません。湿疹はお風呂に入ると赤く広がっていきます。
〔3〕除去食をしてもあまり症状は変わりません。最近では、たんぱく質全般と植物油を控えるようにしてみています。
〔4〕自分・・・気管支喘息(軽度)、妹・・・花粉症、偏頭痛、母・・・太陽アレルギー、主人・・・なし、兄・・・花粉症、姉・・・花粉症
薬を飲んで具合の悪くなる人はいません。
※離乳食はまだ始めていません。ではよろしくお願いします。
A40 アトピー性皮膚炎と食物アレルギー
母乳を介して特定の食物がアトピー性皮膚炎を起こすことは時々見られます。お子さんの場合, 血液検査で卵や牛乳が陽性に出ても、それが本当にお子さんのアレルギー症状の原因になっているかどうかは全く別の話です。
結論を急ぐ前にまず食物アレルギーについての知識を身つけてください。最も手っ取り早い方法は主婦の友社から出ている育児雑誌の<ベビモ>という月刊誌の別冊をお読みいただくことです。この2月号(1月15日発売)に赤ちゃんのアトピーとアレルギーブックという60ページの小冊子がついています。
この小冊子の中の第4章食物アレルギーについてよくお読みください。食物アレルギーの診断はそれが母乳を介する場合でも、本人が離乳食として食べる場合でも大差はありません。
それは皮膚検査や血液検査はあくまで補助診断であり、最終診断は除去テスト、負荷テストが決め手となります。
お子さんの場合血液検査が陽性に出たというだけなので、まだ補助診断にすぎません。本当に母乳を介してのアレルギーであるかどうかは今述べたような、除去テスト、負荷テストをあなた自身が行い、授乳する必要があります。
さて母乳栄養児にはアレルギーが多いというのは、そのような報告もあると言う程度の物です。逆に、人工栄養のほうが牛乳アレルギーになりやすいと言う報告もあります。
重要なことは、あなたの場合にどうかと言うことです。お答えの前半で述べたような、食物アレルギーについてまずご理解を深めてください。
何はともあれまず、ベビモの2月号の第4章をお読みになることと、私のホームページの中の食物アレルギーの診断という項をお読みください。その上で、どうするかご相談しましょう。
Q39 食物アレルギーの診断
現在生後6ヶ月の男の子をもつ母親です。
離乳食を始めて1ヵ月になりますが、そのくらいから頬に赤い湿疹ができ小児科を受診すると乳児性湿疹ということでアルメタ軟膏、ゲンダシン軟膏、ケラチナミン軟膏、かゆみ止め飲み薬を処方されました。一週間ほどで湿疹も引き小児科を再度受診すると薬の服用はもういいといわれたのでやめました。
しかし、また湿疹が再発したので、別の病院のアレルギー科を受診。検査もすることなく食物アレルギーと診断されました。その先生がいわれることにはアレルギーは湿疹ができる顔の部分でどの食物によって発症しているのかわかるとのことで息子は頬でしたので小麦粉、乳製品、卵といわれ、現在完全母乳のため母親も上記の食物および二次製品を除去するようにいわれ、毎日摂取した食物の日記をつけるように指導されました。1週間後再度受診するとその日記を見てトマト、さつまいも、おもち等々食べたらあやしいとか湿疹がでやすいだろうといったような憶測ともとれる発言をされ私は不信感を持っております。
出された薬は漢方の塗り薬と酸性水といわれる水です。酸性水で消毒し、一日一回塗り薬を患部にぬるということでした。この方法で息子の肌は顔、足を中心に粉をふいたようにかさかさになり、ひどく乾燥しています。その先生は息子の乾燥した肌をみてこんなものは乾燥したうちに入らないといい、保湿剤の処方をされません。また時期がくれば漢方の入浴剤を実費負担で処方するといいます。
このような状況から診断に納得がいかず転院を考えております。
やはりアレルギー科を受診して一度血液検査等を受けたほうがよろしいのでしょうか?ご指導よろしくお願いいたします。
A39 アトピー性皮膚炎
(1)いただいたお写真から判断すると、お子さんの口の回りの皮膚は湿疹というよりも、乾燥性皮膚炎または酸性水による刺激のための皮膚炎が1番考えられます。
治療としては、刺激となっているかもしれない酸性水の使用中止し、ワセリンやアズノールなどの保湿剤を使用してスキンケアーをされるとよいでしょう。近くに病院がなければ主婦の友社から出版されているベビモ(Baby-mother)という雑誌に(本年、1月15日発売ですが)の別冊をお読みください。<アレルギーとアトピー>という約60ページの小冊子(私が監修しました)をご覧いただくと、参考になるかもしれません。
(2)その別冊の中には食物アレルギーの診断の手順が分かりやすくイラストとともに記されています。赤ちゃんのスキンケアーについてグラフィックの説明が入っております。
(3)まずこれをお読み頂いて、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎さらに赤ちゃんのスキンケアーについてある程度の知識を整理していただけば、あわてなくても対策は見てきます。
メールでくどくどと説明するよりもその小冊子をお読みになることにより、おそらくあなたがいま抱えていらっしゃる問題の3分の2は解決すると思います。
お手数ですかその小冊子を読んで頂いて植えてもう1度疑問点についてメールいただきたいと思います。お待ちしております。(特に食物アレルギーの診断の手順をよくお読みください。
Q38 アトピーとニキビの関係
はじめまして妹のアトピー性皮膚炎とニキビについての質問です。
私の妹はアトピー性皮膚炎と顔にはニキビがあります。アトピーはたまに痒みが出るので、かゆみ止めを飲んだり塗ったりしています。顔はあぶらっぽいのにガサガサとして角質が厚く、ニキビの治療とアトピーの治療は片方を優先すると片方が悪化するようなかんじです。
●アトピーでニキビできるのはどのようなことが原因として考えられますか?
●またアトピーとニキビを合わせ持った人にはどんな治療方針がありますか?
●アトピーとニキビがある人にはどんなスキンケアが有効だと思われますか?
A38 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎はドライスキンです。つまり皮膚の油、皮脂が少ないのです。
一方にきびの皮膚はギトギトで皮脂の過剰分泌の場合が多いのです。従って、にきびは皮脂を減らすようによく洗い、にきび菌に対する抗生剤を使用します。アトピーは皮膚の潤いを回復させるために、保湿剤を使用します。あなたの場合、皮膚の状態がどのようなものかを直接拝見しないと、これ以上の具体的なアドバイスはしにくいのですが。
Q37 3ヶ月の乳児でもアレルギーテストは受けられますか
生後3ヶ月の娘の件で質問があります。
生後1ヶ月から頬に湿疹ができ1ヶ月検診では「乳児湿疹」と診察され塗り薬をもらってつけていました。その後、少し良くなったりしたのですが、根本的には完治せず、またひどくなったので改めて小児科とアレルギー科を併設している病院で診察してもらったところ、耳や顔に掻いた擦り傷がある、父親が過敏性敏感肌ということもあり、「アトピーか乳児湿疹かまだわからないがアトピーの可能性が高い」といわれました。もう少したてば離乳食も始まるので、アトピー性皮膚炎なのか、もしそうなら、何が原因なのか、アレルギーテストをして原因を知りたいのですが、こんなに月齢の低い子でも受けられるのでしょうか?もし受けられるなら予約をとって伺いたいと思っています。宜しくお願いします。
A37 アトピー性皮膚炎
(1)3ヶ月でも検査は出来ます。皮膚検査で代表的な食物である卵、牛乳、大豆、米、小麦について検査します。
(2)予約は受付にお電話ください。
(3)再診からは24時間、電話予約機がご利用いただけます。
Q36 アトピー
はじめまして。私は今ロンドンに住んでいます。
こちらに来てから4ヶ月たつのですが、すごく顔が醜い状態なんです。どんどん酷くなっているところです。小さいころアトピーがあり肘や膝の裏側にできていたそうです。(あまり小さくて記憶がありません)そのときは動物の毛によるアレルギーだったそうです。
そして、直ったのですが、今ここでアトピーにまたなってしまいました。色々ネットで検索すると確かに成人性アトピー皮膚炎というものはあるらしいのですね。こちらに来る一ヶ月前になぜか少し顔が赤くはれ痒くなり皮膚科にいったのですが、ステロイドをぬってなおりました。
きてから最初は大丈夫だったのですが、だんだんかゆくなり今は一番酷いのが顔で、体も出てきています。こちらの日系の病院にいってアレルギー血液検査もしてもらいました。私は花粉症なので、なにかしらアレルギーをもっているとおもったのですが、検査の結果はなしでした。逆にショックでした。ではこの顔はいったいなんでなんだと・・・。
また花粉でなぜ反応なしだったのかも不思議なところなんです。今は顔が腫れて皮がぽろぽろ状態です。化粧も出来ずくるしんでいます。どうしたらいいのでしょうか・・・。食生活、環境がかわったからといいますが・・。では、日本に帰らなければこれはなおらないのでしょうか・。そしてかえったらなおるのでしょうか?ちなみにいまは体にステロイド、顔には非ステロイドをつけてます。あと、アレルギーを抑える飲み薬ものんでます。
A36 アトピー性皮膚炎
あなたの場合は小児のアトピー性皮膚炎の成人期における再発と思われます。
今回の増悪因子としては外国生活のストレスが第一に疑われます。あなたがどのような理由で現在ロンドンにいらっしゃるのか不明ですが、特に留学などの場合は特にストレスが著名となりやすいのです。
かの夏目漱石も鬱病になりかかったくらいです。
この時期のロンドンは日が短く、長い寒い夜です。私も1981~83年に間、ロンドンに留学していました。妻と二人だったのでまだよかったのですが、なかなか研究データが出なかったり、自信のあった英語がそれほどではなかったり、BritishCounsil のScholarshipが安いので、エンゲル係数が95%だったり、気のめいることはおびただしいものがありました。
こんなことを延々と書いたのも、外国生活には場合によってはストレスが多きいものだということをお伝えしたかったのです。
検査で特定のものが検出できなかったということは、このストレスの関与を疑わせるものです。
さて皮膚ですが、必ず治りますのでご心配なく。
現在使用している内服薬と外用薬の名前を教えてください。またどのような病院で薬をもらっているのでしょうか。これらの点について教えてください。もう少し具体的なアドバイスが出来るでしょう。
それと差し支えない範囲内で、単身で生活しているのか、あなたが留学しているなら、留学状況を、また仕事をしているならそこにおける人間関係などについて教えてください。これらの質問はあなたの心理的ストレスの状況を推察するためのものです(念のため)。
Q35 成人のアトピー治療は可能ですか?
はじめまして。私のアトピー暦は物心ついたころからの付き合いで、中学校入学くらいで一旦直ったのですが、高校2年生の時、仙台から東京へ転校しアトピーが再発しました。それから1年間現在通院している某医師のところへ通院し、一応完治しました。ところが昨年、転勤で三重から東京に来たとたんにまた再発です。また、昔直してもらったお医者さんのところに通うのですが、一向に良くなりません。成人のアトピーは治るのでしょうか?直るのならば、こちらのクリニックにお世話になりたいです。また、こちらのクリニックではステロイドは使用しますか?教えてください。
A35 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の原因をクリアカットにいうと、乳幼児のころは食物が原因で発症する方が1ー2割、3ー4歳くらいからチリダニ(ハウスダスト)の影響が出る方が多いといえます。また思春期から成人にかけての特徴は心理的なストレスによる症状の増悪がよく見られます。
または小児のころからアトピー性皮膚炎があり、思春期に症状が軽くなり、またその後に再発する場合によく見られる原因のひとつとしては、下宿、仕事のために生活環境が変わることです。生活環境が変わることにより食事や寝室のダストの状況が大きく変化しやすいといえます。また仕事上のストレス、対人関係のストレスなどがかかわってくる場合がよく見られます。
あなたの場合転居するということと症状の変化にある程度関連が見られるようですので、生活環境中の何らかの因子が増悪因子のひとつとなっている可能性があります。
ステロイド外用薬の件ですが、これを使うかどうかはという質問に対しては、私は使う場合もあるとお答えいたします。ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の治療薬としては最も強力なものです。従って症状がひどい場合には患者さんの苦痛をとり、日常生活が支障なくできるようにするためにやむを得ず使う場合があります。
しかしステロイド薬は対症療法です。ですからこの薬を使って症状を軽くしている間に症状の増悪の原因が何であるかをさぐるようにしています。というのはステロイドを使って症状をかるくしても、根本にある原因が改善するなければまた再発することは目に見えているからです。
したがってあなたの場合、生活環境中における増悪因子のチェックおよび、心理的ストレスの有無について検討しながら治療することになると思います。
また経口の抗アレルギー薬についても炎症を抑える薬も安全に使えますし、また顔の炎症についてはステロイドだけに頼ることなく、免疫抑制剤であるタクロリムス軟膏など併用する場合もよくあります。
もしドライスキンがあるならば、このためのスキンケアーもご指導いたします。
当クリニックを受診されるアトピー性皮膚炎の半分は成人の方です。小児専門ではありません。アトピー性皮膚炎に限らず、ぜんそくの食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、薬アレルギー、じんましんなど全年齢の方たちをケアーしておりますので、ご心配なく。
お礼メール
早速の返信ありがとうございました。
病院は2時間待っていつもと同じ薬を貰うところと悲観的に考えている私ですが、早速の返信を、内容もご丁寧に記入頂いた事に感動しました。近日中に是非伺おうと思います。よろしくお願いします。
Q34 アトピー性皮膚炎からとびひへの移行の見極めは?
初めてメールさせていただきます。皆様の質問への先生のお答えを参考にさせて頂き、是非相談にのって頂きたく、メールをお送りします。
我が家の娘9歳の肌なのですが、2歳の頃からアトピーだと診断されています。ステロイド剤は使用しておらず、イソジン消毒と傷のあるときには、ゲンタシン軟膏、その他は、油分のない保湿剤でしのいできました。良くなったり悪くなったりの繰り返しでしたが、最近では、両膝の裏のみに湿疹があるというのが、常でした。
が、この春から、化膿しやすくなり、6月4日から、3日間セフゾンを今通院している皮膚科で処方して頂き、内服しました。外用としては、亜鉛化軟膏のみでということでしたが、イソジン消毒を流したあと、やはり、ゲンタシンを塗っておりました。そして、ガーゼ、包帯で、寝るときには、パジャマをテープでとめて、過ごしていました。就寝時には、ポララミンを内服しました。その時は、とびひになりかけと言う診断でしたが、それで、皮膚はほぼ綺麗になりました。が、薬の内服をやめると、また、少しずつ悪化して行き、6月15日の夜から、汁がしたたりはじめ、赤く腫れた様な状態になったため、6月16日に(日曜日でしたので)小児科でサワシリンと、テラマイシン軟膏を頂きました。その時には、やはり、とびひになりかけと言う診断でした。
が、あまり良くなりませんでしたので、6月18日に、以前とは違う皮膚科にいき、イソジン消毒をとめられ、バナン5日分と、リンデロンvg軟膏を診察時に塗られました。バナンは、一日内服しました。家で一度リンデロンを塗りましたが、赤くなり痒がるので(今までとびひを2,3度経験した際に、とびひにステロイドはだめだと、言われておりましたので)前回と同じ治療に戻しました。
そのステロイド処方に、不信感を抱き、翌6月19日に以前の皮膚科を再び訪れました。バナンの事は伝えられず、小児科での処方のみ伝えて、セフゾンを4日分頂きました。ゲンタシン軟膏は耐性菌が出来やすいため、という理由で、とめられました。やはり、とびひに迄は行っていないと言う診断でした。肌は6月23日には綺麗になりました。
内服を止めた後、じわじわと、また悪化しはじめて、6月28日にまた、皮膚科を訪れましたが、アンダーム軟膏と、ポララミンで様子を見ると言う診断でした。7月1日に診察の予定です。
抗生剤で良くなるというのは、やはり、感染症なのでしょうか?
今まで、ゲンタシンを使ってきたのも、気になっています。近じか、用賀クリニックで診て頂く事を希望しています。それまで、残っているバナン4日分を飲ませた方が良いのでしょうか?通学等ありますので、早く良い状態の皮膚にしてあげたい気持ちで一杯です。
あれもこれも書き連ねてしまいまして、申し訳ありませんが、どうか、アドバイスをお願いいたします。
A34 アトピー性皮膚炎とトビヒ
トビヒは一般的には暑くて湿度が高い夏に多く見られる病気です。しかしながら皮膚のバリヤの機能低下を起こしているアトピー性皮膚炎の患者さんでは真冬でも見られることは珍しくありません。
このトビヒは黄色ブドウ球菌という細菌により引き起こされる皮膚の感染症です。このブドウ球菌は食中毒の原因ともなったりします(雪印乳業)。
治療法に関しては
(1)ステロイドと抗生剤の混合した軟膏を塗り、その上に亜鉛華軟膏を重ね塗りし、ガーゼで抑え包帯を巻く。(その際にカットバンは使用しないこと。傷が湿めるためにトビヒが治りにくいので使ってはいけない。)
(2)亜鉛華軟膏を塗る前にイソジンの消毒液で前もって皮膚を消毒しておくとさらに治療効果があがる。抗生剤の内服をすると良い。抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めを使用すると傷を掻き崩すことが減る。
以上のような薬物治療と日常生活のケアーを適切に行うことにより治療は可能です。
トビヒは皮膚以外にも鼻の穴にも隠れています。ですからトビヒになった場合は鼻の穴の消毒も必要といえます。
トビヒの治療に用いられるイソジン浴は医師によって考え方が異なります。それはその治療法には良い点と悪い点があるからです。しかしながらこのイソジン浴を行い皮膚がよくなるようでしたらそれを行いますが、ダラダラ長期間使用しないという注意が必要です。またイソジン浴をしても、強いステロイド軟こうを塗り続けないと皮膚炎がコントロールできないときは別の治療法を検討すべきでしょう。
Q33 アトピー性皮膚炎
先生、いつも適切なご指導ありがとうございます。
8ヶ月になるアトピーの娘のことですが、4月の終わり頃より皮膚症状が落ち着いてきて、湿疹はほぼなくなり、お風呂あがりでもあまり掻かないようになりました。どうもありがとうございました。
いくつかご質問がありますので、お答えいただけたらと思います。
1.今まではプロペトとビーソフテンローションを混ぜて使っていましたが、湿度が高くなり肌があまり乾燥しなくなってからはビーソフテンを中心に、プロペトは部分的に使っております。保湿剤というのは、皮膚本来の保湿機能を引き出すためにはやはり徐々に減らしていった方が、長い目で見れば良いのでしょうか。
2.ザジデンシロップを処方されていましたが、ひどく痒がることがなくなったので今は中止しております。このシロップは種種のアレルギー症状の予防としては有効なのでしょうか?まだ飲み続ける必要はありますか?
3..雨以外の日は毎日一・二時間散歩をしています。最近は日差しがかなり強いのですが、アトピー肌の人にとって悪影響はありますか?
4.泣くとたまに、喉に痰が絡んでいます。これは何かの症状でしょうか?(気管が弱いとか?)
5.空気が乾燥し始める時期に向けて対策をしておきたいと思います。8ヶ月の赤ちゃんができる鍛錬療法について、ありましたら教えて下さい。
現在はアトピーの症状が殆ど消えていますが、いつまた悪くなるかと思うと心配で心配で仕方ありません。他院で処方されたステロイド剤によるリバウンドも経験していますので、そのような思いはできるならもうさせたくありません。今後もご指導の程、よろしくお願い致します。
A33 アトピー性皮膚炎
(1) ドライスキンに対する保湿剤は有用な治療法です。しかしながら冬の乾燥期と、梅雨時の湿った時期では多少その治療法に差が出てくるのは当然です。つまり冬の乾燥の強いときにはプロペトを中心に使い、これから汗をかくようになる季節にはあまりべたべたしないビーソテンローションを中心に使います。
(2) ザジテンシロップはかゆみが軽くなってきたら減量または中止してよろしいと思います。また夏に向かい皮膚ががかゆくなり、かきむしるるようになったらすぐを再開してください。
(3) 散歩は大変に結構です。日差しが強い日にはやや大きめの帽子をかぶせ、薄手の長袖のシャツを着せて、散歩を楽しんでください。また赤ちゃんの場合、特殊な場合以外はあまり日焼け止めはお勧めできません。
(4) 赤ちゃんが泣くときにタンがのどににからむのはごく普通の現象です。これはぜんそくではないのであまり心配しすぎない方がよいでしょう。
(5) おふろ上がりに冷たい水でしぼったタオルで体をやさしくふいて、ほてりをとるということを行うとよいでしょう。来年の夏から少しずつ入浴後に冷たい水のシャワー後かけるようにしてはいかがですか。アトピー性皮膚炎や皮膚の弱いお子さんは乾布摩擦をしてはいけません。皮膚がますますひどくなってしまいます。
Q32 ステロイドの副作用
こんにちは。
現在、湿疹をステロイドで、対処していたのですが、副作用について気になったので質問させてください。
ステロイドの副作用はステロイドを実際に塗っている部分にみられるのか、それとも、たとえば、
腕にしかステロイドを塗っていないのに、副作用が顔に表れたりする場合があるのかどちらなのでしょう?
というのは、最近ニキビが顔に突然出てきて、それはもしかしたら、ステロイドによる副作用なのかな?と疑問に思ったからです。ただ、ステロイドは顔には塗ったことはありません。
腕と足の一部分に風呂あがりに22、3日に一回程度の割合で塗っています。期間としては、だいたい1月半ぐらいです。
以上が質問内容です。よろしくお願いします。
A32 アトピー性皮膚炎とステロイド
一般的にステロイド外用薬の副作用は塗ったその場所に現れます。塗っていない、離れた別の場所に発疹が出るということはほとんどありません。
従ってステロイドを塗っていない場所にニキビができたとすれば、それはステロイドの副作用ではなくて別の原因、つまりにきびが出やすい体調になったということがまず第一に考えられます。
ステロイド外用薬は1度使用したら、少しずつ弱めものに減量していったり、または保湿剤と混合し、その保湿剤の比率を徐々に増やしていきます。このようにして少しずつ薄めて使用することによりステロイドの副作用が起きる可能性を減らすことができます(急に中止するとリバウンドがおきやすくなります)。
Q31 喘息と皮膚炎について
はじめまして。いずれお伺いしたいと思いますが、当面予定が立たないため、子供(9歳男児)の喘息と皮膚炎についてメールで質問させていただきます。
子供は、大阪から転勤で東京に戻った直後の5歳の時に喘息が始まり、日赤医療センターでテストしたところ、ダニとハウスダストに反応するアレルギー性喘息と診断されました。
その後は、近くの小児科でテオドールをもらい、怪しくなり始めると飲むようにしています。はじめは夜発作が出て日赤に駆け込み、吸入してもらうこともたびたびありましたが、最近はこうしたことはなくなりました。最近は、季節の変わり目等に発作が起き、近くの小児科でテオドールやホクナリンテープ、ベネトリン、ダーゼン等を処方してもらうと1週間くらいで直ります。1学期に1日程度は学校を休みます。入院したことはありません。
7歳頃になると、目の周りが赤くなり、腰に湿疹が出はじめ、皮膚科に通って、顔にはリンデロンAを、身体にはゲンタシン+ロコイドを塗るようになりました。指(リンデロンVG、亜鉛華軟膏)や口唇(リンデロンVG+ワセリン)にも湿疹やカサカサが広がっています。夏休みのキャンプに行って腰の湿疹がひどくなったり、スイミングスクールの後には顔中が真っ赤になったりしますが、最近特に顔の赤さやかぶれが目立ち、毎日のようにリンデロンAを塗らざるを得ない状態です。アトピー性皮膚炎かどうかの診断は受けていません。
こうした状況を踏まえ、以下の点につきご教示いただけると幸いです。
(Q1)現在は小児科、皮膚科と別々に診断を受けていますが、喘息と皮膚炎をまとめてアレルギー科で診て頂いた方がいいのでしょうか。
(Q2)喘息は、たまにしか出ないのであまり大げさな治療法は避けたいと思うのですが、毎日吸入などをした方がいいのでしょうか。
(Q3)現時点では、皮膚炎のほうが気になっているのですが、アトピー性皮膚炎の可能性が高いと考えるべきでしょうか。リンデロンを毎日塗っていてよいのでしょうか。薬の副作用で余計に悪くなっている可能性がありますか。
(Q4)体質改善のようなことが必要でしょうか。現在、土佐清水病院院長・丹羽ゆきえ先生の提唱するルイボスティーのフリーズドライ食品や「SOD様食品」(胚芽、大豆、ぬか、ハトムギ等を原料とした低分子活性型穀物加工食品)を食べさせたりしていますが、どう思われますか。
以上、突然長い質問をして申し訳ありませんが、ご教示いただけると大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。
A31 アトピー性皮膚炎、および喘息
(1) 気管支ぜんそくもアトピー性皮膚炎も体の中のアレルギー体質をベースに発症しています。言い換えればアレルギー体質が気管に出ればぜんそく、皮膚に出ればアトピー性皮膚炎といえます。従ってこれを熟練した医師がひとりで両方の病気をケアすることは理にかなっているといえます。
(2) 漢方薬になれ親しんでいる日本人には治療をというと内服薬という考え方一般的です。気管支ぜんそくが悪化した場合には病院へ行くと気管支拡張薬を吸入します。従って吸入療法というのはひどい喘息の治療に使うものというふうに考えられています。これははっきりいって誤っています。飲んだお薬は血液の中に入りかなり薄まった上で気管へ到達します。気管へ到達するまでにすべての内臓や脳や筋肉など不必要なところをすべて回ってきます。それに対して吸入療法はより少量の薬をダイレクトに病気の起きている気管へ到達することができます。1種のミサイル療法といえるでしょう。アレルギー専門医はこれをうまく利用します・
小児喘息の予防には、インタールという予防薬を吸入するという方法が最善といえます。この薬については私のホームページのぜんそくの項目の中に入っております。
本邦の統計では小児喘息の80-90%が5-6歳までにに病院で診断されます。そのうちのかなり多くの患者さんは思春期までに症状がでなくなります。これを寛解といいます。しかしながら近年の統計では寛解に達した患者さんも成人期以降には呼吸器感染の後や、生活環境の変化などによりぜんそくが再発します。この再発する患者さんが思ったよりも多いということがわかってきました。
従来は積極的に治療しなくても成長につれてこの寛解という現象に入ればよいというふうに考えられていました。しかし思春期までに寛解に達していないと、言い換えれば、思春期になってもまだだらだらと発作が起きている場合には、そのまま成人しても喘息です。成人しても喘息であるならば一生喘息である恐れが出てきます。
従って小児喘息の治療はいかに発作が無い期間を長く作ってあげるかということがポイントです。アレルギー専門医は最低3年間の間、全く発作が起き無いことを至上命令として治療しています。
(3) アトピー性皮膚炎の治療に用いられるステロイド薬の強さには4段階あります。現在お使いのリンデロンは上から3番目の強いというグループのステロイド薬です。これを使うことはよくあります。しかしつけ続けるということはできたら控えたいものです。ステロイド薬は対症療法です。正しく使えばよい薬ですが、誤った使い方をするとさまざまのの問題を引き起こします。
このステロイド薬を使って患者さんの苦痛を和らげている間に皮膚炎を悪くしている因子を探り出すことが重要です。この皮膚炎を悪くしている因子が分かればそれらを改善していることにより、再発のリスクを減らすことができます。
(4) アトピー性皮膚炎はこの10年間に急増しました。アトピー性皮膚炎の原因や治療法についてはまだ不明の点が多く、医師の間でも考えの不一致がよく見られます。医師により言っていることが異なるという場合が少なくありません。そのため患者さんがその不安感を持っているといえます。このようなために民間療法が増えています。
私は民間療法を否定も肯定もしません。それは通常の治療でなおならなかった人たちの中に、この民間療法により良くなる人たちがいるからです。しかしながら民間療法はこの20年間に100以上も登場しました。その多くは泡のようには次々と出ては消えていきました。
私はアドバイスとしては、数週間使ってみてよくならなければ、効果がないと考えたほうがよいでしょうとか、あまり高価の場合には1カ月間使用しその時点でさらに継続するかを検討されてはどうでしょうかというふうにお話ししています。
Q30 アトピー性皮膚炎について
はじめまして。現在、アトピー性皮膚炎で非常に悩んでおります。アトピー性皮膚炎のことで質問させていただきます。
私は小さい頃からアトピー性皮膚炎ではあったのですが、今のような症状ではありませんでした。
3年前に流産した直後、ひどいアトピー性皮膚炎の症状(顔、首に赤みが出て、じゅくじゅくの状態)が出ました。この時は、イソジン消毒、非ステロイド剤、食事制限(甘いものを控える)、半導体レーザーという治療で4ヶ月位でよくなりました。
1年半前に出産し、その半年後、顔を中心にアトピー性皮膚炎の症状(赤み、乾燥、かゆみ)が出てきました。以前と同じように半導体レーザーの治療をし、現在ではたまに赤みが出る位まで治まってきてはいます。が、今度は手荒れがひどくなり、指の節が割れ、手の甲や手のひら、手首にまで湿疹が広がってきてしまいました。がさがさに乾燥してかゆく、ひどいところでは、皮が破れて膿がでてきてしまっています。
子供がまだ小さく、子供の世話、家事が辛くて仕方ありません。
現在、皮膚科に通ってはいますが、なかなか良くなりません。どうしたらよいのでしょうか?アトピーの症状がひどくなったのは、妊娠、出産と関係があるのですか?妊娠中には症状は出なかったのですが。
A30 アトピー性皮膚炎
妊娠は免疫という見方からすると、10ヶ月の間、体の中に胎児という異物(胎児の半分の遺伝子はご主人由来ですので免疫学的にはこのような物騒な表現になってしまいます!)を保持することです。
したがって、流産しないように(言い換えると、体の中から胎児が排除されないように)するために妊婦さんの免疫はこの間かなり変化します。このために出産後に免疫が関与する病気の症状が大きく変わることがあります。
一般的にリウマチは妊娠で悪化します。成人発症の喘息も出産後に見られる場合がよくあります。あなたの皮膚炎も同様の影響を受けている可能性があります。
もうひとつの誘因はおそらく、洗剤の影響でしょう。育児が忙しくなると洗い物の回数が増え、中性洗剤の使用回数が増加します。洗剤には界面活性剤が入っています。
この界面活性剤は皮膚の表面の表皮の細胞の間にしみこみ、細胞同士をスカスカにしてしまいます。そのためドライスキンが悪化し、さらに皮膚のバリアー(防御能)が低下しさまざまな物質、刺激を皮膚の深部に到達させてしまいます。
これらの複数の原因で現在皮膚炎が悪化しているのでしょう。皮膚炎の症状により、完全に治癒すことは難しいとしても、いくつか方法があります。直接拝見すればもう少し具体的な対策が見つかるかもしれません。
Q29 皮膚アレルギーについて
こんにちは、はじめまして。去年の夏に、肌に合わない化粧品を長く使ってしまい、トラブルを起こしました。そのときに今悩んでいる症状に気付きました。症状は、顔のフェイスラインとあごの裏で色は付いていないのですが、波を打った線がたくさんあり、触ると多少ザラザラ感があります。皮膚科に行くと、アレルギー体質を持っている人が出来ると言われ、脂の出る線が大きいからそのような症状がでると言われました。
保湿をすればだんだんと目立たなくなるといわれ、ワセリンを塗っているんですが、去年と比べてあまり変わってないような気がします。私はもともと、顔にニキビがあるのでそれプラス、このような症状が出て、とても参っています。
一時、体調を崩したときに顔と体中に湿疹みたいのものが出て、そのときに薬で出されたエクーラーという塗り薬(弱いステロイドが入っている)を使用していた時は完全にそのフェイスラインとあごの裏の線は消えたのですが、使用を止めると又すぐ出てしまいました。本当にとても参っていて、このような症状を周りの人に相談しても「気にするのがおかしい」などと言われ、皮膚科でも「あまり気にするな」といわれました。けど私にとればスゴイ最大の悩みで、本当に治したくて仕方ないのです。どうかアドバイスをお願いします。最近ガンマーリノレン酸という抗アレルギーのサプリメントを飲み始めました。今、肌に使用しているものは、肌がとても敏感なので皮膚科で勧められた、ただの水の化粧水(軟水の温泉水)とプロペトです。ニキビの漢方薬も飲んでます。
説明が下手な文で分かりづらいかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
A29 アトピー性皮膚炎
大分、お困りのようですね。直接皮膚を拝見していないので、なんともいえない面もあるのですが、
(1)お肌のざらざらは、保湿剤をうまく使用するとよいでしょう。
(2)ステロイドの軟膏は一度使用したら、やめないでその後、保湿剤で段階的に薄めてゆく方法が勧められます。
(3)ガンマーリノレン酸は抗アレルギーを持つという医学的根拠は希薄です。使用するならば、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)またはアルファリノレン酸が科学的根拠もあるため、お勧めです。
いずれにせよ、皮膚の状態を拝見しない具体的な方針は決めにくいのです。デジタルカメラで皮膚の写真を撮影してお送りいただけばより、アドバイスしやすいと思います。
Q28 3歳の子どものアトピーについて
3歳6ヶ月の息子のことでご相談します。生後3ヶ月から体に湿疹が出始め、その頃から薬(ステロイド)を使い、よくなったり悪くなったりを繰り返し、今にいたります。今のところ食物アレルギーはないようです。
今回の質問ですが、今使用している薬と使い方についてです。ステロイド剤は、2歳すぎから体にはトプシム、今はアンテベート、顔は体に比べ季節の変わり目(今ごろから春先がひどいです)に少し出るくらいなのですが、顔にはロコイド、ひどいときテクステメンを処方されます。いろいろ情報を集めるとアンテベートとテクスメテンはかなり強いランクのものですよね。幼児には使うべきでないという判断もあるようです。私が不安がっても皮膚科のお医者様はだいじょうぶですよとおっしゃいます。今使用している薬を2~3日塗ると湿疹とかゆみは治まり、3~4日(調子がいい秋頃は5~7日)空けてまた湿疹が出始めて薬を使い・・の繰り返しです。ステロイドを塗らない日を1日でも多くしたいと無理に塗らずにいると(非ステロイド剤などで対応)かゆみはひどく夜中何度も起きて泣きます。
「幼児期は体が未発達なので成長とともによくなりいつかステロイドを使わずにすむようになる」という言葉を信じていますが、今のところよくなっているとは思えません。よくなる時期は4歳すぎてからなのか5歳それとも6歳なのか、それまでずっと今のような調子で薬を使いつづけていって問題はないのでしょうか。質問としては以下の3点です。
1.アンテベートとテクステメンは3歳の子どもに通常処方されるものなのでしょうか。もうひとつランクの弱いものでもいいのではないのでしょうか。
2.使い方は今の方法でいいのでしょうか。子どもがいつもかゆみなく快適に暮らしていくにはあまり日数をおかずにステロイド剤を塗るほうがいいと思います。しかし、副作用などのことを考えると1日でも塗らない日を多くとりたいと思って湿疹やかゆみがある程度までこないと(これでは夜眠れないだろうなとか)塗る気になれま せん。どうすればいいでしょう。
3.成長とともによくなるでしょう・・という言葉にどれほど信憑性があるものなのでしょうか。大人のアトピーの方の苦しい体験記を読み聞くと、いつかこの子にもこんな苦しい思いをさせることもあるのかと思うと私は今いったい何がこの子にできるのか、大変不安でたまらなくなります。ご意見お聞かせください。
A28 アトピー性皮膚炎
(1)これらの薬は分類からいうと4段階の上から2番目にあたるvery strongタイプです。小児のアトピー性皮膚炎の治療に使用されないことはありませんが、通常はこれより弱い薬を使う場合が多いといえます。正しい成人のアトピーの場合にはやむを得ずこれらの薬を使う場合がよくあります。ご心配の通りもう1段階弱いものでも良いかもしれません。
(2)アトピー性皮膚炎の治療においてステロイド軟膏はやむを得ず使う場合があります。しかし1度使ったら少しずつ減量してくる必要があります。そうでないと今回の回りにように付けてはやめる、また再発してまたつけるというサイクルを繰り返すことになり、結果はかえって悪くなるのはいいが多いのです。ステロイド軟膏は基本的には対症療法なので、これを使用して患者さんの苦痛を減らし、同時にアトピー性皮膚炎を悪化させている原因をさまざまの角度から検討しそれを少しずつ取り除いてことによりアトピー性皮膚炎を治療するという方針が1番良いと思います。
(3)確かに成長とともにアトピー性皮膚炎は軽くなる場合もよく見かけられます。しかしながらそうだからといって運を天に任せてきちんと治療しないと、ご心配のように成人なるまでアトピー性皮膚炎を持ち越してしまう場合も少なくありません。その場限りの治療でなくお子さんの発育、家庭環境、食事内容、心理的な問題(ストレス)など各種の年から、原因を追究し総合的な治療体系を組み立てていく必要があります。
Q27 アトピー性皮膚炎と 病院の選び方
生後6ヶ月の息子の事です。
生後2ヶ月頃より、胸、お腹、脇腹、背中を中心に赤い斑点が出はじめ小児科にかかりました。そこでリンデロンVGクリームを処方され、塗布後赤みはひき、また2・3日したら出るの繰り返し で、1ヵ月後同じ小児科に行き、今度はオイラックスHを処方されました。ところが、症状は変わらず頬の赤みや耳切れも出てきました。再び受診しましたが、まだ生後3ヶ月では湿疹か何なのか判断できないからもう少しこのまま様子を見るよう言われ、そのまま2ヶ月間オイラックスを毎日塗りました。
しかし全く改善の様子が見られず、生後5ヶ月の時今度は地元では少し名の知れたアレルギー科を受診しました。見るなりアトピーと診断され、カンジダの症状もあるとの事で、ニゾラ-ルクリームとロコイド(1:1)のミックスを1日2回1週間塗り、その後はプロペトだけで保湿するようにとの事でした。さらに完全母乳だった私は卵、大豆、小麦、牛乳、油、お菓子を抜くよう言われ、その日から除去食生活がスタートしました。何も分からないまま、自分が息子をアトピーにしてしまった・・・と自分を責め、必死になって除去に励んでいました。薬を1週間塗ると、全身びっくりするほどきれいになりました。が、プロペトだけになると、また発赤・湿疹が広範囲にわたって出てきました。さらに今まで出た事のなかった目のまわりが一番ひどく、パンダのように赤くはれ本人も痒そうで掻き毟って汁がでる程でした。
しかし自分の除去がうまくいってないからだと思い、さらに食事を減らし除去とプロペトだけで様子をみました。そんな矢先、町の集団接種(ポリオ)があり、たまたま診られた先生に今の状況を話すと、検査もしてないのにそんなに除去させるのはおかしいと・・・驚かれました。どの先生を信じたらいいのか分からなくなってしまい、(アレルギー科の病院は完全予約制で急患お断りなうえに次の予約が1ヶ月先だったので)取り急ぎ近くの皮膚科を受診し、眼・耳科リンデロンA軟膏を処方してもらい、4・5日で目の腫れ・赤み・傷は落ち着きました。体用には、リンデロンV軟膏(8g)とヒルドイドソフト(10g)のミックスを処方され体の方も落ち着き、現在にいたります。長々となりましたが、大体の流れは分かって頂けましたでしょうか・・・
以上の事をふまえて質問させて下さい。
(1)検査もせずにこれだけの除去を指示するような病院はやはり信用できないのでしょうか・・・
(2)生後2ヶ月から6ヶ月の今まで、リンデロンVGに始まり、ステロイドを毎日塗り続けている状態ですが副作用が心配です。お腹は皮膚の色が薄い所や濃い所があり、まだら模様になっています。副作用でしょうか・・・今後もステロイドを使い続けて
良いですか?ロコイド・ニラゾールのミックスとリンデロン・ヒルドイドのミックスはどっちを塗ってもきれいになりましたが、どっちを使った方がいいですか?
(3)目のまわりにでてきた湿疹はステロイドをやめたリバウンドでしょうか・・・プロペトが合わないこともありますか?
(4)除去しても改善しないようですが、ほかに原因があると考えた方がいいですか?このまま除去を続けるべきですか?
(5)頬の湿疹に眼・耳科用リンデロンAを塗ってもいいですか?
取り留めのない文章になってしまい、申し訳ありません・・・
A27 アトピー性皮膚炎
第一に、医師の指示通りに長年がんばってにもかかわらず、皮膚症状が全く改善しない、そして食物のことについても説明が十分にないという状態にもかかわらず、長年ご苦労されたことを思うと、何とも言葉はありません。いただいた文面から判断した点についてとりあえずお答えいたします。
(1)食物アレルギーの最終診断は、除去テスト、負荷テストです。この点についてはこのHPの中にもあります。わかりやすい読み物としては、昨年主婦の友社から出版しましたアトピー&アレルギーブックの中にわかりやすく書いてあります。
食物アレルギーはこの本に書いてありますように、血液検査や皮膚検査をまず行います。次に疑わしい食物の除去をまず2週間を行います。これが除去テストです。症状が軽くなるようであればその後、負荷試験を行い、皮膚が悪化するようなことがあればそれが原因の食物としての疑いがかなり濃厚となります。
お子さんの場合、検査する、しないは別としてこれだけの長期間にわたり、特定の食物を除去しても皮膚症状が変化しなかったということは、食物アレルギーであるとはまず考えられません。
注意して、少しずつ除去した食べ物を、徐々に食べさせると良いかもしれません。しかしその場合は、食物アレルギーの治療に慣れた専門家と相談しながらすることがお勧めです。
(2)上述の本の78ページにステロイド薬の分類があります。リンデロンはこの中の強い(上から3番目)というところに入ります。ロコイドはその下のグループに属します。一般的な皮膚炎の治療においてこれらのお薬はよく使われる薬です。
これら自体は使うことは問題がないと思いますが、重要な点は皮膚症状が治まってきたら、この本の77ページにあるステップダウン方式という、徐々にステロイドを減量してくるということが重要です。
ステロイド薬はある意味では、やむを得ず使う必要悪のようなものですから、やむを得ずこれを使い症状が良くなったら、必ずその77ページの方式を基にして少しずつ減量してくる必要があります。
まだら模様になったというところは、おそらく皮膚炎がよくなり、色素沈着して茶褐色になったところが所々、島上にあるのだと思われます。このような場所には、皮膚炎が収まった、言い換えれば赤みがとれた段階で、尿素の入った軟膏がよいでしょう。これにより沈着したが色素細胞が少しずつ減少してくると思われます。
ロコイドとリンデロンはステロイドです。ニゾラールはカビのお薬です。ヒルドイドは保湿剤です。小児の皮膚炎の場合、カビの薬が効くということはあまりありません。お話しから判断すると今後ニゾラールは使う必要がないでしょう。
(3)眼の周りの湿疹に関してですが、上述したような少しずつ減量するという方法しなかった場合に、つまり言い換えれば、急にやめてしまった場合にその部位に湿疹ができるならば、それはリバウンドと考えてよいでしょう。
一般的には眼の周りには眼科用軟膏を使用します。目の縁が赤い場合には同時に結膜炎も起こしている場合が多いので、アレルギー性結膜炎の点眼薬を使うこととうまくいく場合が多いといえます。
眼の周りにお薬を練る場合は要注意です。ちょっとしたお薬でも刺激になってしまうからです。保湿剤は白色ワセリンの最高級品であるサンホワイトという純度の高いワセリンがお勧めです。これは化粧品扱いでです。どこでも売っているわけではないので、入手はちょっと面倒かもしれません。近所で売ってなければ試供品をお送りすることも可能です。
(4)上に述べたように、これだけの期間食物を除去して皮膚に全く変化はなかったということは、お子さんの皮膚炎の原因として、食物はまず考えなくて良いと思います。上述の本の27ページにあるように食物以外の原因もかなりの割合でありますので、ハウスダストの問題、添加物の問題、油の問題も考えると良いかもしれません。
(5)シソ油のことに関心がおありのようですが、この点については上述の本の95ページに油の話も出ておりますので、ご参考にしていただくとよろしいでしょう。
さらに詳しい点についてご質問があれば、デジカメなどでお子さんの皮膚の状態を撮影し、メールに添付して送ってください。それを見て判断したいと思います。
以上
(参考)
「ステロイド外用薬の減量の方法」
まず皮膚炎を抑えるステロイド外用薬を何日か塗ります。次に普段から使用している保湿剤または、あらかじめ皮膚につけて皮膚の刺激のない保湿剤を用意します。
ステロイドを手のひらに1の量を取り、保湿剤も同じように手のひらに同量とります。手のひらで両者をよく混ぜ合わせます。そうすると手のひらにある外用薬はステロイドが最初の50%に薄まったものとなります。これを3日間塗ります。
次にステロイドを1の量をとり、今度は保湿剤を4の量を手にとります。これを混ぜ合わせるとステロイドは最初の20%(1/5)の量に薄まります。
これを3日間塗ります。
さらにステロイドを1、保湿剤を9を手にとります。これを混ぜ合わせるとステロイドは最初の10%(1/10)の量に薄まりますこれを3日間塗ります。
ここまで減量してきて皮膚炎が再発しなければ、最後は保湿剤でスキンケアーを続けます。
(上に述べたような保湿剤を増量しますが、最終段階になったら一日おき、二日おきにして中止してゆくとさらに慎重と言えるでしょう。)
今伸びてきた減量のステップの途中で、皮膚が再発した場合には、再度皮膚炎を抑えることのできる強さのステロイドに戻します。その強さは個人差があり1番初めの薄めていないステロイドが必要な場合もあれば、一対一に薄めたものでもうまくいく場合があります。これは個人差があるために、それぞれの方に合ったスタイルをご自分で探し出してください。
Q26 食事療法について
お世話様になります。初めてメールさせていただきます。宜しくお願い致します。
一歳四か月になる男の子ですが水腎症です。今まだ私が乳腺炎ということもあって授乳させております。
生まれた時から皮膚が弱く、乳児湿しんから始まって現在も他の病院で血液検査をしてもらったところ、小麦粉、卵、乳製品、大豆、ジャガイモ、かぼちゃで反応が出てしまいました。
皮膚テストで米、ほうれんそう、落花生だめでした。
今通っている病院のお薬で肌の状態はとてもよくなりました。先生は皮膚呼吸させながら、無理なく治しましょうとおっしゃって下さっていて、薬もベタベタ塗らず、とても楽なのですが、そこは栄養士さんがいないので何を食べさせてよいのかわかりません。そちらでは皮膚テストなどをしながら食事指導をしていただけるのでしょうか?
毎日同じようなものばかり食べさせております。主食がなく、困っております。今まで試した中では、ホワイトソルガム白たかきびもだめでした。あわ麺も毎日あげていたらおなかと背中がかさかさしてとてもかゆがります。時々なら大丈夫みたいです。
ちなみに今使っている薬はインタール、アレルギン散とアタラックスとメチエフを混ぜた粉薬とゲンタシン、リドメックスとアズノールを混ぜた塗薬、消毒にエコリシン点眼薬と生理食塩水を5倍希釈して混ぜたものを処方していただいております。
A26 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の原因としては、専門病院では、食物が原因である場合は20%です。あとの80%は食物以外の因子が原因です。
皮膚テストで陽性であり、また食生活を観察してその食物が皮膚炎の原因としてうたがわしいときに、食物除去、負荷試験を行います。除去するだけでは確定診断とはなりません。
血液検査が陽性でも食べられる場合が20-60%あります。
成長期のお子さんに不必要に食物の制限をするころは、よろしくありません。ご自分の判断ではなく、食物アレルギーの管理になれた専門医と相談されると良いでしょう。
Q25 アトピーの治療
私は赤ちゃんの頃からアトピーと診断され、小さいときはよく薬を塗ったり食物制限をしたり、注射を受けました。中学生になれば治ると世間から言われましたが今も治りません。23歳くらいの頃に皮膚科でテストを受け、結果はダニやチリに100%以上反応しているという結果でした。
家はすべて畳の和室で、ダニが多いとされるので掃除はまめにしています。冬は夏に比べてとても治まり楽ですが、これから暖かくなるので心配です。どうしても気になっていることがあります。それを皮膚科で相談しても答えがないので聞いてみたいと思いメールしております。
私は何度かアメリカに留学しました。場所は、オレゴン、ヴァージニア、ケンタッキー、カリフォルニアです。そのほか旅行で全米色々といったことがありますが、アメリカに行くとアトピーが全くでないのです。長期滞在しているときはもう治ってしまったのかと思うほどです。しかし、日本に帰って来て2日目にはだんだんアトピー症状が現れ本当に悩まされます。アメリカに戻ればまたすぐに治る。食事も気にせず、よくないといわれたチョコレートなどの刺激物や油も好きなだけ食べれたりします。アメリカではどうしてアトピーが全くでないのでしょうか?前日まで日本でアトピーがあっても、アメリカ領土についたとたんにかゆさがなくなるほど極端です。本当に関係ないのでしょうか。
そんな私にあっているアメリカでもじんましんが出たことがあります。それは生まれて初めて出た形のじんましんでした。病院は高いのでネットで色々調べてみましたが、結局胃が弱っていて何を食べても反応していたという感じです。そのときからストレスで蕁麻疹がでるということが分かりました。 卒業して今は就職活動をしていますが、日本で働くと決めたのにアトピーの苦しみで精神もやられてしまいます。保湿が痒さ軽減をするのを実感して今はお風呂あがりのクリームを欠かさずやっています。クリームをたっぷりぬっても数分後にはまたかさかさになります。寝るときはパジャマをきていますが、起きる時には全裸になっていることがほぼ毎日です。何か熱をつくる力が異常にあるのでしょうか。
母は今でも、食事に反応していると思って私に注意しますが、私は色々な経験を見ていると今はダニやダスト、ストレスだけに反応していると思います。 アメリカにいるときには何もしないで治ったので、薬をつけたり飲んだりすることに大変抵抗があります。 私が日本にいてアトピーが完全に治るということがあるのでしょうか。 自然に暮らせる体をつくりたい、どこの国でも元気にアトピー心配せずに暮らしたいという思いでいっぱいです。 正常の皮膚をとりもどしたいです。
A25 外国生活(旅行、滞在)とアトピー性皮膚炎
理由ははっきりしませんが、外国に行くとアトピー性皮膚炎がよくなるという患者さんは何人か拝見しています。以下によくなった4ケースと悪化した1ケースを紹介します。
(ケース1)
14歳、男、1歳より重症アトピー性皮膚炎。各種の治療を行うも、症状が軽くならず、一時は不登校になりかけた。14歳の夏休みに、見かねた祖母が費用を出すからといって、家族でカナダを1週間旅行した。旅行中から皮膚症状は軽快し、帰国時には皮膚は見違えるようになった。その後、軽度の再発はあるが以前ほどではなくなった。現在、ステロイド軟膏、プロトピック軟膏の使用で状態は安定している。
(ケース2)
11歳、女、ケース1とほぼ同様の経過で特に顔面の湿疹が著名であった。卵、牛乳制限中であった。夏休みに家族でパリを中心にフランスで2週間過ごした。ケース1と同様の経過でよくなった。顔の湿疹を気にして、それまで内向的であった性格が徐々に明るくなり、自信がついた。現在は時折、弱いステロイド軟膏を使用するだけで、保湿剤でコントロールされている。
(ケース3)
8歳、男、中等症のアトピー性皮膚炎。昨年、インドネシアのジャカルタへ父親の仕事の都合で引っ越した。母親は汚いから(なんという差別感覚でしょう!)、行きたくないといって嫌々の転居だった。半年後に一時帰国で来院した。皮膚の状態がかなりよいので、問いただしたところ、向こうへ行ったから1-2ヶ月で徐々に皮膚がよくなり、半年後にはほとんどツルツルになった。不思議に思って、駐在員の奥さんたちに聞いたところ、同様の現象はよく見られるといわれた。
(ケース4)
1歳8ヶ月の男児。父親が日本人、母親が中国人(海南島)。8ヶ月の子供を連れて日本に帰国したが、子供の皮膚症状の悪化と妻の日本への適応障害のため、また1年間海南島に戻った。子供の皮膚症状は1-2週で著名に改善した。今回、再び一時帰国したところ、皮膚の悪化の兆候が出現し、来院した。父親の悩みは、日本または海南島のどちらで今後、生活したらよいかというものであった。
(ケース5)
これは悪化したケースです。32歳ピアニスト。ウィーンに一人で留学して、向こうの先生について、1日8時間ピアノを弾いていた。そのため、食事はパンとチーズ、ちょっと果物をかじり、お腹が空くと、ウィーンの美味しいチョコレートを食べていた。
ピアノの腕はよく、ベートーベンのピアノ曲が得意だった(かなりの腕!)。しかし、非常に緊張しやすく、大事なテストでは急に指が動かなくなるということも経験した。
滞在8ヶ月から湿疹が悪化した。コンテスト出場のストレスと偏った食生活が皮膚症状の悪化の一因と考えられる。母親が日本から来て、食事などの身辺のケアーをしてから、皮膚症状は軽快した。
ケース1,2,3,4は外国生活が短期でもまた長期でも、皮膚症状に良い影響を与える可能性があることを示しています。ケース5は食生活の乱れと、過度のストレスが皮膚を悪化させていることを示しています。これ以外のケースでも、例えば、オーストラリアへ留学した大学生が、空気が乾燥しているためにドライスキンが悪化し、結果的にアトピー性皮膚炎がひどくなったケースもあります。
断定的なことはいえませんが、日本という環境、日本におけるその患者さんを取り巻く環境因子(食事、ストレス、添加物、水、大気汚染、農薬、等)がその方に合わないのでしょう。
20-30年前は、地方に帰省すると皮膚症状はよくなる傾向があったものですが、このところ、その傾向はあまり見られません。日本において、生活環境の差が地方と東京では減ってきたのでしょうか。
以上、あなたのご質問には直接のお返事となっていませんが、外国生活を皮膚症状の関係について、日本を離れると良くなるケースも時折見かけることをお示ししました。あなたも、これらのどれかに当てはまるのでしょうか。または新しいタイプなのでしょうか。
2/24 お礼メール
ありがとうございました。 大変納得いたしましたし、回答していただいてスッキリした気分がいたします。忙しい中ご回答いただきまして本当にありがとうございました。
Q24 緊急で申し訳ないのですが・・・
土曜日は診察ありがとうございました。
だいぶよくなっていたのですが、昨日突然顔、腕、肩の前、背中が赤く腫れあがってしまいました。痒くはなく、皮膚も以前に比べたらしっかりしているのですが、とにかく腫れて熱を持っていてやな感じです。せっかくすっきりしてきた顔もむくんでしまいました。原因は特に思い当たりません。(変わったことといえば実家に帰ったことでしょうか・・・)仕事があり、診察に伺えないので、できれば電話でご相談したいのですが、よろしいでしょうか?
お忙しいとは思いますが、何とか考えていただけますか?
A24 アトピー性皮膚炎
実家における、環境因子たとえば食生活、室内の空気環境など広い意味の環境因子が何らかの影響を及ぼしているかもしれません。そのような場合には、同様のことが繰り返し起きる、つまり再現性があるといえます。今回は注意されておかれるとよいでしょう。今回は非常用のステロイドを内服されるなどの対策がよいでしょう。
Q23 アトピー性皮膚炎の治療について
こはじめまして。このようなHPがあってとても心強いです。よろしくお願い致します。
現在生後10ヶ月になる長男が、昨年9月(生後5ヶ月)からアトピー性皮膚炎の治療を受けております。(対症療法のみ)
これまでの治療経過は、昨年9月から顔、頸部、体に赤い湿疹が繰り返し出て、ザジテンシロップをずっと飲みながら、皮膚の保湿を基本として、症状の強いときのみ抗ヒスタミン剤(ポララミン・トラサミン・ペリアクチンなど)とステロイド外用薬で症状を抑えるをいう治療です。
ステロイド外用薬の使用頻度は、体は月に1~2度で症状が強く出た日から1~2日間 1日1回(夕)。その後非ステロイド外用薬→保湿剤へと切り替えていくというやり方です。
問題は顔ですが、治療をはじめた昨年秋頃は湿疹の出る波が月に1回程度だったのですが、今年に入ってからは毎週末に波が来るようになりました。湿疹の出る部位は特に顎(よだれかぶれが症状を悪化させる)と頸部が多く、顎や首は赤みが強くてジクジクした感じです。そのたびに顔、頸部にキンダベードまたはマイザーまたはフルメタなどの強いステロイド外用薬を1日1回(夕)で2~3日、その後非ステロイド→ワセリンという治療を繰り返しています。顎について言えば、絶えず赤みが出てくるので、秋以降2~3日ずつ(最高で4日間連続(1日1回))を断続的に(月に2~4回)塗りつづけていることになります。飲み薬も昨年末(12/20)以降は抗ヒスタミン剤を飲み続けている状態です。(1月20日に一度抗ヒスタミン剤を止めたところ翌日にひどい湿疹が出てしまいました)顔面、頸部は最も副作用の出やすい場所だといろいろな本で読みました。
このような使い方は長期連用に入るのでしょうか?
これは先生から見ると使いすぎですか?
もちろん症状があるから使うわけですし医師の指示以外で使用したことは無いのですが、やはり心配です。
それから今のクリニックでは、症状が出る原因の追求はまだあまりしないまま、ただ対症療法のみで5ヶ月間来てしまいました。一応別の病院(大学病院)で食物アレルギー(牛乳・卵・魚・鶏肉・小麦・米)とダニ・カビのラストスコアと肝機能など全般、それからIge値を調べる血液検査を受けました。
結果は牛乳のみ1であとは0でした。Ige値は159です。湿疹が出始めたのは離乳食をはじめる前(生後5ヶ月~)で、生後3ヶ月以降は母乳はあげずミルクのみで育てていました。湿疹の原因は様々だとは思いますが、これからそれを特定するのにはどうしていけばいいのでしょうか?1回の血液検査だけで原因が特定できるものでは無いと思いますが、上記の結果と湿疹の出た時期などから見て、あとはどのような原因を疑ってみる必要がありますか?それから、生活環境の整備については、同じ大学病院で指導を受け、その指示どおり生活環境の見直しに取り組みました。(日常的に継続しています)
現在通っているクリニックでは原因の追求は期待できそうに無いので、できればアレルギー専門で積極的にアトピー治療を進めてくださる専門医と相談しながら治療していきたいと思うのですが、なかなか先生のようなクリニックに出会うことが出来ません。うちは江戸川区なので、用賀まで通えないことは無いのですが、実は双子で、もう一人同じ10ヶ月児がいるのもですから、まだ聞き分けの無い乳児を二人連れての通院は残念ながら現実的には不可能かと思います。そこで、もし先生のようにアトピーを原因の追求なども含めてみていただけるような専門医の先生で東京中央or東部にあるクリニックをご存知でしたら是非教えていただけないでしょうか?
お伺いしたいことは次の5点です。
質問1)...今年に入って悪化の頻度が上がったのは、薬(抗ヒスタミン剤の服用やステロイド外用薬)に依存する体になって来てしまっているということはありますか?それともなんらかの食物アレルギーと見るほうが自然でしょうか?
質問2)・・・先生から見て、これまでのステロイド外用薬の使用頻度は使い過ぎに入りますか?(とくに顔面・頸部)
質問3)・・・これから湿疹の原因を特定するのにはどうしていけばいいのでしょうか?血液検査の結果と湿疹の出た時期などから見て、あとはどのような原因を疑ってみる必要がありますか?
質問4)・・・アトピーの原因追求も含めアトピー治療の相談に乗っていただけるようなアレルギー専門の先生をご存知でしたら教えて下さい。
質問5)・・・漢方薬による体質改善を並行してやっていきたいと思うのですが、それはどうでしょうか?その場合漢方薬治療医とアレルギー専門医の両方に通うことはどうなのでしょうか?同じクリニックで両方見ていただけるのが一番よいと思うのですが、質問4)とあわせてそのようなクリニックもご存知でしたら教えてください。
よろしくお願い致します。
A23 アトピー性皮膚炎
双子だけでも大変なのに、皮膚の問題を抱えてはさぞ、気がかりなこととお察しいたします。双子の会などもいくつかあります。それに入り、双子のご両親と情報交換されるのもよいかもしれません。
(1)今年になって悪化しているのはいくつかの原因が考えられます。冬の空気の乾燥がドライスキンを悪化させた。何らかの皮膚感染(たとえばトビヒなどは暖房がよいためか真冬でも結構見られます)。
(2)ステロイドはあくまでも対症療法なので、これだけに頼れば、皮膚が悪化すれば増量という道をたどるのはある意味ではやむをえないでしょう。早く原因を見つけることでしょう。
(3)食物アレルギーでアトピー性皮膚炎がすべて説明できるわけではありません。食物アレルギーは血液検査のみでは診断できない場合がよくあります。換言すれば、血液検査は補助診断なのです。診断方法はこのホームページのIllness(病気)の項目をクリックし食物アレルギーの診断(除去テスト、負荷テスト)ご覧ください。
(4)申し訳ありませんが、心当たりがありません。すみません。
(5)私は、成人のアトピー性皮膚炎には使用する場合がありますが、乳幼児では自信が無いのでやっておりません。乳幼児に漢方薬をのませるのは至難の業です。
Q22 かゆみと生理
こんにちは。また質問させてください。
生理の期間はいつもよりかゆみが増します。今回皮膚炎がひどくなったきっかけも生理ではないかと思っています。
ただのかゆみと違い、かゆみが強くて普通にしていられない程です。(体をよじるほど今ちょうど生理になっていて昨晩もひどくかゆくて耐えられずセレスタミンを飲みました。(あまりかゆみには効かなかったのですが、がりがり掻いてしまって腫れた所は腫れがひきました)
何か関係があるのでしょうか?毎月のことなので なにか予防できる方法があれば教えてください。ひどくかゆいのは先月からです。それ以前は肌荒れが目立つ程度でした。ご指導宜しくお願い致します。今週末お伺いします。
A22 アトピー性皮膚炎
生理の前にアレルギー症状が悪化することは良く見られる現象です。成人女性に見られる月経喘息がもっとも有名です。
アトピー性皮膚炎でも同様の症状の悪化が見られる場合も少なくありません。これらは女性ホルモンのバランスが微妙に変化するためと考えられていますが、アトピー性皮膚炎の場合はこれといった治療法が今のところありません。直接皮膚を拝見してから対策を講じたいと思います。
Q21 ステロイド剤の減量について
はじめまして。
いつもこちらのサイトで勉強させて頂いてます。
本日は娘のアトピー性皮膚炎の治療についての質問をさせてください。
どうぞよろしくお願いします。
娘は現在1才2ヶ月で、生後3ヶ月から顔に湿疹が出始めステロイド剤(アルメタとアズノール軟膏の混合)を使用していました。
その後、じゅくじゅくした場合はリンデロンVG軟膏を使用するように言われ落ち着いてきたらケナコルトAと非ステロイド剤の混合を塗っていました。
その後病院を変え今度は皮膚科にお世話になりました。
気づけば顔の湿疹はなくなっていましたが(生後8ヶ月頃だと思います)、今度は体に湿疹というか乾燥が見られるようになりました。
保湿だけでは効かず、だんだん赤みも増してきて痒いようなのでアルメタ軟膏を塗って治療していました。
3日塗ると症状は落ち着く為、夜に1回アルメタを塗りそれを3日間、その後は3日間保湿のみで様子を見るよう指示されました。
ですが、アルメタを3日塗らないと症状は元通りです。先生はこれ以上の期間ステロイドを塗ると副作用が出る可能性があるから3日くらいで良いと言われたのですが・・
それを4ヶ月ほど続けていて疑問に感じた為、病院を変えました。
次の病院では1週間朝晩とアルメタを塗り続けてくださいと言われました。あとは抗ヒスタミン剤のザジテンドライシロップの内服を始めました。
その通り塗り続けると、すっかりキレイになり今度は1週間アルメタを塗らないよう指示を受けました。
ですが、5日目くらいには肌の感じがまたゴワゴワというかザラザラしてきました。赤みはありませんでした。
先生はその症状を見て、また1週間朝晩とアルメタを塗り続けてくださいといわれたのですが、永倉先生のおっしゃっているようなステロイドの減量の仕方を全く指導してくださりません。
減量について聞いてみたのですが、これから少しずつ減らしていきますと言われたのですが、この治療の仕方で良いのか不安でたまりません。
永倉先生にステロイド剤の減量の指導を頂きたいのですが、やはり紹介状などないと難しいでしょうか?
病院を転々とした私が悪いのはわかっているのですが、このままステロイド剤をやめられないのでは、とすごく不安です。
まとまらない文章で申し訳ございません。
どうぞよろしくお願い致します。
A21 アトピー性皮膚炎
お大変お悩みのことと思います。
お子さんについては、検査をして、食物アレルギーの関与の有無をチェックし、またご希望の件についてもご指導いたしましょう。なお、紹介状は不要です。
3/22
症状の経過
先日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
あれから1週間が経ちますが、ステロイド剤は2日塗り1日休むという塗り方で過ごしております。ですが、おとといくらいから背中の湿疹の治りがいまいちなのと、ふとももあたりも少し湿疹が出てきています。小さいブツブツしたものです。また、今朝は肘が両方とも赤くなっていてました。あとは、肘裏が右腕のみですが赤くなっています。
水曜日くらいからまた顔に湿疹が出始めているので、これは何か食物に反応しているのかとは思いますが、実際何かが特定できません・・。
あと、おとといから腕の内側を寝る前や機嫌の悪い時に掻くようになりました。症状は湿疹が出ている部分もあります。そこまでひどくはありません。
質問ですが、肘・腕の内側にはアルメタを塗った方がいいのでしょうか?
また、背中やふとももの治りがいまいちになってきたのはアルメタの効果が弱くなってきたのでしょうか?
背中やふとももは痒がっている様子もないのでもう少しこの塗り方で過ごしてみようと思うのですが、ご指導いただけたらと思います。
画像はお風呂上りに撮りました。もし予約ができるようでしたらまた先生に診て頂きたいのですが・・
どうぞよろしくお願いします。
3/23 回答メール
生活環境、食生活に変化がない場合、今に時期に皮膚が悪くなるのは、多くの場合、陽気の変化です。今は三寒四温といい、気温、天気の変化が大きいため、皮膚炎が悪くなりやすいのです。
このような時はアルメタを1日2回塗り、よくなったら1日1回にすると良いでしょう。
3/25 お礼メール
お返事どうもありがとうございました。
昨日から一日2回塗ることにしました。状態は良くなってきていると思います。
あと何日かは2回塗って様子を見てみます。
先生の本を読みながらまた少しずつ減量できたらと思います。どうもありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
Q20 アトピ-性皮膚炎のステロイドの使い方
はじめまして。よろしくお願いいたします。
現在3か月の男の子です。生後1か月ごろから乳児湿疹がひどく、2月に入ってから皮膚科に通い、キンダベート+プロペト混合を2~3日塗ったら保湿剤プロペト+ホエイに切り替えをしてましたが、ステロイドをやめると再発を2~3回繰り返しました。
症状は耳、首が赤らむ、顔はほっぺが少し赤い、体は胸のあたりに赤みが、ひざ裏の炎症はキンダベートでおさまりました。しつこいところは耳と首です。
そこで昨日小児アレルギー科へ行き、アトピーと診断され、顔にはキンダベート、体にはリンデロンをそれぞれ、
ヒルドイドソフトとプロペトで薄めたものを処方されました。
10日間赤い所にぬってくださいといわれましたが、リンデロンに関しては強力なので躊躇してしまってます。
特にかきむしってるわけもなく、炎症がひどくもない、その先生も症状はそんなひどくはないですよとおっしゃていたのに、リンデロンを処方するのはどうしてでしょうか?再発を繰り返すからですか?
先生のステロイドの使い方だと徐々に減量とありましたが、リンデロンを数日間ぬって、キンダベートに変えてしまってもよいでしょうか?
昨晩一回塗っただけでもう白くきれいで、10日間も塗り続けるのは抵抗があります。
あと、かゆみ防止でゼスランも出されました、この薬は飲んでいても安全ですか?
A20 アトピー性皮膚炎
この月令ならば、皮膚検査(スクラッチテスト)で食物アレルギーの有無をチェックします。必要に応じて、食物除去試験、負荷試験を行います。母乳栄養の場合はママの食事をチェックします。
0-5歳では皮膚炎の原因の20%が食物、あとの80%はそれ以外の生活環境中の因子です。
食物が原因でないことを確かめてから、ステロイドの減量です。ラッキーな場合は、突然に中断しても、再発はありませんが、再発してしまう方は少なくありません。
この場合、皮膚科はある期間、塗ることを勧めます。私は、徐々に減量するやり方です。
最後に、現在の医師法では、医学部卒業時に全科の試験に合格するので、法律的には、どの科を標榜して病院を開くことも可能です。
アレルギー科を標榜してもアレルギー学会認定専門医でない場合もあります。むしろそうでない場合のほうが多いのです。私の近くにもアレルギー科を標榜している方は複数いますが、専門医は私だけです。
もっと困ったことには、アレルギー専門医でもアトピー性皮膚炎の診療にはあまり熱心でない先生もいます。
困ったことですが、これを規制することは不可能です。標榜科名ではなくその先生の治療姿勢を調べてから、受診されたほうが良いでしょう。
Q19 シルクのタオルの使用
こんにちは。診察していただいてから一週間がたちました。おかげさまでだいぶ赤みも引き、ぼろぼろだった皮も少しずつですが回復してきています。
お風呂で体を洗うときタオルを使わないようにとご指導いただきましたが、シルクのタオルという、石鹸を使わなくても汚れが落ちるものがあり、最近石鹸を使わず、そのタオルを使っています。肌にあまり負担がかからないのが気に入っています。特に強く擦ったりしなければタオルの使用もかまわないですよね。それとも石鹸を使ったほうが良いのでしょうか・・・。
A19 アトピー性皮膚炎
皮膚炎がひどいときはいかなる繊維であろうとも皮膚を擦らないのが原則です。
また石鹸は界面活性化作用があり、皮膚をはがしてしまうため、その使用は最小限度というのが一般的です。
次回外来のとき現在ご使用になっているタオルを拝見しそれから決めたいと思います。
Q18 眠れないとき
本日は診察ありがとうございました。Hです。 丁寧に話を聞いていただき、少し安心しました。
早速ですが、質問させていただきます。夜寝るとき体が火照ってどうしても皮膚をかきむしってしまい傷が増えてしまうし、寝不足になってしまうしそれがものすごいストレスになっています。眠れないときは あきらめて徹夜でもしたほうがいいのでしょうか。それとも目をつぶって横になっていたほうが良いのでしょうか。すこしでも楽になりたいなーと思っています また近いうちに診察に伺いたいと思っております。宜しくお願い致します。まじめに治療に取り組みまーす!! 次回は注射できるぐらい炎症がおさっまているといいな。
A18 アトピー性皮膚炎
炎症が治りきっていないアトピー性皮膚炎のかゆみは、なかなか厄介です。本日お見せしたしたグラフィックでわかるように炎症が起きている皮膚の中を神経が通っているため、炎症が治らない限り、なかなかかゆみは軽くはならないといえます。
炎症をコントロールする方法は今回開始した治療がひとつの方法です。アトピー性皮膚炎の原因はさまざまです。したがって日常生活の周囲を点検し可能性のあるものを一つ一つつぶしてチェックしていく必要があります。今日拝見したところ皮膚の炎症は著名なためかゆみは急には減少しないと思います。Q&Aの75番アトピーに良い油の摂取方法なども参考にしていただきたいと思います。
夏であれば冷たいシャワーを浴びて皮膚のほてりをとってから保湿剤などを塗る方法もありますが、健在は寒いためこれもなかなか難しいでしょう。どうしてもの場合には睡眠導入剤などを用いますがこの効果も限られたものです。
まずアトピー性皮膚炎の治療の原則通りにきちんと、医学的根拠に従った治療法を選択し、日常生活を改善していくという方法が一見遠回りでも結果的には早道と思われます。
私のクリニックにも難治性のアトピー性皮膚炎の方が昔から通われておりますが、何年かければ必ずよくなるというのが私の経験を通して信念です。
Q17 アトピー性皮膚炎
生後三ヶ月の娘がアトピー性皮膚炎の疑いがあり、現在治療中です。治療には保湿剤と飲み薬を使用しています。
1.保湿剤にはビーソフテンローションとプロペトというものを混ぜて使っていますが、これを顔や体に塗った状態で日光に当たっても大丈夫でしょうか?色素沈着などの問題はありませんか?
2.良く下痢をしますが、これはまだ腸が未発達ということなのでしょうか?
よろしくお願いいたします
A17 アトピー性皮膚炎
これは程度問題といえましょう。
普通の化粧品でもワセリン系のものは多少は含まれている場合が多いのです。しかし化粧品を塗って、日に当たっていけないわけではありません。現在ご使用の保湿剤も普通に使って、外出したり散歩へ行ったりしてもまず問題はありません。
3カ月の乳児の場合、まだ離乳食が始まっていないために、便の性状は成人とは全く異なります。外来におむつごと持ってきていただいてその状態を観察してからお答えしたいと思います。
Q16 アトピー?
初めまして。5か月になる息子の事で質問します。
私も父親もアレルギー体質(私はアレルギー性鼻炎、父親は喘息)で、息子もアレルギーの可能性が高いと思っています。最近、口の周りに湿疹ができ、カサカサして乾燥しています。耳切れ(左耳)もあり、アトピーではないかと心配しています。病院でキンダべートを処方してもらいましたが、治っては出るの繰り返しです。湿疹は顔だけで、体には出ていません。このままこの薬を使ってよいものでしょうか。
A16 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とはアレルギー体質のある湿疹のことをいいます。
しかしながらその皮膚症状には特徴があり、顔や肘、膝ひざの内側に治りにくい湿疹が出たり、耳切れが見られます。
皮膚の場合、直接拝見しなければ何とも言えない場合が多いのです。もしもデジタルカメラをお持ちでしたらお子さんの皮膚の画像をお送りください。それをもとにお答えしたいと思います。
そうでなければ乳児において、アトピー性皮膚炎が疑われる場合の一般的な検討事項についてお答えします。
(1) 母乳栄養か人工栄養か?
(2) 母乳栄養ならば母親の食事内容はどうか?
(3) 果汁も含めた離乳食が始まっているならば、その内容はどのようなものか。
(4) 入浴時の体の洗い方、シャンプーの頻度などについて、その方法と回数は?
(5) ドライスキン(乾燥肌はあるか)。
(6) 口の回りの湿疹はいわゆる塩かぶれではないかどうか?
以上の点につき検討をします。
一般的にステロイド軟膏は、やむを得ず使用した場合には、注意深く減量してきます。ステロイド軟膏塗って皮膚症状がよくなってもスパッとを中止すると多くの場合再発します。これはステロイドが悪いのではなくてステロイドの使い方が悪いために生じることです。かこれは使用する主治医の説明が不十分であることに原因があります。よく相談して正しく使われるのが望ましいといえます。
Q15 もう少しお尋ねしてもよろしいでしょうか?
丁寧なご回答、ありがとうございました。
その後、ワセリンで様子をみていたのですが、目の周りの赤みがひかず、あまり長引くとかえって悪いと思いアンダーム軟膏を塗っています。塗った時は少なくとも赤みがひくのですが・・。もう少しお尋ねしてもよろしいでしょうか。
①今回、一番目立つ(顔だからというのもありますが)症状は乾燥や掻痒を伴わない眼周囲の発赤です。耳切れや関節伸側の炎症~苔癬化も軽度ありますが、皮膚の乾燥はそれほどないように思います。皮膚病アトラスに、小児アトピー性皮膚炎の眼周囲の炎症の写真がのっていましたが(乾燥し掻破痕を伴う)、アレルギー、もしくはアトピーで眼周囲の炎症が出現することはよくあることなのでしょうか。
②小児科ドクターはアンダームをよく出されますが、皮膚科の先生はアンダームは接触皮膚炎になりやすい、とフェナゾールを処方されます。確かに添付文書など見ても、アンダームの副作用の方がシビアなように感じます。でも抗炎症作用はアンダームの方が強いような気がします。「長期連用を避ける」の「長期」とは、どの位の期間を言うのでしょうか。(今4日くらい塗ってます。)
③私自身、学生の頃ストレス性蕁麻疹が1ヶ月以上出現したことがあります(アレルギーはなし、夫も)。今回のエピソードは感染がきっかけになって出たものとは思いますが、保育園に入って環境が変わったストレスも関係しているのでは・・と思います。ストレスとアレルギーについて、先生のお考えをお聞かせ下さい。
A15 アトピー性皮膚炎
項目ごとに回答します。
①今回、一番目立つ(顔だからというのもありますが)症状は乾燥や掻痒を伴わない眼周囲の発赤です。耳切れや関節伸側の炎症~苔癬化も軽度ありますが、皮膚の乾燥はそれほどないように思います。皮膚病アトラスに、小児アトピー性皮膚炎の眼周囲の炎症の写真がのっていましたが(乾燥し掻破痕を伴う)、アレルギー、もしくはアトピーで眼周囲の炎症が出現することはよくあることなのでしょうか。
お答え:よく見られます。
②小児科ドクターはアンダームをよく出されますが、皮膚科の先生はアンダームは接触皮膚炎になりやすい、とフェナゾールを処方されます。確かに添付文書など見ても、アンダームの副作用の方がシビアなように感じます。でも抗炎症作用はアンダームの方が強いような気がします。「長期連用を避ける」の「長期」とは、どの位の期間を言うのでしょうか。(今4日くらい塗ってます。)
お答え: 私は基本的に(ほとんど)非ステロイド系の抗炎症外用薬は使用しません。ご質問の長期と言うのは、個人差があるための<逃げ>の説明です。常識的には1週間以上は気をつけたほうがよいでしょう。
③私自身、学生の頃ストレス性蕁麻疹が1ヶ月以上出現したことがあります(アレルギーはなし、夫も)。今回のエピソードは感染がきっかけになって出たものとは思いますが、保育園に入って環境が変わったストレスも関係しているのでは・・と思います。ストレスとアレルギーについて、先生のお考えをお聞かせ下さい。
お答え: 20世紀中ごろは免疫系と中枢神経系は互いに余り係わり合いを持たないで独立的に働いていると考えられていました。しかし、20世紀後半には、神経ー内分泌ー免疫の相互作用により人は生命を維持していることが明らかになりました。
ストレスとアレルギーの病気の関連は良く知られています。物心ついてからは心理的な原因がアレルギーの病気に関わる場合があっても、不思議はありません。
私のクリニックでもそのようなお子さんは小児専門のカウンセラーに紹介しています。
Q14 副作用?
初めまして。3歳になる息子についてご相談します。
生後3~4ヶ月頃より、乳児湿疹がひどく、皮膚科に通っています。先生からは「アトピーですね。」とはっきり言われた事はありませんが、キンダベートを湿疹がひどいところに、体全体には保湿剤のヒルドイドソフトをずっと使っています。
去年の秋に、顔中心にひどい湿疹が出た時(猫アレルギーのようです。)、顔にもキンダベートを使用し、4日程で良くなりました。でも、今年の夏に日焼けした後から、その部分が白く変色(他の部分は小麦色ですがその部分はぼんやり白い)しているのです。大きさは、1センチ位の円が両頬に数個ずつあります。先生は「おばたけ」ですね、保湿剤で様子をみましょう。と仰ったのですが、私は治るのかどうかがとても心配です。これは副作用なのでしょうか?
A14 アトピー性皮膚炎
ステロイド軟膏には強さの順に、最強、非常に強い、強い、弱いの4種類があります。
キンダーベートは弱いに属します。やむを得ないときには顔にも注意して使用することがあります。(どうしてもの時は私も使用します)
皮膚の色が白く抜けるのは、その部位のメラニン色素の数が減るからです。皮膚の炎症(アトピー性皮膚炎、外傷など)の治癒過程や、ステロイドの塗るとそのようになる時があります。
これを白斑といいますが、通常の場合はステロイドを暫く塗りますが、今回はステロイドの影響も否定できないので、その先生は保湿剤で様子を見ましょうとおっしゃったのではないでしょうか。
日焼け(紫外線)の影響もあったのでしょう。ご心配でしょうが、このまま経過を観察されて良いと思います。
Q13 11ヶ月の子のアレルギー?について
第二子の女児についてお尋ねします。
5か月頃からいわゆる耳切れがあり(左のみ)、痒がってよく掻いて血が出てました。しかし上の子(4才)もその頃よく眠い時耳を掻いていて、自然と治ったので放置していました。10か月に保育園に預け始めてすぐ、8度台の熱をだし、抗生剤を服用させ熱は1日でひきました。しかし、その後に眼周囲に発赤出現。ウイルスかアレルギーかと近医を受診したところ、おそらく食物アレルギーだろうとのことで、低アレルゲンミルクに変え、赤いところにフェナゾール、耳にはステロイドを塗るよう言われました。
今、ミルクを変えて2週間ぐらいです。眼周囲はフェナゾールを塗ると赤みが増すような感じだったので、やめると2日ほどで全く赤みがなくなりました。しかし3日ぐらい良かったと思ったらまた目の下のみ、赤くなりました。かゆみはないようで、掻かないしそれ程かさかさもしていない扁平局面です。今後、どういう処置をしたらいいか迷っています。
御高診よろしくおねがいします。
A13 アトピー性皮膚炎
①治療に入る前に本当に牛乳アレルギーがあるのか再検討する必要があります。
私のHPの食物アレルギーの診断のページをお読みください(Illness,病気のページです)。
②本当に牛乳アレルギーならば、ミルクアレルギー用のミルクに変える必要があります。現在使用中のミルクの名前を教えてください。
③フェナゾールは非ステロイド性なので、よろしいのですが、長期に使用すると皮膚炎を起こす可能性があります。
④眼に周囲の炎症ですが、可能ならデジタルカメラで写真を送ってください。それを見て判断するほうが、間違いがないのですが。
いずれにせよ、保湿剤(ワセリンなど)を2-3日試して、見るのが良いでしょう。
⑤今回のウイルス性のかぜのため抵抗力が落ちて、ややアレルギー気味の状態なのでしょう。慌てず、今お話したことを、ひとつずつ、順番にやってみてください。
また、ご連絡ください。
Q12 乳児のアトピー対策
先生の本を拝見してから一度伺いたいと願っていますが、海外にいますので正直難しいためメールで相談させていただきます。
3ヶ月の頃から娘の湿疹が急にひどくなりアトピーと診断されました。
当時ニューヨークは12月で寒さが厳しく、暖房が24時間入っている状態で皮膚はガサガサ、真っ赤でした。
母乳と必要時のミルク(牛乳と大豆両方使ってみました)混合で育てていますが、数週間前娘が母乳もミルクも受け付けず吐いていた頃、湿疹がみるみる消えていきました。
元気になって再び開始したところ湿疹が現れ、母乳かミルクにアレルギーがあるのでは、と小児科の先生に相談したところ、母乳の利点の方が高いからできるだけ長く母乳をとアドバイスされ今も続けています。
ミルクはアレルギー用の物に変更しましたが特に皮膚の状態が変わったわけではないので私の中では母乳の何かが影響しているのでは、、、と今も思っています。
1)母乳の影響は否定できないと思いますがいかがでしょうか?アレルギーのテストは6ヶ月の今効果はあるのでしょうか?
湿疹は顔、耳、首、腕がひどくお腹と背中、足はちょこちょこ出ています。
真っ赤というほどではないので、ひどくなければワセリンを塗っています。
ステロイドは、市販のものより少し強い、Desonide 0.05%(処方箋の中では弱いほうらしい?
ですが日本にあるかどうか分からないので程度が分からず心配)を、ひどい時に2,3日使ってそれ以外はワセリンで保湿を続けています。
体質改善も考えて先生が勧められた水かぶりをこの夏はやってみようと思います。薄着も心がけています。
最近では、カリブの小島に行き海風にあてたり、天気の良い日は外出して外気に当てています。
2)皮膚が強くなってきたら改善の余地ありという皮膚科の先生のアドバイスを信じて毎日のケアをしていますが、これ以外にできることはあるのでしょうか?
よろしくお願いします。
A12 アトピー性皮膚炎
お話から判断すると、まず皮膚検査、血液検査は受けたほうが良いでしょう。
皮膚検査は3ヶ月でも陽性に出る場合があり、アレルギー専門医は良く行い生ます。必要があればその後に血液検査を受けるとよいでしょう。
アトピー&アレルギーBOOKの27ページの表をご覧ください。この年齢では食物が皮膚炎の原因であるのは20%に過ぎません。
しかし原因としては頻度が高いので、治りりにくい皮膚炎ではまず、検査をし、その結果で必要が認められたら、44-47ページの食物除去、負荷試験を行います。
食物負荷試験にはショックなどの危険も伴いますので、ご自分の判断ではなさらないようにしてください。
慣れた専門医の指示の元で行ってください。
外用薬(塗り薬)については拝見しないとなんともいえないので、皮膚の写真をとって、めりに添付してください。それを拝見して、アドバイスいたしましょう。
4/8
回答メールありがとうございました。そちらの患者でないにもかかわらず、親切かつ迅速な返答に大変感謝しています。
今回は皮膚の写真を送ります。横顔のものは3ヵ月半でアトピーと診断されて一ヶ月後のものです。
顔全体に湿疹が出ているのが分かると思います。こめかみは一番でやすいようで、少し黒っぽくなってます。先生には湿疹が治まって時間が経てば治ってくると言われましたが、、、。耳タブはよく湿疹が出ますが、治りも一番早いようです。
腕を中心に移っているのは6ヶ月のものです。顔の湿疹は随分治まっています。腕と、首の辺りは皮膚が
ゴワゴワして湿疹の痕が残り汚い、、、です。治るのも時間がかかります。今は顔中心に出たり治ったりを繰り返しています。ジクジクしてくることはないようです。ステロイドは使ってません。
アレルギーのテストに関しては、次回検診時に小児科の先生に専門医を紹介してもらおうと思っています。一つ質問ですが、娘は最初の一ヶ月半、母乳とミルクの混合で育てていました。当時は何も影響はなかったのですが、例えば。6ヶ月してミルクにアレルギー反応が出ると言うことはあり得るのでしょうか?気になったもので、、、。
2度目のメールになりますがどうぞよろしくお願いします。
Q11 先日はお世話になりました。
先日はお世話になりまして有難うございました。
北海道に帰ってきて1週間になりますが、おかげさまで政哉の顔もだいぶきれいになりました。
しかし良くなったと思って[ロコイドプロペト]を止めると次の日にはまた赤いブツブツが現れます。
① 良くなっても塗り続けたほうがいいのでしょうか?
② 続けるとしたらどの位の期間塗り続けたらいいのでしょうか?
まだ顔も痒いようです。
③ ポララミンシロップはこれからも続けて飲んでいた方が良いでしょうか?
体のブツブツがの方が以前より増えてしまいまっした。肘・膝の関節がよりひどく赤くガサガサになっています。
(写真があったほうがいいようでしたらまた送らさせていただきます)
④ 塗り薬は[ヒルドイドプロペト]だけでよろしいのでしょうか?
⑤ 結局体に出たブツブツは何なのでしょうか?
病名はあるのでしょうか?
(あまりにブツブツがひどいので心配なのですが・・・)
⑥ 予防接種を受ける予定ですが問題ないですか?
頭皮が「脂漏性湿疹」と言うのでしょうか?ボロボロになってかさぶたのようにはがれています。
痒いようで頭をかきむしっています。
⑦ ビーソフテンを頭に塗っていいのでしょうか?
⑧ 入浴時石鹸で頭を洗っています、かまわないでしょうか?
質問が多くなりまして申し訳ありません。
何か他に薬を増やしたり変えたりした方が良ければ、東京にいる母が処方箋を取りに伺います。
これからも宜しくお願いいたします。
A11 アトピー性皮膚炎
①、② ロコイドは弱いタイプのステロイドです。プロペトは粒子の細かいワセリンです。
ロコイドの入った軟膏を塗って皮膚が良くなったら、喜んですぐやめてはいけません!。 さらに以下に述べるように減量しないと再発する場合がほとんどです。(この急にステロイド止めると皮膚が悪くなる現象を見て、だからステロイドはよくない、と一般的には思われています。途中で止めれば悪化するのは当然なのに困ったものです)
そうならないようにするには以下のようにしましょう。
まずロコイドを塗り、良くなったら、次の3-4日はロコイドと同じ量の保湿剤(ワセリン、プロペット、など)を混ぜて、ステロイドを半分に薄めて使用します。さらに次の3-4日はステロイドを1、保湿剤を4の割合にします。そうするとステロイドは5分の1ですから20%に薄まります。さらに次の3-4日はステロイド1、保湿剤9の割合にします。そうするとステロイドは十分の一になります。このようにして少しずつ減量するのがステロイドを正しく使うコツです。
そして最終的には保湿剤だけでコントロールできるように努力します。
③ポララミンは抗ヒスタミン薬です。ステロイドホルモンではありません。主な作用は痒み止めです。心配しないで使用してください。1-2年飲み続けているお子さんもいます。
④ヒルドイド、プロペトは保湿剤です。合っていれば基本的なスキンケア-薬として日常使用してOKです。皮膚を見ないとなんともいえませんが、北海道が寒いためかもしれません。弱い皮膚は気象の変化に微妙に反応します。ブツブツがひどければ、数日間ロコイド、プロペトを塗ると良いでしょう。
⑤写真またはデジタルカメラで皮膚の状況を見せていただけるとよりアドバイスしやすいのですが。
⑥基本的にはOKです。
⑦OKです。何百人に一人くらい、合わない人がいますが、基本的には低刺激で赤ちゃんも頭皮に塗ります。ちなみに私も頭皮が痒い時には洗髪後に使用しています。髪の毛は生えません(笑)が、痒みは止まります。
⑧OKです。しかし、毎日は使用しないほうが良いでしょう。石鹸は一日おきにして、使用しない日はお湯のみで洗い流して汚れを取りビーソフテンを塗っておきましょう。
Q10 アトピーに関して。漢方、減量、タクロリムス
18歳の頃からぶつぶつと強烈な痒みが顔のみに表れるがアトピーには思い至らず。皮膚科の診療を受け、ステロイドであることも知らされず外用薬を処方される。薬を止めると症状が戻ってしまうと訴えたところ原因がわからないし治しようがないので対処両方として薬を付けつづけるより他ないとのこと。今はキンダベート0.05%とアズノール軟膏0.033%を一日置きに付けつづけている。ステロイドの減量は一切行ってもらえず、漢方を出してもらえる病院に通い一ヶ月ほど煎じ薬を飲みつづけているが効果は今のところ見られない。
さて質問ですが、煎じ薬はとりあえず飲みつづけたいのですが、そちらの病院ではステロイドの減量、脱却を行っていただけるのでしょうか?
またタクロリムス外用剤とはどういった薬でしょうか?そちらで処方は行っているのでしょうか?
A10 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の治療におけるステロイド軟膏は,基本的には対症療法と私は考えています。
現在の患者さんの苦痛を軽減するために、まず注意しながら使用し、症状の軽快に伴い可能な限り減量してくるべきものであると思います。
しかし、そのステロイド療法を続けては間に、アトピー性皮膚炎の原因は何かということをさまざまの観点から検討していく必要があります。さもなければ原因をそのままにしてステロイド軟膏を減量すれば、症状の再燃は目に見えているからです。
アトピー性皮膚炎の原因は患者さんの年齢、生活環境(住宅環境、食生活など)、心理的なストレスなどさまざまの原因が考えられます。原因はそれぞれ個人による異なるため、その原因を探るにはアトピー性皮膚炎はなぜ起きるかということを理解することが必要です。そのお手伝いをするべく、私のクリニックでは勉強会(後述)を開いたり、ホームページによりアトピー性皮膚炎に関する情報をお示ししています。
お問い合わせの軟膏は、商品名をプロトピックといいます。使用されるようになってから約1年が経過しました。その薬の成分は免疫抑制剤で、主に顔の炎症、顔面の赤い皮膚に有効な場合がよく見られます。多少の刺激があり、顔がピリピリしたり、灼熱感がありますがそれも徐々に軽減してくる場合が多いといえます。私のクリニックでも注意して使っています。
9月1日(土)午後2時半から3時半まで。<アトピー性皮膚炎の原因と治療>について勉強会をいたします。場所はクリニック待合室。予約制ですので受付にご連絡ください。
Q9 食事療法について
お世話様になります。初めてメールさせていただきます。宜しくお願い致します。
一歳四か月になる男の子ですが水腎症です。今まだ私が乳腺炎ということもあって授乳させております。
生まれた時から皮膚が弱く、乳児湿しんから始まって現在も他の病院で血液検査をしてもらったところ、小麦粉、卵、乳製品、大豆、ジャガイモ、かぼちゃで反応が出てしまいました。
皮膚テストで米、ほうれんそう、落花生だめでした。
今通っている病院のお薬で肌の状態はとてもよくなりました。先生は皮膚呼吸させながら、無理なく治しましょうとおっしゃって下さっていて、薬もベタベタ塗らず、とても楽なのですが、そこは栄養士さんがいないので何を食べさせてよいのかわかりません。そちらでは皮膚テストなどをしながら食事指導をしていただけるのでしょうか?
毎日同じようなものばかり食べさせております。主食がなく、困っております。今まで試した中では、ホワイトソルガム白たかきびもだめでした。あわ麺も毎日あげていたらおなかと背中がかさかさしてとてもかゆがります。時々なら大丈夫みたいです。
ちなみに今使っている薬はインタール、アレルギン散とアタラックスとメチエフを混ぜた粉薬とゲンタシン、リドメックスとアズノールを混ぜた塗薬、消毒にエコリシン点眼薬と生理食塩水を5倍希釈して混ぜたものを処方していただいております。
A9 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の原因としては、専門病院では、食物が原因である場合は20%です。あとの80%は食物以外の因子が原因です。
皮膚テストで陽性であり、また食生活を観察してその食物が皮膚炎の原因としてうたがわしいときに、食物除去、負荷試験を行います。除去するだけでは確定診断とはなりません。
血液検査が陽性でも食べられる場合が20-60%あります。
成長期のお子さんに不必要に食物の制限をするころは、よろしくありません。ご自分の判断ではなく、食物アレルギーの管理になれた専門医と相談されると良いでしょう。
Q8 現在4ヶ月になる乳児(女児)のことでご相談
現在4ヶ月になる乳児(女児)のことでご相談申し上げます。
元々、顔や頭に発疹はあったのですが、1ヶ月健診などで脂漏性湿疹と言われていたので、アンダーム軟膏という薬のみで治療していました。ところが、3ヶ月頃から体(お腹や背中)の発疹が現れ、先日、小児科にて診てもらったところ、耳の下に出来たジクジクした部分や足のくびれの同じような症状から(又、父親がアレルギー性鼻炎だということもあり)、アトピー性皮膚炎の可能性が高いと言われました。
まだ血液検査などは行っていませんので断定は出来ないのですが、もしアトピー性皮膚炎であれば、現在、母乳のみで育てているので、母親の食事にも気をつけなくてはならないのか?ということを教えていただきたいのです。
知識が不十分なのですが、アトピーの子供は卵や牛乳をとるとアレルギー反応を起こすと聞いたことがあるので、心配になりました。近いうちに、直接、診察をお願いしようと思っているのですが、取り急ぎ以上の件をお伺いしたく、メールにて質問を送らせて頂きました。ご回答頂ければ助かります。(ちなみに、先日かかった小児科医で処方して頂いたお薬は、OPQ(ジクジクし!た所)、ヒルドイド(お腹や背中の湿疹)、ザーネ(保湿)です。)
A8 アトピー性皮膚炎
皮膚の状態が湿疹でさらにアレルギー体質がある場合にアトピー性皮膚炎と診断します。
実際に皮膚の状態を拝見しないと、アトピー性皮膚炎かの判断は難しいといえます。
実際にアトピー性皮膚炎ということがはっきりしてから原因を調べたいと思います。
皮膚の症状がきつくて夜間も体中を掻いているようでしたら、皮膚につけるお薬を変えた方が良いと思いますが、そうでなければ現在ご使用のお薬をそのまま使用し、早めに外来へ来ていただき直接皮膚を拝見したいと思います。
Q7 アレルギーの検査をしていただきたいのですが。
はじめまして。私は、幼児期から湿疹を患っております。
毎年、春先から秋の終わりにかけて、手の甲の部分にかゆみを伴う湿疹ができます。早いときは2月の終わりごろから出始め、ひどいときは11月の終わりごろまで出つづけます。患部が手の甲ということで、見栄えも悪く、大変困っております。
これまでにいろいろな皮膚科に通い、さまざまな治療法を試しましたが、改善は見られず、また原因もわかりません。というのも、以前ある医師に「光線過敏症である」と診断されて以来、私自身、自分が光線過敏症であることを疑わなかったのですが、先日、某大学病院で光線過敏症の検査を受けたところ、光線に対するアレルギーは持っていない、との診断を下されてしまったのです。私は、湿疹の出る時期からみてスギやブタクサなどの花粉によるものではないか、と思っていますが、はっきりとしたことはわかりません。
ということで、自分が何に対するアレルギーをもっているのかはっきりさせたいのですが、アレルギーの検査をしていただくことは可能でしょうか?
長々と失礼しました。乱筆、乱文、お許しください。
A7 アトピー性皮膚炎
花粉による皮膚炎を疑っていらっしゃるようですね。
もちろん花粉の検査は可能です。血液検査をしたり場合によってはパッチテストをします。皮膚の症状はお話だけではわからない点もありますので直接拝見して方針を決めたいと思います。
Q6 乳児(5ヶ月)のアレルギー検査について
現在3ヶ月の娘のアトピーについて質問です。
生後2ヶ月頃から耳と耳横の頬の部分にアトピーと思われる、赤くカサカサした痒みのある湿疹が出始めました。現在、中国北京市在住で出産もこちらだったため、出産したアメリカ系病院で診察を受けたところ、アレルギーだろうとの診断でした。
乳児にできるだけステロイドは使いたくないとのことでFluconazole(150mg)とZinc Oxide(20g)を混ぜた軟膏と、乾燥を防ぐ為にCetaphilと言うクリーム(フランス製)を処方され使用しています。だいぶきれいになってきていますが、まだ多少赤みが残っています。6 月第1週に約1週間一時帰国をすることになったので子供のアレルギー検査を一度お願いしたいと考えていますが、検査にはどれくらいの時間、日数が掛かるのでしょうか?1日の診察でもある程度の診断は可能でしょうか?予約を入れさせて頂きたいと考えていますが、主人の実家の札幌にも滞在予定なので、診察可能な日が6月2日か8日のみになってしまいます。診察時には5ヶ月になっています。
なお、母親である私にアレルギーがあり、乳児期はミルクアレルギー、幼児~小学校卒業頃まではアレルギー性鼻炎、大学入学後からはアトピー性皮膚炎の症状がありました。大学時に別病院で受けたアレルギー検査では、ハウスダスト、ダニ、カビ、スギ花粉等に反応が強く出ました。現在、アトピーは首に多少出る程度で、薬の使用はしなくても良い程度まで回復しています。
お忙しいところをお手数ですが、よろしくご回答をお願い致します。
A6 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎ということでお答えします。
一般的に、アトピー性皮膚炎は眼で見た判定、これを視診といいます、により診断するために、医師により異なる場合は少なくありません。
現在ご使用のFlukonazolはカビの治療薬です。これが効いたのか、保湿剤が効いたのかは、経過を拝見していないのでなんともいえません。血液検査でカビが陽性に出ているので、カビの薬が効いたのかもしれません。生活環境中のカビは多いのでしょうか?
一般的に0-5歳のアトピー性皮膚炎では食物が元仁である場合が約20%です。あとの80%は生活環境中の因子、または不適切なスキンケアー、または掻くことによる皮膚の傷が原因と考えられています・
もしも、おいでになるならば、食物を中心とした皮膚テストを行います。まずこの年齢の5大アレルゲンといわれる、鶏卵、牛乳、大豆、米、小麦について行います。検査時間は15分間です。注意点は、検査前の2日間か抗皮膚ヒスタミン薬は中止していただく点です。
もし特定の食物が疑われた場合は、食物除去、負荷試験が必要になります。これらの点はHPの病気知識の中の、食物アレルギーの診断の項目をお読みください。
予約はITでできます。初診の方は電話番号が仮のIDとなります。
6月8日は日曜日なので、6月2日(月)になります。込み具合は予測できませんが、比較的10時半AMころが良いでしょう。宜しければ、その旨ご連絡下さい。こちらで予約を入れておきます。
4/30
用賀アレルギークリニック様:
お忙しい中、早速ご丁寧なご回答をありがとうございます。
本日ホームページで確認致しました。確認が遅れて申し訳ございません。
現在の生活環境ですが、北京は乾燥が激しい為、カビ、ダニ等の発生は少ないです。ただ空気汚染、黄砂や建設工事現場からの粉塵等で乳児には厳しい環境になっていると思います。
先週、ご質問のメールを送らせていただいた次の日から一度軽化していた症状がまた悪化し始め、湿疹が広がり、赤み、痒みが強くなってしまいました。
現在、完全母乳で育てていますので、私の食生活を思い返してと、私が卵、パン、菓子類(カステラ、どら焼き等)を食べると湿疹が広がるように思い、素人判断ですが、卵、小麦、乳製品をここ数日控えるようにしてみたところ、また軽化してきたようです。実際には検査をしていただかないと因果関係ははっきりしないと思いますので、アレルギー検査をして判断していただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
Q5 アトピーについて
①1人目の子がアトピーで苦労しています。もし、2人目を妊娠した場合にアレルギー予防の為に、母親の食事でなにか気をつけるべきことはありますか?
②アトピー息子の為にできる鍛錬療法について教えてください。
③もうすぐ1歳になる息子は、現在アトピー性皮膚炎の治療中ですが、アレルギー体質のせいか風邪をひきやすく、すぐに咳がひどくなる傾向にあります。このまま、喘息まで発症するのか心配です。アトピーの子は喘息になりやすいというのは、本当なのでしょうか
A5 アトピー性皮膚炎・アレルギーと妊娠・鍛錬療法
①妊婦さんが妊娠中の食事内容について気を付けると、おなかの中の赤ちゃんがうまれてからアレルギーの病気にならないかどうかという問題は1口では説明できないなかなか難しい問題です。
今から10数年前に妊婦さんや牛乳、卵、大豆をいっさい口にしないと生まれてくる赤ちゃんのアレルギーが予防できるという考えが社会に広まったため問題となりました。この問題についての科学的な根拠にもとついた世界の医学論文を調べてみると、話はなかなか厄介なことがわかります。
1口でいえば、アレルギー家系でない場合は普通の食生活をしてよいといえます。ただし牛乳を水がわりに飲むとか、卵料理が好きだからといって朝食は生卵ご飯にかけて食べ、お昼はオムライス、夜は茶わん蒸しをはじめとする卵料理など常識で考えてもかなり極端ことは避けていただくことは当然です。
アレルギー家系、例えば父親が小児ぜんそく、母親がアトピー性皮膚炎、お兄ちゃんが食物アレルギーなどというアレルギー遺伝子の分布が濃厚な家系では、ある程度の枠は必要といえます。
それでも、牛乳はカルシウム源として非常に重要なため、余程極端な場合以外は妊婦さんは胎児の骨の発育および自分自身の歯と骨の維持のため、1日200-250mlの牛乳摂取は必要でしょう。卵は卵そのものとその製品を含めて週に2-3個が勧められます。卵は栄養学的には完全食品に近いといえますが、これを食べないからといって栄養失調になるわけではなく、現代日本は食品が豊富なため他の食品でこの蛋白を補えばよいと考えられます。
また大豆製品も適度に摂取した方がよいでしょう。1口で言えば牛乳は(ヨーグルト、チーズも含め)200-250mlとし、食事は基本的に和食を中心とする。そしてもちろん適度にお肉も食べてよいといえます。ただし肉の回りは肉を毎日食べ続けるというような無茶な食生活はやめて、月曜日は牛肉、水曜日は豚肉、金曜日は鶏肉というようにまんべんなく食べるようにします。
以上をまとめて言えば、和食を基本とし、アレルギーの強い家系では妊婦さんは牛乳と卵をその製品も含めてある一定以上は摂取しない方がよいといえましょう。
最後にこの問題は非常に個人差が強いため、妊婦さんご本人が自分で判断して食生活をコントロールすることはお勧めできません。必ず経験のあるアレルギー専門医とご相談されることを特に強調してお願いしたいと思います。
12/12追加回答
②アトピー性皮膚炎の治療については各種の医薬品(内服薬や軟膏類)があります。また食物が原因の場合には食物除去療法、チリダニ(ハウスダスト)が原因の場合には環境整備によりチリダニを減らすように努めます。
これらの治療法だけでは小児のアトピー性皮膚炎の場合に完ぺきな治療とはいえないでしょう。何が欠けているか。それが皮膚の鍛錬療法です。
アトピー性皮膚炎はアレルギー体質と皮膚のバリヤー(防御)機能の破たんです。特に冬に悪化する乾燥性皮膚炎が存在するとますます皮膚のバリヤー機能は低下し、皮膚からさまざまな物質が体内に侵入することになります。このバリヤー機能の低下は皮膚に適切な保湿剤を塗ることにより、皮膚にバリヤー膜を形成し皮膚の防御機能を回復することができます。
以上の治療法により皮膚症状が大部とれてきたときに、さらに皮膚を強くする方法が鍛錬療法です。
アトピー性皮膚炎の場合1番よく用いられる方法は、冷水刺激を与える方法です。入浴して充分暖まった後に、はじめは冷たい水でしぼったタオルで体をふき、皮膚のほてりを取るとともに皮膚に冷たい刺激を与えます。慣れてきたら冷水をシャワーで足の先から少しずつかけます。始めの1週間はひざまで、2週目は腿まで、3週目はおへそ、4週目は肩までというように少しずつアップしていきます。この冷たい水の刺激により皮膚の自律神経は鍛錬され、炎症のおきやすい皮膚が少しずつ強くなります。
この冷水による皮膚刺激は美顔術ひとつにも利用されているのは皆様よくご存じのことと思います。この冷水浴は1年間以上を続けると風邪をひきにくくなるというれっきとした医学上のデータもあります。冬から始めるのはなかなか抵抗があるでしょうから、とりあえず水をかけるのは足だけにして、春になり暖かくなってから徐々に上の方にも水をかけてはどうでしょうか。子供は本来水あそびが好きなので、入浴の際にパパが楽しそうにやって見せると、案外子どもは抵抗なく水をかけたりするものです。普段忙しいパパと一緒に入浴できる週末などにまずパパがやってみてはいかがでしょうか。スキンシップにも良い影響を与えることは間違いありません。(風邪をひいて中断した場合にはどうしてもおっくうになるのでもう1度足の先から再開する方法がよいでしょう。)
12/12追加回答
③乳幼児の時に主に食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎が見られ、年長児のころに風邪をひくたびにゼイゼイしたり風邪症状がだらだらと1~2週も続き、そのうち風邪をひいていなくても雨が降りそうな日や、台風の時などにゼイゼイするようになり病院へ連れていくと小児喘息ですと診断され、血液検査をすると多くの場合、チリダニ、ハウスダストに対して体が反応していますとお医者さんに言われ、小学校に入るころから春先のスギ花粉症の時期に目や鼻の症状が出る、
このようにアレルギーなど病気が年齢とともに形を変えて次々と現れることをアレルギーマーチといいます。これはアレルギーの病気が次々と行進(マーチ)葉歯するように出現することから名付けられました。この現象はかつて同愛記念病院の馬場先生により提唱された概念でアレルギーの病気の出方を理解するのに有用な考えです。
もちろんすべてのアレルギーの子さんがこのアレルギーマーチと同様の経過をとるわけではありません。お子さんによってはアトピー性皮膚炎がないのに喘息からスタートする場合もあります。
さてお子さんの場合、現在アトピー性皮膚炎でお悩みのようです。いずれ喘息になるかもしれないという強い不安を持っていらっしゃるかもしれません。アトピー性皮膚炎からぜんそくへ移行することを予防するためには、まずチリダニ対策が重要です。第二には鍛錬療法といわれる体の鍛え方を理解して、お子さんに合った方法で少しずつ体を強くすることが、一見遠回りのように見えますが実は予防のための早道なのです。
ちなみに鍛錬療法は ①皮膚の鍛錬 ②心臓や肺の鍛錬 ③腹式呼吸の習得の3つのジャンルからなります。主治医と相して長期的展望の下に、少しずつ体を強くすることがあなたの目的にもっとも合っているでしょう。
Q4 アトピー性皮膚炎
生後7ヶ月になる息子がいます。
生後3ヶ月の時’2007年12月)にRSウィルス感染症による急性細気管支炎で入院していました。この時期から顔に湿疹が出るようになり小児科の担当医より軟膏を処方してもらいました。
アズノール軟膏で改善されず、ロコイド+ワセリンを使用しました。
症状は改善されず、耳切れが気になり、2月より皮膚科に通院しています。
①顔・・・・・・・・・ ネオメドロール
②体(赤いところ)・・・キンダロン
③耳・・・・・・・・・ ベトノバール
④頭・・・・・・・・・ デルモゾールGローション
⑤保湿・・・・・・・・ ヒルドイドソフト
上記の軟膏を処方してもらいましたが、効能などの説明はなく「これをココに塗ってね。1週間後にまて様子をみせて」と先生は去っていき次の患者さんの元へ・・・。
看護師さんの問診はありますが、先生の診察は5分もかかりません。
何度も1週間後に経過観察にと言われ不安に思いながらも通院しておりました。
4月に入り、顔のジクジクがひどくポララミンシロップを1回3mlを服用するように言われました。
ジクジクは治まらず1回5mlの服用を指示され再度、ポララミンを処方されました。
カサカサ、ジクジクが全く改善されず、昨日は透明の汁が流れるように出てきました。
痒いせいか顔をこすり血だらけ。
ポララミンを5ml服用するようになってから赤みやジクジクが増したように思いその事を伝えテルギンGを処方されました。テルギンGは飲ませたばかりなので効果は、まだ目に見えません。
2月19日から顔に塗っていたネオメドロールを4月28日から、キンダロンに変えるように言われ塗布しています。
アレルギーの可能性の有無を聞きましたが、先生曰く「この子は、何かあるだろうね。でも血液検査は、もっと大きくなってからしてあげる」「10~20mlの血液が必要で大人が聞くと、たった20mlなの?と思うが大人で言うと100~200mlを採取するのと同じことだから、かわいそうだよ」と・・・。
現在、母乳なので、自分自身も何か食事に気をつける必要があるのか相談したところ「そんなに気にすることはない」との返答でした。
皮膚科を変えることを検討しておりますが、今と同じような先生では不安で、永倉先生の本を読ませて頂きましたが、先生のところへ飛んで行きたいくらいです。この辺りでは信頼できる先生の情報もありません。
親としては悪化していく一方で改善は見られず息子に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
RSウィルス感染症での経過観察のための定期健診でも、「喘息の可能性は捨てきれない」とも言われています。
A4 蕁麻疹・食物アレルギー
この年齢の原因仁としては、本の27ページの図にあるように、食物が20%です。残りの80%は食物以外の生活環境中の因子でしょう。またスキンケアーも問題もあるかもしれません。
検査はまず皮膚テストで行います。精度は血液検査と同等かまたは血液検査で得られないこともわかる場合もあります。
無理に血液を取ることはありません。
検査で、何らかの食物が疑わしければ、46-47ページの食物除去試験、負荷試験を行います。母乳が疑われたら(110ページ)、ママの食物除去試験、負荷試験を行います。
来院前に、皮膚の写真をメールに添付していただいたら、より具体的なことをアドバイスできるかもしれません。
もし来院可能ならば、皮膚検査、スキンケアー、ステロイドの塗り方などについてご説明できるでしょう。
4/29
先ほどは、お忙しいところ、お電話を頂きありがとうございました。
添付画像は27日に撮影した写真です。
今は、ジクジクは治まり、カサカサが酷い状況です。
スキンケアーは、ベビー石鹸を使用しております。
牛乳石鹸があるのですが、牛乳アレルギーがあるとすると使用しない方が良いのでしょうか?
また、肌に負担が少ない石鹸があれば教えて頂けないでしょうか?
4/29 回答メール
皮膚炎が顔だけであれば、アトピー性皮膚炎というのは、現時点では考えにくいといえます。
アトピー性皮膚炎であれば、顔だけでなく、肘や膝の裏側、首の周り、耳切れなどです。典型的なアトピー性皮膚炎では、本の33ページの5枚の写真のうち、3-4枚は当てはまって欲しいといえます。
以上のことを念頭に置けば、お子さんの場合、現時点ではアトピー性皮膚炎のことを頭において治療する乳児湿疹と考えられます。
現在のステロイド、ロコイドをもう一段強めのものにして、炎症が治まったら、76-77ページのステロイドの減量を行うと良いでしょう。
スキンケアーについては56ページからのスキンケアーを再度お読みいただくと良いでしょう。
石鹸は、アトピコ。ノエビア、資生堂などの低刺激のものいろいろお試しいただくと良いでしょう。
5/2
本日、経過観察の受診してきました。
先生は「良くならないな~」と言うだけで薬を変えてくれる訳でもなく、「また来週に」と終了しました。
現在、手元にある薬が下記の7種類です。
(皮膚科でも処方された軟膏)
ネオメドロールEE軟膏 キンダロン軟膏 ベトノバールG軟膏 ヒルドイドソフト
(小児科で処方された軟膏)
リンデロンVG軟膏 ロコイド+ワセリン アズノール
現在は皮膚科の先生に言われた通り、キンダロンを顔に塗り、体のカサカサした部分にベトノバールG軟膏を塗っています。ヒルドイドなど保湿剤を塗る指示はされておりません。これで改善されるのでしょうか?
現在、手元にある軟膏を使って炎症を治めることは出来ないでしょうか?
アズノールは保湿剤として使用できるのでしょうか?
石鹸は先生のアドバイスで低刺激のものに変えてみました。これだけでもお風呂上りの肌の状態が違ってきたようです。
お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願い致します。
Q3 薬の効き目について。
現在26歳なのですが、子供もころからのアトピーに悩んでいます。
最近東京の用賀から新潟市に引越しをして来て、近所の皮膚科に通いはじめたのですが、いただいた薬はスパクリットとアンテベート軟膏、それからリカバリン、シナールです。結構大量にいただいたのですが(今までそんなに飲み薬を頂いたことがなかったのでびっくりしてしまった)、それぞれ何に効き目があるのかよく解からないので、教えてください。それと、それぞれに大きい副作用はあるのでしょうか?今後妊娠を考えているので少し心配です。用賀で通っていた皮膚科ではマイザー軟膏に白色ワセリンを半分いれたものをずっと使用していました。それをぬるとすぐに良くなるので、手放せない薬だったのですが、引っ越したということもあり、新しい皮膚科での薬をはじめることになるのですが、気のせいかもしれませんが、やはりずっと使っていたマイザー軟膏の方が効き目があるように感じます。これは、医師にその旨伝えて、同じものを作ってもらってもいいのでしょうか?ちなみに私の症状は今の季節やはり一番ひどく、特にわきの下からわき腹、背中にかけて鳥肌状の乾燥した皮膚になっており、点々と直りかけの跡が残っているような状態です。熱いシャワーを浴びるととても痒くなります。
とにかく、クリームをつけてもつけてもすぐに乾燥してしまうし、痒いです。かきむしった跡というのは年月とともに薄くなっていくのでしょうか?又、このアトピーという病気は子供にどのくらいの確率で遺伝するのですか?聞きたいことは山ほどなのですが、とりあえず以上です。
A3 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎の治療については、さまざまのバリエーションがあります。ごく一般的に言えば、ドライスキンによる皮膚炎の場合には、保湿剤を中心にスキンケアーします。
また皮膚の炎症が強くジクジクしているときは、いわゆる湿疹病変ですが、この場合にはステロイド軟膏が用いられます。ステロイド軟膏はその抗炎症作用の強さにより、1-4または1-5の段階に分類されています。今までご使用になっていたマイザーは強いほうからから2番目の強さになります。ステロイド軟膏は使用して皮膚の状態が良くなったら少し弱いステロイド軟膏に変更していき、徐々に減らしていきます。そして可能ならば最終的には保湿剤だけでスキンケアーをしていくように持っていきます。
内服薬でもっとも用いられるものは抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬です。これらは主に皮膚の痒みを抑えます。場合によってはビタミン剤を合わせて使用する場合もあります。これらの内服薬の併用については主治医により異なることがあります。
今までの治療法があなたに合っているとお感じになってるならば、その旨を現在の主治医に伝えてはいかがでしょうか。
Q2 アトピー性皮膚炎について
私とアトピー性皮膚炎との付き合いはまだ始まったばかりです。
短い中でも、色々な情報を集め、勉強しています。(もちろん、間違った情報もあると思いますが。)発症前後から現在に至る経緯と、ご質問させていただきたいことを書きますので、よろしくお願いいたします。
毎年、杉花粉に悩まされる私は、今年は非常に多く飛散すると言われていたので早めに抗アレルギー剤を服用し、時期に備えていました。ところが、2月下旬に突然、顔に直径1センチくらいの痒みを伴う赤疹がいくつもできたかとおもうと数日の間に全身に痒みが広がりました。
病院勤め(管理栄養士です。)なので(皮膚科はないのですが)、血液検査をして頂いたところ、杉花粉を筆頭に樹木の花粉・雑草の花粉に感作しているようだとのことで、杉の飛散がおさまるまでは、様子をみました。その間、抗アレギー剤の服用、時にステロイド剤の服用をしましたが、皮膚の痒みへの効果はなかったと感じています。
この頃は細かい湿疹というのではなく、痒いところは赤い地図を書いたような様子で、我慢しきれずに掻くので、傷だらけで、鏡をみると涙が出ました。
その後、我慢しきれずに皮膚科を訪れ、ステロイド軟膏での治療が始まり、現在は顔にはプロトピック軟膏、体はネリゾナ軟膏・ロコイド軟膏を使用しており、比較的よい状態を保っていると思います。顔・体とも3日間塗らないとすぐに痒くなるので(やはり湿疹というよりも、ただ赤くなります。)繰り返し塗る、という状態が3ヶ月ほど続いています。9月始めからは、減感作療法もはじめました。(杉とぶたくさ)
去年6月、初めての子を帝王切開で出産しました。その後10月に新築の家に引越ししました。産後は8週間で職場復帰し、めまぐるしい毎日を過ごしてきました。
アトピー素因は持っていると思います。私は3人姉妹の末っ子ですが、上の姉はひどい花粉症ですし、中の姉は幼いころより喘息、アトピー性皮膚炎に悩まされてきました。現在も良くならずにインパクト療法なる治療を受けています。
アトピー素因に加え、環境の変化と極度の疲労・ストレス状態が続き、体が悲鳴をあげているのでしょうか。
Q1 このようなケースでは、疲労とストレスを取り除くことによって症状は改善するのでしょうか?
Q2 近々2人目の妊娠を望んでいますが、ひどい状態で妊娠するのと、比較的落ち着いているときに妊娠するのとでは、生まれてくる赤ちゃんへの影響は変わるものなのでしょうか?
Q3 また、妊娠10ヶ月に入ると母体の免疫が胎児に移行するので、この時期母親が動物性たんぱく質や大豆製品の摂取を控えると、子のアレルギーを多少はふせげると聞いたことがありますが、先生はどう思われますか?
Q4 食物によるアレルギーであればそうかも知れないと思いつつ、では、私の場合は10ヶ月目に花粉の吸入を徹底的に防ぐことでも効果があるのでは?…などと考えたりしています。
子供に手がかかる時期は限られていますし、現在の私を取り巻く環境は、どんどん変化していきますから、あまり悲観的にならないように、治療にも前向きに取り組んでいるつもりです。ただ、
Q5 ずっと薬を塗り続けなければいけないのかも?
という不安はあります。ネリゾナは5段階のうち2番目に強いステロイドですし、プロトピック軟膏は妊娠中・授乳中は使用出来ないそうですから、また顔にもステロイドを塗ることになるでしょう。
Q6 減感作療法を始めてから痒みが増したような感じがしますが、ぶたくさ花粉が飛散しはじめた時期と重なるので、次の注射の時に訴えるべきか迷っています。
今までにも、インターネット上で色々な情報を見て、何件も質問をさせて頂きましたが、いずれもお返事は未だ、ありません。度重なるうちに知りたいことも増え、こんな形でのご相談となりました。
お忙しいことと思いますが、回答をお待ちしております。よろしくお願い致します。
A2 アトピー性皮膚炎・アレルギーと妊娠・減感作療法
スギ花粉に時期に皮膚症状(皮膚炎、湿疹など)が悪化する場合がよくあります。最近は地図状で痒みが強いということなのでジンマシンと思われます。
現在ステロイド軟膏を使用しているとの事ですが、ステロイド軟膏は塗って症状が軽くなってきてからいかにうまく減量するかがポイントです。減量の仕方は個々の患者さんにより異なるので皮膚を拝見してからということになります。
プロトピック軟膏は免疫抑制薬です。顔などの赤みに良く用いられます。時に、つけると皮膚がぴりぴりすることがあります。ステロイド軟膏を減量したり、ステロイドが効きにくいときに用います。妊娠中は使用しません。
家族の方にアレルギーの方がいらっしゃるのであなたもアレルギーの体質があったと考えられます。
ご質問へのお答えを個々におこたえします。
Q1 疲労とストレスはアレルギー症状を誘発したり、増悪します。
Q2 皮膚の状態が悪い時に妊娠するのはあまりお勧めできません。しかし、そのような時に胎児に悪影響があるということは証明されていません。
Q3 妊娠後期に胎盤経由で胎児に移行するのは主にIgGと言う免疫グロブリンで其の役目は感染防御です。其の問題と妊婦の食生活とは別の問題です。
アレルギー体質の強い妊婦さんが食事制限をすると生まれてくる子供のアレルギーが抑えられるというデータもありますが。それはすべての妊婦に当てはまるものでは有りません。一般的にはリスクのある妊婦は一日に牛乳250ml(乳製品も加えて)、卵は卵製品も含めて一週間に3個というのが一つの目安です。
Q4 最新のデータでは赤ちゃんの生まれ月とアレルギーの関係が有るという報告もありますがまだ一般的とはいえません。
Q5 前述したようにステロイド外用薬は徐々に減量することがポイントです。しかしステロイドあくまでもは対症療法なので、減量の際にはアトピー性皮膚炎の原因について検討し、それらに対する対策を練っておかなければ、皮膚症状は再発し、ステロイド薬の減量は困難になるでしょう。
Q6 減感作療法で皮膚が悪化するかどうかは難しい問題です。一般的にはあまりおきませんが、敏感な方には起きる可能性は否定できません。これも直接拝見しないとなんともいえません。
Q1 5ヶ月の娘のこと、まだアトピーかどうかわかりませんが・・。
5ヶ月になる長女がいます。父親はアレルギー体質ではありませんが母親の私はアレルギー性鼻炎があります。
長女は1ヶ月頃から湿疹ができるようになり、はじめは乳児湿疹だと思って、実際かかっている病院でもそういわれ、アンダーム軟膏をもらってぬっていました。湿疹の部位は両頬、両肘関節内側、胸、おなかなど。入浴後に赤くなります。湿疹ではありませんが、腕や足にかさかさしている部分があります。かさかさしてる部分はしみのように色素沈着してるように見えます。
かかっている小児科で軽いステロイドの入った軟膏ももらい、湿疹がひどくなったときにはぬってますが、基本はアンダームとワセリンと市販のベビーローション、クリームをぬってます。
小児科では「まだアトピーともいえない、乳児湿疹かもしれない。アトピーだとしても軽度です。」といわれていますが、実際のところアトピーであれば食事も気をつけなければいけないだろうし、それに見合った治療も必要なのではないかと思います。それにかさかさしてる部分は何なのでしょうか?
ただの乾燥なのでしょうか?いろいろクリーム等ぬっていますが治る気配がありません。たいした事はなさそうな気もしますが他の赤ちゃんはすべすべの赤ちゃんらしい肌をしているのに、と思うと不憫になります。もし、診察していただけるならお伺いしたいのですが・・。それとも今のままで様子をみてもいいのでしょうか?
A1 アトピー性皮膚炎
皮膚の病変が湿疹で痒みが強く、アレルギー体質を持つ場合、これをアトピー性皮膚炎と呼びます。
お話しからするとごく軽いアトピー性皮膚炎かもしれません。皮膚の病変は直接見てみないと何とも言えない場合が多いのです。
入浴後に赤くなるのはある意味では当然の皮膚の反応です。入浴により皮膚温度が上がるため皮膚の血流が増加します。そのため皮膚が赤く見えます。もともとそこの皮膚が弱けければ、例えば乾燥肌とか軽い湿疹などがあれば、その部位はさらに赤みを増す場合が多いのです。このような場合には、冷たい水でしぼったおしぼりで皮膚を軽く拭いて、皮膚のほてりを取るだけでかなり症状は収まります。
お帰りによれば何種類かのお薬をつけているようですがそのうちどれかが合わない可能性もあります。特に秋に入り空気が乾燥し始めています。一般的にドライスキン(乾燥肌)はこの時期に悪くなりやすいといえます。よろしければ直接拝見したいと思います。
用賀アレルギークリニックのQ&Aシステムです。
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