カテゴリー別Q&A
喘息 Q51~Q100
Q60 ぜんそくについて
小児ぜんそくが治って、また数年前に発症しました。息苦しさが主で、あまり咳はでません。
呼吸器内科でフルティフォーム125を処方されてましたが、のどに何かひっかかっている感じになり、声がでなくなります。季節を問わずなるようです。フルティフォームの副作用でしょうか。ちなみにファンギゾンシロップを試しましたが、改善しませんでした。
レルベアに変えて声はよくなりましたが、息苦しさがでることが多くなりました。薬をかえたほうがいいのか、迷っています。いい選択肢が、あれば教えていただけますようお願いします。
A60 喘息
吸入ステロイド薬で声枯れとなる場合は、時に見られます。
そのような場合、、シムビコート、オルベスコなどにに代えてもらうと収まる場合が多いのです。
Q59 喘息の子供の水泳
プールは喘息の子供にいいと知りました。
子供(7才)はまだ5メートル程しか泳げませんが水泳教室に通い始めました。しかし、毎回、プールの水を練習中に飲んでしまうと言います。これは重度の喘息患者は大丈夫でしょうか?
A59 喘息と水泳
喘息の運動療法として、水泳が適していることは1970年代から知られていました。
そのため一時は、喘息児の水泳教室がありました。現在では、これは常識的なこととなったため、喘息児の特別コースはあまり見られなくなりました。
水泳は、湿度の高い(90%以上)の空気を吸いながらの運動ですので、吸入しながらの運動と同じです。陸上の運動で、咳や喘息発作と誘発してしまう子供でも、発作が起きにくいのです。
重症喘息児で、何度も入院を繰り返すような場合は、運動量の調節が必要です。喘息児の運動療法に熟知した専門医と相談し、プールコーチも加えたチームでケアーするとよいでしょう。
尚、プールの身児を飲み込んでも。気道に入らなければ問題ないでしょう。
オリンピックでもメダリストには喘息の人が多く見られます。女性スポーツキャスターの寺川さんは喘息ですが、50m背泳で銅メダリストです。
ちなみに、水泳ではありませんが、フィイギュアスケートの羽生選手、サッカーの有名なフォワードの岡崎選手も喘息です。古くは長野の冬のオリンピックの500mスピードスケートの金メダリスト清水宏保選手も喘息です。
喘息の運動療法に詳しいアレルギー専門医の指導の下にコーチと連携をとって、適切な運動負荷量を設定することをお勧めします。
Q58 気管支喘息、喘息について
はじめまして。まとまりない文章ですけどアドバイスよろしくお願いします。
小学生の時に風邪引いてから咳だけが長引いていたのをきっかけに病院に行ったところ小児喘息でした。それから中学くらいには落ち着いてたんですが、4年前の秋頃から急に咳が出るようになりました。特にここ3年はあまり風邪引いたり熱が出たり体調崩しやすくなりました。そのたびに気管支が苦しくなり、呼吸が浅くゼーゼー、ヒューヒューとなります。ひどくなると大幅な体重減少、食べる→咳→嘔吐繰り返し、立ちくらみ、呼吸が苦しくてトイレに行くのもしんどくて普通に歩くのも苦しく、悪化すると気道が狭くなってきてると感じで息が苦しくてパニックになりそうになりました。
病院に行きましたがアレルギーテストしてペットの犬も原因のひとつぢゃないかって言われましたが、年中ずっとではありませんし説明もあまり納得できませんでしいただいた薬りもあまり効果が見られませんでした。毎年その年によってバラつきはありますが5月~6月、秋~冬場にひどくなる確率が高いです。2週間から2ヵ月治りません。冷房や暖房の風も苦・u梹閧ナす。アレルギー性鼻炎も持ってます。睡眠、食事はしっかりしています。ストレスや疲れは関係あるかもです。
免疫力が低下してるんですか?症状が全くないと喘息だと判断できないですか?あいまいに診断されると患者としても不安ですし、何よりお医者様を信用できません。。。数日前にまた熱が出て今また症状が出ています。きちんと病院に行くべきですよね?
A58 喘息
(1)気管支喘息は、原因で診断するのではなく、気道狭窄(ゼイゼイ、ヒューヒュー)の音で診断します。
(2)気管支喘息は、アレルギー性(ほこりや、カビ、ペットの毛などを吸い込んで起きる)と、非アレルギー性の二つがあります。
非アレルギー性の原因には以下のものがあります。
感染喘息(風邪をひくと悪くなる)、月経喘息(生理の前に悪くなる)、運動喘息(運動をすると咳、喘息が出る)、受動喫煙、pm2.5の吸引で悪くなる、心理的ストレスで喘息がでる、雨の日には病院の急患室が喘息で込み合う、妊娠するとホルモンのバランスが変って喘息が出やすくなる、など様々な原因で出ます。
(3)鼻の粘膜と気道の粘膜は、同じ空気の通り道です。同じような反応を示すこともあります。これをone airway one disease (ひとつの気道、ひとつの病気)という考え方で説明します。
私たち アレルギー専門医は上記のように喘息は、様々な原因で起きるので、個々の患者さんのお話をよく聞き、その方にあった対応をしています。ご心配なら拝見いたします。
追記
お伺いしたいのは
■これは喘息と考えて良いでしょうか。
A:ゼイゼイという音が医師または、保護者によって確認され、その状態が2-3回繰り返すと喘息です。例としては、今日、病院でゼイゼイと指摘された。そういえば3か月前、半年前にも同じことがあったということになれば、喘息です。
喘息発作になれば酸素濃度は90前後に低下します。90を切ると呼吸困難が強くなります。
■犬アレルギーの影響で気管が過敏になっている可能性は高いのでしょうか?
(犬の細かい毛を吸ってしまったときは他の時と違って顎や目の周りが少し赤くなっており、アレルギー症状がでているように私は見えました。始めてみる症状でした)
A:飼っている犬が気道過敏性の直接原因かどうかの判断はなかなか大変です。犬のいない環境で2週間生活し、気道症状が軽くなり、その後、犬のいる環境に戻り、気道症状が再び悪くなれば犬が怪しいと言えましょう。(環境除去・負荷試験)
犬との共存はやめた方がいいのでしょうか。それともある程度可能なのでしょうか?(知り合いに引き取ってくれるあてがあるので。マンションのため外には出せません。)
A:犬との生活で、気道症状が以前より悪化するならば、因果関係は否定できません。
小生はイヌ派です。犬好きの気持ちはよくわかります。子供の情操にも良い影響を与えるでしょう。しかし、一緒にいたい、でも喘息の悪化が心配であれば、小児でも安全である吸入ステロイドを正しく使用する必要があります。
その場合、小児の喘息の一生を見通したうえでのアドバイスができる専門医と長期的なご相談をすることがお勧めです。
■今後喘息にならないように出来るだけの努力をいたしたくお力をお借りできたらと思います。
A:ご心配はよくわかります。お母さまだけでも来ていただけば、直接、お話を伺います。
どうぞ宜しくお願い致します。
Q57 咳の花粉症?
3~4年くらい前から、冬になると原因不明の咳が続き、夏前に自然に治まる、という症状が出るようになりました。咳がしょっちゅう続き、時には激しく咳き込み、とまらなくなり、呼吸困難に陥りそうになり、とても苦しい思いをします。からぜきが多いのですが、痰も出ることもあります。
最初に見てもらった病院では、喘息かもしれない、ということで吸引などをしました。
が、よくならず・・・6月過ぎに自然に出なくなり、通院をやめました。
その翌年、転居先の病院で見てもらうと、花粉症かもしれないといわれ、花粉症の薬を飲みました。が・・・結果は同じ。そして去年、風邪ついでに近くの病院で見てもらったら、だいたい2月~6月に咳が続くという時期的なものから、花粉症から引き起こされる気管支喘息ではないかと言われました。肺に影などはなく、花粉症のスギ・ヒノキなど3種類の反応が出ました。。(昨年は妊娠中だったため、何の薬も飲みませんでしたが・・)
多少くしゃみや目のかゆみはあるのですが、鼻はなく、咳だけの花粉症というのもあるのでしょうか。。
花粉症であればいいのですが、なにか他の原因があったら怖いので、アレルギー検査などを受けた方がよいのでしょうか。。教えてください。
年も咳が始まりました。
子供が産まれたので、なかなか病院にも行き辛いので、花粉症であれば市販の花粉症の薬を飲んだほうが良いのかどうかも悩んでいます。宜しくお願いします。
まとまりのない文章ですみません。
A57 咳喘息かアレルギー性の咳?
お困りのご様子がよく分ります。お返事をする前に、今までに受けた治療、例えばどのような吸入療法だったか、また内服薬はどのようなものであったかお教えください。分らなければ、結構ですのでその旨教えてください。お答えいたします。
2/15 返信
お世話になります。
吸入療法についてですが、お医者様より吸入器と薬を処方され、吸入器の中に薬をセットし口に当てて毎日吸入しました。。そのほかに内服薬も処方されましたが・・・気管支を拡張する薬と、あとは抗生物質だったような気がします。。詳しくはわかりません。
あと症状について補足ですが、最初は空咳ですがだんだん痰もからむようになり、気管支がぜーぜー音をたてるようになります。特に夜がひどく、眠れないほどでした。。
呼吸をすると、ほこりを吸い込むような不快感を感じることもありました。。
宜しくお願いします。
3/8 回答メール
ジャンル : 咳
咳喘息かアレルギー性の咳が考えられます。これらの頑固な咳は、吸入ステロイドや内服薬を正しく使用することにより、コントロールできるといえます。これらの薬は処方せんなしで買える町の薬局では手に入りません。きちんと検査を受け専門医に診断をしてもらい、治療方針を決め手もらうとよいでしょう。
当クリニックには、これらのひどい咳で馴まれる患者さんが数多く来院されます。年に数人、咳により肋骨の疲労骨折を起こす方もいらっしゃいます。お忙しいと思いますが、専門のクリニックを受診しきちんと治療方針を決めてもらうことをおすすめします。
3/10 お礼メール
ご回答ありがとうございました。今年はまだ症状がひどくないので・・・どうしようかと思っているのですが。一度改めてご相談に伺いたいとは思っています。
どうもありがとうございました。
Q56 喘息の子供に良い食事について教えてください
はじめまして。現在オーストラリアで暮らしていますが、こちらの植物のアレルギーのせいで治ったと思っていた喘息が再発してしまいました。
主人も子供の頃からの喘息もちのせいか、最近2歳半の息子もお医者さんに喘息の気があると診断され、気管支拡張薬を使用し始めました。食生活を変えることにより少しずつ体質を変え、治す事が出来る可能性があると聞いたので、出来るだけステロイドを使用せずに治す努力をしたいと思うのですが、(こちらで、乳製品は良くなく、蓮根を食べると良いと聞いたのですが)どのような食生活が良いのでしょうか?オーストラリアでも可能な食事療法が有れば教えてください。
A56 食物による喘息発症の予防
何らかの食物を多く摂取すると、喘息になりにくいというデータはあまりありません。
しかしながら、疫学調査ではいくつかの国において、魚を多く食べる人びとは喘息になりにくいというデータが出ています。私自身も魚に含まれるEPAという物質と喘息の関係を調べた論文を英文で出しております。
分具体的には私のホームページの中のQ&Aの70番をご覧ください。その中にアレルギー性の炎症を起こさないようにするには、動物性の油を減らしイワシやサバなどの青味の魚の油の成分(EPA、DHA)を多く摂取するとアレルギーが起こりにくくなるということが述べられております。
一方、小児喘息の発症予防には、特定の食べ物よりも家庭内特に室内のハウスダスト(チリダニ)の量減らすことのほうが圧倒的に重要です。この寝室におけるハウスダスト・チリダニを減らすことの重要性についてはこの数十年間に何百もの論文が発表され、それを裏付けています。
オーストラリアにお住まいで乾燥地帯にいらっしゃるとすれば、チリダニはあまり心配ないでしょう。しかしながら湿度の高い地域の場合にはハウスダストは要注意です。
私のホームページの中の Illness の項目をお開きください。その中のアレルギーを起こす物質・チリダニという項目をお読みください。それをお読みになれば家庭内におけるチリダニをどのように減らしたでよいかが基本的なことがお分かりになるでしょう。
ご不明の点がありましたらなんなりとまたご質問下さい。
おわりに、日本においても生活の都市化、食事の西洋化に伴いさまざまのアレルギーの病気が増えております。今日、アレルギー予防に最も勧められる食事を一言でいうならば、和食を中心とし、肉が食べたいときはその和食に肉を一皿追加すると良いでしょう。現在日本でも食卓から魚はどんどん遠ざかっております。オーストラリアも肉食なので、なかなか大変かと思います。
具体的な状況を教えいただければこれらの点について、具体的なアドバイスをして差し上げられるかと思います。
Q55 子どもの咳
先生こんにちは、子どもの咳について相談したいと思います。
7月下旬からアレルギー性のくしゃみ・鼻水・目のかゆみ・咳出てきました。もともと花粉とダニ・ハウスダストのアレルギーがあったので、市販の鼻炎薬を飲ませ症状も緩和したかと思っていると、痰のからんだ湿った咳だけがのこり今日にいたっております。症状が出たときは、田舎に帰省していたので、自宅に戻ってから8月21日かかりつけの小児科・アレルギー科に受診しました。痰きり・咳止め・気管支拡張・アレルギー疾患のお薬をだしていてだきました。7日飲みましたが、良くなりません。今日また受診しましたが、もう7日飲んでください。と言われました。本人はいたって元気です。が咳をしだすとなかなかおさまらず、苦しそうです。胸の音も正常、熱もなく、鼻症状もありません。
このまま同じくすりでよいのか?またこの症状からどんな病気が考えられるのか?
アレルギーが関係しているのか?教えてください。もうすぐ1ヶ月になります。
子ども年齢5歳9ヶ月女の子です。
A55 咳
現在使用中のお薬の名前がわからないので、なんともいえませんが、通常のお薬を使用しても咳が止まらない場合は、吸入療法などを考慮します。
小児の場合、成人と異なり、咳喘息という状態の定義は今のところあいまいですが、この咳喘息の可能性があります。
成人の場合の咳喘息は、HPの病気の説明の中の咳喘息の項目にあります。
小児の場合、咳喘息の次の可能性としては喘息前段階があります。これも咳喘息と似た状態です。いずれも、そのうち2-3割は喘息にまで発展する可能性があり、要注意です。
当クリニックでは、このような場合、ネブライザーの貸し出しなどを行い、早期に治療尾することを基本方針としています。
Q54 乳児ぜんそくの吸入療法について
1歳3ヶ月の男の子ですが、現在、乳児ぜんそくと診断され、吸入ステロイドによる予防治療をしています。
もともと、平成17年11月に、生後2ヶ月でRSウイルスによる細気管支炎に罹り、約1ヶ月間入院していました。その後は、特に呼吸器に関する問題はありませんでしたが、1年後の平成18年11月に、風邪を発端として朝晩の咳がひどくなり、病院で診ていただいたところ、細気管支炎が再発しており、ぜんそくとの診断でした。
咳がひどい時は、オノン、ホクナリンテープを使用していましたが、病院の先生から長期的な予防のため吸入ステロイド(キュバール50マイクログラム)を毎朝1回吸入するよう指示があり、現在も続けております。
質問は、この吸入ステロイドについて、①このまま当分の間、吸入を続けることによって、副作用や成長への影響は無いのか、②いつの時点まで吸入を続けることになるのかということです。幸いにも、今はひどい咳も無く、落ち着いています。
お忙しいところ誠に恐縮ですが、回答よろしくお願いいたします。
A54 RSウイルスと喘息
昨年ころよりRSウイルスによる気管支炎、肺炎が増えています。
このウイルス感染症の問題点は、それによる感染症以外に、その後喘息になりやすいという特徴があります。
RS ウイルス感染後に咳が出やすくなったり、ゼロゼロしやすい場合は、吸入ステロイドを早めに使用したほうが良いでしょう。
その場合は、ガス式吸入よりも、今年の9月に発売されるようになったパルミコートの吸入液がお勧めです。ただしこれにはネブライザー(吸入器)が必要なので、それを準備する必要があります。
当クリニックには無料のモニター用の吸入機もあります。
お話では、現在は落ち着いているようなのでこのままで経過を見ても良いでしょう。
Q53 減感作療法について
成人の慢性気管支喘息の治療においては、最近は根底にある気管支の慢性炎症状態の軽減・改善を目的とする低用量ステロイド剤がfirst choiceの治療法であると認識しておりますが、一般の人びとの耳ざわりの良い「免疫療法」という表現で減感作療法を推奨している施設があります。減感作療法を免疫療法と言い換えることについては問題はないと思いますが、減感作療法は時間とコストが要する一方、効果についての確証が乏しいことから第4ないし第5番目の治療optionではないかと思われます。この点についてのコメントをいただけませんでしょうか?
希望/要望:数年前から用賀アレルギークリニックのホームページに注目し、比較的頻繁にチェックさせていただいておりますが、(昨年暮くらいから?)ホームページの「見え方」が大幅に変更されましたよね。でも、ハッキリ申し上げて、とても見にくいです。以前の方が断然よかったです。以前のフォーマットに戻すことをぜひご検討ください。
PS:医学雑誌上で先生の考え方やご経歴を知り、アレルギーに取り組まれているNo. 1 private practitionerと敬拝申し上げております。「どこか良い施設をしらないか?」と質問を受けた場合にはアレルギー関連疾患の場合には用賀アレルギークリニックを紹介しております。実際に受診した人には好評です。蛇足ながら、postscriptとして書き足しました。
ご多忙中とは存じますが、質問事項に対するご返答をお待ち申し上げます。
よろしくお願い申し上げます。
A53 減感作療法と喘息
貴重なご意見ありがとうございます。HPの製作スタッフと相談し、ご意見を参考にさせていただきます。
減感作療法はスギをはじめとする花粉症にもっとも有効です。喘息については、ハウスダスト(チリダニ)喘息であれば比較的有効ですが、非アレルギー型(感染型など)のタイプには効果は期待できません。
30年前は喘息治療に広く行われましたが、現在ではあまり行われていない理由としては注射用のアレルゲンの問題があります。
理論的には減感作療法にはできるだけ純粋なアレルゲンを患者さんが耐えうる最高量のアレルゲンを注射します。したがってハウスダストよりもその主成分であるチリダニで減感作療法をすることが理想的です。
何年か前に、ある病院でチリダニで減感作をした患者さんが重症なアナフィラキシーを起こしました(死亡例かは不明です)。メーカーはPL法もあり、責任を取りきれないということで、チリダニエキスの使用を実験室内の実験に限り、臨床での使用については認めない方針を採りました。専門医にとっては減感作療法を行っている限りこのアナフィラキシーの可能性は常に頭にあり、それが起きたときにはすぐ治療できる体制をとっていますが、一般的にはかなり心配になります。
チリダニ喘息にはチリダニで減感作療法するのがベストですが、上に述べたような理由で力価の弱いハウスダストで減感作療法をせざるを得ないことも、効果が今ひとつという原因かもしれません。チリダ二喘息に対する急速減感作療法というのがあります。入院して15分おきに注射をしてゆくやりかたです。これは有効であるという報告がありますが、どこでもできるわけではなく、追試のデータが十分にあるわけではありません。ハウスダストが主な原因アレルゲンでそれからの回避が困難な場合に試すべき方法といえましょう。すべての患者さんにあてはまる治療法ではないでしょう。
ちなみに当クリニックでの減感作療法の現状は以下のようです。スギ花粉症の 減感作療法は40-50人の患者さんに行っています。HDによるアレルギー性鼻炎には3人、喘息には2人のみです(この二人は東京に転居してきた方たちで、以前の治療を継続して欲しいというご希望でした)。4年間で減感作療法の注射後のアナフィラキシーは4人に見られましたが、直ちに治療をして特に問題はありませんでした。
Q52 子供の咳とアレルギー
3歳3ヶ月の子供の咳についての相談です。
昨年9月末に風邪をひき気管支炎になってから、風邪の症状が治まったあとも何かの刺激を受けてか一度咳が出ると1-2時間咳が続く状態になりました。そのような咳が出るのは一日に一回、全くしない日もあり、苦しく咳き込むというほどではありません。小児科医には気管支炎のあとで気道が過敏になっているためと言われ薬は服用しませんでした。11月中旬になってもそのような状態が続いたため受診したところ、また気管支炎になっていたのでジスロマック、シングレア、ゼスランを服用しました。咳が止まったので服用を中止したところ、また以前のような咳が出始めたので、シングレア、ゼスランを長期的に服用することになりました。小児科医によると何かのアレルギーと思われるが咳が今よりもひどくなったら検査をしましょうと言われました。
「アレルギー」と言われたことが気になり、小児アレルギー専門のクリニックを受診しました。検査の結果は、スギ、エビ、カニが陽性、ダニ、イヌ上皮、オオアワガエリ、アスペルギルス、大豆、マグロ、さけ、卵白が擬陽性でした。咳に直接原因となるようなものは見つからず、この先生も気管支炎のあとで気道が過敏になっているためという診断で、かかりつけの小児科医の薬の服用を継続することでいいと言われました。
12月下旬頃から咳が出ない日の方が多く1週間に1-2日程度です。時間帯は午前中が多いです。
子供の体質については、生後5ヶ月から8ヶ月くらいまで顔、体の湿疹がひどくステロイドを使用していました。その後も季節の変わり目や冬の乾燥する時期には湿疹がでましたが、2歳になった頃にすっかり良くなりました。かかりつけの皮膚科医は乾燥によるものという診断でしたが、ひどい状態のときを見た小児科医の中にはアトピーという先生もいました。
昨年、2歳の冬は風邪をよくひき気管支炎になることが多く、咳の風邪をひくと長引きやすいです。
食物については、カニは食後に口の周りが赤くなることがありましたが、他の食物に関しては変化を感じた(気づいた)ことはありません。
質問ですが、
1.シングレアとゼスランを飲んで2週間ごとに受診し様子を見ていますが、薬の常用に抵抗があります。他にも良い治療法はありますか?
2.アレルギーが原因だとしたら、なぜ普段は、または春夏の風邪のあとには咳の症状がなかったのでしょうか?9月末にひいた風邪をきっかけにアレルギーが発症したのでしょうか。
3.HPのQ&Aの中で今まで食べて問題のなかった食物は血液検査で陽性であっても食べていいとありましたが、基本的に食べると数値は上がり、食べなければ数値は下がっていくものなのでしょうか。
以上、お忙しいところ恐縮ですがご回答宜しくお願いいたします。関連するQ&Aを読ませていただき大変参考になりました。
A52 気管支喘息
1.お子さんの気管は敏感なようです。そのような場合、内服薬の継続的な使用が不安ならば、インタールなどの吸入両方があります。このお薬については、このHPのQ&A555 インタールに関する質問とお答え、および最初のページにある永倉先生のお薬の話、のなかにインタールの話が出ています。
2.風の原因ウイルスは100種類以上あるといわれています。その中でも、4-5種類は気道粘膜を荒らすため、風の跡に咳や喘息が悪化します。
春の風は気道刺激の少ないウイルスだったのでしょう。
3 個人差があります。血液中の抗体はあくまで参考です。最終試験は食物負荷試験です。
食べてなんらの症状が出ない食物は普通に食べればよいのです。
1/20 お礼メール
お忙しい中、ご回答ありがとうございました。
今後の治療を受けるにあたり役立てたいと思います。特にインタールのお話は大変興味深く読ませていただきました。多くの情報をHPを公開されていることに加え、このような相談の場を設けてくださっていることに大変感謝いたします。どうもありがとうございました。
Q51 アスピリンアレルギーについて
永倉先生こんにちは。お忙しいところ、ありがとうございます。
いつも質問フォームを拝見させていただいています。同じような方がいらっしゃったりして、とても参考になるありがたい場所です。
8年前に喘息&アスピリン喘息になってしまいました。その後は、鎮痛剤全般すべて使用をしていません。今の所、薬を処方されたときは、薬剤師さんと相談して飲める物だけ飲んでいるという状態です。
しかし、先日から『耳鳴り』が鳴り止まず耳鼻科にかかったところ『プレドニン』という炎症剤を渡されました。耳鼻科の先生にもアスピリン喘息の事は伝えたのですが少し不安だったので、先生に質問させて頂きました。
このお薬はアスピンリン喘息でも大丈夫なお薬でしょうか?
念のため、使用する際には昼間の誰かがいる時に飲むようにしています。もし分かる事がありましたら、教えてください。
お忙しいとは思いますが、どうぞよろしくお願い致します。
A51 フスピリン喘息
プレドニンはアスピリン喘息の治療薬の一つです。使用して問題はないでしょう。
ちなみに、耳鳴りにはプレドニンは耳鼻科でよく使用されます。
3/21 お礼メール
お忙しい中、ご返信頂きありがとうございました。
初めての薬でちょっぴり心配をしていましたが、先生のメールを見て安心して飲み始めました。
耳鳴りはまだ治りませんが頼れる薬があれば、使用してみようと思っています。
先生もお忙しいとは思いますが体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。ありがとうございました。
用賀アレルギークリニックのQ&Aシステムです。
システム説明、質問フォーム
- 蕁麻疹(168)
- アトピー性皮膚炎(101)
- 喘息(60)
- 花粉症(21)
- 食物アレルギー(190)
- アナフィラキシー(20)
- ハウスダストアレルギー(7)
- 動物アレルギー(49)
- 昆虫アレルギー(17)
- 薬アレルギー(39)
- 金属アレルギー(3)
- 口腔アレルギー(9)
- 妊娠とアレルギー(23)
- アルコールアレルギー(7)
- その他のアレルギー[6](9)
- アレルギー以外の疾患[30](92)
- 皮膚炎(52)
- 発疹・湿疹(45)
- 皮膚アレルギー(12)
- 母乳・離乳(8)
- 食物負荷・除去テスト(32)
- ステロイド(27)
- 減感作療法・舌下免疫療法(20)
- 食物減感作療法(1)
- 薬・使い方(42)
- アレルギー全般[4](48)
- 予防接種関連[2](17)
- 皮膚関連[2](13)
- その他関連[8](61)