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HOME | Q&Aシステム | カテゴリー別 13.妊娠とアレルギー Q1~Q50

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Q23 妊娠・授乳と花粉症のお薬

 
はじめまして。そちらで花粉症の治療をしたいのですが、授乳中はしない方がよろしいのでしょうか。
目のかゆみや鼻水の他に皮膚も腫れるほど酷いです(各年で症状が違う場合もあります)ちなみに昨年、妊娠していた時に飲み薬を処方されましたがききませんでした。
お忙しいところ、よろしくお願いします。
 

A23 妊娠・授乳と花粉症のお薬

 
 妊娠4週5日から7週末までは絶対過敏期と言って、受精、着床した受精卵が活発に細胞分裂し、臓器を形作っているので、お薬は基本的に使用しません。
 
 8週からは、妊婦さんでも使用できるお薬(抗ヒスタミン薬)はあるので、心配はいりません。これに対して点眼薬、点鼻薬は心配なく使用できます。
 皮膚症状がつらければ、外用薬(塗り薬)も使用できます。
 
 授乳期の注意は妊婦期に比べれば、ゆるくなります。かなりの種類のお薬(抗ヒスタミン薬)が使用できます。
 
 お困りであれば、予約が取れなくても拝見します。お早めにどうぞ。受付でそのようにおっしゃってください。
 


Q22 妊娠中の食物アレルゲンの除去の必要性

 
 お世話になります。
 
 もうすぐ妊娠28週になる妊婦です。私自身、喘息と花粉症があります。(パルミコートで管理中)主人も、検査したわけではありませんが花粉症とアトピー性皮膚炎のような症状が時々あります。夫婦とも明らかな食物のアレルギーは見られません。
 
 知り合いの医師に小児のアレルギーの先生がいて・・・・、
 
 『妊娠8カ月から子供が生後8カ月になるまで、卵と鶏肉は一切除去することが、子供のアレルギー発症予防に有効』とアドバイスされました。妊娠・授乳中に母親がアレルゲン除去をした場合としなかった場合を子供が3歳になるまで追跡調査したところ、明らかに発症の度合いに違いがあった。しかし、スウェーデンの研究結果では違いが明確に出なかったため、ガイドラインには載らなかったのだというお話でした。
 
 明確に効果が証明されているのであれば、ぜひ私も除去しようと思うのですが、インターネットで調べると、『妊娠後期・授乳中の食物制限は長期的予防に効果なし』(日本アレルギー学会・西間三馨医師)などの文献も多く、戸惑っています。実際のところ、どうなのでしょうか?
 
 アドバイスお願いします。
 

A22 妊娠とアレルギー

 
 このHPの病気知識の中の妊娠とアレルギーの項目をお読みください。
 
 20年前に、狂信的なグループが、妊婦の極端なたんぱく質の制限をすると生まれてくる赤ちゃんがアレルギーにならないという、考えに酔いしれ、保健婦さんを巻き込み、大変なブームになりました。
 しかし、この10数年のスウェーデンを中心とする疫学調査が行われ、それは否定されました。
 例えば、妊婦が不必要に牛乳摂取を中止すれば、赤ちゃんの骨はお母さんの歯や骨を溶かして作ることになり、母親の閉経期以後の骨そしょう症を悪化させる可能性があります。また、食べるということは、人間にとって、単に生きるために食べるだけではなく、食(しょく)という行為は人に、人であることの満足を与え、つらい事を乗り切る糧にもなります。妊娠というストレスの持つ妊婦に不必要な食物制限を強いることは誤っています。
 
 ただし、第1子が重症の食物アレルギーがあれば、次回の妊娠中は、牛乳は1日に250ー300ml、一方卵は控えめにして、製品も含め、週に2-3個までがお勧めです。私はそのようにしています。
 
 私は約35年間アレルギーの患者さんをケアーしていますが、妊婦がたんぱく質を摂取しなくても、お子さんがアトピー性皮膚炎の方は何人も拝見しています。(もちろん、そのような食生活でお子さんがアトピー性皮膚炎にならなかった方は来院されないわけですが!)
 
 アレルギー予防に大事なことは、生まれてからの生活環境(ハウスダストをへらす)ことと、正しい食生活です。また、呼吸器や皮膚症状が出たら、長引くときに専門医に早めに相談すればよいのです。
 


Q21 減感作療法について(妊娠・授乳中の場合)

 
こんにちは。10年以上花粉症(スギとヒノキ)に悩まされています。
一昨年、近所の病院で花粉の季節(2月~4月) だけ注射を打ったら特有の症状がピタっととまりとても楽に過ごすことができました。昨年はお腹に赤ちゃんがいたのと出産(3月)のため注射は辞めていて薬も飲みませんでした。驚いたことに昨年は何もしていないのに花粉症の症状が全くでませんでした。しかし、今年は例年通りクシャミ、鼻水、目の痒みに悩まされています。
 
先日、同じ病院で再度診てもらいまた注射を打つことになりました。(2週間おきに)薬は麻黄湯と葛根湯加川キュウシンイを処方されました。(赤ちゃんは11ヶ月でザジテンDSと白虎加人参湯エキス細粒を飲んでいます。)
授乳中でも問題がないと言ってはいるのですが、本当に大丈夫でしょうか?
 
また、この病院では花粉の季節以外に注射をうつように強く言われないのですが減感作療法を行なう場合、通常1~2年はかかるようですが途中で妊娠した場合は問題はないのでしょうか?
 
お返事お願い致します。
 

A21 減感作療法

 
通常、減感作は(1)季節前減感作(11-12月から毎週1ー2回の注射)、(2)季節中減感作 、(3)急速減感作(入院して15分おきに1日に合計20回注射する) の3つのやり方があります。もしも、効いたとすれば(2)かもしれません。
 
減感作は継続中の場合は妊婦になっても継続します。新規には開始しません。
 
妊娠は体の免疫に大きな変化を与えるので、アレルギーの病気がよくなったりまたは悪くなる場合があります。一般的にリウマチは妊娠により悪化する場合が多いのです。それ以外の病気は個人により異なります。
 
私は漢方医ではありませんので、断定的なことはなんともいえません。母乳には母親の摂取したもの(食べ物、お薬など)の数%が出てきます。一般的で安全な漢方ならば良いかもしれません。
 
花粉症は、その年に飛散する花粉量で症状は大きく変わります。平成17年は大飛散でした。昨年、18年は17年の十分の一の飛散量でした。そのため症状が軽かった人が多いのです。今年は昨年とほぼ同様の飛散量と予測されています。花粉お飛散量は今述べたように、その年に異なるため、薬の効果は、花粉飛散量もあわせて考えないと正しく判断できないのです。
 


Q20 妊婦と喘息薬

 
現在妊娠12週の妊婦です。
5年ほど前に喘息と診断され、フルタイドの吸入をしておりました。
その後引越し先の医師からの提案でパルミコートに切り替えて使用し、1ヶ月ごとに定期健診を受けておりましたが、調子も良く全く喘息症状が現れなくなったので、1年ほど前に医師と相談の上、ステロイド薬の吸入を止めて自宅で経過観察をしております。
ステロイドの吸入をやめて以降も喘息症状は現れておりません。
 
しかし、このたび妊娠し、風邪をきっかけにやや喘息のような症状が出始めました。
ステロイド吸入をやめて以降に転勤をしたため、現在の土地で喘息の病院にかかったことはありません。
以前、息子が喘息症状が出た際に永倉先生に勧めて頂いて、ネブライザーを購入していたため、インタール及びベネトリン(0.3ml)の吸入を自己判断でしてみようと思っています。(薬は自宅にあります)
尚、喘息の病院には、つわりなどの症状でなかなか通院できない状況です。
 
そこでお尋ねしたいのですが、インタール及びベネトリンを妊婦が使用するのは問題ないのでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。
 

A20 妊娠と喘息

 
 HPの病気の説明の中の、妊娠とアレルギーの項目(対話形式です)をお読みください。お役に立つでしょう。
 今は、予防ということであれば、基本的にはインタール飲みの吸入(1日2-3回)でよいでしょう。ゼイゼイや咳がひどくなったらそのときはベネトリンを0.3ml 追加します。
 そのような状態がすぐにとまらないときは、パルミコート吸入に直ちに切り替えます。
 吸入ステロイドは妊婦さんにとり安全なお薬です。ご心配なく。(その際は再度、ご質問ください。)
 


Q19 妊娠による体質の変化

 
 去年の10月半ばに妊娠をし、その頃からおでことこめかみの辺りに赤みと、痒みが出はじめました。髪の毛が触れたりすると痒いです。現在は手湿疹もあります。
 結局流産したのですが、現在もステロイドを使わないと赤み、かゆみ、湿疹(?)が出てしまいます。
 キンダーム(だと思うのですが)を25倍に薄めたものを使っています。
 それと、6日ほど前から「ソンバーユ」という馬油100%のものを使用中です。 人の皮下脂肪に成分組成が近似しており、自然治癒力を高める働きがあります 
 とのことで、ああらゆる症状を改善しやすくさせるそうです。 実際、母親が顔のかさつき、痒みがひどくかった時に保湿剤などを使用しても治らなかった状態が改善されたとのことだったので、私も使い始めました。
 ソンバーユを使い始めた時にはステロイドで完全に顔の症状が良くなっている状態だったので、ステロイドはとりあえず中止して、ソンバーユのみで使っていましたが、5日目(昨日)から少しづつ症状が戻ってしまいました。
 なので、今日からはソンバーユとステロイドの併用(使い方は確認しました)を開始し、今後は永倉先生のステロイドの減量法を実践していこうと思っているのですが、 妊娠したことによっての体質の変化の場合には、
 ずっとこの体質と付き合っていかなければいけないのでしょうか?
 
 それと、妊娠前からなのですが、1年ほど前から、口唇、口周り(鼻の下から下唇のあたりまで)が、食べ物の接触(しょうゆ、ドレッシング、など、 あまり確定するものは無いのですが)で赤み、かゆみ、がでて、
 黄色い液が出てきたりします。赤みには境界線ができます。ステロイドを付けると2日くらいでよくなります。
 何件か診察してもらったのですが、診断がまちまちで 原因はよくわからないからとりあえずステロイドで様子をみる だったり、ヘルペス、カンジダ、 と言われたり、両方とも違うだろう といわれたり。
 カンジダ 2週間 ヘルペス1週間 治療をしましたが改善がみられないので自己判断でやめました。ヘルペスのような水泡はなかったのと、あまり先生が信頼できないこともあったので。
 
 本当は永倉先生のところで診察していただきたいのですが,休診日が一緒のため伺えないのでメールでの診断をお願い致します。
 

A19 妊娠とアレルギー

 
(1)妊娠は女性の体にとって、大きな変化です。
 
内分泌系に及ぼす影響はもちろんのこと、免疫系に与える影響も大きいのです。
 
アレルギーの病気の中でリウマチは妊娠するとかなの方が悪化します。アトピー性皮膚炎、喘息は良くなったり、悪くなったりケースバイケースです。
 
妊娠に限らず、成人喘息の1-2割は月経喘息といいって、生理の1週間くらい前に、他に原因が無いのに、突然に喘息発作が起こることがあります。
 アトピー性皮膚炎やジンマシンでも同様のことが起こることも少なくありません。
 今後どのように体質が変化するかは残念ながら予測する方法はありません。経過をみて、万一悪化するようであれば、放置しないで早めに対処する必要があります。
 
(2) 民間療法
 
保健薬は基本的に偽薬との比較試験、これを二重盲検法といいますが、これを行っていません。
臨床薬理学の標識ですが、二重盲検法を行うと偽薬でも、20-30%は症状が軽くなることが知られています。これは何らかの治療を行っていると人間の体に備わっている自然治癒力が刺激され、そのようなことが起きると考えられています。この現象は抗がん剤 ですら一般的に見られる現象です。
 したがって民間薬は試して、症状が軽くなれば、しめたもの(ラッキー!)と考えたほうが良いでしょう。
 
 馬油はあなたには合わなかったのです。(もちろん合うヒトもいます!)
 
(3)口唇周囲の炎症は単なる、アクカブレまたは塩カブレ、そうでなければ食物アレルギー(この可能性は低いのですが、一応挙げときます)でしょう。
その皮膚炎に感染を起こして、黄色い液(化膿?)が出るのでしょう。
 
(4)ステロイドの減量
一定まで薄めたら、隔日、1投2休、1投3休みなどとする方法もお試しです。
 
(5)第2,4,5の土曜日は午後も診察していますが?
 
1/7 お礼メール
すばやい返答ありがとうございました。
 
人によって妊娠とは体に大きな影響を残してしまうものなのですね・・・。
とりあえず、ステロイドで炎症を抑え減量、間隔をあけての使用で少しづつ減らして様子をみてみます。 
馬油は保湿剤として使用してみます。 口周りの炎症は馬油を付けてると液(膿)が出ないですし、ステロイドを使わないでも赤みが取れてきているので、口には合っているようです。
 
診察していただきたいのですが、残念ながら土曜の午後も仕事なのです・・・。
悪化してしまった時には仕事の都合をつけてお願いしたいと思いますのでその時にはよろしくお願いいたします。 
 


Q18 犬アレルギーの母体の胎児に与える影響について

 
初めてご質問させていただきます。私は去年の春から秋にかけて鼻水が止まらず、アレルギーと思い、血液検査をしました。そのときに、ホコリ、ダニ、カビに高い反応(6段階で5と6)を示し、あと、犬のヒフ、フケには若干反応がありました。(6段階で2)私の家にはは20年近く犬がおり、ここ10年は中型犬(柴犬)を室内飼いしていました。
私は犬を大変かわいがって、いつもそばにいましたが、犬のせいで症状が出たという認識はありませんでした。
そのうち冬になり、鼻水もあまりでなくなりました。なので鼻水が止まらなかった理由は正確にははわかりませんでした。
 
今年の4月に結婚し・転居し、子作りを計画中です。夜に少し鼻が詰まるのを除いては、アレルギー症状(小さいころから目頭がとてもかゆくなります)はあまりありません。しかし、近々小型犬(ミニチュアダックス)をもらうことになりました。私は、小さいころアトピーで、主人は喘息でした。
犬を室内飼いすることは、これからできる子供のことを考えると不安だったのですが、リスクや対策を学んだ上で飼うことを決心しました。
 
しかし、気になるのは、私が犬アレルギーであるということです。妊娠して胎児が身体の中にいるときに、犬アレルギーの私が犬のそばにいていいのでしょうか。いつも抗原にさらされていると思うと心配になります。胎児に与える影響はあるのでしょうか。
 
自分なりに調べたのですが、なかなかそのような情報がありません。胎児に与える影響と、注意点についてお教えください。どうかよろしくお願い致します。
 

A18 犬アレルギー

 
(1)直接の影響はまずありません。
 
(2)問題は、お子さんから見てご両親にアレルギー体質があるので、何らかのアレルギー遺伝子を受け継ぐ可能性はかなり高いでしょう。ただし、遺伝だけではアレルギーは起きません。例えばDNAはまったく同じ人間である一卵性双生児でも両方が喘息である組み合わせは、理論的には100%ですが、この半世紀の世界中のデータを見ても、50-60%しかありません。このことはアレルギーは遺伝子だけでなく、環境因子が関与する部分が大きいことを示しています。
 
 従って、問題は生まれてからの生活環境、言い換えればペットがお子さんに影響するかもしれないという可能性はあります。しかし、必ずペットアレルギーは出るわけではありません。その確率が高いだけです。これをどのようにかんがえるかは、それぞれの方たちのお考えです。
 私自身は犬派です。昔、紀州犬を飼っていました。いまも可能ならシェパードを飼いたいのです。ですから犬好きの人たちの事はよくわかります。
 
 このQ&Aの中のペットアレルギーの項目をお読みください。ペットと生活してなんともない方もいますが、何らかの症状が出てしまう方もいます。アレルギー体質の方がペットを飼う事ははロシアンルーレットにもたとえられます。この辺を頭に置いた上で、決定されてはいかがですか。
 
 数年前に、アメリカの論文で、ある遺伝子を持った方たちは、ネコアレルギーが消えてゆくという論文を発表しました。世界中で大反響を呼び、追試験が行われていますが、これを支持するデータはまだありません。ペットと生活していると、だんだんペットアレルギーは消えてきたという方の話は時に耳にしますが、医学的データはまだありません。
 
 というわけで、医師としてはなんともいえないのです。以上のことを頭に置いた上で、ご夫婦でよく相談されてはいかがですか。
 
6/23 お礼メール
ご多忙のところ、迅速に回答頂き、感謝しております。
詳しく教えていただき、とても参考になりました。特に、私が妊娠中に犬と接していても胎児に問題がないということを知り、安心しました。
 
やはりアレルギー体質で生まれる可能性がとても高いので、ホコリ・ダニに十分気をつけなければと思うと、室内で買うことに不安は残ります。周囲からも反対されています。主人とよく考えていきたいと思います。
 
本当にありがとうございました。
 


Q17 蕁麻疹と妊娠

 
ご無沙汰しております。以前蕁麻疹が出るためそちらに通っていたKです。
今現在もアレジオンを飲んでますが、2日おきに飲むという感じで、以前よりは薬を飲む日の間隔があけられるようになりました。
アメリカ留学後(サンディエゴです)日本に今はいますが、宮城にいます。なので、そちらには行けそうもないので、こちらにメールします。お忙しいと思いますが、ご回答宜しくお願いいたします。
 
蕁麻疹が出るので体質改善にアレジオン10ミリを2日おきくらいに飲んでいます。
現在妊娠しています。3~4週目です。
HPの質問のところで見たのですが、4~8週目の間は飲まないほうがいいと書いてありました。
できるだけ薬は飲みたくないのですが、飲まないと痒くなります。
もしその間に痒くなってもやはり飲まないほうがいいのでしょうか?
他に代わりになる(お腹の子に影響しない)薬というのは、あるのでしょうか?
産婦人科の先生には、「薬を飲まないで体に症状が出ている方がいけないので、量を減らして飲んでください。」とは言われましたが、心配です。
そちらに伺うことができるのであれば、行って相談したかったのですが、東京に住んでいないため難しいです。
今困っているので、何かアドバイスを頂けたらと思ってメールしました。
ご回答宜しくお願い致します。
 

A17 妊娠と内服薬

 
お問い合わせの期間は内服薬は避けるのが基本です。しかし、蕁麻疹がどうしてもひどくて耐えられなければ、Chrolpheniramine という抗ヒスタミン(Antihistamine)が良いかもしれません。それでもだめなときは predonisolone というステロイド薬もいざというときに使用できるかもしれません。これらは米国のNIHから出ているアレルギー妊婦の薬物治療という項目に掲載されています。Ketitifen という抗ヒスタミン薬も日本でやむを得ないときは使用されているようです。
 


Q16 妊娠を希望しています

 
はじめまして。
慢性蕁麻疹になり、10ヶ月ぐらいたちます。
現在、アレジオンとゼスランを服用しており、薬を飲んでれば痒くはなりません。
しかし、薬を一日でもやめると痒いです(全身です)。
 
以前から、二人目を希望してるのですが、妊娠中、薬をやめることは不可能です(痒くて耐えられそうにありません)。でも、薬を服用することは、出産するまでずっと不安と闘うことになると思います。そう思うと、なかなか子供をつくることができないのです。
 
先生からは「蕁麻疹を治してから、子供をつくって下さい」と言われましたが、いつ治るのか先が見えなくて、イライラしてる状態です。何かいいアドバイスをお願いできればと思い、ご相談させていただきました。このように定期的に薬を服用している人は、子供はつくらないほうがいいのでしょうか?
 

A16 妊娠とじんましん

 
妊娠4週から7周末までは、受精卵が積極的に細胞分裂をしているために、薬剤の影響が出やすく、この期間は薬を飲まないことが原則です。
 
現在のお薬を飲んでいれば、じんましんがコントロールされているということですが、お薬をすると再発する場合には、薬の組み合わせを変えると良いかもしれません。
 
抗ヒスタミン薬は30種類以上ありますので、いろいろ組み合わせを代え症状を抑え、そのお薬を減量していくとうまく離脱できる場合もよく見られます。
 
一方、アメリカのNIH[のガイドラインでは、古くから使用されている抗ヒスタミン薬であるポララミンは妊婦にも使っても問題がないというふうにされています。また、ザジテンというお薬も妊婦には問題がまずないというようにいわれています。
 
対策としては、もし次回の妊娠までに時間的余裕があれば、抗ヒスタミン薬の組み合わせを変えて、減量しても症状が抑えられるかどうかをチェックする。第二の方法としては内服薬を中止し、症状が出た場合にはポララミンを使ってなんとかしのぎをという方法でしょう。
 
いずれにせよ、妊婦の薬剤管理に慣れたアレルギー専門医とご相談されることがよいでしょう。
 


Q15 アレルギー性結膜炎と妊娠

 
通年性のアレルギー性結膜炎にて目薬を使用しているのですが完全に症状は治まりません。眼に充血、痛みがひどくなる為、点眼薬はかかせないのですが妊娠も希望しております。眼薬は2日も使用せずにいると充血、かゆみが出現し我慢できません。
 
又2~4月はスギ花粉症持ちで眼の症状どころか鼻にも重症の症状が出て内服治療しています。このように点眼薬を手放せない状況で、妊娠した際の事を考えると不安で仕方ありません。このような場合、どうしたら良いかアドバイス下さい。
 

A15 妊婦のアレルギー性結膜炎の治療

 
妊娠4週から7週末までは、受精卵が薬物に過敏に反応するために、よほど特殊な場合でない限りは、内服薬は控えるというのが原則です。
 
おそらくあなたの妊娠中であるということから、内服薬を使用しないで点眼薬で治療されているのだと思います。
 
このような場合には、以下のような点が対策としてあげられます。
 
1 現在使用中の抗アレルギー薬の点眼薬を、別の種類のものに変えてみる。
 
2 妊娠7週以降であれば、アメリカのガイドラインでも、その使用が認められている, ポララミンという古くから使用されている抗ヒスタミン薬を内服する。
 
※ポララミンは古くから使われている抗ヒスタミン薬で、乳幼児にも使うため、妊婦にとってもまず安全なお薬といえます。しかし最大の欠点は、眠くなることです。
 
3 内服薬を使用したくないということであれば、ステロイドの点眼薬がお勧めです。
 
ステロイドは妊婦さんには安全な薬のひとつです。アレルギーの代表的疾患であるぜんそくの場合、妊婦のぜんそくが重症になった場合には、吸入ステロイド薬や、内服のステロイド薬を使用します。ですからごく少量を点眼薬として目に使用してもまず問題はありません。ただその場合には、長期に使用すると眼圧が上がる可能性があるので、ご心配であれば定期的に眼科で眼圧を図ってもらうとよいでしょう。
 
9/24 お礼&質問メール
先生、ご回答有難うございます。
私はまだ妊娠はしていないのですが、これから妊娠を希望しております。2~4月の重症のスギ花粉の時期は、眼と鼻の両方に症状が強くでる為、先生にアドバイス頂いた様に状態がひど過ぎる場合、ポララミン内服可能との事で安心しました。なるべく2~4月が妊娠初期にあたらない様すれば良いですよね?
 
又、それ以外の時期は眼のみアレルギーの症状がでる為点眼薬のみ使用しているのですが、妊娠中は点眼薬はOKとの事ですが妊娠の全期間中、点眼薬を使い続けてもよいのでしょうか?
ステロイド点眼薬は先生に教えて頂きました通り、眼圧が上がってしまう為良くないそうなので使用は最小にしていこうと思っているのですが抗アレルギー薬の点眼薬の妊娠の全期間中の使用が良いのかわからず妊娠に踏み切れずにいます。
 
妊娠した場合の事を考えると心配で、点眼薬の使用を試しにやめてみた所、数日後症状が悪化してしまいます。このまま妊娠した場合もきっと使用し続けなければならない状態です。
 
もう一つ質問なのですが先生にアドバイス頂いた『 現在使用中の抗アレルギー薬の点眼薬を、別の種類のものに変えてみる』というのは今現在、使用している点眼薬が合っていないという事なのでしょうか?
 
多々質問してしまいましたが、どうぞ宜しくお願い致します。
 
9/29 回答メール
妊娠中のアレルギー性結膜炎の点眼薬
 
一般的には抗アレルギー薬の点眼薬ならどれも問題はないと思われます。その中でも使用されている年数が長いインタールは、最も安全なものとして考えらているでしょう。しかしながらこれ以外のアレルギー薬(たとえばザジテン、ケトテンなど)の点眼薬でもまず問題はないと考えられます。
 
妊婦に限らず、あるものが合わないと考えたら別の種類のものに代えてみるのもひとつの方法です。製薬メーカーによって同じ抗アレルギー薬でも多少お薬の構造に差があったり、成分に差があるために、その効果に多少の差が出るのはよくある現象です。ご婦人の化粧品(たとえばルージュ)と同じで、それぞれの個人がお試しいただき、合うものをお使いなればよいのです。
 
抗アレルギー薬の点眼薬を連日使い、それでもどうしても、つらい的にときどき(週1-2回)ステロイドの点眼薬をレスキュー的に使用するのは、まず問題はないと思われます。
 
ステロイドの点眼薬は時々使ってくらいでは眼圧はありません。継続的、たとえば1日2回を2ヶ月継続するなど、の使用方法は要注意です。
 


Q14 慢性じんましん

 
はじめまして。忙しい中申し訳ありませんが、質問にご回答していただければ幸いです。
 
現在、私は25歳で会社員をしています。
仕事を3年前にし始めてから蕁麻疹が足や腕に出始めました。
昔から軽いアトピー性皮膚炎で、皮膚が弱く皮膚科にも何度も通っていました。
 
2年前に帯状疱疹がきっかけで、現在の皮膚科に通院するようになり、蕁麻疹のことを話すと「人工じんましん」との診断で「ジルテック10mg」が処方になりました。薬の副作用はありません。それから、毎日夜1錠飲んでいました。ですが、「いつまで飲み続けるんだろう・・・。」と不安になったのと、将来子供がほしくなったときのために早くやめたいと思い、半年前からは、ジルテックを半分に切って飲んでいます。それから現在まで、蕁麻疹は落ち着いています。ただ、やはり24時間後くらいには、ぽつぽつと頬や腕の付け根などに出てきます。
 
ジルテックを半分に切ったのは、徐々になくてしていきたいと考えたからなんですが、ちゃんと1錠飲んで、1日あけて飲むようにするなど時間を徐々に延ばしていく方法がいいのでしょうか。
半分に切って、そのあと4分の1に切って、徐々に小さくしていくといった方法は効果がないのでしょうか。ちなみに、一度1日おきという方法にチャレンジしたのですが、目の周りに出たこともあり怖くなってやめてしまいました。そして、皮膚科の先生にいつやめられるか聞いたところ「治ったら。」という言葉だったので自分でどうにかするしかない、と思ってしまいました。田舎なので、頼りになる病院もなくとても不安でなりません。よろしくお願いいたします。
 

A14 じんましんと妊婦

 
一般的には妊娠4週から7周末までは絶対過敏時期と呼ばれて、受精卵が薬物刺激に対して非常に過敏な状態にあります。
 
したがってこの時期の薬物の内薬は避けることが原則です。
 
この時期を過ぎて、どうしても薬が必要な場合には、抗ヒスタミン薬の中では、ポララミンなどが妊婦にも使えるとされています。
 
一方、現在の治療をジルテックだけに固執しないで、別の抗ヒスタミン薬に切り替えることもひとつの方法です。
 
ジルテック以外にも各種の抗ヒスタミン薬がありますので、それに変更してじんましんがおさまった段階で薬を減量していくという方法があります。Aというお薬で減量できなくても、Bというお薬に替えてうまく減量、離脱できる場合も少なくありません。
 
このような場合には、各種の抗ヒスタミン薬の使用に慣れているアレルギー専門医と相談するのが良いかもしれません。
 


Q13 妊娠について

 
約3年前に急性じんましんが出てその時は病院に行って「アレジオン20」をもらいすぐに治りました。
ところが昨年(平成16年)の10月よりまた痒くなり、アレジオン20を飲み続けています。今も飲まないととてもじゃないですが我慢出来ない状態です。
慢性じんましんになってしまいました。今、4歳の子供がいるのですがそろそろ二人目を・・・。と考えています。
妊娠していても大丈夫なお薬はないものでしょうか?今のアレジオン20は一日一錠毎日飲んでいます。一日飲まなくても我慢できるのですが
二日飲まないと夜中に目覚める程かなりの痒みがあるので薬を止める事は出来そうもありませんので。よろしくお願い致します。
 

A13 妊娠とお薬

 
医学的には妊娠4週から7周末までは、受精卵が活発に細胞分裂しているために、お薬の影響が最もでやすいため、お薬の内服は基本的にお勧めできません。
 
これ以外の時期にはお薬を使わなければ、妊婦の日常生活に非常にさしさわるとか、妊娠の継続に支障が出るという場合には、注意して経験的に安全といわれるお薬を選択していきます。
ですから慣れた産婦人科の先生は、妊婦さんが妊娠中にひどい風邪を引きこじらせると必要に応じてお薬を処方しています。
 
じんましんの場合には、どうしても内服約を使用するとしたならば、経験的に安全とされているクロールフェニラミン(ポララミン)というお薬や、ケトチフェン(ザジテン)というお薬を使用する場合もあります。
 
基本的には内服薬を使用する必要がなければ、レスタミン軟膏などの抗ヒスタミン軟膏
などを塗ってゆくことになります。
 
じんましんが非常に重症の場合には半年なり1年の期限を決めて、集中的にじんましんの治療を行い、なんとかコントロールできる方法を考える場合もあります。
 
妊婦さんのお薬の治療による妊娠中の管理は、これに慣れた専門医と相談することがよろしいと思われます。
 


Q12 妊娠と蕁麻疹について

 
私の家内のことについて相談したいのですが(33歳)、昨年から不妊治療を行い今年3月に妊娠が確認されました。現在3週程度の週数ですが妊娠した時期頃から蕁麻疹が出現しています。
 
現在は近医(皮膚科/産婦人科)のアドバイスもあり抗ヒ剤(レスタミンコーワ)の塗布で現状をしのいでいます。連日痒みに悩まされています。胎児への副作用を考慮すると選択肢は限られてしまうのですが、何か御一考頂ければと思い送信します。
 

A12 妊娠と薬

 
薬による催奇形性はその投与時期が問題となります。一般的には妊娠時期を次の4つに分けて考えているようです。
 
(1)
妊娠0週から妊娠3週6日
この時期に投与された薬により奇形が引き起こされる可能性はないとされています。この時期への胚へのダメージは胚を流産させてしまうか、またはダメージが完全に修復されて健常児として出生するかのいずれのスタイルをとる(All or None 法則)といわれています。

(2)
妊娠4週5日から妊娠6週末までは絶対過敏時期といわれています。この時期の範囲は催奇形因子に対して敏感と考えられています。ですから薬物投与は細心の注意をもって行うべきでしょう。またすでに服用してしまった薬に対するコンサルテーションの際には慎重な態度が求められます。

(3)
妊娠8周から妊娠中15週末までは相対過敏時期といわれています。この時期は主要器官の分化は完了していますが、口唇、口蓋の分化は続くとされています。したがって女児を妊娠している妊婦に、誤って男性ホルモンが投与された場合などは、害性器の外性器の男性化が起こりうるとされています。

(4)
妊娠中6周以降分娩まで。この時期には気管の分化は終了し奇形は起こり得ないとされていますこの時期に薬による問題が起こるとすれば薬による胎児機能障害が考えられます。

以上の出典は医学書院・総合診療ブックス、妊婦、更年期患者が一般外来にきたとき 20の診察ナビゲーション 青木誠、松原茂樹編、1999です。

さてアレルギーの患者さんの妊娠中の管理については、私が参考にしているのは、妊娠中の喘息管理ガイドライン、NIHの日本語版、ライフサイエンス、1994年、翻訳・監修井上洋西、です。

これによれば11ページに妊娠中に使用するのに好ましい喘息合併症の治療薬とその投与量という表があります。この中で抗ヒスタミン薬はクロールフェニラミンが、アメリカの場合では4mg錠を4回1日4回まで経口投与が可能とされています。また徐放剤の場合には8-12mgを 1日2回が可能とされています。この量はアメリカの量なので日本人の場合にはやや減量して用いるべきと思われます。

以上の2つの視点を参考にしても私内服薬を使いなるときには、時期を選び、クロールフェニラミン(ポララミン)を注意してお使いなるのが良いかもしれません。

または同じ表にプレドニソロンについてもその使用が可能とされています。喘息が活動期症状で症状がコントロールできない場合には1日40mgの1週間投与、そしてその後、テーパリングしていくという使用方法が勧められていますので、これを蕁麻疹に応用してもよいでしょう。

以上の2つの視点を参考にして、症状がひどくどうしても内服薬を使いなるときには、時期を選び、薬剤を選択されればよいでしょう。

外用薬の使用はレスタミン軟膏で治らないときは、ステロイド外用薬を使用されるとよいでしょう。
尚、ステロイド外用薬は妊婦さんに使用してまず問題はありません。当クリニックでも重症のアトピー性皮膚炎の妊婦さんをステロイドの外用薬のみでコントロールして、無事に出産しているケースは多数あります。
以上を参考にしてご検討いただくとよいでしょう。
 


Q11 授乳中の服薬について

 
どこでもはっきりしたことが分からず、大変困っています。どうか教えてください。
出産後(H16・11月)約2週間で、顔を除くほぼ全身に強いかゆみをともなう湿疹がでました。また、目や耳にも炎症がでました。
 
皮膚科を受診したところ、「多分産後のホルモンの変化による湿疹」といわれ、アレグラとプレドニンを処方されました。また、アンテベートとパスタロンソフトも塗るように言われました。授乳しても大丈夫かどうかきいたところ、「全哺乳量の3分の1以下なら大丈夫」といわれました。
 
母乳をミルクに代え、量をおさえて母乳を与えたものの、母乳の実際の哺乳量はよく分からないため心配でした。また、母乳が飲めないとひどく泣かれるので、つい多めに与えてしまったこともありました。湿疹はいったんおさまったものの、最近(1月)今度は顔や首に出始めて、またアレグラを飲むことになりました。しかし、母乳への影響が心配で、飲むのを控えがちです。
アレグラや上記の塗り薬の母乳への影響を教えてください。たとえば、薬の成分が入った母乳を赤ちゃんが飲んだ場合、どんな悪影響があるのでしょうか。
また、私のような体質の母親の母乳は、あまり性質がよくないのでしょうか。こういう体質の人間は、母乳育児をやめたほうがよいのでしょうか。
 

A11 妊娠、授乳の際の母親のお薬

 
1 妊婦の場合、妊娠4週5日から妊娠7週末までは母親の内服薬は要注意です。この期間中でも塗り薬はまず問題ありません。その後は抗がん剤などでなければ、ケースバイケースです。例えばこの時期(妊娠4週5日から妊娠7週末)以降に妊婦さんに必要があれば、安全な抗生剤を使用したりすることもあります。
 
2 母乳には母親の摂取したものの一部が出ます。アレグラは安全な薬ですが、まだ国内での使用は3-4年のため、乳児についてのデータがありません。ジンマシンや、皮膚炎の痒みどめ(抗ヒスタミン薬)としてはポララミンというお薬は妊婦さんでも安全なことfが分っていますので、授乳中でも使用できるでしょう。このポララミンは乳児でも鼻つまり、鼻水などに使用されます。但し眠くなりやすいという問題がありますが。
 
3 内服薬が心配なときには塗り薬が良いでしょう。特にジンマシンにはレスタミン軟膏、湿疹であればステロイド軟膏は心配無しに使えます。
 
4 基本的には母乳栄養をお勧めしますが、やめたほうが良いときには人工栄養に切り替えます。母乳栄養の目的は、(1)初乳を飲ませること。 (2)母児関係の育成です。これは3-4ヶ月母乳栄養ならば、大丈夫とされています。
 
1/31 お礼メール
早速の丁寧なご回答ありがとうございました。
アレグラはまだ乳児への影響のデータがないということでしたが少し飲ませてしまったのでとても心配です。
もし、データがでましたらぜひ情報をご紹介いただければと思います。
今後も何度も湿疹を繰り返しそうですがこどものためにも我慢してがんばっていこうと思います。
ほんとうにありがとうございました。
 


Q10 妊婦の蕁麻疹について

 
妊娠7ヶ月に入ったころに蚊に刺されました。
両足首周辺に4箇所と左手の甲に1箇所。そこを起点として蚊の腫れより3日後ぐらいから湿疹に変わってきました。異常な痒みと赤い腫れに不安になり産婦人科に連絡したところ皮膚科に行くように勧められました。
 
皮膚科では蕁麻疹になっていると言われ妊婦と言うこともあり塗り薬にアンダーム軟膏とリンデロンVGを処方されました。それからその塗り薬で1週間ほど様子を見たのですがどんどん広がって、夜も寝られないほどになってきたので産婦人科に行きました。
 
産婦人科では妊娠によりアレルギー過敏になっていることから来る蕁麻疹だけれども、かなりひどいので注射をすることになり、また内服薬も2種類もらいました。それから、毎日のように注射と点滴も受けていますが、蕁麻疹の発疹の赤みはなかなか引かず、また手先・足先に強烈に痒みがぶり返します。
 
産婦人科の先生ももう一度皮膚科に見てもらったほうがいいかもしれないと言います。妊婦と言うこともあり普通の投薬量よりも減らしているから効き目が低いのかもしれないがともいいますが、お腹の赤ちゃんへの影響も心配です。このまま出産まで痒みを我慢したほうがお腹の赤ちゃんにはいいのか、産婦人科や皮膚科で投薬治療を受け続けていいのか分からなくなってきたのでアドバイスをお願いします。
 

A10 妊娠中のアレルギー患者さんの薬物療法

 
米国ではアレルギーを持つ妊婦さんの薬物治療についてガイドライン(文献1)が出ています。私もそれを参考にしています。このお答えは以下の文献と経験を元にお答えしています。
 
文献
 
(1)妊娠中の喘息のガイドライン(Executive Summary, Management of asthma during pregnacy, NIH Publication No.93-3279A, March 1993.
 
(2)妊婦、更年期患者が一般外来に来たとき、20の診察ナビゲーション。編集;青木誠、松原茂樹、医学書院、1999年。
 
喘息をはじめとして皮膚、目、鼻などのアレルギー疾患について、妊婦さんにどうしても必要な薬物を使用する場合、第一に気をつけることは、妊娠4週5日から7週末までに時期です。この時期は受精卵が活発に細胞分裂しているため薬は避けるべきです(文献2、15ページ)。この時期は気付かない時期(次の生理が来ないかしらという時期)なのでアレルギーに限らず慢性の病気で薬をやむを得ず使用している方は、普段から主治医と受胎のタイミングについて、よく相談しておくべきでしょう。パートナーにもこの点をよく理解しておいてもらうことはいうまでもありません。
 
この妊娠4週5日-7週末の時期を過ぎれば、アレルギー疾患にもっとも安全に使用できるのがステロイドです。皆さんはステロイドというとすぐ顔をしかめ、心配そうなお顔をされます。しかし、ステロイドは私たちの体の中で、産生されている生命維持に必要不可欠なホルモンです。吸入ステロイドは喘息の妊婦に安全に使用され、其の場合の第一選択と考えられています。私も妊婦さんに使用しています。妊娠中の喘息が急に悪化したときはステロイドの1種のプレドニソロン(プレドニン)を1-2週間、内服使用する場合があります(文献2)。重症のジンマシンの場合も同じと考えてよいでしょう。
 
ジンマシンやアレルギー性鼻炎でよく使用される抗ヒスタミン薬は昔から使用されているクロールフェニラミン(ポララミン、アレルギン など)はまず安全に使用できるとされています(文献1、 11ページ)。言い換えれば胎児への副作用の報告がまずないからと考えられます。
 
私の外来でも重症のアトピセー性皮膚炎の妊婦さんの場合、ステロイド外用薬で何とか乗り切った場合も複数あります。胎児が7ヶ月であれば体の各臓器はかなり出来上がっています。多少のステロイド、抗ヒスタミン薬はまず心配なくご使用できると思われます。あなたの場合、妊婦さんの管理になれた専門医(何科でもよい)とご相談になるとよいでしょう。
7/5 お礼メール&質問メール
お忙しい中、回答メールを下さりありがとうございます。薬については、すこし安心できたように思います。現在も湿疹と痒みが続いていますが、あれから大阪の労災病院の皮膚科を紹介してもらい診察してもらってきました。診察では、多形紅斑とアトピーが混ざった形で湿疹になっているといわれました。それに加えて足と顔のむくみがひどくなってきている状態です。あまり、きつい投薬も出来ないとのことで出産までの我慢と言う感じになりそうです。むくみはどうやって取ったらいいのか分からないので大人しくしていますが、これもアレルギー体質だからなのでしょうか?もし、またお時間がございましたらお返事いただけると嬉しいです。
 
7/7 回答メール
むくみ
むくみはアレルギーと直接関係はありません。但し、体の炎症があれば、その結果、その部位の組織の循環不全が起きてむくみが出ると考えられます。 まず、現在の基礎疾患をきちんと直すことがむくみの治療の早道でしょう。また、妊娠に伴うむくみであれば産科の先生とご相談いただくことが、もっとも良いでしょう。 
 


Q9 妊娠とアレルギー

 
永倉先生、お疲れ様です!
HP探しまわって、永倉先生のHPにたどり着きました。
どうぞ宜しくお願い致します。
 
○現在36歳の女性です。
○アレルギー&蕁麻疹歴は3年。
○主に夜、蕁麻疹が出ます。(昼間に蕁麻疹が出ることはあまり無いです)
○胃の調子が悪いと蕁麻疹が出やすく、胃くすりを飲んでいると蕁麻疹はあまり出ません。
○蕁麻疹は最初赤いのがポツポツと出始め、痒くても我慢していると体が火で焼かれているような感じになり、我慢できずに掻いてしまうと、今度はミミズ腫れになり痒みが全身に飛び火し、結局、体中かゆくなり、全身ミミズ腫れになります。
○食べ物に関しては、同じものを食べて、蕁麻疹が出る時と出ない時があり、食物アレルギーかどうかは判断出来ません。
 
私の症状としては上記なのですが、お聞きしたいのは、これから子供を作るとして、アレルギーは遺伝するのか?もし遺伝する可能性が高いのなら、なるべく遺伝させない方法や注意があれば、是非!教えて頂きたいのです。
 
また、妊娠中は子供がアレルギー体質になるのを避ける為に大豆・牛乳・卵はなるべく撮らない方が良いとかなりのHPで紹介されているのですが、信憑性はありますか?
 
宜しくお願い致します。
 

A9 じんましんおよび妊婦の食生活

 
(1)お話しから判断すると、あなたのじんましんは体質性じんましんの可能性があります。その理由のひとつは夜間に出やすいということです。人間のバイオリズムは正午に最高で、真也から夜明けが最低となります。夕方は折り返し地点というわけです。
 
1日お仕事をしてその疲れが出てくる7ー8時ころ出てくるタイプとくに帰宅したころから出るものは体質性じんましんが多いといえます。アレルギーの病気はそのバイオリズムが低下したときに出やすいのです。
 
たとえばぜんそく発作は一般的に夜間とくに深夜から夜明けに悪くなることが多いのも同じ理由です。
 
さてあなたの話、もう1つ興味深いのは胃薬を飲むとじんましんが出にくいという点です。このようなタイプの胃薬を飲んでいるのでしょうか。近年薬局でも使えるようになったガスターという薬は、H1ブロッカーと呼ばれるものです。何をブロックするかというとヒスタミンという物質の働きをブロックします。じんましんに一般的に使われるお薬はH 1ブロッカーと呼ばれるものです。
 
少し難しくなりますが、体の中にあるヒスタミンという物質は、H 1という部分が働くとアレルギーの病気が起きやすくなります。H2という部分が働くと胃炎や胃潰瘍になります。
 
一般的にはじんましんには1にブロッカーは効きませんが、何%の方はなんとH2ブロッカーつまり胃薬を飲むとじんましんがおさまります。ひょっとするとその形かもしれません。
 
私のクリニックには、さまざまのお薬を使用してもなかなか止まらないじんましんが、H2ブロッカー(胃の薬)を使うとピタリと止まる患者さんが数多くいらっしゃいます。
 
今あなたのお使いの胃薬の名前とその成分を教えてください。
 
(2)約20年くらい前に、妊婦さんが動物性たんぱくを一切制限すると、生まれてくる赤ちゃんがアレルギーにならないってということを言い出したグループがありました。
 
確かにアレルギー関係が極めて濃厚な妊婦さんは卵や牛乳などを控えめにするとお子さんがアレルギーになりにくいという傾向はときに見られます。しかしながら一般的には制限は全く意味がありません。
 
この10年この10年間にあったようされた世界の多くの医学論文は、妊婦さんの極端な食物制限の有効性については否定的な結果を出しています。
 
食物制限で1番問題なのは牛乳です。妊婦さんが牛乳や乳製品を取らないと、どうしてもカルシウムが不足します。母親のカルシウム摂取量が不足すると、胎児の骨は母親の骨や歯を溶かして作られます。これは母体にとっては少しも良いことではありません。戦前の多産であった日本人の女性は中年になると歯や骨に問題が起きやすかったのは乳製品の摂取量の不足によるカルシウム不足が主な原因です。
 
現在あなたの程度のアレルギー体質がある場合の妊婦の食生活としては、牛乳は乳製品も含めて1日の摂取量が約200-250ml、卵は生卵を控え、卵製品に換算して週に2-3個までとする。食事は基本的に和食とし、肉が欲しければそれに追加する。
基本的にこのような食生活をすれば、近年の妊婦さんの問題点のひとつである妊娠中の体重の増えすぎも予防できることにつながります。
 
妊娠中は上に述べたような食生活を行い、大事な点はむしろ生まれてからの赤ちゃんの管理にあります。なるべく母乳にするとか、離乳食の開始時期は体重6キロ以上または生後6カ月を目安とします。
 
日本でもあるグループは3ー4カ月ころから果汁などを乳児に与えるとものの味がよくわかるようになるなどと言って、早期に母乳や粉ミルク以外のものを与えるようですが、それはアレルギー的にはよろしくないといえましょう。
 
お礼&質問
丁寧なお返事ありがとうございました。まさに、じんましんは殆どの場合、夜9時ごろから出始めます。
じんましんが始めて出て暫くしてから胃腸科で胃カメラを飲んだところ、胃潰瘍だと言われました。今でも、胃が傷む時がありますが、内科で薬を貰っています。
 
○今までもらっていたお薬
ガスロンN マイレン酸イルソグラジン プレテカジン ラフチジン アレグラ 塩酸フェキソフェナジン ムコスタ錠 レバミピド ラクスパン 耐性乳酸菌 ロペミン 塩酸ロペラミド
 
豚肉・カップラーメンなど食べると、その時にはじんまんが出ず、夜になると猛烈に痒くなります。また、胃にピロリ菌が多いと、じんましんやアレルギーが出やすいと、聞いたのですが、そうなのでしょうか。。。。
 


Q8 アメリカにてアレルギー発症

 
はじめまして。
主人の転勤に伴いカリフォルニアに来て半年の主婦です。
渡米後三ヶ月間毎日のように蕁麻疹が出ました。当初、乾燥か水が合わないせいかと思い、ほっておきましたが、良くならないので日本語の話せる先生(内科)に見てもらいました。診察の結果「アレルギーは、原因を特定することは難しいですが、牛肉・豚肉・牛乳等とらないように」と言われました。
その後は、牛乳の代わりに豆乳を取るなど食事制限と薬の併用で、かゆみに悩まされることがかなり少なくなりました。
 
先日、朝起きると唇や瞼が異常に腫れて少し堅くて痒く、外にでれず家に居たら夕方には腫れがひくという事がありました。
そして、昨日の夜も上半身に根の深い湿疹が出来、今朝はヒザ・ヒザ裏、太もも、足首まわりと足全体にひどい蕁麻疹が出てしまいました。唇もひりひりしています。思い当たる食べ物は長芋(とろろ)くらいです。お肉は食べていません。
 
日本に居たときは、何を食べても大丈夫だったので、突然体が弱くなった様でとても不安です。カリフォルニアの中でも日本人が多く便利な地域に住んでおり、特にストレスはありません。
何が引き金となったのでしょうか。
血液検査はしていないので、蕁麻疹が出るたび悶々とした気持ちになります。
ちょうど仕事も辞め、子供も欲しいなと思い始めた時期です。現在は蕁麻疹がひどい時に薬を飲んでいるのですが、今後妊娠した時のことを考えるとこのまま薬を飲み続けることに抵抗があります。
お忙しいとは思いますが何かアドバイスがありましたら是非教えて下さい。宜しくお願い致します。
 

A8 じんましん(妊娠中の薬物治療)

 
じんましんはその原因から分類すると、食物性じんましん、薬物性1マシン、温熱性じんましん、寒冷じんましん、ストレス性じんましん、感染性じんましんなどがあります。これらの外因がはっきりしない場合に体質性じんましんと表現します。
 
はっきりした原因が見つからないときの、じんましんの原因探しはなかなか大変です。日常生活の食生活や生活環境などのさまざまな原因をもう1度専門医と相談して、洗い直す必要があります。しかしそのような努力を払っても原因がなかなか見つからない場合は少なくありません。
 
そのような場合には薬物治療が中心となります。近年は眠くなりにくい抗ヒスタミン薬が開発されていますので、それら使うことにより、日常生活にあまり支障をきたさずに治療することも可能となりました。これらの薬は何種類かありますのでご自分に合うタイプを探してもらうとよいでしょう。
 
通常これらの薬を使用しじんましんを治療しますが、場合によっては2剤併用することもよく見られます。いずれにしろ、まず薬で2-3週間全く症状が出ないようにコントロールしたうえでゆっくり薬を減らしていきます。
 
さて万一妊娠中にもじんましんの治療が必要になったの場合ですが、注意すべき点は、妊娠の4週から8週までは受精卵が活発に細胞分裂していますので、この期間はお薬はお使いにならない方が賢明です。それ以後、どうしても治療が必要な場合には、妊婦さんも使用することがガイドラインによって勧告されている抗ヒスタミン薬がありますので専門医と相談しながら、それをご使用になるとよいでしょう。
 
肉類を食べないようにという主治医のアドバイスは、医学的根拠があるものです。動物性タンパクやリノール酸を食べ過ぎると体の中がアレルギー性炎症を起こしやすくなるため、じんましんが治りにくくなる場合もよく見られます。それ以外にもチョコレートや辛いものの食べ過ぎは皮膚を刺激するために、じんましんの方は注意が必要です。
 
基本的には和食を中心とし、どうしてもお肉が欲しければを和食を食べた後に、お肉を1皿追加するといったような、バランスのとれた食生活が望ましいといえます。
 
私のホームページの中のQ&Aコーナーにはじんましんに関するご質問がたくさん寄せられています。お読みになると何かヒントとなるかもしれません。
 


Q7 動物アレルギーと妊娠について

 
幼い頃からずっと犬やネコといっしょに平気で生活をしてきました。でも結婚して実家を離れてから急に動物に対してアレルギー反応が出るようになったのです。実家が近いのでよくペット達に会いに帰るのですが抱っこしたりキスしたりすると、口や目が痒くなったり、クシャミ鼻水が止まらなくなるのです。これって、やっぱり動物アレルギーですよね。。。このホームページを拝見すると原因には近づかないのがイイと書かれていたのですが、これから妊娠を考えている私にとって妊娠中や出産後に実家に戻らない、というわけにも行かず困っています。もちろん大好きなペット達に会えないのも悲しいです。妊娠中にアレルギー反応が出ると赤ちゃんにも影響が出るのでしょうか。やはり妊娠中に実家に帰るのも良くないんでしょうか?
 

A7 ペットアレルギー、ペット感染症

 
大変ペットがお好きなようですね。それ自体は結構なことだと思います。
お話しよう伺うと、現在ペットと濃厚な接触をすると、眼、鼻にアレルギー症状が出ているようです。このことはペットの体から出る何らかの成分があなたの皮膚や目の粘膜に入りアレルギー症状を起こしているということを示しています。
従って基本的には妊娠中は接触の回数を極力減らされることが望ましいと思います。
 
妊婦中のもう一つ注意すべき点は、動物から寄生虫が感染するペット感染症です。そのなかでもトキソソプラズマ症は胎児に奇形を起こすことがあるので、やはり妊娠中はペットとの接触は、つらいでしょうが極力控えることをおすすめします。
お礼メールと心配事
お返事ありがとうございます。妊娠中のペットとの濃厚な接触は控えたいと思います。でも軽く触ったり、いっしょにいるだけでも症状が出てしまうときもあります(悲)こんな場合でもマズイですよね?(赤ちゃんにも悪いのかな)出産間近の実家への長期の里帰りなんて無理なんでしょか。。。帰らない方が良いのかと不安になっています。
 
回答
お気持ちお察しします。
どうしても触りたければ、前もって抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などを内服してから触ると言う手もありますが、妊娠中は余計な薬は飲まないほうがよいので、この方法はまったくお勧めできません。
それより、前向きに考えてこれから生まれてくる赤ちゃんのこと、そしてお子さんを何人か育てることを考えたほうが楽しいですよ!人生前向きに行きましょう。
 


Q6 妊娠中のアレルギー治療

 
はじめまして。現在妊娠5ヶ月です。3週間前からくしゃみ・鼻水がひどくなり、夜も眠れないほどになってしまいました。もともとアレルギー体質で以前アレルギーテストをした際、すぎ・よもぎ・イネ・ダニ・ほこり・・・10品目くらいほとんどすべてに反応してしまいました。しかし今まではあまり症状がでていませんでした。
このままの状態では一日中鼻がムズムズしていて落ち着かず、また生まれてくる赤ちゃんにもアレルギーの影響があるのではないか、と心配です。今、母体と胎児にアレルギーの影響が少なくなるような治療はあるのでしょうか。教えてください。
 

A6 妊娠とアレルギー

 
妊娠することによりアレルギー症状が軽くなる場合と悪化する場合があります。あなたの場合残念ながら後者のようです。
 
妊婦さんのアレルギーの場合でもいくつかの点に気をつければお薬は使えないことはありません。
妊娠の8週までは内服薬は使用しないことが特に望ましいといえます。
それ以降では妊婦さんでも使用しても構わないお薬に抗ヒスタミン薬の内服があります。また内服薬が心配の場合には、点鼻薬をうまく組み合わせることにより症状を軽くする場合が多いのです。
あなた自身の苦痛が激しい場合には、点鼻薬がよいでしょう。妊婦さんの場合使用しても安全なタイプの点鼻薬もあります。
 
今の時期、鼻の症状がひどい時にはまず考えることはイネ科の植物による花粉症でしょう。そしてそれと同じくらい重要なのは室内のハウスダストの管理です。寝室の中のハウスダストの量が多いと鼻症状は特に強く出ます。
 
ハウスダストについては私のホームページのIllnessの項目のアレルギーを起こす物質の中に、チリダニ対策というのが出ております。昔はハウスダストアレルギーと言いましたが現在はハウスダストの中でアレルギーを起こす主な原因物質はチリダニであることがわかってきました。従って家庭内とくに寝室内のチリダニを減らすことが日常生活において最も重要であるといえるでしょう。
 
おなかの中の赤ちゃんについてはその赤ちゃんの遺伝子の半分はあなたであり半分はご主人であることから考えると、もう受精した瞬間にその遺伝子による体質が決定されています。
 
ですから今あわてるてることはあまり良いことではありません。妊婦さんが心理的や精神的に不安になるとにそれ自体が妊娠に悪影響を与える可能性もあります。ですからハウスダストの管理をしっかりし食生活に気を付けながら出産まであなたの体調を維持することが大事です。
 
その後赤ちゃんが産まれてから、母乳にするか、人工栄養にするかまたは離乳の開始をなるべく遅らせたり、離乳食の内容はどのようなものからスタートするかなどのさまざまな点について、赤ちゃんの皮膚の状態や呼吸器の状態などを見て決めていきます。
 
10年以上前にあるグループが妊婦さんが厳格な制限食をするとおなかの中の赤ちゃんにアレルギーが出ないという考えを主張したグループもありました。それによると人が卵、牛乳、大豆などのたんぱく質を制限するとおなかの赤ちゃんがアレルギーになりにくいという極端な考えでした。
 
現在のコンセンサスでは、妊婦さんの極端な食生活の制限は、生まれてくる赤ちゃんのアレルギーを特に抑制しないとされています。
 
これをもとに考えると妊婦さんは妊娠中には牛乳または乳製品を1日200-300ミリリットル、卵や卵製品を十分に加熱したものを週に2-3個というのはまず妥当な食事といましょう。
 
最後にご忠告を一言、妊娠中というのはさまざまのことが心配になりがちです。その時にアレルギーのことも心配になるのはやむを得ないと思います。しかしながら過度の心配は体にまた悪い影響を与えます。ですから妊娠中に医学的根拠を元にした注意点をきっちり行い、安らかな気持ちで、精神状態を安定させて、妊娠出産を乗り切ることが1番お薦めです。
 
そのためには以上話したようないくつかの点を実行することが大事でしょう。
 


Q5 妊娠中に注意すべき点

 
私も主人も、アトピーや花粉症等のアレルギーがあり、1歳半の息子は、食物アレルギーで小麦と卵の完全除去中です。このたび第2子の妊娠が判明したのですが、この子もまたアレルギー反応が出るのではと心配しています。妊婦である私が過度なストレスにならない範囲で、回避に向けて心がける点をアドバイスいただきたいです。
 

A5 妊娠と食生活

 
妊婦さんが極端な食物制限をすると、おなかの赤ちゃんが生まれたときにアレルギーにならないという考えを極端なまでに推し進めたグループがありました。
 
その説によると,妊婦さんが流入、卵、大豆、肉などを一切摂取しないと、胎児にアレルギーが出ないというものでした。そのために極端な食事制限をした妊婦さんも多数いました。
 
しかしながら牛乳を例にとると, 牛乳はカルシウム源としては極めて重要なものです。これを妊婦さんが摂取しないと、胎児の骨を作るために妊婦自身の歯や骨を溶かして、そのカルシウムを胎児に与えることとなります。
 
このカルシウムという点から判断すると、妊婦さんは通常1日に約200ミリリットルの牛乳を摂取することが勧められます。
 
さてこの問題について現在の世界レベルにおける医学的なデータを基としたひとつの目安は以下のようなものです。
 
(1)前に述べたような極端な食物制限をしても、非常に極端なアレルギー家族でない限り、アレルギー予防にはあまり有効ではない。
 
(2)しかしながら家族歴にアレルギー性疾患が多い場合には、1日の牛乳摂取量を200ミリリットルとし、卵は卵料理も含めて週に2-3個 とする。
 
(3)妊婦さんの食事の基本は和食とし、お肉が欲しければ肉をその後に1皿追加する。
 
(4)特定の食品用毎日毎食続けて摂取しない。もちろん主食であるおコメは別です。例えばとんかつを作ったからと言って数日間毎食、とんかつを食べない!
 
つまり通常の妊婦さんにおいては、今を話したような和食を基本とし、まんべんなく、各種の栄養素をバランスよくとることが重要です。もちろんスナック菓子を食べ過ぎたり、既製品の食品に頼り過ぎることも問題です。
 
以上のことを参考にして食生活を再点検せるとよいでしょう。
 
むしろ大事な点は、5-6ヶ月後からスタートする離乳食のやり方や、生活環境からハウスダスト(チリダニ)を極力減らしておくような努力にも目を向けられるとよいでしょう。
 


Q4 妊娠中のアレルギー治療

 
こんにちは。
先生のところに通院しておりますが、最近結婚をして川崎に引っ越しましたので、頻繁にそちらに通えなくなってしまいましたので、今日はメールにて質問させてください。アトピー性皮膚炎と花粉症で通院しておりますが、アトピー性皮膚炎の治療に青いキャップの薄いステロイド剤とピンクのキャップの保湿剤、顔用にプロトピックを使用してます。花粉症の治療に2月から5月ごろまで(檜のアレルギーもあるため)エバステルを服用してます。先日結婚しましたので、妊娠を視野に入れて治療を進めていこうと思っております。今後、妊娠の前後、妊娠中で薬の服用の仕方についてお伺いしたのですが、やはり妊娠中は上記の薬の塗布、服用はすべて避けたほうがよろしいのでしょうか?もしくは妊娠中でも使用可能な薬はありますか?
 

A4 妊娠とお薬の使用

 
妊娠4週から妊娠7週末までは絶対過敏時期と言われています。この時期は受精卵が活発に分裂増殖しているために、お薬の使用は勧められません。
この期間この期間はお薬の使用は極力控えるべきでしょう。
 
アレルギー治療に用いられる抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬はかなり安全なお薬と言われています。抗アレルギー薬はもうすでに10年以上使用されているものもあり大きな問題の報告はありません。
 
しかしながら冒頭にお話ししたようにまず大事を取ることが重要と考えられます。基本的には内服薬は中止し、やむを得ない場合に弱いステロイド外用薬を(塗り薬)を使用するとよいでしょう。
 
プロトピックは極めて有用なお薬ですか、妊婦及び胎児に対する安全性は全く不明なので、ご使用は控えてください。
 
どうしてもかゆい場合にはあるタイプの抗ヒスタミン薬が使用できますのでその際はご相談ください。
 
別のアレルギー性疾患である気管支喘息の場合、妊娠中の管理は吸入ステロイド薬が中心です。アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用薬も通常量の使用であれば問題がないと考えられます。
 
現在一般の薬局で尿を調べることにより妊娠を早期にチェックできるキットが発売されています。現在のような時期には基礎体温をおつけになったり疑わしいときにはまずこの妊娠をチェックする検査を行うとよいでしょう。
 
正しい知識を持って管理すれば妊娠中といえどもいたずらに不安を持つ必要はありません。
 


Q3 アレルギーと妊娠

 
ご相談させていただくのは初めてです、宜しくお願いします。
現在30歳、そろそろ結婚&出産をと考えています。
私は、ここ5年間でいろいろなアレルギー症状に悩まされてきました。症状がひどかったものは次の通りです。
25歳→歯の治療後に痛みがでて、バファリンを飲んだところ、アレルギー症状がでて呼吸困難、『アレルギー性喘息』(バファリン喘息とも言われました)。
29歳→5月に突然蕁麻疹が(頭部を除く全て)でる。医者を3件回ったが原因不明。食物からのアレルギーではなかった様子。(おそらく)精神的なものが要因ではないかと診断されました。お薬として弱めのステロイド(塗り薬)と抗アレルギー剤を服用。2ヶ月ほどで引きましたが、跡がのこりました。
30歳→2月に突然胃の檄痛で病院へ運ばれ、その際に点滴を受けました。が、点滴に抗生剤ホスミシン投与する段になり(以前、バファリンに当たったことがあったので)その抗生剤の反応テストをしたところ、数秒で強いアレルギー反応を示し投与できなかった。この時は、かなりなストレスから、精神的に参った状態で胃炎を起こしたようです。もともとアレルギー体質の体に、精神的ストレスという負荷が余計にかかったことで、抗生剤にも反応したのだろうと(医師から)伝えられました。
この他にも、25歳の時点でうけた血液検査では、ハウスダスト、ダニ、スギ、ヒノキ、犬、猫には強いアレルギーがあると結果がでています。花粉症には毎年苦労しており、2-6月あたりは、抗アレルギー剤が手放せない状態です。また、人ごみの中にいたりすると、体調&精神状態により突然くしゃみ、鼻水といったアレルギー症状が出ることもあります。以上が今までの主な症状です。
 
最近、健康診断をかねて医師に相談へ行きました。その際上記の症状を伝えた上で、妊娠について質問したところ、「君のようなアレルギー体質の人は、妊娠時、薬の服用が出来ないので大変です。転地療法で沖縄やハワイなどの土地に行くのが一つの方法です。」と助言されました。
これは一つのアドバイスであると思いますが、
<質問①>私のようなアレルギーを持った女性が妊娠した場合、どのようにして(薬を使わず)花粉症などを対処しているのでしょうか?前述の医師のアドバイスは、得策かもしれませんが実行するにはかなりな費用がかかり、一般的な対処法ではないと考えます。ちなみに、私は食べ物のアレルギーは一つとしてありません。
<質問②>アレルギー体質同士で子供を作った場合、生まれてくる子には健康面でどのようなリスクが考えられますか?
妊娠しにくい体(務排卵性月経)プラス、アレルギー体質、それでも子供は欲しいと思っております。何事も前向きに考えたいと思っています、上記①②についてアドバイスを頂ければ幸いです。
 

A3 花粉症における妊娠中の薬物療法および遺伝の問題

 
妊娠中ならば絶対に薬を使ってはいけないということはありません。
たとえば喘息の場合、吸入薬を使用することによって、妊娠を無事に継続させ、また胎児にも影響がないようにしています。花粉症も同様です。点鼻薬を中心に、必要に応じて安全とわかっている抗ヒスタミン薬を使用する場合もあります。
ぜんそく発作に使用される気管支拡張薬は、子宮の筋肉を緩めるために流産防止の治療薬としても用いられています。アレルギー疾患の妊婦さんを治療した経験のあるアレルギー専門医ならば、この問題はそう難しい問題ではないと思われます。
 
アレルギー科を標ぼうしていればすべてが専門医であるかどうかはわかりません。ひとつの方法は日本アレルギー学会の認定専門医であることを確認することです。医師免許があれば、いいかなる科を標榜することも認められています。ですからアレルギー科と書いてあるからその先生がアレルギー専門医であるかどうかは別の問題です。
日本アレルギー学会の認定専門医の資格を取るためには一定数の論文を書いたり、筆記試験に合格しなければ認定専門医の資格をもらうことができません。また5年ごと、に学会へきちんと参加したり、論文を書いたりしたかどうかが厳しくチェックされます。その規定に当てはまらない場合は専門医の資格を取り消されてしまいます。
 
スギ花粉症でお悩みのようですね。もし、あなたが北海道の札幌へ引っ越すならば、スギ花粉症には悩まされなくなります。しかしあなたの体質には花粉に反応しやすいという体質があるために、札幌で生活すると3―4年後には北海道特有のシラカバ花粉症や牧草の花粉症などが出る確率が高いのです。
また私の患者さんの例ですが、東京でひどいスギ花粉症に悩まされていたのですが、お仕事が都庁の方なので小笠原島で転勤となりました。数年間はスギ花粉症から解放されましたが4年目からハイビスカスの花粉症に悩まされるています。
このように花粉症の方は場所が変わるとそこの場所特有の花粉症になってしまうことがよく見られます。従って転地療法は全くお勧めできません。
 
遺伝の問題:
アレルギーは遺伝が深くかかわっている病気です。しかしながらすべてが遺伝だけで発症するわけではありません。その一例としては一卵性双生児の場合、両方が喘息であるというケースは約6割といわれています。これは日本だけでなく、世界のデータを見ても大体共通の数字といえます。
一卵性双生児といえば遺伝子は全く同じものを親からもらっているはずです。しかしながら両方が喘息にならないということは環境因子が強く関係しているということを示しています。つまり生活環境におけるハウスダストとか花粉とか食物アレルギーの影響が個人により異なるということです。
お子さんの遺伝子の半分は父親、半分は母親から受け継ぐものです。従って両親にアレルギー性疾患があればお子さんは遺伝子的にはアレルギーの遺伝を受けついている可能性は濃厚です。しかしながら今述べたように環境因子例えばハウスダストや食物アレルゲンなどの環境学問題なければお子さんのアレルギーの発症はかなり抑えることができます。
 
したがってお子さんにアレルギーの病気が出ることを心配して、子づくりをしないということは、あまりにも心配しすぎるといえなくもありません。
もしお子さんができたならば、離乳食の与え方、例えば開始の時期やその内容、さらに生活環境のハウスダストを減らすこと、この2点を気をつけることによりアレルギーの発症をかなり抑えることができます。離乳食とくに動物性タンパク(鶏卵など)の与え方については個人的に指導する必要があります。その際にはまたご相談させていただきます。
またハウスダストについてはその主な成分であるチリダニの対策については私のホームページの中のアレルギーを起こす物質の項目をご覧いただくとわかりになると思います。
お礼メール
残暑お見舞い申し上げます。この度は、ご丁寧なお返事頂き本当に感謝しております。
未婚ではありますが、質問させていただいた事柄が気にかかり、(口ではポジティブを語っていますが)実のところ結婚、出産ということに付いてなかなか前向きになれませんでした。
今回の回答を読んで、無知の恐ろしさを感じました。
自分の体のことです、もっと勉強しなければとも感じました。アドバイスいただいたことを頭において、この先のことを再度考えてみようと思います。取り急ぎお礼が言いたく…。
 


Q2 減感作療法について

 
減感作療法についての質問です。
 
妊娠の可能性がある時にこの療法を行っても大丈夫なのでしょうか?
妊娠してしまったら(妊娠の可能性がある時に治療できたとしたら)、治療はできないのでしょうか?
よろしくお願いします。
 

A2 妊婦とアレルギー

 
減感作療法についてはあまり明確な基準はありません。
 
本邦のガイドラインでは明らかな基準は記載されておりません。
米国においては<妊娠中の喘息管理ガイドライン>の中で、妊娠前から行っていた減感作療法は続けてもよいのではないか、しかし妊娠してから新たに減感作療法は初めない方が良いのではないかと述べられています。
 
現時点ではこれ以上の基準がなく、またこの問題に関してのデータは極めて乏しく、今述べたような米国のガイドラインを参考にする方法が一般的です。
 


Q1 アレルギー体質の遺伝について

 
 私はひどいアレルギー体質でアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、喘息、アトピー全てといっていいほどあります。喘息は今はほとんど発作まではいかず、その前に治めることができますが、他のものは季節を問わずひどいです。
 
 今回はアレルギー体質の遺伝についてお聞きしたいのですが。
 
 今一歳3ヶ月になる娘がいます。私の妊娠中は、妊娠中毒症にならないように、体重管理。鉄分、カルシウムなどが不足しないように、ビタミンAの取り過ぎ、などに注意していましたが、特に食事制限はしていませんでした。
 
 娘は今のところ、(検査もしましたが)卵白が少しだけプラスとでただけなので、他に広がる可能性を押さえられるかもしれない、ということでザジテンドライシロップを飲んでいます。皮膚は、ときどき湿疹のようなものが出るくらいで、特にアトピーという感じではありません。
 
 妊娠中、産婦人科の先生にも”体質は半分は遺伝すると思っていた方がいい”と言われ、この先の覚悟はしています。しかし、妊娠中にアレルギーになりやすいと言われる牛乳、卵、豆製品、豚肉などなどいろいろな食品を制限すれば子供はアトピーにはならないのでしょうか?
 
 あるHPで、妊娠中はこういったアレルギーを起こしやすい食品を食べると、子供がアトピーになるからとらない方がいい、といったことが話題になっていました。もし、それが本当であるならば、この先2人目ができたら食生活を全部変えなければいけないと思っているのですが。
 
 アトピーに関しても、アレルギーに関しても情報がいろいろありすぎて(かといって、何もないのも困りますが)混乱してしまっています。
 
 私にとっては、妊娠中にいろいろな食事制限をする方が、自分と胎児にとってもあまりよくないのではと感じてしまうのですが。妊娠中、食事制限をすることで、子供がアトピーになるのを防ぐことができるのでしょうか?
 私もまだこの先、2人目も欲しいと思っているので、ぜひ教えて頂きたく思います。よろしくお願いします。
 

A1 アレルギーと遺伝、アレルギーと妊娠

 
妊婦が妊娠中に、例えば卵・牛乳・大豆・米・小麦などこれらは5大アレルゲンといわれますが、これらの食品を食べないようにすると生まれてくる赤ちゃんのアレルギーの病気の予防に有効であるということがいわれています。
 
このような現象は確かに存在しますがすべての妊婦さんにおいてこれが当てはまるわけではありません。当てはまるのは濃厚なアレルギー家系の場合です。家系にアレルギーがあまりないは今述べたような極端な食事制限をしても生まれてくる子供のアレルギーにはあまり影響を与えません。
 
一方妊婦の側から考えると、牛乳はカルシウムの元として重要な食品です。この牛乳を不必要に制限するということは妊婦の健康維持だけでなく胎児の体のmlくらい、卵はその製品も含めて1週間に3個というのが大体の目安です。
 
胎児の発育にとってまた妊婦の健康にとって栄養補給は重要な問題なので無闇に制限することは望ましくありません。しかしながらの無制限に摂取する、例えば牛乳を水がわりに飲んだり、毎日生卵をご飯にかけて食べるなどという極端な食生活は妊婦にとって良いものとはいえません。
食事制限が必要か否かかについてはアレルギー専門医とよく相談する必要があります。とくにこの問題はアレルギー専門医、特にアレルギー小児科医と相談することをおすすめします。