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質問・回答(Q&A)
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Q555 インタールとはどのようなお薬ですか?
(2003.3.17・横浜市港北区・M.Yさん・31歳・女性) 

3歳の子供がカゼの後からゼイゼイし、お薬を3日間飲んでもかわらないため、インタールという吸入液とべネトリン吸入液を混合して一日3回の吸入をかかりつけ医から指示されました。
症状はかなりよくなっています。このインタールとはどのようなお薬ですか?ステロイド薬ですか。また、安全性について教えてください。


ジャンル:インタール A555


インタールはぜんそくおよび頑固な咳に対する予防的治療薬です。
治療薬として使用されるようになり約30年の間、これといった副作用は報告されていません。非常に安全なといえます。

私は30年間気管支ぜんそくの患者さんを見させていただいていますが、それまでに何十種類となく使ったぜんそくや咳の治療薬の中で、このインタールは最も副作用が少ないものといえます。

副作用が非常に少ない理由のひとつは、
この薬は吸入しても体の中に吸収されるのは5%以下である点です。吸入した後に気管の表面に一定時間を付着したあと、気管の粘液とともに胃の方に入ります。そしてその後、お尻から体の外に排出されてしまいます。この点が非常に特徴的です。

このインタールというお薬の利点のもうひとつは、咳やゼイゼイがひどいときに気管を広げて咳を鎮める
気管支拡張薬(ベネトリン、メプチンなどの吸入液)を混ぜて吸入するとより効果が上がるという点です。

この場合、患者さんの状況に合わせて、一日2-3回吸入をしたり、また夜間の咳やゼイゼイが急に悪化したときに追加で吸入します。前回の吸入から3時間空ければまず副作用はありません。

インタール開発秘話

この吸入薬の開発経過がとてもユニークです。
これを開発に大きな働きをしたのはロジャー アルトニアン博士です。博士はケリンという物質の誘導体がどうも喘息に効くらしいということをつかみ、調べ始めました。

薬のほとんどはモルモットなどの動物でその効果を調べてから、犬、サルなどと人に近い動物へそれを試していきます。最後にヒトで試して見ます。ところが、なんと喘息もちであった博士は自分を実験台にして薬の効果を調べ始めました。モルモット喘息であった博士は、モルモットの毛の抽出エキスを自分で吸入し、人工的に喘息発作を起こしながら、この発作を直すには、この開発中の物質の構造をどのように変えていったら、より効くようになるかをグループで研究し始めました。

これは驚くべきことです。漢方薬を別にすると人体実験のみを通して、薬を開発したのは後にも、私の知る限り、先にもこのインタールしかないでしょう。インタールの成分であるクロモグリク酸が発見されたのは1965年でした。

1981年から83年ロンドン留学中に博士にお会いしました。博士は小柄で温厚な方でした。驚いたことにそのときもまだ、周囲の人々の忠告にもかかわらず、自分自身に喘息発作を起こしながら、喘息薬の研究をされていました。私が先生にお会いしてから4年後の1987年、喘息が悪化し、なくなられました。1987年でした。

最後に、このようにインタールはきわめてユニークな開発経路で作り上げられました。喘息や慢性の咳は長期にわたる予防薬の治療が欠かせません。そうなると副作用が心配になるのが自然です。このようなときにインタールは最も適した予防的治療薬といえましょう。


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